◆ ◆ ◆
空には深い蒼穹が広がり、その中を点々と浮かぶ白雲は蛇足とばかりに時折太陽を隠している。
外に干した洗濯物がよく乾くであろう、微風が吹いて止まぬ晴天の好日。アクセルの街では子供たちが無邪気に笑い声を上げながら、天より降り注ぐ輝きの恩恵に預かり、和気藹々と遊びに興じているであろう。
ジメジメとした影など、一片も関連しそうにない光景だ。
しかし――ここに、2人の男女が爛れた関係の元に、ジメジメと蒸し暑く、圧し掛かるような暗がりの中、体を交えて乱れている。
「んくぅぅあああぁぁぁんっ!」
声を上げたのは、ダクネスである。服を脱ぎ捨てて全裸になり、鬱蒼とした緑の広がる大地に犬のように四つん這いになっている。小刻みに体を前後し、桜色の唇をだらしなく半開きにして
「はぁんっ! はぁんっ! はあぁんっ!
もっと、もっと、もっと奥に突いて、突いてぇ!」
炎が吹き出しそうな程に顔を上気させ、獣のように咆哮を上げ、蕩けるような恍惚の表情を張り付けて乱れる。ブラジャーの無い乳房が嵐の中で揺れるブドウのようにブルンブルンと大きく揺れ動き、その表面を流れる汗がビンビンに勃起した乳首を伝って大きな滴となり、暴れる乳房の動きによってパタパタと四方八方に振り撒かれる。
彼女がこんなに淫靡に乱れているのは、勿論独りの力によるものではない。彼女の背後にピットリと沿って立つ、男の姿がある。
下半身を剥き出しにし、いきり立った男の怒張をダクネスの胎内に突き入れ、ズコッズコッと腰を前後に振って膣と子宮口を亀頭や陰茎で味わうその男は――カズマその人である。
「もう音を上げるのか、この雌豚ッ!
こんなにガバガバに突きまくってるってのに、ますます締め付けて来やがって、聖騎士様ならぬ"
まだイくんじゃねぇぞ!」
罵声を張り上げて容赦なく大きく腰を降るカズマの表情は、残虐とも取れるような暗く輝く
「はぁんっ! んんぅっ! もぉっ! わたしぃっ!」
カズマの更に激しくなった腰振りに、ダクネスは今にも卒倒しそうな程に白目を剥き、ベロリと垂らした舌からはボタボタと唾液の滴を垂らす。
一方で――激しく擦れ合っているはずの臀部からは、"パンパン"と云ったぶつかり合う音も響かなければ、ポタポタと情欲の汁が混じり合った粘水の垂れる音も聞こえない。
何故ならば――ダクネスとカズマの臀部から下は、蜘蛛糸によってグルグル巻きに拘束され、"一体化している"と評しても過言ではない状態になっているからだ。音は勿論、性器の接合部から垂れる粘水も、すべて蜘蛛糸によって阻まれてしまう。
この蜘蛛糸は勿論、森に潜むエロ蜘蛛ことジキテリオが作り出したものである。
この糸は女性に対して、催淫や性感を倍増させる効果がある。ダクネスはその影響をまともに受けて、ペニスを膣に突き込まれる感覚を意識が吹き飛ぶ程の強烈な快感と共に味わっている。
もはや、脳幹が性感の爆発によって吹き飛び、気が狂ってしまう程だ。
「あへえええぇぇぇっ!」
カズマが何度も何度も腰を振った、その時だ。カズマが射精するよりも早く、ダクネスは膣からジンジンと脳天に突き抜ける快楽に敗北し、独り絶頂に達してしまう。
紅潮し切った顔をダルダルに緩め、白目を剥き出しにし、顎が外れそうになるほど大口を開いて、盛大なアヘ顔を晒す。汗ばんだ肉体はビクビクビクッと激しく痙攣し、生暖かな飛沫が四方八方に飛び散る。
「何1人でイってンだよ、ドMッ!」
カズマがそう罵りながら、平手でダクネスの背中をピシャンッ! と叩いた瞬間。ダクネスの膣がギュウゥゥッ! と強烈に締め付けてくる。
この強烈な愛撫には、カズマも抗うことが出来ない。実際にはこれまで何度も何度も我慢し、尿道の末端付近までせり上がっていた精液は、遂に強烈な膣圧によって搾り出される。
ビュルビュルビュルビュルッ! ドクドクドクッ! ドビュルルルルッ! 粘っこい白濁が爆発的に噴出し、ダクネスの胎の中をミチミチに満たす。
「あへぇうへぇあうあうへぇぇぇっ!」
絶頂している所に更に精を注ぎ込まれ、ダクネスはガクガクガクッと体を激しく震いながら絶叫する。強化された快楽によって、膣が精液の生暖かな奔流に飲み込まれて溶けだしてしまった気がする。
その一方で――。
(ふわああああぁぁぁぁぁっ!)
