「レイトス様……」
先の戦いで他界したトルパス神曲学院学院長―シダラ・レイトスの私室。記憶の中で、朗らかな笑みを浮かべたかつての契約者の面影を見ながら、エレインドゥースは沈痛な面持ちで目を伏せる
「……」
最期を看取ることもできなかったかつての契約者の事を思い、睫毛を震わせる翠の精霊を、その新たな契約者となった「タタラ・フォロン」はただ見つめていることしかできなかった
だが、フォロンはエレインドゥースの白く繊細な手が小さく震えているのを見逃さなかった
詳しいことは聞いていないが、捕らえられている間に獣に蹂躙され、契約者であるレイトスを失ったその心と身体の傷は計り知れない
それを思えば、この状況でどのような言葉をかければいいのか分からなかった
「お優しいのですね」
そんなフォロンの悲痛そうな表情を見て取ったエレインドゥースは、その目元を綻ばせて優しく微笑む
「いえ、そんなことは……」
シダラ・レイトスが命を尽くしてくれなければ、自分はコーティカルテを助けられなかっただろう。それだけではなく、奏世楽器によって世界は終わりを迎えていたかもしれない
この世界を守ったのは紛れもなくシダラ・レイトスであり、その契約精霊であったエレインドゥースを受け継いだ自分は、同様にその意思をも受け継がなければならないと、フォロンは考えていた
「エレインドゥースさん。何か僕にできることがあれば、遠慮なく言ってください。僕にできることなら何でもしますから」
「なんでも……ですか」
そんな責任感と使命感に駆られ、少しでも励みになるようにと真摯な表情で言うフォロンの言葉を受けたエレインドゥースは、ふと何かを思いついたようにその口端をかすかに吊り上げる
「では、お願いしてもよろしいですか」
◇◇◇
「あ、あの、エレインドゥースさん……?」
そして、このようになった事態を思い返していたフォロンは、息がかかるほどの眼前にあるエレインドゥースの美貌を見て、困惑しながら声を発する
今二人がいるのは、シダラ・レイトスが生前使っていた私室、その寝室だった。二人が片づけを請け負っている
ために人が来ないこの部屋に連れて来られたフォロンは、ここへと案内してきたエレインドゥースにその意図を尋ねる
「はい。何でしょう?」
だが、わずか以上に困惑を隠せないフォロンとは対照的に、息を呑むほどに艶めいた微笑を浮かべたエレインドゥースは、その身体をそっとしなだれかけさせながら、どこか悪戯めいた笑みを浮かべる
「これは、どういうことなんでしょうか?」
翠の始祖精霊が浮かべる小悪魔めいた微笑に思わず息を呑んだフォロンがかすかに震える声で訊ねると、エレインドゥースはその身体をしなだれかけさせて囁く
「あら、女性にそのようなことを言わせようとなさるなんて……フォロン様は案外に意地の悪いお方なのですね」
自分の全てを委ねるように身体を預けたエレインドゥースは、フォロンの温もりを感じながら、その目を艶やかな色を帯びた瞳で見つめる
「フォロン様、よろしければ、私を抱いていただけませんか?」
「え?」
自身にしなだれかかって来たエレインドゥースの口から告げられたその言葉に、フォロンは思わず目を丸くする
羞恥に頬を染め、その瞳を潤ませるエレインドゥースの様子から、それが冗談だとは到底思えないフォロンは、極上の美女から漂う甘い香りに鼻腔をくすぐられながら、崩れそうになる理性を懸命に維持して口を開く
「で、でも……」
「やはり、だめですか」
本能と理性の葛藤に喉を鳴らしながら懸命に絞り出したその言葉に、エレインドゥースがわずかに物憂げな表情を見せる
