三日月視点もちょっと
未練表で執着引いた的な
調教ルートですねわかります
小鳥は随分俺に懐いた。俺の腕の中で無防備に眠るようになった位に。それこそ、無邪気な小鳥を手懐けるような半年だった。初めの内は、寄れば警戒されていたものだが、今はその影もない。小鳥は俺を信頼している。
愛らしく、愚かな小鳥。俺は小鳥と直接の契約を結んでおらぬのだから、その気になれば害す事も出来るというのに。
とはいえ、その小鳥を俺が気に入ってきているのも確かだ。今の所壊れる気配も狂いそうな様子もない。これまでにこの本丸に寄越された審神者で、一番長くもったのは確か一年程だったか。そいつも壊れる兆候そのものは割と早くに出ていた気がする。小鳥にはそれがない。きっと、これまでの審神者よりも随分長くもつのだろう。
二年、三年とずっとこの
奴らも、審神者を此処に送り込む行為がその場凌ぎの人身御供のようなものであった自覚はあるだろう。だが、小鳥は使い潰すには惜しい人材だったはずだ。高い霊力と浄化能力。従順な性質。神の寵を受けやすい体質。引き継ぎ審神者をするのにこれほど良いものは珍しかろう。それが知れれば、余所に回したくなるのではないか?
「…それは、気に入らんなぁ」
小鳥は俺に懐いている。俺も小鳥が気に入っている。両想いというやつだ。それを引き離すのは無粋というものだろう?
「入っても良いか?小鳥」
「三日月が夜に訪ねてくるのは珍しいね。どうしたの?」
てっきり日が沈んだら寝て日が上る頃に起きる超健康的な生活を送っているのかと思っていた。俺も此処に来てからはどちらかといえば朝型に寄ってきている。
俺が戸をあけると、三日月はにっこりと微笑んだ。
「小鳥は、良い子だなぁ」
「ふぇ?」
気がつけば、至近距離に三日月の顔があった。金色に輝く弦月が、
「…みか、づき?」
何で俺は畳に転がっているのだろう。何で三日月は俺の手首を掴んでいるのだろう。その瞳に浮かんだ見知らぬ感情は、何?
「だが、生憎と、俺は悪い大人でな」
寝巻の帯が解かれ、三日月の冷たい手が俺の下半身に触れる。
「おそらく初めてだろうから、やさしく喰ろうてやろう」
三日月がその気になれば小鳥に腕力で勝つ事は出来ない。だから、その非力な躯を出来る限り傷つけずにすませるため、三日月は小鳥を拘束した。解いた帯で両手首を縛め、躯ごと抱えあげる。
「三日月、やだ、こわいよ」
「大丈夫だ。俺は小鳥を傷つけん。ちゃんと気持ち良くなるからな」
首筋に口付け、穴を指でほぐす。
「ひぅ」
「それ、少しずつ蜜が出てきただろう?お前の躯が俺を受け容れようとしている証だ」
ぴちゃぴちゃという水音が響き始める。
その夜は、前の穴のみをたっぷり愛撫されて終わった。次の日、昼に顔を合わせた三日月はいつも通りで、小鳥は昨夜のは悪い夢か何かだと思った。
だが、その夜も三日月は小鳥の元に訪れて昨夜と同じように拘束し、後ろの穴を執拗に攻めた。その次の昼もやはり普段通りで、夜のアレは性質の悪い夢だろうと思った。
そして、三日目。
「あぁ、愛らしいなぁ、小鳥は」
拘束し床に押し倒した小鳥の穴をほぐし、三日月は初めて己のものを取りだした。初めて目にした
「今宵で三日目だ。いよいよ契ろうではないか」
一気に、奥まで貫かれる。
「っ」
「良い締め付けだ。だが、もう少し力を抜かねば痛いのではないか?」
「いた、い…いたいよ、みかづき」
「お前は俺に身を任せれば良い。ほれ、力を抜け。動けぬだろう」
「うぅ、そんなの、わかんなっ」
捻るように突き上げられ、小鳥は身を震わせる。
「ちゃんとほぐしてやっただろう?一度やってしまえば痛くなくなる。小鳥は俺を受け入れるだけで良いのだ」
「みかづきを、うけいれる」
「お前に俺を拒む理由などない。そうだろう?」
破瓜の傷を呪術で治す。血が止まり、痛みが引いても小鳥は怯えていた。
「みかづき、なんでこんなことするの?」
「小鳥が愛らしいからだ。…前も後ろも、しっかりと気持ちの良いことを教え込んでやろう。俺から離れることなど考えられなくなる程にな」
「まえ…?うしろ…?」
「後ろは。暫くはほぐすだけにしておこう。まずは前でイけるように覚えねばな。…ふふ、そうだな、夜はまだ長い。今宵は何度イかせてやれるかな」
三日月はうっとりと微笑う。小鳥はぐっと口を引き結んだ。三日月は小鳥を抱え上げる。
「そら、今宵も蜜はたっぷり溢れておるぞ。これでは着物が濡れてしまうなぁ」
楔を打ち込まれているような異物感と鈍い痛みを下腹部から感じ、小鳥は夜の事がけして夢ではないと認めざるを得なかった。昼間の優しい青年と、夜の色欲を瞳に宿したケダモノはどちらも三日月なのだと。
それでも小鳥は昼間の三日月には怯えず、懐いていた。子供にするように撫でる手のやさしさを知っていた。日のある内は、日が沈んで小鳥の部屋にやってくる時以外は、厭らしいことなど一つもしない。夜の間だけなのだ。三日月が小鳥にまぐわいを求めるのは。
だから小鳥は、夜の間は三日月に見つからないように隠れていようと思った。
「――隠れ鬼か?