ジキテリオがダクネスと共有した快楽を味わい、絶叫をカズマの頭の中に注ぎ込んでいたが…もはやカズマは文句を言うこともなければ、萎えることもない。
それは、ダクネスに思いっきり精をぶつけて虚脱感を得ているからというのも一つの理由だが。もっと大きな理由としては、もはや慣れきってしまったという事がある。
そう、カズマとダクネスの爛れた関係は、もはや一週間を超えて続いている。
◆ ◆ ◆
「きょ…今日もよかったぞ、カズマ…」
暫く気を失った後、起き上がったダクネスは、全裸のままその場に座り込み、
「このままなら…前に父上に言った時のように…お前の子が、私の胎に宿るかも知れないな…」
そんな事を語りながら、ダクネスはカズマの精がトロリと漏れ出す秘裂を眺めながら語る。
(うむ、本当に素晴らしかったぞ)
ジキテリオも語る。その言葉は今や、ダクネスの意識にも投げ掛けられている。
ダクネスはカズマからジキテリオの事を紹介されて以来、ジキテリオと言葉を交わす仲にもなっている。
(お前たちの体の相性は最高だ。今すぐ家庭を築いても問題あるまい。子宝に恵まれた、円満な家庭を築けることだろう)
そんな評価を受けている最中、カズマは使い捨ての布でイチモツを入念に拭き、脱ぎ捨てていたズボンをさっさと身に付けると。とんでもない言葉を吐き出す。
「…そろそろ、飽きてきた」
その無情な言葉にジキテリオは(何ぃ!?)と叫び、ダクネスは「はぁうっ!」と顔を赤くしながらクラリと体を震わす。前者は常識者の反応、後者はドMの反応である。
ジキテリオの反応は至極当然のものだ。散々体を交わし、キズモノとなってしまった女性に対し、慈しみの言葉を吐くでなく、切り捨てる冷酷な言葉を吐き捨てたのだから。まさに鬼畜の所業である。
(お前は鬼かッ!)
「変態エロ蜘蛛に言われたくない。
確かに、オレは飢えちゃいたが、こう毎日同じ体を抱いていると、飽きてくるんだもん。仕方ないだろ」
(この人でなし! クズマ! カスマ! 貴様こそイチモツを切り取られてしまえ!)
ジキテリオが罵る一方で、ダクネスは相変わらず全裸のままでウットリとしながら、
「やはり、私の見込んだ男だ…!
満足行くまで体を交わした後は、ボロ雑巾のように使い捨てる…!
くぅぅぅぅっ!」
などと、ネジの外れた思考で絶賛する。ドMの鑑である。
「いやさ、ダクネスの体が悪いってワケじゃ、決してないんだぜ」
カズマは腕を組みながら、理屈臭い言い訳を口にし始める。
「むしろ、ダクネスの体は極上だ。料理で言えば、最上級の肉を使ったステーキって感じだ。
だけどな、そういうステーキを毎日食ってばかりだと、不意にご飯と味噌汁と漬け物だけの質素なメニューが恋しくなる時ってあるだろ?
そんな感じなんだよ。つまりこれは、鬼畜でも何でもなくて、極々自然な人間の摂理なんだよ」
カズマは1人納得して、うんうん、と首を立てに数度振るが。ジキテリオは多数ある蜘蛛の瞳でジト目が作れるのならば、作りたくなる気持ちで彼を睨む。
そんなジキテリオを察してか、カズマは彼に視線を向けてこう語る。
「お前だって、ダクネス以外の女の子の体の感覚を味わってみたいって欲求、あるだろ?」
(そ、それは…まぁ、興味があるのは、確かだが…)
「だからさ、次の犠牲者…おっと、生け贄…おっとっと、お相手を連れて来ようと思う」
そしてカズマはニヤリと影を含んだ笑みを浮かべて、こう付け加える。
「そしてもう、その相手の目星はつけてある」
その屑っぷりにダクネスは盲信者のような興奮の笑みを浮かべ、ジキテリオは冷たい視線を向けながらも、胸中では新しい刺激への期待を膨らませる。
こうしてクズマ…いや、カズマは新たな魔手を伸ばす――。
◆ ◆ ◆
「2人は今日も遅かったですね!
