青空の下、青い海に浮かぶ大きな人工島。そこはIS学園の関連施設が立ち並ぶ一帯だった。世界最強の兵器であるISについての運用方法などを学ぶ目的で作られたその場所には、世界各国の優秀な少女達が集っている。
「……一夏、いるかな?」
とある休日の早朝。まだ生徒達の大半が眠っている時刻に、簪は学生寮内の廊下をうろうろしていた。肩まで伸びた毛先に癖のある髪を揺らし、少し眠たげな表情に不安を浮かべている。その手には、コンバットスーツ姿の男性キャラがパッケージの表紙を飾る、アニメのDVDが握られていた。
簪は、とある人物を誘ってアニメを鑑賞しようと考えていた。
その人物とは、織斑一夏という少年のことだ。女性にしか動かせないISを唯一動かすことのできた男。爽やかな外見と社交的な性格のその男に、簪は惚れていた。無論、外見だけで選んだわけではない。彼女が好きなアニメのヒーローのように身を挺して人を守ることのできる強く気高い精神。学校生活を通じてそれに触れたことで、彼に対する淡い恋心が芽生えたのだ。
一夏に好意を寄せる魅力的な女性は多いが、それでも自分の気持ちは偽れなかった。
「……自分から、誘わないと」
簪は、一夏を取り巻く少女達のことを思い浮かべ、強く決心した。
不安で下がっていた眉尻を吊り上げ、眼鏡越しの強い眼差しを一つの扉へと向ける。
1025号室。そう書かれた札がある扉へと近づき、軽くノックした。
「一夏、いる……?」
緊張からわずかに震えた声で扉の向こう側へと声をかける。今日は休日で、まだ朝も早い。しかし、規則正しい生活を送っている一夏がこの時間帯に起きていることは確認済だった。
だが、扉の向こうからは反応はない。
いないのかな……? そう思いながら、簪の手はドアノブへと手を伸ばした。
ドアノブを回すと、扉に鍵は掛かっていなかった。ギィ、と音を立てて扉が開く。
すると、微かな声が聞こえてきた。女性の声。一人部屋の一夏には同室で過ごす女性はおらず、いるとしても飼い猫くらいだ。もしも女性がいるとすれば、それは一夏を狙う少女達で、簪にとっては恋敵だった。
先を越された……?
この時間にアプローチを掛けるとすれば、ラウラ・ボーデヴィッヒだろうか。
「っ……なに、今の……」
と、そう考えたとき妙なイメージが簪の頭に浮かんだ。銀髪ロングヘアの小柄な少女であるラウラが、見知らぬ一人の男に犯されているイメージだ。なだらかな胸の乳首にピアスをつけ、下腹部に子宮に似た模様を浮かべた姿。その恰好で男と裸で抱き合い、本物の子宮へと子種を注がれる。
何で、こんなものを……。
突発的に想像したにしては、悪趣味極まりないものだった。いくら恋敵だろうと、ラウラは同じ学校に通う仲間だ。国は違えども、国に選出された代表候補生として専用機を持つ点は同じで、IS学園から与えられた任務にも参戦し、幾多の障害を乗り越えてきた。
先日も、IS学園に攻め込んできた亡国機業を共に力を合わせて倒した。多くのISと攻撃が飛び交う戦場で簪は後方支援を担当し、仲間達とのコンビネーションによって完封。IS学園はただの一人も欠けることなく、再び穏やかな学園生活を手にしたのだ。
そんな盟友に近しい間柄ともなった仲間の一人に対して、抱いてしまった妙な想像。それを払拭すべく簪は頭を左右に振り、気のせいだと思いながら扉を開いて一夏の部屋へと足を踏み入れた。