「いえ、そういう訳じゃなくて、そういうことは好きな人と……」
「私は、あなたをお慕いしています」
その心を傷つけずにいられる自信がなかったため、フォロンはあの日、捕らえられていたエレインドゥースがどのような目にあっていたのか詳しくは訪ねていない
だが、それでもおおよその予想はついている。だから、フォロンはエレインドゥースが傷ついていると考えていたし、この申し出も自身が穢れたと考え、シダラ・レイトスを失って自らを責めるエレインドゥースが半ば自棄になって口にしたものではないかと考えていた
「私が望んでいるのです」
そんなフォロンの気持ちを見透かすように、エレインドゥースは思慕の情に潤みながらも、凛とした理性を感じさせる視線を向けて告げる
エレインドゥースは魅力的な女性だ。その女性に迫られれば、フォロンとて平静ではいられない。だが、だからこそフォロンはその言葉の誘惑に抗う必要があった
しかし、そんなフォロンの心中を見透かしているかのように、エレインドゥースは一層その身体を委ねるようにしなだれかかり、そしてまっすぐに瞳を見つめて言葉を続ける
「コーティカルテも、それを分かっていたから、こうして二人きりで送り出してくれたのではないでしょうか?」
「……!」
今回シダラ・レイトスに別れを告げるためにここ――トルパス神曲学院を訪れることにした時、コーティカルテは同行を遠慮した理由をエレインドゥースから聞かされたフォロンは、思わず息を呑む
エレインドゥースを新しい契約精霊にしたことを、コーティカルテは未だに不満に思っている。だが、それと同時に契約者を失ったエレインドゥースの気持ちも、痛いほどに理解できるのだろう
(コーティが……)
そんな態度は見せないが、彼女なりにエレインドゥースの事を案じていることを知り、そしてその心優しい想いを感じ取ったフォロンは、思わずその表情を綻ばせていた
「だめ……でしょうか?」
自分の事を気遣い、大切に思ってくれるフォロンへの気持ちを告げたエレインドゥースは、恥じらいにその頬を染めながら再度その意思を窺うように訊ねる
かつて獣に蹂躙され、一時とはいえその快楽に屈してしまった自らの浅ましさを悔いているエレインドゥースは、もし許されるならばそれをフォロンの手で払拭してもらいたかった
今でも獣に穢されたあの日々は記憶の中に焼き付けられ、時折恐怖と絶望に身が震えてしまう。そんな自分を脱却し、身も心もフォロンのものになりたいと願うエレインドゥースは、祈るように視線を向ける
「いえ、そんなことはありません――僕は、あなたの契約者ですから」
そして、そんなエレインドゥースの視線に対して、フォロンは優しい声音でそう答えると、自らその手を伸ばし、艶やかな翠の髪が煌めく女神の如き精霊を抱きしめる
「――ぁ」
契約者にして、身も心も捧げるべき人に抱きしめられたエレインドゥースの口からは、無意識に思慕の情に彩られた吐息が零れていた
「お願いします、フォロン様。私の全てをあなたのものにしてください」
「はい」
その貞淑な性格もあって、小さく消え入りそうな声音で言うエレインドゥースに、フォロンが答えると、二人はどちらからともなく互いに顔を近づけ、そしてその唇を重ねる
「ん……ッ」
フォロンと唇が触れた瞬間、エレインドゥースは全身を満たす多幸感を覚えて、甘えるような息を零す
唇同士が触れただけだというのに、エレインドゥースの心と身体はそれを許すべき人を感じ取って花開くように、その内側にあった女の本能を呼び起していた
「ん、ぁ……んっ、んっ」