何処で何をしてるんですか!? いい加減、教えてくださいよ!」
館に帰宅したカズマ達に真っ先に声をかけたのは、頬を膨らませためぐみんである。
彼女はこの一週間程と云うもの、毎朝カズマに爆裂魔法の練習に付き合えるかを確認しては断られ、カズマの帰宅と共に真っ先にこの詰問をぶつけることが日課になっている。
ダクネスはこの状況がもう一週間続いているというのに、毎度ながら頬を赤く染めてモジモジし、なんと答えようかと考えあぐねているのだが。カズマと来たら、持ち前の悪知恵をふんだんに働かせ、ペラペラと嘘八百を並べる。
「だーかーらー、いつも言ってるだろ? 魔獣の調査なんだって。
あの森は暗くて広いから中々魔獣に遭遇しないくてさー。会えても、こっちの気配を察知してなのか、すぐに隠れちゃって、調査どころじゃないんだよー。
まだ暫く掛かるなー、こりゃ」
「それなら、私も連れて行って下さい!
私もお手伝いします! 荷物持ちだけで結構ですから!」
めぐみんがこう食い下がるのも毎度の事だ。この光景を見ると、カズマはめぐみんがパーティ加入を希望してきた時の事を思い出す。
…しかし、何故今、ここまで同行する事に対して食い下がるのか。カズマは理解できないでいる。真っ先に「森が大火事になったら大変だから、爆裂魔法なんて物騒なものを扱うお前は連れて行けない」と釘を刺していたのだが。
加えて、そんなめぐみんが鬱陶しくてたまらなかった――今までは。
しかし、この時のカズマは口の端にひっそりといやらしい笑みを浮かべつつ、めぐみんの悲願を快諾して首を縦に振ったのである。
「お前もしつこいよなー、荷物持ちで良いからなんて、一週間言い続けてさ。
そんなに言うなら、荷物持ちとして連れて行ってやるよ」
「ホントですか!」
めぐみんは不機嫌な曇り顔を一変、真夏に咲き誇るヒマワリのような輝かんばかりの満面の笑みを浮かべ、身を乗り出してくる。
同行するのが、相当に嬉しいのだ。
「ああ。こう毎日毎日せがまれてちゃ、一々断るのも面倒だからな」
カズマは溜息を吐きながら、"やれやれ"と首を左右に振る。
「ただし! 絶対に爆裂魔法は使わないと誓えよ! 大火災とかマジで洒落にならないからな! また国家反逆罪みたいな大事で逮捕されちゃ敵わんからな!」
「はい、勿論です! 誓います、誓います! いくらでも誓います!」
両の拳をギュッと握りしめ、興奮一杯に頬を赤らめて声を張り上げる、めぐみん。
そんな様子をアクアは、リビングの椅子にだらけた姿で腰掛けて菓子を頬張って見守っていたが…何も言葉をかけることはない。その胸中では、"毎日のめぐみんの練習の付き合いから解放されて気楽だなー、明日からのんべんだらりの生活を思いっきり送れるわー"、程度の軽い感想を浮かべるだけである。
――カズマが、拒み続けてきためぐみんを受け入れたのは、勿論思惑がある。
なにしろ彼女こそ、カズマが定めた次なる獲物なのだから。
「あいつはダクネスと対極と言って存在だ。女性としての体つきは貧相で、いわゆるロリ体型だ。まさに粗食と言うのに相応しい。」
昨日、森での淫行を終えたカズマはそんな事を語っていたが…その言葉通りの目的の他に、別の目的がある。
カズマは、ジキテリオを利用した淫行をめぐみんだけで終わらせるつもりはない。もっともっと他の女の子を引きずり込んで快楽の虜にし、思いっきり楽しみたいという鬼畜な計画を抱いている。
この計画において一番の障害になりそうだったのが、めぐみんなのだ。
(あいつは中二病じゃあるが、基本的には常識人だし、賢い。もうすでにオレとダクネスの関係に疑念を抱いているようだが、何らかの方法でオレ達の関係を把握する可能性が高い。
そうなればあいつは、絶対にギルドにオレ達の事をチクる。森はジキテリオと共に危険と見なされて焼き払われ、オレは蜘蛛糸で女の子を拘束してセックスを強行していた変態として後ろ指差される事になる。
それだけは、絶対に避けねば…オレの人生は瓦解する!)