女性の声がする。仲間による抜け駆けか、はたまたテレビの音声か。
そのどちらかだと、簪は思っていた。
「いち……か……?」
「は……? か、簪……!?」
予想は裏切られる結果となった。
ベッドであぐらを掻いて座っていた一夏は、携帯端末を見ながら自慰をしていたのだ。長く太く黒光りするその剛直を手で握り、扱いていたのだろう。今は驚いた一夏によってその手の動きは止まり、端末に映るアダルトな映像だけが動いている。
驚愕で互いに表情を驚きのまま固まらせ、黙する時間が流れる。
複数人の男に犯される女性の喘ぎ声が、空間に響き続ける。
それに、簪は耐え切れなくなった。遅れて感じた羞恥で瞬く間に顔を真っ赤にし、慌てて部屋を飛び出そうとする。
しかし、
「ま、待ってくれ……!」
「きゃっ……!?」
後ろを向いて足を踏み出した際に伸びてきた一夏の手に手を掴まれ、体勢を崩して後方に引っ張られながら倒れ込む。それは引っ張った張本人である一夏にも想定外だったのか。驚きの声を上げた。
引っ張られた勢いで後ろを向き、何か長く熱いものを口に咥えてしまった簪。
「うっ……!?」
どびゅっ、ごぶっ、どくっ、どくっ、ぶびゅ、びゅるっ、びゅく、どくどく。
一夏の呻き声とともに、その熱い何かが脈打って粘ついた何かを簪の喉奥へと排出する。簪が深くまで咥えてしまったことでその粘液は喉奥に直接叩き付けられ、考える間もなく強制的に呑まされる。
「ふぐっ!? ごくっ、ごきゅっ、んぐっ、ごくっ、ごくっ」
「か、簪……! ご、ごめん……!」
一夏が謝りつつ、切なげな表情で簪の頭を両手で掴んだ。
「むぐぅっ!?」
一夏の手で力強く乱暴に頭を掴まれ、さらに喉奥へと何かを押し込まれる簪。
そこまで来て、簪はようやく状況への理解に思考を割くことができた。
ベッドの上で膝立ちになる半裸の一夏と、その一夏の股間に生える何かを口に咥えて何かを呑まされている。抗えない。男性の力には生身では勝てない。ISの武装を部分的に展開すれば可能だが、何故かその考えが浮かばなかった。
長く、苦しい時間。それは、次第に弱まった一夏の手の力によってゆっくりと解けた。
「っ、ぷはぁっ……」
長い棒状の何か。一夏の肉棒を咥え、粘液である精液を飲みほした簪。一夏の手によって肉棒を口から解放し、涙を溜めた目で一夏を見た。突然のこととは言え、付き合ってもいない間柄の少女に乱暴し、イラマチオを行った一夏。
酷い、一夏……。
簪の中で、一夏に対する高い評価がわずかながら下がる。
精液の臭いが残る口を開き、簪は小さく呟いた。
「どうして、こんなことを……」
「ごめん! 簪! 本当に、ごめんなさいッ!」
一夏がベッドで平伏し、土下座をする。それを見た簪は何と言っていいのかわからなくなり、視線をさ迷わせる。まさか、好きな男性の精液を付き合う前から呑むことになるとは思わなかった。今でも信じられないほどに衝撃的なことで、これは夢ではないかと思ってしまうほど。
しかし、夢ではなかった。口の中に広がるえぐみや口内に感じた肉棒の熱や形は現実的だった。それを咥えて、精液を飲ませられた事実は覆らない。一夏には乱暴されたが、正直、普段一夏の身近にいる少女達の嫉妬による致死性の暴行を思えば、児戯程度に思えるくらいには簪の心は寛容だった。
「あ、頭、上げて……」
簪に言われて、恐る恐る顔を上げる一夏。