まるで、互いの想いを確かめ合うように触れるだけの口づけを何度か交わすフォロンとエレインドゥースは、ただ愛し合う一人の男と女として、目の前にいる人を求める
意識がフォロンのみで埋め尽くされ、愛熱を帯びた身体が無意識の内に誘うようにくねり、その柳腰が誘うように揺らされていた
触れ合う唇からは、ほのかな甘さが感じられ、息を吸うたびに翠の精霊が纏う甘い香りが鼻腔の奥をくすぐってくる
楚々としてたおやかなエレインドゥースから零れる甘い吐息に、フォロンはすでに自分が抑えられないほどに昂ぶっていることを理解していた
「ん、んんっ……ん、ちゅ、ん、う……っ」
花のような唇を割り開いて舌を挿し入れると、エレインドゥースは一瞬それに驚いたように吐息を零すが、直ぐにそれを受け入れ、フォロンに求められるままに身を委ねる
口腔内に舌を挿し入れ、唾液に濡れた舌を絡ませると、エレインドゥースは全身を駆け巡る幸福感に身を振るわせながら、それを受け入れ、そして求める
まるで、互いの温もりを欲する様に身体を密着させるフォロンとエレインドゥースは、そのままベッドの上に倒れ込む
柔らかなベッドがエレインドゥースの身体を受け止めると、白いシーツの上に翠の髪が乱れて広がり、一つの芸術品のような美しさを演出する
「……っ」
その神聖な美に息を呑んだフォロンは、今自分が組み敷いている翠の精霊と視線を交錯させる
愛されることを望む女の愛欲に潤んだ瞳を向けてくるエレインドゥースに、愛することを望む男の愛欲を抱く視線で応じたフォロンは、ゆっくりと彼我の距離を縮めて身体を重ねる
「ん、んむ……っ」
唇を重ね、フォロンの舌を受け入れ、口腔内で抱擁を交わすように絡み合わせると、好感された唾液がかき混ぜられる淫靡な水音が奏でられる
口腔内から響いて来るその音は強い快楽を伴ってエレインドゥースの脳髄を溶かし、心と身体を一層蕩けさせていく
しばらく深く情熱的な口づけを交わした後で唇を話すと、絡み合った唾液の糸が二人を名残惜しげに結んでちぎれる
「エレインドゥース」
「フォロン様……どうか私のことはエレインとお呼びください」
至近距離で見つめ合うフォロンが男らしい低い声で言うと、エレインドゥースはそこに込められる意味を理解して恍惚とした表情で訴える
今目の前にあるフォロンは、女を自分のものにしようとする男のもの。そしてエレインドゥースは自分がフォロンの女になることを心から望んで、それを受け入れる
「エレイン」
「はい」
自身が求めた通りに、フォロンの口から自分の名前がの紡がれると、エレインドゥースは感動にも似た感情に胸を打たれ、うっすらと涙を浮べながら愛おしさを噛みしめる
「エレインに触れたい」
「はい、お望みのままに」
フォロンの望みに多幸感を覚えるエレインドゥースは、それに答えると恥じらいながら自らを包む新緑の衣を脱ぐ
精霊の力によって構築されている衣が光となって溶けると、エレインドゥースの一糸纏わぬ姿が曝け出されていた
「きれいだ」
細くしなやかで、女性的な柔らかさと肉感を絶妙に持つ白い身体にはしみや傷一つなく、触れずともそのきめ細やかさを感じられる肌はまるでうっすらと輝いているかのよう
豊かに実った女性の象徴たる二つの乳房と、流れるようなラインを描くくびれた腰、そして針のある臀部――艶めかしい色香を漂わせながらも、触れることさえ憚られるような幻想的な美しさを持ったエレインドゥースに、フォロンは無意識に息を呑んでいた
「フォロン様、あまり見ないでください……恥ずかしいですわ」
自身を献上するように隠すことなく一糸纏わぬ姿を晒すエレインドゥースは、フォロンの視線に恥じらいの声を零す
