検非違使に救出された
更に1000年後くらいのタカマガハラから派遣されてる系検非違使
「…厄介ナモノヲ見ツケテシマッタ」
「?」
「碧鳥ノ審神者ダヨナ」
「滅亡不可避」
「役満決マッテルヨナ…?」
「放置シテモ保護シテモ酷イ目ニアウ予感シカシナイ」
「アノ御方ハ嫉妬深イカラナ…」
彼女はきょとんとして首を傾げている。
「保護シタ方ガマシナノデハナイカ、一応」
「
長柄槍が彼女に近付き、とりあえず楔を引き抜く。鎖の材質からして、この場での破壊は難しいだろう。とりあえず移動しようと彼女を抱き上げた。
「布カ何カデ包ンデヤッタ方ガ良クナイカ」
「包ム布ヲ差シ出シテカライエ」
「おひっこし?どこにいくの?」
「…。…イッソ何処カ適当ナ本丸ノ審神者ニ押シツケテシマイタイ」
「心ガ折レルノガ早スギルゾ、長柄槍」
「ながえやり?…ながえ、どの?」
「・・・」
「アァ、長柄槍ノ心ガドンドン重傷ニ…」
拠点の一つに移動した。ないよりはマシ、と適当な布を羽織らせている。
「…如何スル?」
「取リ敢エズ、マトモナ格好ヲサセテヤルベキナノデハナイカ」
「長柄槍ハ暫ク使イ物ニナラナサソウダガナ…」
「着替エト、拘束具ヲ外シテヤラナイト」
枷と首輪には呪的封印が施されていたため、後回しにしてまず、鎖を切った。そして、彼女の秘部に目をやって表情が死ぬ。極太の張型が後ろに一本、前に二本、そして割れ目を割開くように配置された器具が勝手に外れないよう貞操帯のようなもので固定されている。傷つけないようにまず貞操帯を外し、ゆっくりと器具をずらす。てらてらとした蜜で濡れている。張型も一本ずつゆっくりと抜いていく。穴は奥まで見えそうなほどぱっくりと開きっぱなしで蜜を垂らしている。
「…おトイレ」
「連レテ行ッテヤルカラ少シ待テ」
「なんかすーすーする」
「・・・」
完全に調教されている。
「…服ヲ着マショウ」
「もっかいあれいれなおさなくていいの?」
「直サナクテイイデス」
「ほんとに?」
「入レタインデスカ」
「んー…ずっと入れてたから、へんなかんじがする」
「…コレカラハ、ソチラニ慣レナイト駄目デス」
「ふーん…」
とりあえず浴衣を着せてやって、枷と首輪の封印解除を試みる。
「…コウイウノハ苦手ダ…」
「ソノママニシテオク訳ニモイカナイデショウ」
何しろ悪意てんこ盛りなのである。いっそ呪詛めいているくらいだ。まっとうな扱いはさせないぞ、的な。
「解除
「本人ハ知ラナイダロウシナ…」
「?これも外していいの?」
ひょい、かちゃっと彼女は自分で枷を外してしまった。
「…コレダカラ碧鳥ノ審神者ハ…」
「鬼子ダカラ仕方ナイ」
とはいえ、首輪は自分で外せないようだ。というかそもそも認識が出来ていない。
「ソモソモコンナ趣味ノ悪イ代物、ドウヤッテ用意シタンダ…」
「オ前、知リ合イノ審神者ノ名ハ言エルカ?」
「んー…よくわかんない」
「師トカ、イナイノカ」
「師…ししょー?呪術教えてくれた人は、名前わかんない」
「・・・」
「誰カ居ナイノカ、友好的ナ人間ハ…」
首輪は人でなければ外せないことがわかっている。
「ゆうこうてき…あ、さだつぐどのは、碧凪のかたなって言ってたよ」
「…。全ク知ラヌ者バカリヨリハマシカ」
「なっ…検非違使?!」
「…一振りで攻めてこようとは、舐められたものだな」
「・・・」
「あ、つるまるどのだ」