正座をした一夏の股間には、精液に濡れる肉棒があった。それを見て簪は視線を慌てて逸らすが、すぐにその視線は肉棒へと注がれる。硬く反り返ったそれは簪が想像していた以上の大きさと存在感で、簪の記憶にこびり付く。
『机に座って、ストリップしろ』
「ぅっ……!? だ、誰……?」
脳内で、聞き覚えのない男の声が反響した。簪は頭を軽く押さえようとしたが、その手が途中で止まる。いったい誰の声なのか、と疑問を抱いていたはずだが、それが突然どうでも良くなったのだ。
そして、一夏を誘惑しなくてはならない感情が沸き立つ。
その感情は、簪を積極的な行動へと促した。学習用デスクの上に座った簪は、清楚な私服のスカートを捲り上げた。当然黒いソックスに覆われた艶めかしい太股だけではなく、その付け根に見える白いショーツが一夏の視界に入る。
「かんざ、し……?」
一夏の意外そうな声と、驚きに染まる表情。簪は恥ずかしく感じながらもそれをしっかりと正面に見据え、さらに行動に出る。一夏が見ている前でゆっくりとスカート、そしてショーツを下ろし、脱いで見せる。
「そ、そんな……」
突然始まったストリップに一夏は戸惑った様子を見せつつも、食い入るように簪の一挙手一投足を注視していた。簪は可愛い少女だ。普段気弱で臆病な少女が見せる積極性と同世代の美少女が行う淫らな行動に、ごくりと喉を鳴らしていた。
どうしちゃったんだろう、私……。
それに対して、簪はどきどきと胸を高鳴らせながらも衣服を脱いでいく。胸元のリボンを解き、ワンピースタイプの服を脱いでデスクの椅子にかける。そのままブラジャーにすら手をかけ、一夏の視線を楽しむようにして外す。
脱いだブラジャーを指で摘まんで、左右に揺らす。一夏の視線も、左右に揺れた。
何だか、楽しい……。
一夏が夢中になって自分を見ている。その事実に独占欲が満たされ、簪は微笑みを浮かべた。黒いソックスだけを付けたまま、それ以外は生まれたままの姿。平均的だが女性特有の柔らかい膨らみや括れのある体。白い体はソックスの黒に映え、彼女の魅力を増幅させる。
『まんこを見せろ』
簪の心は、何故か自信に満ち溢れていた。いつも自信満々で不敵な姉の
他人に見せたことのない大切な場所。ピンク色に染まった女性器を、開いてみせる。
「あ、あぁっ……」
一夏の体が前のめりになった。それが面白くて、簪はもっとよく見えるようにと陰裂を大きく開いた。ヒクヒクと収縮する膣口。その上の尿道口。皮の被った陰核。左右に開いている大陰唇と、小さくヒラヒラとした小陰唇。
その全てを一夏に見せつけようと、簪は姉とそっくりな不敵な笑みを浮かべた。
「一夏、もっと近くで見ていいよ」
声の調子もいつもの弱々しいものではなく、姉のように明朗快活でハキハキと、それでいて男を誘惑する女の魅力に染まっていた。
「えっ!?」
一夏が声を上げる。まさか、そんなことを言われるとは思わなかったのだろう。
「見たくない? 女性の、お・ま・ん・こ」
「み、見たい……!」
「それじゃあ、こっちに来て? 座った方が、よく見えるから」
こくこくと頷いて、一夏がベッドから降りる。
そのまま一夏は簪の前に近づき、簪の指示に従って床に座る。
「ほら、一夏。どう? おまんこ、見るのは初めて?」
一夏の眼前。吐息が吹きかかるほど近い距離で、くぱぁと女陰を開帳する。一夏は熱を出したように顔を赤くし、その熱の籠った視線で食い入るように簪の女性器を見ていた。
気持ちいい……。一夏に見られて、体が喜んでる。