だが、裸体を視姦されることに羞恥を覚えながらも、エレインドゥースはそのことに女としての充足と誇らしさを覚えていた
「あ、ごめん。あまりにも綺麗だったから……」
フォロンの口から自然と紡がれるそんな言葉が、エレインドゥースをどうしようもなく喜ばせ、子宮が切ない疼きを覚えてしまう
「じゃあ、触るよ」
「……はい」
フォロンの声にエレインドゥースは、全てを許し委ねる想いを込めた穏やかな声で応じる
「ぁ」
ゆっくりと覆いかぶさって来たフォロンの体重を受け止めたエレインドゥースは、身体が密着する感覚に自然と恍惚とした吐息を零していた
男の体重を感じると、わずかな窮屈さと共に支配されることに悦びを覚える女としての本能がそれ以上の幸福を覚える
「……んっ」
身体を重ねたフォロンが首筋に口づけし舌を這わせると、エレインドゥースは切なげな吐息を零し、その身体を抱きしめるように腕を回す
一方のフォロンは、滑らかな肌から感じられるほんのりとした甘さに情欲を昂ぶらせ、首筋から鎖骨へと舌と唇で丹念に愛撫を施す
「ぁ、ん……は、ぁっ」
優しく労わるようなフォロンの愛撫に、エレインドゥースは抑えきれない恍惚に身体をくねらせながら、艶めかしい吐息を零す
フォロンとのふれあいによって、女体の中に眠る快楽を引き出されるエレインドゥースは、心と体を侵食して蓄積していくその熱に、その白い肌に玉のような汗を浮かべていた
「フォ、フォロン様……ぁ」
そうしてたっぷりと時間と愛情をかけてフォロンに愛撫されたエレインドゥースは、昂らされた女の疼きに耐え兼ねるように、甘く乱れた息遣いで懇願するように言う
恥じらいからから、消え入りそうな声で、しかしどこか媚びるようなエレインドゥースの声に息を呑んだフォロンは、すでに限界まで固く昂った男根の疼きに誘われるように、その女性の象徴たる二つの膨らみをその手で包み込む
「あッ、んああっ」
それは、あまりにも強い衝撃だった。フォロンの両手が乳房を包み込むように握りしめると、エレインドゥースはそのあまりの快楽に背を仰け反らせて横たえていた身体を橋のように持ち上げる
だがそれは、快楽を逃がそうとしている様でもあり、もっと触れてほしいと懇願しているようでもあった
「すごい」
一方、エレインドゥースの豊かな膨らみの柔らかさと弾力に喉を鳴らしたフォロンは、その感覚に感動さえ覚えながら、二つの胸を丁寧に揉みしだいしていく
「あ、んっ、あ……あ、あぁっ」
フォロンの手に乳房を揉みしだかれるたびに生じる乳悦に、エレインドゥースはよがり声を抑えることができずに乱れる
「んんんうっ」
そして、フォロンの指が固く尖っていた固い乳首を摘まむと、エレインドゥースは視界が白く染まるほどの快楽に軽い絶頂を迎えてしまう
だがフォロンの愛撫はその程度では終わらない。敏感な乳首を指先で弄びながら、反対側の乳首に吸い付き、舌を這わせてくる
「あっ、んあっ、そんな風にされたら……ああっ、フォロン様ぁ、んんっ」
両の乳首を責められる快楽に喘ぐエレインドゥースは、切なげに喘いで、その極上の美肢体を艶めかしくくねらせる
(ああ……こんな風に乱れて、何てはしたない。けれど、こんなに感じてしまっては、耐えることなんてできません)
以前受けた凌辱のように強制的な快楽を注ぎ込まれるのではなく、全てを許し捧げた人に触れられることで自分の心と身体が肉悦に溶け、弾けるような感覚。
身体が快楽で染め上げられ、心を塗り潰されるのではなく、心と共に身体が共鳴し快楽を増幅させ、感じるままに快楽を受け取る悦びがエレインドゥースを満たす