「え、鶴丸さん知り合い?」
「……君はいつぞやの…って、いや、どういう状況なんだ?!」
「…今回ハ貴様ラト争ウ心算ハナイ」
「じゃあ、何の用だ。まさか、迷子を届けにきたとか、そういう話じゃあるまい」
「…非常ニ不本意ナガラ、
「…はァ?」
「神刀・霊刀ノ類ナラバ手順ハワカルダロウ」
「…確かに、その碌でもない呪具は外してしまうべきだろうがな」
「碧鳥ノ審神者ハソレヲ解呪スベキ呪ト認識スルコトサエデキレバハッカイ
「…いや、それは流石に冗談だろう?」
「何故貴様ト歓談シナケレバナラナイ」
「…だよなあ」
彼女はきょとんと首を傾げる。
「…とりあえず、主に話だけ通してこよう」
「小鳥ちゃん何でこんな所にいるのさ?!三日前恒次さんから発狂メール来てたよ?!」
「あ、さだつぐどのこんにちは。…んー、つねつぐとさいごにあったの、みっかまえじゃあないとおもうけど…」
「時間軸ガ違ウ」
「そっかー」
「…話を聞いてもいいかい」
「えーと、んー…本丸きれいになってきて、おひっこしさせられて、つねつぐはいっしょじゃなかったの。それで、それから、たくさんおひっこしして、ながえどのたちが、ずっとつけてたの、もうはずしていいって。でも、あたまいたい」
「碌でもない事になってる事だけはわかった」
「ろくでもないこと?」
小鳥はきょとんとする。長柄槍は無言で首を振った。
「…まあそもそも、恒次さんが主が何処にいるかわからない、感じ取れない、て発狂メール残して音信不通になってる時点で碌な事になってないよね…」
「…事案?」
「それは何処を見て言ってるんだい、主」
「じあん?」
「事案…」
碧凪は見た目三十代くらいの男性だった。近侍として太郎を連れている。
「いや…うん。で、その子が青江が交友関係作ってた子なわけだ」
「何か含みを感じるんだけど…僕とこの子は健全な交友関係しかないからね?」
「いや、俺もうちの刀が余所の子に滅多なことをしてるとは思っていないよ、うん」
「めったなこと?」
「そこは深く掘り下げないでいいからね」
人間の手を借りなければならないというのは、より正確には、刀剣では手出しできないようになっていた、ということである。
「…嬢ちゃん一体、何して誰に恨まれたんだ?」
「…わかんない。僕はへんなことしてないつもりでもいつの間にか嫌われてるもん」
「・・・」
「…僕、カワイソウ、っておもわれるの嫌い」
「あ、ああ、すまん」
碧凪は首輪に仕込まれた封印術の解体を始める。何もせずじっとしているのが落ち着かないのか、小鳥は歌い始めた。
「♪~」
「呪術の使い方が独特だな。自己流か?」
「?んー、まあ、基本理論しか教えてもらってないよ」
「ふぅん…天才ってのは何処にもいるもんだな」
「僕はべつに天才とかじゃないと思うけど…」
「普通の人間はちゃんとした指導も無しにいきなり呪術使えるようにはならないんだっての。でなきゃ、現世が大変なことになってるだろうが」
「…確かに」
しかし、と小鳥は首を傾げる。
「僕使ってないのに、なんで独特ってわかったの?なんかへんなあとがついてるとか?」
「………青江」
「何で僕に振るんだい主、ちゃんと自分でしなきゃ失礼だろう。…質問の返事のことだよ?」
「おまえは」
「…浄化を行われていたでしょう」
「歌っただけだよ。なんか空気が重かったから」
というか、浄化って呪術なの?