簪はぞくぞくと体を震わせた。普段とは違う理想的な自分を演じられていることに、高揚感を覚える。その理想というのが姉をモデルにしたものであり、表情もその妖艶さも姉に酷似していた。
なりたい自分になれている。自分は自分でしかないと思っていても、いざ理想を掴めると途端に人はそれにすがりついたままになる。簪も理想の自分でいたいと思ってしまった。思ったからこそ、この状況を長引かせるために一夏を誘惑する。
「一夏、舐めて?」
「え、で、でも、それは……」
「いいから、舐めなさい」
「ぐむっ!?」
簪は一夏の頭を両手で掴み、陰部に一夏の顔を押し付ける。先ほどの意趣返しだ。一夏の口が陰裂に当たり、その舌が膣口に触れる。ぬるりとしたその新感覚に簪は「あぁっ……」と声を上げ、表情を悦楽に歪ませる。
「もっと、もっと舐めて、一夏」
簪に促されて、一夏は段々と従順になっていく。舌がのたうち、陰部全体を舐めまわす。鼻息が敏感な部分に触れ、簪は口角を吊り上げた。好きな人を従え、奉仕させる喜び。それを味わって、簪は欲望を高まらせた。
もっと、お姉ちゃんみたいに……。
そう簪が思った時だ。簪の平均的な胸が、豊満になった。胸だけではない。身長も伸びて、尻の肉付きも良くなる。いきなりのことに動揺した簪は、横にある窓に映る自分を見て目を瞠った。
姉よりも髪は長いが、簪の姿は姉にそっくりだった。女性的な膨らみに富んだ我儘な身体と、自信に溢れた顔。理想の自分。将来大きくなったら、こうなりたいと思った夢の彼方。手の届かない場所にあったそれに、自分がなっている。
「ふふ……」
何が起きているのかはわからない。
「ふふっ、あははっ……」
わからないが、堪らなく幸福だった。
簪は、熱心に陰部を舐め続ける一夏の頭を撫でた。
「一夏。そろそろ、しようか?」
顔を上げた一夏。もう彼は、簪の従順な従者だ。ときには簪を守る強く優しい従者。だが、主である簪には敵わない。2人は夫婦。それも新婚で熱々の、誰もが羨むほどの深い仲だ。
簪がそう妄想すると、何ということだろうか。IS学園の寮だった部屋が一瞬にして別の部屋に変わった。広々とした部屋には家具や調度品などの生活感漂う代物が並ぶ。部屋の中心にはキングサイズのベッドがあり、そこに簪と一夏はいた。
一夏の姿も変わっていた。先ほどよりも大人びた姿。そうだ。一夏は超人気俳優で、某変身ヒーローの主役を演じた。世の女性が誰もが結婚したいと願う心身ともにイケメンな存在。そうに違いない、と簪が思うとそれすらも現実になったような気がした。
簪は、妖艶な黒の透けたネグリジェ姿でベッドの上に横たわっていた。
「来て、一夏……」
「簪……」
覆い被さる程よく逞しい体の一夏。簪の恥部へと突き付けられていた大きな肉棒が、ピンク色の恥部にある小さな穴目がけて進んだ。くちゅ、と一夏の唾液で濡らされた膣口が音を立て、ゆっくりと亀頭を呑み込んでいく。
その肉棒は女性経験のないはずの一夏に似合わない程黒々としていたが、簪は気にならない。入って来るのは、愛する旦那の男性器。そう思うと表情が緩み、挿入される痛みも和らいだ。
ぬ、ちゅちゅちゅ。亀頭が膣口に呑まれて姿を隠していく。
プツっという何かが裂ける感覚がし、血が溢れ出てシーツを汚した。処女膜を一夏に捧げることができた。幸せ。でも、これで終わりじゃない。簪は蠱惑的に笑うと、両足を一夏の腰に回して抱き着いた。