そんなエレインドゥースの脳裏に一瞬よぎったのは、先日受けた獣による凌辱だった
確かに、性技そのものはフォロンの方が圧倒的に拙い。だが心と体が一つとなって生まれる快楽は、凌辱の比などではなかった
(私、今――とても幸せです)
過去の痛みがフォロンの優しい愛撫と愛情、それに伴う快楽と多幸感にエレインドゥースの中から瞬く間に掻き消えていく
そして、エレインドゥースは今、フォロンと身体を重ねることとで、はしたなく乱れる自分を恥じらいながら、しかしそうあることで自分がこの愛しい人に愛され、愛しい人のものになっているのだという実感に身を震わせる
「んっ、んあああっ」
一心に乳房を揉みしだかれ、乳首を舐め吸われると、愛おしさと切なさがエレインドゥースの胸を焦がし、抑えようとしているのに、口からはとめどなく淫らに彩られ声が零れてしまう
自分の身体だというのに、声も身体もまるで自分のものではなくなってしまったかのように悶え、フォロンだけが今のエレインドゥースの全てになっていく
「――ぁっ、フォロン様」
快楽に本当されていたエレインドゥースは、ゆっくりと身体を下っていくフォロンの指が向かう先を理解して懇願するような視線を向ける
これからフォロンに自身の秘すべき場所が触れられようとしている。その事を自覚して羞恥を覚えると共に、自分の全てをフォロンに染め上げて欲しいという女の本能がエレインドゥースから一切の抵抗を奪っていた
「濡れてる」
白い肌をなぞるように下がり、両足の間へ指先を滑りこませたフォロンは、そこに感じる感覚に優しく目を細める
「い、言わないでください……フォロン様が、私をこんな風にしてしまったのですよ……ん、っ、あ、あああぁぁ」
これまでの愛撫によって、愛液でべっとりと濡れていたことをフォロンに知られてしまった恥じらいにエレインドゥースが声を震わせるが、すぐにそれは甘い嬌声によってかき消される
「あ、んっ、んあっ、あ、そこ、そこは……っ、あ、んああぁぁぁぁ」
フォロンの指が秘所をなぞり、膣口に指先が沈められると、エレインドゥースはその背を弓なりに仰け反らせて甘い声を上げる
「綺麗だよ、エレイン」
しっとりと汗ばんだ身体をよじらせるエレインドゥースの乱れた艶姿に、フォロンの愛撫にも一層熱が込められていく
「あ、ん、あ、あ、ああっ、だめ、です、フォロン様っ、そんな風にされたら、私、私は――」
愛液で濡れた指で膣を掻き混ぜられ、敏感な肉芽を探し当てられて責められるエレインドゥースの敏感な身体は、瞬く間に限界へ向かって追い詰められていく
フォロンに自分の全てを委ね、心と身体、魂と存在の全てで感じる快楽と愛情に女の幸悦を受け入れているエレインドゥースがそれに耐えられるはずはない
「イ、イキます……あ、あああぁぁああああっ」
成す術もなくその指技で絶頂を迎えさせられたエレインドゥースは、その身体を硬直させて快楽の極みに呑み込まれる
もはや染み付いてしまった絶頂の宣言を無意識に発しながら達したエレインドゥースだが、その内にあるのは女として満たされた悦びだけだった
「はぁ、はぁ……フォロン様、申し訳ありません、私ばかり……」
絶頂から解放されたエレインドゥースは、その余韻に豊満な胸を上下させながらも、健気な眼差しを向ける
汗に濡れた肌に張り付く乱れた翠の髪、淫悦に蕩けた表情と潤んだ瞳を向けられたフォロンは、その艶めかしい色香に無意識に喉を鳴らしていた
「エレイン、僕もう我慢できない」
エレインドゥースの乱れた姿に昂ぶり、天を衝くようにそそり勃っている自身の下半身の疼きに、フォロンは熱を帯びた声を絞り出す