「呪術に含めるかどうかは、どのような形で行ったかにもよりますね」
「自覚ないってことはコントロールも出来てないな…まあ、浄化が暴発した所で、霊力枯渇に陥らなきゃ大して問題は起こらないだろうが」
「れーりょくって、なくなるの?」
「ほれ、RPGでいうとMPみたいなもんだからな。使えば減る」
「へったら、つかえなくなる?」
「いや、ぶっ倒れる。…まァ、その前に倦怠感とかで気付くだろうが」
「んー…なった覚えないな。MP消費少ない呪術しか使ってないってことだろうけど」
「「「・・・」」」
浄化は割と高ランクの呪術である。間違っても、初級というわけではない。
「オ前ニトッテハ、ソウダロウナ」
首輪が外れて頭痛がなくなり、一曲歌って周囲を完全に浄化した小鳥は、眼鏡を作った。
「よし、ちゃんと見える」
「…狭間では難度が多少下がるとはいえ、物質生成呪術は上級呪術なんだが」
「その辺の突っ込みはもう放棄しちゃった方がいいんじゃないかな。根っからの感覚人間みたいだし」
「あの子はアレだな。今剣と同じタイプだ」
子供だと思われ、そう扱われているからそれに合わせているだけで、本当はずっと精神年齢も高いというか、聡明というか。あえて空気読まないというか。
「主は、短刀の中で今剣が一番精神的に厄介だとおっしゃっていましたね」
「あいつはちゃんとわかってるからな」
「・・・」
「…それにしても、碓氷本丸か。てっきり、封印措置になったものと思ってたが…相変わらずブラックだな、政府は」
「あれ、主なにか知っていたのかい?」
「ざっくり言うと、ブラック摘発されて、引き継ぎの審神者が入った後、全刀堕ちた本丸だ」
「えっ」
「…いや、こう言った方が正しいかな。引き継ぎの審神者が堕とした本丸だ。実は修正主義者側のスパイだった、って話もあるが…まあ、死人に口なし、だからな」
「…多くの刀剣が堕ちてるんだろうとは思ってたけど、全刀?何故解体されなかったんだい、その本丸」
「レア刀も多く揃っていて練度も高かったから…だろうな。まあ、実際解体が難しいってのもあるだろうが」
「…で、そんなヤバい本丸をあの子は浄化しきったらしい、と」
「そこで終わっておけば、"神子"の有効活用だったんだがな」
「そういえばながえどの、けびいし、ってなに?」
「…。…歴史ヲ守ル者。改変ヲ許サズ、全テ屠ル者」
「すべて?」
「ソノ時間軸ニ生キルベキ者以外全テダ」
「…そこうぐんも、とうけんだんしもふくめて、ってこと?」
「…ソウダ」
「あっちはともかく、目的はおなじはずなのに?」
「…コチラモ宮仕エノ身ダ。ソチラノ政府トコチラノ上司ハ全面的ニハ同ジ見解デハナイ」
「ふーん…」
「現在オ前ニ危害ヲ加エル予定ハナイ」
「それはしってるよ」
「・・・」
碧鳥ノ審神者ハ幸福デナケレバナラナイ。
ぽつりと呟かれた言葉の意味を小鳥には理解することができない。そもそも、自分が何故碧鳥の審神者と呼ばれるのかがわからない。
他の小隊員と合流して碓氷本丸に向かう。首輪を外したことで、数珠丸とのパスなどが辿れるようになった。
「…何トカ間ニ合イソウダナ」
「なにに?」
「オ前ト契約シテイタ刀ガ今日、取リ返シノ付カナイ事ニナル」
「…とりかえしのつかないこと?つねつぐが?」
「オ前ノ代ワリトシテ現レタ審神者ト討死スル」
「うち、じに…?」
「流石ニオ前ガ行ケバソウハナラナイダロウ」
「…それは、歴史を変えることにならない?」
「狭間ハ時間ノ外側ニアル。歴史トイウ概念ハナイ。…ソレニ今更ノ事ダ」
「…?」
「助ケタクハナイノカ?」
「…ぼくに、できることがあるのなら」
「オ前ハ、オ前ノ思フヨウニスレバソレデイイ」
「神子ガ自分ノ意思デ選ブ事ニ、意味ガアル」
「うん…?」
ほぼ瘴気の塊になっている数珠丸を見つけ、小鳥は殆ど反射的に駆け出していた。監禁され暫く歩く事さえ殆どしていなかったので、まろぶような、転がるような、無様な形になっていたが。
「つっかまえた!」
その声に、感触に、数珠丸は動きを止める。
「つねつぐ、ひさしぶり。あいたかった」
「…ある、じ?」