「早く、私の中に、いらっしゃい」
姉に似た体で、姉に似た顔で、姉の態度を演じて一夏を誘う。消極的な自分を捨て、身近な存在を真似することに虚しさを感じていないと言えば嘘になる。だが、それもどうでもよかった。
終わりよければすべてよし。たとえ贋作でも、遠い理想にはたどり着ける。
それでいい。もう、これがいい。簪は一夏の腰を両足で押し、誰にも侵入を許したことのない自分の最奥へと一夏の分身を誘った。
コツコツ、と亀頭が子宮口に当たる。簪の狭い膣内が一夏の極太な肉棒だけを囲み、強く密着して絡みつく。中を満たされるその圧迫感が、大事な部分を突かれる快楽と共に心地が良かった。
「ようこそ、私の部屋へ」
片目を閉じてウインクをし、一夏の肉棒を膣内で締め付けて歓迎する。
「いっぱい、楽しんでね」
簪が言って一夏の首へと両手を伸ばすと、上体を前に倒した一夏が簪に抱き着いた。
密着。体を重ねて熱を共有し、自分の吐息や鼓動すらも相手に伝える。より熱を感じようと簪が見せつけるように赤い舌を出すと、一夏の舌も伸びて口外で触れ合った。円を描くように艶めかしく動き、とろとろの唾液を互い染め合う。
一夏の腰が動いた。初めはゆっくりと簪の膣内を味わうように。
「んっ、い、一夏ぁ……。ちゅぷっ、くちゅ、くちゅっ」
「簪……。ちゅるっ、ぷちゅっ、ぬちゅっ」
上も下も、一夏と繋がる。眼前に映るのは一夏だけ。
幸せな時間は、まだまだ続く。一夏の腰遣いが次第に速くなり、簪の膣内を肉棒が掻きまわる。膣内の形は一夏の巨根専用に変えられた。臭いも擦り付けられ、これから味も覚え込まされるのだろう。
一夏によって体を支配される。それもまた簪の幸福だった。
口づけが終わり、一夏は簪の胸に顔を寄せた。そのときだ。
「くくくっ……」
「一夏……?」
一夏らしからぬ黒い笑み。ニタァと口角を上げ、その手に持つのは何かの機械。
ボタンのついた何かを持った一夏は、胸にしゃぶりつくと同時にそのボタンを押した。
直後、夢が強制終了した。
「……え?」
理想の姿だった自分が、元の自分へと戻る。表情も普段の儚げなものに戻る。
だが、簪の思考が真っ先に向いたのは自分の容姿ではなかった。
透明なカプセル。先ほどまで液体が入っていて今は排出されたのか、妙に濡れたその内部に簪は囚われていた。甘ったるい匂いが満たし、鼻を刺激する。
何故カプセルの中に自分がいるのか、それもどうでもよかった。
今、簪が一番受け入れがたい事実。
「すーっ、はーっ! すーっ、はーっ! ぷちゅ、ぢゅるるるっ、ぐちゅ」
胸の匂いを嗅いだ後、楽しそうに簪の小さな胸の膨らみにある乳首を口に咥えて吸う年上の男。乳房を手で揉み、喜ぶその男。それを見た瞬間、幸福で逆上せていた簪の頭が急速に冷め、鈍い痛みを覚えた下腹部へとぎこちなく視線を移した。
「あ……」
簪の恥部。
「あぁ……」
一夏に将来捧げることを夢描いていた花園は男の黒い肉棒で散らされ、中に突き立っている。深々と簪の内部に押し入っているそれは、今確実に大切な場所を突いていた。執拗に、思い知らせるように何度も。
一夏に捧げていたと思っていた純潔は、他人の男に踏み荒らされていた。
「ぃ、いやぁあああああ!?」
亀頭と子宮口が再び強く密着したとき、簪は悲鳴を上げた。普段ならば上げることのないような大声は、カプセル内に反響して自分を襲う。それでも構わず叫び続けるが、男には効果がなかった。