この懸念の解決策として見出したのが、めぐみん自体を快楽の虜にしてしまうというものだ。めぐみんがこちらの味方に付けば、もしもギルドからクエストの進行具合を怪しまれても、早い頭の回転でうまく言い訳して切り抜けてくれるだろう。…いや、クエストを達成しつつもジキテリオを生かすという、一石二鳥の得策を思いつく可能性すらある。
それにもう1つ…サキュバスの店で考えていた欲望も叶えてみたいのだ。
(あの可愛らしい唇で、オレのチンコを咥えてもらいたい…!)
そんな卑猥な野望を胸に、カズマはめぐみんを毒牙に掛けるのである。
◆ ◆ ◆
「はーい、いってらっしゃーい。
毎日毎日、ご苦労なことでー」
翌朝、カズマ達3人が出発する時、アクアは棒読みの言葉を添えて彼らを見送る。
カズマとダクネスはもはや飽く程に見慣れた道を淡々と歩き出すが、一方でめぐみんは鼻息荒く意気込んでいる。
「この紅蓮の炎の使い手、天才魔法使いである我、めぐみんが加わった以上! このクエストは達成されたも同然です!
奈落の如き暗き森の中に住まう、邪悪の化身の正体! 見事に白日の下に晒してやります!
何なら、我が最大奥義、爆裂魔法によって微塵も残さずに焼き尽くしてやります!」
若干雲の多い空に向けて高々と杖を振り上げて、高々と口上を述べるめぐみん。この台詞にカズマは浮かんできて仕方がない苦笑いを必死で噛み殺す。
(いや…クエストの達成自体なら、もうすぐにでも出来るんだけどさ…)
ジキテリオと何度も意志疎通をしてきた今、彼の性質は軽くレポート十数枚分は書ける程に把握し切っているのだから。
とりあえずカズマは浮かんでくる苦笑いを誤魔化すべく、こんな言葉をめぐみんに送る。
「森ごと吹っ飛ばしちまったら、また"頭のおかしい"とか言われちまうぞー。くれぐれも自重しろよー。
つーかそもそも、使わない約束だろーがー」
(…そんな事されたら、オレのパラダイスがロストしちまうからな…)
そう胸中でコッソリと付け加える。
「も、勿論、約束は守りますよ!
と、ところでカズマ! 一つ疑問があるのですが」
めぐみんは話題を変えて疑問を投げてくる。
「ん? 何だよ?」
カズマはなるべく平静を装ったが、胸の内ではドキリと心臓が妙な脈動を打つ。
賢いめぐみんは早速、カズマ達のクエストの遂行についての何か感じ取ったのではないか!? 特に、カズマにとって不都合な方向で!
冷や汗が出そうになるのを必死に留めながら待ち受けると、めぐみんはこんな質問を放つ。
「荷物持ちとして私は同行することになりましたが、荷物が少なすぎませんか?
まぁ、私は楽なので良いんですけど」
確かに、めぐみんは小さめのカバンを肩に掛けている程度で、中身もさほど入ってはおらず、重くもない。こんな程度の荷物ならば、専属で管理する人員が必要だとは思えない。
…"荷物持ち"というのは策略にはめるための名義に過ぎないのだから、当たり前である。
愚直なダクネスは何とも言い訳が出来ず、口をアワワワと歪めて焦り始めるが。一方のカズマは慣れたもので、"なんだ、その程度の疑問か"とホッとしつつ返事する。
「森の中に入ってからが大変なんだよ。
あの森って、スゲー茂ってて進みにくい上に、蒸し暑いじゃん? ダクネスなんか、鎧が邪魔になっちまうワケだよ。
その時の鎧の運び役がお前ってことだ」
すると、めぐみんは首を傾げる。
「相手は危険性の大きさが分からない魔物なのに、鎧を脱いじゃうんですか? 危ないんじゃないですか?」
カズマは口の端に"しまった"という表情を浮かべる。めぐみんはやはり、頭が回る。ほんの小さな違和感も見逃さず、鋭く突っ込んでくる。
カズマは不自然にどもらないよう努めて、平静を装って返事する。
「並の人間ならそうかも知れないが、ダクネスだぞ?