隠れて、見つかればお仕置きだと手酷く犯され、それでも小鳥は"夜の三日月"から逃げることを諦めなかった。そして、隠れるようになって十日目。三日月がその遊びに飽きた。まだ日の沈みきらぬ内に小鳥の元へ訪れ、有無を言わさず抱え上げた。
「み、かづき?」
「そなたは、いつになったら学ぶのだろうなぁ」
こつん、と額を合わせる。色情を含んだ月が小鳥を射抜く。
「愛しいそなたが何処に隠れたか、俺にわからぬわけがないだろう。だが、あまり隠れられ、逃げられるのは寂しいなぁ?」
「っ、ごめんな、さい」
「だからな」
三日月が小鳥を連れて来たのは、表中庭にある離れ家だった。いつの間にかその内部は改造されており、赤い格子の座敷牢が作られている。
「夜の間は此処で過ごすことにしような。なに、俺が共におるし、此処は月灯が届く。夜の暗闇に怯える必要はないぞ」
「っ…やだっ」
「美しい格子だろう?そなたのために用意させたものだ。…白い肌によく映える」
平布で手首を格子に縛りつける。
「…そうさなぁ。俺がこうして入れてやらねばならん時は仕置きをしよう。だが、小鳥が自分から此処にいてくれるのなら、とびきりやさしくしてやろう」
縛られた高さから、小鳥はつま先立ちになっている。片足を上げさせ、今日はまだほぐしていない穴に張型を押し込む。
「っ、やだ、いたい、とって」
「仕置きだと言ったところだろう?そなたが嫌ぁなことでなければ、仕置きにならぬでな」
木で出来た張型は三日月の腕程の太さはあるだろう。油で濡れて黒光りするそれが、大層恐ろしいものに小鳥には思えた。穴の奥まで突き上げられても長大なそれは、拳一つ分以上の長さが余った。
「俺も小鳥を傷つけたいわけではないのだ。わかるだろう?」
小鳥が逃げるのを諦めたのは、それから十日後だった。自ら離れ家の格子の中で待っていた小鳥を見て、三日月は満足そうに微笑う。
「やっとわかってくれたのだな、小鳥。昼も夜もなく格子の中に閉じ込めることはせんでも良いようで何よりだ」
小鳥は怯えたように肩を震わせて、目を伏せた。三日月は小鳥をやさしく抱き寄せる。
「小鳥はまぐわうよりもただ俺の腕の中で眠る方が好きだろう?今宵は共寝をするだけにするか」
きょとんとして己を見上げる小鳥に三日月は優しく微笑む。
「それとも、このところ毎夜仕置きをされておったから物足りぬか?」
「う、ううん、三日月と一緒に寝るだけがいい」
「そうか」
三日月は小鳥に口吸いをする。くたりと力の抜けた躯を抱え直し、床に入る。
「おやすみ、小鳥。明日からは毎日こうであるといいなぁ」
辛抱強く三日月は己と過ごす夜を小鳥に慣れさせた。眠る時は必ず己の腕の中に来るように習慣づけさせ、それが一番安心できる場所なのだと覚えさせた。まぐわいは二三日に一度、あまりしつこくやらぬようにした。
そうして、小鳥が三日月の腕の中で熟睡するようになった頃、唐突にそれをやめた。格子の中、一晩眠れず待っていた小鳥に、三日月はうっそりと微笑う。
「三日月、なんで来てくれなかったの?おれ、ちゃんとここにいたよ」
「すまぬなぁ。愛しいそなたに負担をかけたくなかった故我慢しておったが、男の性というやつでな、そなたを抱えておるとまぐわいたくなってきてな。色街で処理をしていたのだ」
「・・・」
「これからも偶にこういうことはあるだろうなぁ。せねば、そなたに何もせずにはいられん」
「…いたくしないなら、三日月のしたいこと、してもいいよ」
「…良いのか?そなたはまぐわいをあまり好んではおらぬだろう?」
「…うん。俺、よくわからないけど、三日月が苦しいのはやだから」
「…言質は取ったぞ、小鳥」
三日月は小鳥を布団に押し倒す。
「日が上ってしまっているが…今日はたっぷり可愛がってやろう。躯の隅々まで教えてやろう。俺が、どれほどそなたを愛しく思っておるのか」