二か月くらい
「小鳥」
小狐丸は妖艶に笑う。
「私とまぐわいましょう」
「まぐわ…?」
押し倒された形になった小鳥は、困惑して小狐丸を見上げる。
「おや、わかりませんか。では、私が教えて差し上げましょう。大丈夫、最初は恐ろしくとも直に良くなりますから」
帯を解く。小鳥は肌を晒すことに抵抗し逃げようとする。
「逃げられませんよ。…わかっているでしょう、小鳥。あなたはこの
「・・・」
小鳥の躯から力が抜ける。逃げ場がないことは、小鳥もよくわかっている。
「わかってくださったようで何よりです」
「…小狐丸は何でこうするの?」
「それは勿論、小鳥が愛しいからですよ。何とも思っていない相手とわざわざまぐわおうとは思いません」
「う、や…」
秘部を舐められるたび、白い肩が跳ねる。両腕は手首のところでひとまとめに縛められており、足は閉じられないように小狐丸が股の間に陣取っている。小狐丸が舐め、指で探ってほぐしているのは前の穴だけではない。後ろの穴も前から少しずつ垂れ始めた蜜も使いながらほぐされている。
「…せめて、もう少しほぐさねば辛いですかね」
小鳥は小さく、小狐丸は大きい。それこそ、大人と子供程の体格差がある。ただでさえ大きい小狐丸のものを受け入れるのは小鳥にはきついだろう。
「もっ、やだぁっ…」
「小鳥にはわからないでしょう、大人しくなさい」
「小鳥、ずっと此処に…私の傍にいてください。ずっと、ずっと、ずうっと」
小狐丸は小鳥を抱きしめる。小鳥はそれに応えない。虚ろな目を伏せて、浅い息をしている。その躯には幾つもの赤い跡が散っている。秘部には後ろから小狐丸のものが埋め込まれたままになっている。
「いつかは、私のやや子を孕んでください。今すぐではなくて良いのです。今暫くは二人きりで」
小鳥にかけられた呪祝に小狐丸は手を加える。消し去ることのできないそれは、小鳥の魂を縛っている。
小鳥が自分一人では何もできなくなってしまえばいい、と小狐丸は思う。そうすれば小鳥が己から離れることはない気がした。
小狐丸にとって小鳥は主ではない。正しく契約を結んでいないからだ。けれど、大切にしたい相手とは思っている。隠さないのはしてもしなくても状況は変わらないからだ。空間の主が小狐丸になるだけである。いずれにせよ小鳥が自らの意思で箱庭から出る事は叶わない。
何度も、昼夜を問わずに抱かれ、小鳥の躯は小狐丸に抱かれることに慣れた。少しその意図を以って触れられれば、甘く蕩けて蜜を垂らす。ただ、それを小鳥が快いものと認識することはなかった。従順にそれを受け入れるが、自ら求めはしない。
「小鳥、可愛いですよ」
小鳥は手足を枷に縛められ、白い躯を晒して床に転がっている。小狐丸の指で蕩かされ、妖謹製の媚薬を含まされた穴はひくつきながら蜜をだらだらと垂れ流している。
「躯が疼いて仕方がないでしょう?その愛らしい声で、何が欲しいか仰ってください」
小鳥ははあはあと荒い息をしているが、明確な言葉を口にしようとはしない。かといって理性がないわけではない。
「…己の躯の求めるものが何か、わからないわけではないでしょう?」
小狐丸の指が穴の回りをやわやわと動く。その微かな刺激も小鳥の躯は快楽に変換するが、決定的なものにはならない。寧ろ、余計に躯を疼かせるためのものだ。
「ひゃうっ…」
「小鳥、苦しいのは嫌いでしょう?」
「…これ、きらい」
「ちゃんと言って下されば、その通りにして差し上げますよ」
「…解毒薬」
「そんなものはありませんし、そもそもこれは毒ではありませんよ」
更にさする。
「私はただ、油を塗り込んだだけですからね」
「ひゃう…うそだ」
「いつまで意地を張っているつもりですか。ちゃんと言わないと、本当に欲しいものはあげませんよ」
「ぅぁ…おれはべつに、なにもほしくないもん」
「強情ですねぇ」
小狐丸は小鳥を抱き起こし、鏡台の前に連れていく。上気した頬、何かを求めるようにひくひくと動き蜜を垂らす穴が鏡に映し出される。背けようとする顔を小狐丸が押さえる。
「ちゃんと御覧なさい、こんなに物欲しそうにしておいて」
人差し指が尻穴にゆっくりと埋め込まれる。穴はそれを歓迎するように絡みつく。
「あっ…」
「ほら、これでは物足りないでしょう?」
「ものたりないとかじゃ…っ」
「でも躯が疼いているでしょう?」
「っ…」
小鳥の瞳が段々と力を失っていく。
「意地を張らずに、素直になってごらんなさい」
「…んやっ…れは…んなの…」
小鳥の息は荒く、口の端から唾液がこぼれている。