前に温泉行ったときのこと思い出せ、ハシリタカトビって鳥がコイツ目掛けて大量に突っ込んで来たじゃないか。それくらいこいつの体は頑丈なんだよ。
よく見てみろよ、この鎧を。そんなに面積が大きくないだろ? 防具ってより、クルセイダーである事を知らしめるための飾りなんだよ」
「でも、胸とか急所の部分は的確に守ってますよね? 飾りとは言い切れない気がしますけど?」
(こいつ、妙なところで食い下がるな…)
カズマは苛立ちながらも、頬がひきつるのを必死に隠しながら言い訳を続ける。
「確かに、胸は心臓があるから大事だけどさ。腹だって、真っ二つにされちまったら、おしまいだろ?」
「まぁ…そう言われれば、そうなんですけど…」
めぐみんは尚も食い下がったかも知れないが、ここで幸いにも目的地の森が遠くに見えてきた。そこでダクネスは必死に機転を利かせ、大仰な仕草で森を指さしては叫ぶ。
「めぐみん、見ろ!
森のことをそんなに警戒するなら、何度か足を踏み入れて慣れている私のことよりも、自分の事を心配した方がいい!
分からないことや心配な事があれば、今の内に訊いておくんだぞ!」
ダクネスの必死の機転は、結果としては、実を結んだ。ただし、ダクネスのお思惑通りに事が進んだワケではなかった。
めぐみんは冒険に飢えていたらしく、眼を輝かせて森を見つめたものの。不意になにやら不機嫌な表情を作り、黒い妬みのこもった視線でダクネスをチラリと睨んだかと思うと。カズマに向き直り、弾むような楽しげな様子で彼に質問を始める。
「あの森、噂でしか聞いた事がなくて、中がどんな風になっているか見た事がないんですよ!
どんな感じなのか、教えてください!」
「うーん、そうだなー…。
まず、すんごく暗いんだよ。木漏れ日も殆どないくらいでな…」
ダクネスは2人の語らいを眼を点にして見つめていたが。やがて諦めたように、黙って2人に付いてゆくことにする。
――こうしてこの話題は、森の中に入るまでずーっと続いていった。
◆ ◆ ◆
「それじゃ、約束通り、荷物持ちを頼むぞ!」
というカズマの言葉を合図に、ダクネスは両手にダクネスの鎧を抱えて、2人の後ろについてゆくことになった。
めぐみんは典型的な魔法使いであり、肉体労働は不得意である。加えて、森の中は視界は利かず、足場は悪く、蒸し暑い。最初は小さな歩幅を頑張って延ばし、草木を掻き分けて進んでいた彼女だが…やがてあからさまに息が上がり、玉のような汗が鍔広の三角帽子の縁からポタポタと流れ出す。体は重くてダルくなり、抱えた鎧が何倍にも質量を増したように感じてしまう。
カズマとダクネスがサクサクと前を進んでゆくのに対し、めぐみんは段々と遅れてゆく。
「あ、あの…! ま、待って…下さい…!
もう少し…! ペースを…! 落として…!」
「なんだよ、もうヘバって来たのか?」
カズマはジト目で睨みながら嘆息する。そこへ隣に立つダクネスが
「まぁまぁ、めぐみんは初めてなんだ。まして、慣れない肉体労働をさせられて、疲れてしまってるんだろう。
一度休憩を取るべきだと思う」
「全く…荷物持ちがお荷物になるとか、洒落じゃないんだからさ…」
カズマは大げさに肩を上下させて嘆息すると。めぐみんは俯き、瞳を潤ませる。
「スミマセン…」
しょんぼりとそう語る姿は、儚げで純粋に可愛らしく、カズマの胸にズキュンと訴えてくる。
(こ、こいつ…中二病を取っ払ったら、ホントに可愛い女の子じゃないか…!)