「はい。来てくださいフォロン様。あなたのもので私の中を満たしてください」
フォロンの昂ぶりを見たエレインドゥースは、愛おしげに目を細めて、包み込むような慈愛の声で微笑みかける
その声に誘われるように身を起こしたフォロンは、エレインドゥースの脚を開かせて、その中心で愛液を零しながらヒクヒクと蠢く秘裂に肉棒の先端を触れさせる
「ぁ、んっ」
敏感になった秘所に熱く硬い男の象徴が触れた瞬間、全身に奔った甘美な快楽にエレインドゥースは喉を鳴らして喘ぐ
フォロンがそうだったように、エレインドゥースの女疼もまた限界に達していた
愛され、心と身体を悦ばされながらも、その最も深い部分では、愛する
その願望が満たされる時が来たと思うだけで、エレインドゥースの心と身体は弛緩して開き、一刻も早くフォロンを受け入れようとする
「入れるよ」
「はい……ん、あ、ああああっ」
優しく囁いたフォロンは、その答えを聞くが早いか、まるで吸い込まれるようにエレインドゥースの膣内へ肉棒を潜りこませていく
肉槍の穂先で秘肉を割り開き、生きているかのように蠢く襞が絡みつく極上の名器に包み込まれた肉棒から伝わってくる快楽に、フォロンは歯を食いしばって耐える
「く……うっ」
ともすれば、入れた瞬間に放出してしまいかねないほどの快楽。ここまで昂りを蓄積してきたフォロンにとっては、今すぐにでもこの極上の膣内に自身の白濁した精を解き放ちたいほどの欲望を掻き立てられるものだ
だが、入れてすぐに果ててしまうのは、男として情けない。なけなしのプライドを振り絞って射精を耐えたフォロンは、自身の肉棒を締め付け、撫でるように絡みつくエレインドゥースの膣内に耐えながら、奥へ奥へと進めていく
「あ、んあッ、あ、はああああっ」
広がった肉棒の傘が膣壁を擦るたびに、エレインドゥースは甘い声を上げ、そしてその先端が最奥に届いた瞬間には背を仰け反らせて、快楽に全身を打ち震わせる
「も、もうだめだ……っ」
そこまで耐えたフォロンだったが、最奥部に肉棒が到達した瞬間、一層強くなった膣の締め付けがもたらす快楽に限界を迎え、白濁した欲望をエレインドゥースの最奥で解き放ってしまう
「――ぁ、んあああああぁぁああっ」
女性にとって最も尊い場所である子宮にフォロンの精を注ぎ込まれたエレインドゥースは、身体を限界まで反らして絶頂に喘ぐ
目の前が白く染まり、快楽の火花が散る。上下左右さえ分からなくなるほどに鮮烈で眩しい快楽に、エレインドゥースは、女だからこそ得られる至上の幸福に震える
子宮内に注がれた白濁の精は魂を焼くほどに熱く、心身の髄まで多幸感を伴って浸透していく
一方でフォロンもまた、エレインドゥースの子宮内に精液を注ぎ込んだことで、男としての充足感を得ていた
(熱い……私の中を、フォロン様が満たして)
子宮内に注がれた熱い精が身体に染み込んでいく感覚に、エレインドゥースは言葉にならないほどの深い多幸感を噛みしめ、幸福の涙で潤んだ双眸にフォロンの姿を映す
(なんて幸せなのでしょう)
「ごめん、エレイン……」
「いえ。私で気持ちよくなってくださったのなら、とても嬉しく思います」
早々に果ててしまったことを詫びるフォロンに、エレインドゥースは慈愛の眼差しを送って微笑む
女として愛される幸福に心と身体を満たされるエレインドゥースと同様に、フォロンの若い心と身体は極上の女と愛し合う強い高ぶりに、たちまちそのたくましさを取り戻していく
「ぁ……フォロン、様」
自身の中で再び硬さを取り戻し、先程にも負けないほどに張りつめた肉棒に膣壁を押し返されたエレインドゥースは、その感覚に甘い声を零す