「お姉さんごっこは楽しかったか?」
そう言いながら男は狭いカプセル内で獣のように腰を振り、簪の体内を汚す。
「ひっ……!?」
太い肉棒で体内を掻き回され、その異物感と圧迫感に簪は目を剥きながらもISを起動させようとした。状況はわからない。この男が何者なのかも。だが、大切にしていた純潔を奪ったことが許せない。
ISを起動。男を退け、カプセルを破壊する。それだけでこの状況は打破できる。
だが、それはISが存在するという前提での話だ。
「な、なんでっ……!」
簪の専用機『打鉄弐式』の待機形態であるクリスタルの指輪は、いつも嵌めているはずの右手の指にはなかった。体の周囲を探してもどこにもない。
「おい」
「あがっ……!?」
肉棒でぐりぐりと子宮口を嬲られ、簪は声を上げて背を逸らした。胸が張られたことで強調された乳首が、男の指に摘ままれてこりこりと弄ばれる。
「交尾中だ。しっかりと、俺のことを見ろ」
簪は青ざめた表情で男の顔を見た。一夏とは似ても似つかない年上の男。この男はいったい何者なのか。
「っ……。ぁ、あなたは、誰……?」
「俺か? 俺は亡国機業の総帥だ」
「そんな、この前の争いで、亡国機業は滅んだ、はず……んっ! な、なんで……!」
「あぁ、そういう夢を見せた。だが、実際は違う。滅んだのはIS学園側だ。資材も人材も、全部頂いた。今、IS学園関係者は全員心と体の調整中だ。いずれ、俺の部下として活躍してくれるだろう」
その言葉を聞いて、簪は男に突かれながら「あっ……」と声を漏らした。
IS学園に突如強襲した亡国機業。他国から奪ったIS、兵器、一般兵を全て戦力として投じてきたのだ。突然の事態に迅速な対応を取ったIS学園だったが、脅威は外部だけに留まらなかった。内部に工作員が侵入していたらしく、一部の生徒や教師が首輪型の奇妙な装置によって操られていたのだ。無理に解除、または破壊を試みると自爆する仕組み。そう、敵の兵士が言っていた。
仲間を人質に取られては思うように手も足も出せず、亡国機業の兵士に、洗脳された味方に捕縛されていくIS学園関係者。その場で首輪を取り付けられ、洗脳されて増々戦力は増え、彼女達の牙はIS学園の喉奥まで食いついたのだ。
IS学園は、亡国機業に敗北した。全員捕縛され、亡国機業の兵士たちが上げた勝鬨を聞きながら輸送船に収容されていく仲間達。拘束された上で服をズタズタに引き裂かれ、武器を隠し持っていないかを口内や、膣内、肛門まで覗かれて確認される始末。その後、殺菌と洗浄も兼ねてホースでの放水を全裸に浴びせられた。専用機持ちは厳重な警備の下で護送され、兵士達によって破壊されるIS学園を後にしたのだった。
そして、全員カプセルに収容され、簪は今、男に犯されている。
「やはり、蹂躙は気持ちがいいな」
下衆さを隠すこともせずに笑い、男は腰振りの速度を上げた。
「いやっ……! こ、こんなのっ……!」
簪は現実を受け止めきれなかった。一夏との出来事が夢であっただけではなく、夢であってほしかった出来事が現実として確定されていた。拒否権はない。拒否したところで何も意味はなく、虚しさだけが胸中に残る。
パチュ、グチュッ、ヌチュッ!
男の肉棒が水音を立てながら簪の膣を味わっていく。
「いい夢は見られたか? ようこそ、現実へ。歓迎しよう」
「やだ……嫌っ……!」
ブチュッ、ヌチュチュ、グニュッ!