何度も言うように、めぐみんの体型はダクネスとは違い、豊かではない。反面、黙っていてもネットリとした卑しい気配を発するダクネスとは違い、めぐみんには小動物的な可愛らしさがある。
そんな可愛らしさを醸す少女の――確認はしていないが、恐らく確かな事に――処女を奪い、[[rb:胎<はら]]をジックリと堪能できると考えると…。カズマの股間はみるみる内に熱を帯び、ビンビンと勃ち上がる。これが青空の下であったならば、モッコリと盛り上がった股間が晒されてしまったことだろう。
(おっぱいは楽しめないから…まずはお口ででも楽しませてもらおうかな!)
鬼畜な妄想を膨らませ、ニヤニヤと笑うカズマであった。
――何はともあれ、カズマとダクネスは辺りを見回し、比較的雑草の密度が少ない場所へと移動する。そして鎌代わりに剣を使って、サクサクと草刈りを始める。さすがのダクネスも、しっかりと握った草に対しては剣を当てられるようだ。
こうして休憩スペースを作ると、カズマはめぐみんに肩を貸して運んでやる。ちなみにめぐみんの荷物は、ダクネスが軽々と運んだ。
グッタリと地面に仰向けに倒れ、汗塗れの顔をシオシオと
「お前、マントまで着込んでたら暑いだろ? 脱いじまえよ」
「で、でも…何処から、魔獣が襲ってくるかも分からないのに…薄着になるなんて…不安ですよ…」
「そのまま熱中症になっちまう方がマズイだろ。
今までの経験からして、ここら辺は安全だ。だから、今の間だけでも脱いでおけよ」
「…分かりました…」
だるそうに応じためぐみんは、のっそりと上半身を起こしてマントを脱ぎ捨てる。マントの下に来ている短めのローブはスカート丈も短く、ゆったりと風が入る作りになっているため、
「ああ…少し楽になりました…」
「そうか、そりゃ良かった。
あ、そうだ。この近くに湧き水があってな、冷たくて美味しいんだよ。取ってきてやるから、そこで寝てろよ」
「あ…スミマセン」
めぐみんの感謝の言葉を待たずに、カズマは鬱蒼とした森の中へと姿を隠してしまう。
残されためぐみんは、カズマが戻ってくるまでダクネスと話を――カズマと2人でどんな事をしてきたのか、詳しく聞こうと――彼女の姿を探して視線を巡らす。…しかし。
「あれ…」
ダクネスの姿が、どこにも見当たらない。
(お手洗いですかね…?)
初めはそう考えていためぐみんであるが。いくら待てどもダクネスの姿が現れることもなければ、カサカサといった音も聞こえない。
更に暫くまっても、ダクネスどころか、カズマさえも姿を見せない。
(ま、まさか…!
魔獣にやられてしまったとか…!?)
ドキンとめぐみんの心臓が跳ね上がり、顔を濡らす汗が一気に冷えてゆく。暗い不安が胸中を満たし、視界の暗がりが急に恐ろしさを帯びてくる。あらゆる影の中に、殺気を露わにしている何かが潜んでいるかのように感じてならない。
「か、カズマー! ダクネスー!」
大声を張り上げて呼んでみる。しかし、彼女の声は苔むした巨木の間を虚しく響き渡るだけである。
「カズマー! 冗談ですよねー!? その辺にいるんですよねー!?
返事して下さいよー! カズマったらー!」
めぐみんは更に声を張り上げて叫ぶが。期待する返事は全く得られない。
めぐみんは身が震える不安に襲われ、ジワリと涙を浮かべて身を竦ませる。
――これら一連の出来事がすべて、カズマの
「よし、そろそろだな」
オロオロするめぐみんから少し離れた所にある、老齢の巨木の影から…カズマはチラリとめぐみんの様子を見やり、いやらしさをふんだんに含んだ暗い笑みを浮かべる。
「仲間相手でも容赦なく追い込んで泣き叫ばせ、更に肉体的にも傷物にしようだなんて…やはり私の見込んだ男だな、カズマ…!」
ダクネスは
(お前達、本当にロクデナシなしだな…)
草葉の影に潜むジキテリオが嘆息混じりで呟くものの、反論は返ってこない。そこには、"ロクデナシで結構!"という開き直りが見て取れる。
「さぁ、エロ蜘蛛!