どうやら、振り返ったらしいが、瘴気でその顔は見えない。
「つねつぐ、またもやもやになってる。どうしたの?だれかにいじめられたの?」
「ああ…ああ…無事で、よかった。小鳥、主、あなたの存在を感じられなくて、私は…」
数珠丸は小鳥を抱きしめてほろほろと涙を零す。それと共に、瘴気もはらはらと散っていった。
「ぼくはここにいるよ」
小鳥は数珠丸の頭を撫でる。
「はい…」
「よく御戻りになられました、ぬしさま。ぬしさまの代わりを名乗る不届きものは、先程身罷りましてございます」
「みまか?」
「あぁ…汚いですので、ぬしさまは近付かれない方がよろしゅうございます。政府のものに片付けさせましょう。…こんのすけに連絡させればすぐでしょうし」
「うん…?」
刀身の曇りが消えたといっても、彼らの穢れが祓われて、早かったものでも一ヶ月も経っていない。数珠丸がそうだったように、簡単にまた堕ちてしまう程に不安定な状態だった。その証拠に、完全に元通りの姿に戻った者はいない。片目が赤や金に変わったままのもの、髪の一部がメッシュのように変わっているもの、装束の一部が違っているもの。数珠丸も目を開ければ右目が真紅に染まりっぱなしになっている。
「そんなことより、改めて君と正式に契約を結びたいんだ。契約は神聖だからな。他者が不当に手を加えることは許されない」
「んー…つるまるたちがそうしたいなら、ぼくはいいけど」
そう返した後、あ、と小鳥は声を零す。
「ながえどのたちに、つれてきてくれてありがとうってしないと。おかえしできなくても、おれいはいわなきゃ」
そう言って、長柄槍たちを探す為に歩き出した。その歩みの不安定さに、数珠丸は駆け寄って手を取った。
「あ、ながえどのたちいた!」
「!お嬢」
「あ、やげん。ひさしぶり!」
「え、おう、ひさし、ぶり…?」
小鳥はとてとてと長柄槍たちに近付き、見上げ、微笑する。
「ながえどの、つれてきてくれて、ありがとう!」
「…。…コチラハコチラノ都合デ動イテイルダケダ」
「それでもありがとう」
「・・・」
「長柄槍」
「…ソウカ。我ラノ用ハ達シタ。帰ル」
「そっか。ばいばい」
「…次ニ会ウ時ハ敵ダ」
「それで、主は今まで何処にいっておったのだ?」
「え?んー…わかんない。たくさん、いろんな本丸おひっこししてたの。しってるひとじゃなくて、あ、ぼくのしってるのさだつぐどのたちくらいだからあたりまえだけど、しらないみかづきどのとか、みつただどのとか、たくさんあって、えーと…んー…いろんなとこきれいにして、おひっこしして、おひっこしして、ええと…」
小鳥はこてんと首を傾げた。
「んと、しらないひとばっかりで、なまえ、おしえてくれなかったの。ながえどのたちはぜんぶぬいてはずしていいって、だからぜんぶとって、さだつぐどのみっかまえっていってたけど、じかんじくがちがうからなんだって」
「ふむ…?」
「へきなぎどのに、ぼくだれかにうらまれてたっておしえてもらったけど、やっぱりよくわからない」
「…政府が碌でもないことをしたのは理解したぞ」
「罪状が増えるばかりだなあ」
「清廉とはとても言えないものだとはとっくにわかっていただろう」
「それはなあ」
「そういう三日月たちは、どうだったの?」
「どう、か…どうもなりはせぬよ。この本丸には、道を外れたものも多いでな。主の行方が知れず、時が経つようなら自害でもするかと話をしたくらいだ」
「…そういうの、よくないとおもう」
「我らの主は、そなただけだ。次などいらぬ。…皆、そう思ったということだ」
「うーん、ありがとう…?」
小鳥的には面識のない、知らん女である 碓氷本丸にいたのは、おそらく一カ月程度ってことになるんだろうな… 死因:呪いがえし
胡蝶蘭:家柄、外見、能力、全て優秀な我儘お嬢様 天は二物も三物も与えた なお性格 小鳥と同日に別枠で審神者試験を受けに来て、自分に注目が集まるはずが、小鳥のアレでそうでもなかったので恨んでいる で、コネで嫌がらせに、死なせに行く采配をさせる が、アレである。更に恨む 更なる嫌がらせ 小鳥が碓氷本丸に居た頃は見習い研修を受けていた 初期刀は長谷部