「あの、主様…」
「…その声は、五虎退、だったか?」
「はいはーい、ぼくもいますよー」
「今剣もいるのか。こんな時間にどうした?」
小鳥が戸を開けると、五虎退は緊張した、今剣は楽しそうな様子でそこに立っていた。
「よばいにきました!」
「…。…はい?」
困惑する小鳥をさして気にした様子もなく、今剣は五虎退の手を引いて室に入り、戸を立てた。
「あるじさまがへとへとにならないていどにしておくようにはいわれましたけど、きょうはぼくたちのばんなんです!」
「…へー」
「僕は、主様と裸で抱き合うだけでも、いいですよ…?」
「…それは、裸じゃなきゃいけないのか」
「肌が直接触れなきゃ嫌です」
小鳥は少し悩んでから五虎退を手招く。
「おいで、五虎退」
「はい、主様」
小鳥は己の衣を緩める。五虎退も着物を崩して小鳥の胸元に頬を寄せた。
「主様の、心臓の音がします」
「そうか」
今剣が後ろから、小鳥の帯を引き抜く。
「ぼくは、だきあうだけでおわるつもりはありませんよ」
「どうしても?」
「みかづきたちばかりずるいです」
今剣は小鳥を後ろから抱きしめる。
「ぼくだって、あるじさまをきもちよくさせられます」
「僕も、精一杯頑張りますね」
「おんなのひとをだくのははじめてですけど」
今剣は妖艶に笑う。
「つまり、ぼくがうえってことですよね」
「僕はあんまり上になったことがないですけど…えっと、頑張ります」
そこは頑張らなくてもいいかな!
「ぼくはよくうえになってますよ。あるじさまのうえははじめてですが」
「岩融さんも今剣君が上だったりするんですか…?」
「ええ、いわとおしがしたです」
なにそれこわい。
「みかづきが、あるじさまはみみがよわいっていってました」
今剣はそう言って小鳥の右耳を食む。五虎退も左耳を食む。小鳥はびくりと身を震わせた。
「あるじさまは、ほんとうにここがよわいみたいですね。ほかはどうなんでしょうか」
今剣の手つきには遠慮というものがない。五虎退が足の間にいるので、小鳥は膝を閉じられない。
「おんなのひとはここのかたちがちがうんですよね。じっくりしらべさせてください」
小鳥の片膝を立てさせ、股の間を覗き込みながら今剣はそこを指で探る。
「ひぁ、あっ…」
「ここですか?」
「女の人は刀の代わりに鞘があるんですよね…やっぱり解さないと痛いんでしょうか」
「ぬれてきましたね。きもちいいですか?ことり」
今剣が再び耳に舌を這わせると、小鳥は身を震わせて衣の裾をぎゅっと掴んだ。五虎退が小鳥に深い口付けをする。ゆっくりと小鳥の躯から力が抜けていき、その瞳がとろりと力を失う。
「あるじさま、こえをがまんしなくてもいいんですよ?」
「気持ちいい時には気持ちいいって言ったらもっと気持ちよくなれるんですよ」
今剣の指が小鳥の特に敏感なところに触れる。
「っ」
「ここですね」
執拗に、特にイイところを責められ、小鳥はびくびくと躯を震わせ、いやいやと首を振る。
「い、あっ、あっ…」
「イケそうですか?これじゃたりないですかね」
今剣はもう片方の手で穴を解す。五虎退もそれを手伝う。
「いきますよ」
「僕も行きます」
「ひゃう…あ。やっ…」
二箇所同時に貫かれ、小鳥はびくりと肩を震わせた。今剣は攻めていない方の手で小鳥の腹を撫でる。
「ここからごこたいのかたなにさわれますかね」
「僕のはそんなに大きくないから、どうでしょう…」
「あるじさまはほんとうにたいりょくがないんですね」
「主様、大丈夫ですか…?」
小鳥はぐったりとして答えない。寧ろ、半分意識が飛んでいるような状態である。
契りを深く結び直したからか、二人共小鳥が愛おしくて仕方がない。先に忠告を受けた理由がよくわかった。一度では足りない。その身に己の
「…ほんばんまでいかなければ、だいじょうぶでしょうか」
「でも、やりすぎはダメって言われたわけですし…」
「あるじさまがつかれすぎないていどのことならいいじゃないですかね」
短刀である二人よりも、小鳥は細くか弱い躯をしている。
大人の姿をしている刀剣から迫られるのと、子供の姿をした刀剣から迫られるのは、内実は然程変わりなくとも小鳥の精神ダメージは違っていた。主に子供の姿をしている相手からは背徳感のようなものを感じる。そもそも小鳥にとっては完全に対象外である。元々現実に他人と体を重ねたいと思ったことなどないが。
自分が性的魅力《セックスアピール》に溢れているとは全く思わない。だから、何より"主"であるということが重要なのだろうと思う。"主"とは一体何なのか、小鳥にはわかりかねる。己に誇れる特別などあるはずがない。だから、何かしらの認識の相違と勘違いがあるのだろうと思う。