一応R的なのなのでこっち
「ん…みつ…」
口付けを繰り返し、とろんとした瞳になった小鳥に光世は囁く。
「この先に、すすんでも、いいか?」
「…ん。みつがしたいなら、する?」
「…ああ。小鳥が許してくれるのなら、したい」
触れるだけの口付けを幾つか落とし、光世は小鳥を床に押し倒す。指を絡め、また口付ける。舌を絡め、唾液を交換する。もう片方の手は腰を抱いている。
「んっ…ん…」
一応ざっくりと性行為に関する知識もある小鳥は若干違和感を感じるが、まあ、いいか、と指摘しないことにした。光世が望むなら受け入れるが、別に積極的にやりたいわけでもない。
シャツの裾から手が入れられる。ごつごつした大きな手が躊躇いがちに触れてくる感触がくすぐったくて、小鳥は
「小鳥」
「みつ」
小鳥は手を伸ばして光世の頬に触れる。目を細めて、息を吐く。服を緩めた。
「…いいんだよな」
胸元に口付ける。
「みつこそ、おれでいいの?」
「…小鳥がいい」
ズボンをゆるめる。それは既に立ち上がり始めている。内股を擦りつける。
「みつ…?」
「…どうしたらいいか、わからない」
「みつがしたいようにすればいいと思うけど」
「したいように…?」
割と本気で悩んでいるらしい光世に小鳥は苦笑する。
「みつはどうしたい?なにがしたい?」
「…わからない」
光世は小鳥を抱き寄せる。
「あんたの方から、触れてくれないか?」
「んー…俺はこうやって抱きあってるだけでもいいからなあ」
首筋に口付ける。
「熱が溜まってるんだ。それは、わかる。だが、それはどうすればいいのか…」
「僕は、男のヒトのカラダがどうなってるのか、よくわからないし、教えらんないかなあ…」
腕の中で眠る小鳥に光世はそっと口付ける。小鳥は光世に比べると全く体力がない。まあ、人間と刀剣を比べるものでもないのだが。しかし、実の所小鳥は人としても体力のない方に分類される。本丸で畑を耕したりして多少鍛えられ始めているが、全然だ。そもそも初期値が低いのだけれど。
とても、満たされた気分だった。
「…ずっと、ずっと、俺の傍にいてくれ。何からも、俺があんたを守ってみせるから」
小鳥が傍にいれば、満たされたままでいられる気がした。きっと、何度でもまた満たしてくれる。伸ばした手を握り返してくれる。温もりを共有してくれる。
「俺は、あんたの守刀だ」
契約を結んだ。縁が繋がった。もう、絶対に見失わない。
「光世、重い」
「ん、すまない」
そう返しつつも、光世は体勢を変えようとしない。というより、小鳥から離れないという方が正しいか。小鳥もさほど強硬にどかそうとしていないので状況は変わらない。
「小鳥、俺を構ってくれ」
「光世は甘えんぼだなぁ」
小鳥は光世を抱きしめてどうしたい、と耳元に囁きかける。
「小鳥が俺の事を見てくれてればいい」
「…と、言われてもなあ」
小鳥は何もしない、というのが苦手だ。気不味いとかそういう話ではなく、単純に時間の浪費が嫌いなのである。やりたいこと、知りたいことのために時間を使いたいのだ。
「…。…光世って何か前髪鬱陶しそうだよね」
小鳥は光世の髪を手でかきわける。光世は少しくすぐったそうにした。
「まあ、いつも同じ髪型にしてるのは俺もそうだから人の事は言えないんだけど」
「俺はあんたの髪も好きだぞ」
「はは、ありがと」
光世は唐突に、いつの間にか自分にかけられていた呪いが消え去っていたことに気付いた。痕跡すら残さずなくなっている。おそらく、小鳥に解呪されたのだろう。それ以外にない。つまり、呪いを恐れる必要はなくなったということだ。
「・・・」
光世の行動に歯止めをかけるものがなくなったと言っても間違いでない。とはいえ、今更何が変わるということでもないのだが。光世は今以上は求めていない。今がずっと続く事を望んでいる。
小鳥と光世はまぐわいというには幼い交わりを何度も繰り返した。口付け、抱き合い、相手の温もりを感じれば満たされた。
何も不思議なことなどない。知らないものを求めることはない。
光世はそれを知らない。小鳥はそれを己の感情として知らない。だから、二人の世界にそんなものはない。
そういうものだと思っているのだから不足は感じない。余計なことを指摘するものもいない。だから、それでいいのだ。そのままでいいのだ。それだけなのだ。