「ご、ごめん」
自身の身体のあまりにも素直な反応に、フォロンは恥じらって視線を伏せる
だが、エレインドゥースにとっては、自分という女でフォロンが喜び、女としての自分を求めてくれていることがたまらなく幸せだった
「フォロン様、遠慮なさらず、どうぞ私の身体であなたの昂ぶりをお鎮めください」
その想いのままに、エレインドゥースの口からは無意識にそんな言葉が紡がれていた
「エレイン……っ」
そんなエレインドゥースの健気な姿に胸を打たれたフォロンは、先程以上に昂る若い情動に任せて、その膣内を抽走する
「ああっ、フォ、フォロン様……んんっ、あ、あああっ」
くびれた柳腰を掴み、欲望のままに腰を振って固くそそり勃った肉棒で膣内を掻き混ぜると、エレインドゥースは甘く切ない声を上げてよがる
身体に残っていた官能の余韻が再び大きく燃え上がり、心と身体を熱する感覚に、エレインドゥースは身も世もなくよがり乱れる
「あ、あああっ、んあっ、あ、あ、ん、ふぁああああっ」
自分の腰使いに合わせてエレインドゥースが極上の美体をくねらせ、嬌声を上げて乱れる姿にフォロンの男としての欲望が掻き立てられ、それ以上の愛おしさがこみ上げてくる
愛液で濡れた膣内は肉棒と擦れ合うことで淫靡な水音を奏で、ぶつかり合う肌と肌が乾いた音を響かせる
男の息づかいと女の嬌声がそれに絡まり、淫靡にして神聖な曲を奏でていた
「エ、エレイン。エレインの
その快感に連動するように肉棒を締め付けてくるエレインドゥースの極上の膣内がもたらす快楽に、フォロンは声をかみ殺して言う
先程射精したばかりだというのに、フォロンの中では新たに生成された白濁のマグマが煮え立ち、いつでも精を解き果てるほどに高まっていた
「は、はい、私も、ん、ぅ……私も、気持ちいいです、フォロン様、気持ち、いいです、んあああああぁあああぁっ」
フォロンの言葉に、快楽と愛欲に蕩けたエレインドゥースの口からは自然と言葉が上がる
フォロンの抽挿に合わせて豊満な二つの乳房が揺れ弾み、細くくびれた腰が艶めかしくくねって、形のよい臀部を踊らせる
翠の髪を振り乱し、汗で濡れた白い身体に、翠の髪を張り付けて乱れるエレインドゥースが作り出す光景は、淫靡にして一つの芸術のような美しさを持っていた
「あ、ああっ、フォ、フォロン様……あ、だめ、です、んんっ、私……私、このままだと、また……あ、ああっ……」
最奥部を肉棒の先端で突き上げられ、膣壁を擦り上げられる快楽に、敏感で従順なエレインドゥースの身体は、瞬く間に限界へと近づいていく
「いいよ。一緒にイこう」
切羽詰まったエレインドゥースの嬌声に答えたフォロンは、自身にも迫る限界を前に歯を食いしばって腰を動かす
「ああっ、フォロン様、ん、フォロン、様、フォロン様、イキます! 私、ああ、もう、イ、ク――」
「うぅ、エレイン。僕も、出る……っ」
繋がり合い、一つに結ばれたフォロンとエレインドゥースは、愛欲を極めて同時に絶頂に達する
「あ、あああああああああああ」
再び放出されたフォロンの精液は、最初の一回にも勝るとも劣らない濃度と量を以ってエレインドゥースの中を満たしていく
フォロンの精を子宮に注がれたエレインドゥースは、その幸熱と快楽に意識が白くそまり、無上の幸福に包まれる
(フォロン様が私の中で溢れて……とても幸せです)
激しく互いを求め合ったフォロンとエレインドゥースは、生まれたままの姿で布団の中で身を寄せ合う
フォロンに身を委ねるエレインドゥースの表情は安らぎに満ちており、今の――そして、これからの自分達の幸福を噛みしめているかのようだった