「否定しても無駄だとわかっているだろ?」
男が簪の耳元に顔を寄せ、舌で耳穴を穿る。
「ひっ、ぁ、ああっ……!」
「残念。これは現実だ」
悪夢だった。しかも、覚めることのない悪夢。
「これからお前は、俺の物になる。だから俺は、お前を更識簪として愛そう。姉ではなく、お前をお前として見てやる。姉に比べられることにコンプレックスを抱いているそうだが、俺はしっかりとありのままのお前を愛せるぞ」
滔々と告げる男。簪は耳を貸さず、男に抵抗して体を押し退けようとする。だが、生身の少女が大人の男に勝てるはずもない。男に上から圧迫され、話しかけられ、心も体も押し潰される。
「だから、俺の子どもを孕め。俺のためだけに生きろ」
男はそれだけ言うと、ラストスパートに入った。
まるでそういう技であるかのように、簪の膣内に連続で突きを放つ。既に体力を奪われていた簪に対して容赦のない攻撃に、HPは限界ギリギリまで削られた。簪のターンは来ない。救いも現れない。
透明なカプセルのガラス越しに、簪は外の光景を目にした。
白衣を着た女達が、熱心に仕事をしている。他のカプセルの様子やディスプレイなどを確認し、コンソールのキーボードで何かの入力を行っている。
「ぁ……」
ディスプレイに、楯無の姿が映った。カプセルの中で目を瞑り、酸素供給マスクや様々なチューブに繋がれた姉。見たくなかった、敗北した姉の末路。
いつも不敵なその表情は、苦痛に満ちた寝顔だった。何かの情報が頭に送られているらしい。次第にその操作が終わると、すぐ横のカプセルが開いた。近くにいた白衣の女がカプセルに手を入れ、チューブなどを取り外すと、中に入っていた人物の両脇に両手を差し込んで上体を起こさせた。
更識楯無だった。全裸を晒して力なく俯く。
「お姉ちゃん……」
簪はカプセルを拳で叩いた。男は「再会できて良かったな」と言いながら腰を動かす。限界が近いようだ。瞳に情欲の鈍い光が現れ、下劣な笑い声を漏らして簪の内部を徹底的に汚す。
「お姉ちゃん……!」
何度も、無駄とわかっていても簪はカプセルを叩く。だが、楯無は気づかない。
そして、再びカプセルを叩こうとしたところで、複数人の女によって楯無は運搬されていった。
「お姉、ちゃん……」
楯無は何をされるのだろうか。強烈な不安を抱えた簪は、簪の胸に吸いつき、吸引跡を残す男を見た。それに気がついた男が、ニヤリと笑った。瞬間、全身に鳥肌が立つ。この男に、姉も犯される。
そう考えると、絶望しかなかった。
簪は、一度目を閉じてから目蓋を開いた。閉じる前に見えていた感情の光はなくなり、心ここにあらず。辛い現実から目を背け、彼女は心の奥底で膝を抱えて蹲った。
ぐちゅ、ぶちゅんっ、ぬちゅ、ぐちゅっ。
先ほどよりも大きく、硬い肉棒が簪の中で激しく暴れ回る。
後、どれだけ汚されれば終わるのだろうか。出来る限り省いた思考の中でそう考え、簪は「うっ」という男の呻く声を聞いたと同時に思考を停止させた。
どびゅるるるっ、ぶびゅーっ、ぶりゅりゅっ、どくっ、どくっ、ごぶっ、ごぼっ。
亀頭が最奥を突いた瞬間、精液が流れ込んできた。簪の子宮にびちゃびちゃと精液を撒き散らし、汚していく。みっちりと最後まで精液を押し込み、その子種が芽生えるのを待つように亀頭で子宮に栓をした。
「一発目だ……」
気持ちよさそうに呟いた男の息が、簪の頬に当たる。
「っ、ぅ……」
心を閉ざそうと心掛けても、それは所詮人為的なものだ。純潔を奪われた上で好きでもない相手に種付けされた乙女の屈辱は計り知れず、せき止めきれなかった感情が涙となって簪の頬を汚す。
涙が渇き、頬に涙の跡を残し始めた頃、再び男の腰が動いた。
この世界にもう、ヒーローはいない。いるのは、ヒロインを蹂躙するヴィランだけだ。