あのロリっ娘を糸まみれにして、オレへの据え膳にしてくれッ!」
カズマが息を殺しつつも勢い付いて叫ぶ。ジキテリオは彼の人でなし具合に嘆息するものの…彼自身も内心、新たな女の体で新鮮な快楽を味わえる事への期待が膨らみまくっている。彼が人間のをしているのならば、必死に平静を装いつつも、股間をビンビンにしている男と化すだろう。
(それでは、同士達よ。行ってくるぞ…)
ガサガサと言う音も立てずに、ジキテリオは静かに草葉を掻き分けて、涙目で叫び続けるめぐみんの下へと忍び寄る――。
「何でこんなタチの悪い冗談をするんですかーッ!
鬼畜のカズマはともかく、ダクネスまで乗せられてーッ!
こ、こ、こ…怖いじゃないですかああぁぁぁッ!」
強がりを捨て、素直に感情を言葉にして叫ぶめぐみん。しかし当然ながら、誰からの応答もない。
彼女はまだ、自分が淫獄の悪意の底に陥ってしまった事を自覚していない。
「カズマー! カズマってばーッ!
ダクネスでも構いませーん!
誰か、返事をしてくださいよーッ!」
涙がボロボロとこぼれる
その木霊が小さく2度、めぐみんの耳に返って来た頃の事。ガサガサガサッ!
これは勿論、ジキテリオによるものだ。ジキテリオは満な草葉の中でも物音を立てない程の忍び足を実現できる一方で、その気になれば草を大きく揺らして音を立てる事も出来る。
ジキテリオは己の蜘蛛の体でめぐみんの四方八方を取り囲み、わざと草葉を揺らしてガサガサッ! と音を立て続ける。途端に顔が真っ青になる、めぐみん。
(まさか…! 魔獣が来た…!?
カズマとダクネスは、それにやられてしまった!?)
めぐみんはこの時、酷い焦燥に駆られて
(いっそのこと、エクスプロージョンで焼き払ってしまえば!)
そんな第三の選択肢も胸中を過ったが、頭を左右に振って却下する。音はあらゆる方向から聞こえてくるのに対して、エクスプロージョンは一定方向を中心とした大爆発を起こすことしか出来ない。敵の居場所が特定出来ない以上、エクスプロージョンの効果範囲外に魔獣がいた場合、彼女自身は体力を使い果たして倒れてしまう一方、魔獣は動けぬ彼女に悠々と襲いかかることが出来る。
(そんな…ど、どうすれば…!)
爆裂魔法にこだわり続けて来ためぐみんであったが、この時だけは自身のこだわりを呪う。
彼女がどうも行動を起こすことが出来ず、寄る辺として己の魔法の杖をギュッと抱きしめたまま立ち尽くしていると。彼女の周囲のガサガサガサッ、という音は更に近づき――やがて、草葉の中から赤く光る複数の眼がウジャウジャと現れる。
「く、蜘蛛…ッ!?」
毛深い黒色の、腹部だけ黄色の横縞が入った巨大な蜘蛛の群れを見ためぐみんは、息を飲んで叫ぶ。しかし――。
「あいつ、意外と騒がないな…」
巨木の影に潜むカズマはポツリと漏らす。女の子と言えば大抵は蟲の類が苦手で、視界の端に映るだけでも大声を上げて喚き出すようなものだと考えていたのだが。めぐみんの場合、滲み出ている恐怖は、相手の未知の性質に対するもので、蜘蛛であるという事への恐怖はないに等しい。
「そういえばあいつ、蟲とか結構平気だったか…」
カズマは、めぐみんが大きなザリガニを素手で掴んでいた光景を思い出し、ポツリと漏らす。そもそもめぐみんは田舎育ちなので、蟲は身近な存在であり、騒ぐ程のものではないのだ。
さて、めぐみんは相手が蜘蛛だと分かると、性質が未知である事に警戒心を抱きつつも、少し強気になって眉を怒らせ、手にした杖の先を振るい始める。
「ホラ、あっちに行きなさい! この天才魔法使いである私を怒らせると、世界最強の攻撃魔法、爆裂魔法があなた達を焼き尽くしますよ!
ホラ、ホラ! しっしっ!」
ジキテリオもめぐみんの反応は戸惑いが少々生じて仕方ないが――こんな森の中で自滅につながる爆裂魔法など使えるはずがないと冷静に判断した上で、淡々とやるべき事をやる。
すなわち――めぐみんの四方八方で尻を向けて突き上げると、腺から粘っこい黄色掛かった糸をシュルシュルシュルッ! と放つ。
「さ、させませんっ!」
めぐみんは杖を器用に振るって蜘蛛糸を絡め取り、防ごうするが――多勢に無勢である。いくら奮闘しようとも、蜘蛛糸はまんまとめぐみんの服に幾つも幾つも粘着してしまう。
(数が多すぎて、不利過ぎます…!
このままだと、グルグル巻きにされて…! 体の中をドロドロに溶かされて、食べられてしまいます…!)
蜘蛛の捕食行動としては至極一般的なものであり、それを危惧して恐怖と焦燥に駆られるめぐみんは、やはり立派な常識人である。この奇襲の裏側には、カズマによる鬼畜の奸計があろうなどと、微塵も考えてはいない。
「あっち行ってください…! ホラッ! しっしっ!」
糸まみれになりながらも杖を振り回していためぐみんであるが。ジキテリオは杖を邪魔と見なすと、即座に杖に糸をまとわり付かせ、めぐみんの手から取り上げてしまう。
「あ…ッ!」
宙高く舞い、己の手から放れてしまう杖にめぐみんは手を伸ばすが…それは虚しいばかりの行動だ。手は杖に届かないどころか、飛来した蜘蛛糸によってシュルリと絡め取られてしまう。
ヌチョリ、ニチャニチャ…人肌程度に生温かく、ガムのように粘っこくて柔らかい糸が右手首から先の大半を覆ってしまうと…。めぐみんの胸中は"しまった"という感情よりも、トクン、という大きな鼓動と共に興奮が沸き起こる。
(何か…気持ちいい…?)
まるで、極寒の真冬の夜から抜け出し、
ジキテリオによる性感増強の作用によって、手からすらも興奮が起こったのだ。
そして、この興奮によって思考が呆然としてしまっためぐみんは、次々と放たれる濁った白い蜘蛛糸を、まともに
「ああぅっ!」
悲鳴というよりは、桃色の吐息がめぐみんの唇から漏れる。顔を初めとした露出した部分に粘着した蜘蛛糸は一々性感を増して、めぐみんを刺激するのだ。なんだかめぐみんは、ヌラヌラと唾液で滑る暖かな唇で全身を愛撫されているような感覚に陥り、そのゾクゾクとした悦楽にすっかりと身と心を委ねてしまうのだ。
この様子を覗いていたカズマは、股間がビキビキに勃ち上がってしまう。
白い糸を幾つもブッかけられるめぐみんの姿は、エロ漫画で見かける複数の男達による射精ぶっかけの光景を想起させるからだ。
思わず、身を隠している巨木に股間を擦りつけてしまう程である。
その様子を
――さて、数分後。
蜘蛛達の糸の射出が止み、場はシーンと静まり返る。
めぐみんの声は、もはや聞こえない。カズマの潜んでいる場所からは、彼女の姿すら見えない。
今やめぐみんは蜘蛛糸によってギチギチに拘束されて、森の大地に横たわっているのだから。
(終わったぞ、肉欲卑しき男よ)
ジキテリオの声が思考の中に響くと、カズマはサッと巨木の影から姿を現し、大股にめぐみんの元へと近寄る。その後をダクネスが、少し申し訳なさそうについて行く。
カズマは目にする――柔らかな輪郭が露わになりながらも、一部の隙もなくキッチリと人体を覆い尽くす、匠の技と呼んで過言ではない、見事な少女のミイラを。少しピクピク動いているのは、糸の中でめぐみんが抜け出そうと頑張っている証拠らしいが、ダクネスでも壊せない糸を力の貧弱なめぐみんが破壊できようはずもない。
「…ああ、完璧だ…綺麗だ…」
カズマはめぐみんの姿を見下しながら、ウットリと独りごちる。蜘蛛糸にスッカリと慣れてしまった今、カズマは拘束されて物言わず動かず、それでいて柔らかであるミイラの姿に興奮を抱くようになってしまった。
無抵抗で無防備な少女を、一方的に
「さぁて…日頃の生意気さを、ここで償ってもらうかな…!」
カズマはパンツと一緒にズボンを一気に下ろし、先端がカウパーで濡れている男根を露出させる。
それを直視したダクネスは、物欲しそうにニヘラと笑みつつも、その矛先が自分でない事への不満をチラリと滲ませる。
そんなダクネスの事などお構いなしに、カズマはいやらしく五指をワキワキと動かしながら、めぐみんの上に覆い被さってゆく――。
- To Be Continued -