※この作品はR-18です。

俺は恋愛初心者   作:氷野心雫

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 書き進めて、恐らく。いや、多分。官能的表現が出るであろう。

 っと、言う事で、R指定に変更させて頂きますm(__)m


彼女の正体~九州編③~

 翌朝

 

 

 

 

(結局、一睡も出来なかった……)

 

 目の下にハッキリと分かる程のクマを作り、悟史はぼやいた。相変わらず、悟史に抱き付いたまま愛美はスヤスヤと夢の中。女性特有の甘い香りが悟史の鼻孔を擽る。昨日の夜から、ずっと反応したままの悟史の息子。

 

(……かなりキツいわぁ)

 

 溜め息を一つ。愛美の腕からじわりじわりと抜け出ると、悟史はトイレへ向かった。

 

(一先ず、これからどうするか)

 

 悩んだ挙げ句、悟史はまだ夢の中にいる愛美をそのまま残し、ホテルを出たのだった。

 

 

 

 

 数時間後

 

 

 

 

 悟史は一人、銭湯巡りを続ける。ようやく落ち着ける至福の一時に、悟史の息子も平静を取り戻していた。

 

(一応、置き手紙置いてるし、帰る頃にはいないだろう)

 

 ユラユラと揺らめく湯気を眺め、悟史はそう考えた。脱衣所で服を着ると、次の銭湯に向かう。大勢の人とすれ違う中、黒いスーツ姿の男達を見つける。悟史は息を飲んだ。

 

(……あいつら、昨日の)

 

 平静を保ちつつ男達の横を素通りする悟史。突然、悟史の肩を誰かが掴んだ。振り向く悟史。そこにいたのは、黒いスーツ姿の女性だった。怪訝な表情で悟史を見つめるその女性。

「……ぁの、俺に何か?」

 悟史は動揺を隠しつつそう女性に問う。悟史の質問に、何故か苦虫を噛み潰した様な表情をする女性。

「貴方、名前は?」

 睨み付けるように悟史を見る女性。

「人に名前を聞くには、失礼な態度だな。それに、人に名前を聞く前に、自分の名前言うのが筋じゃないのか?」

 悟史の声が無意識に低くなる。その声色に一瞬怯む女性。女性は一度視線を地面に落とす。

「……申し訳ありませんでした。私は清水マサと言います。」

 

(………マサ?どっかで聞いたような…)

 

 悟史は思考を巡らせたが、思い出せない。その女性を見た。

「俺は、篠崎悟史だ。んで?清水さんは、俺に何か用か?」

 悟史の言葉に、清水マサと名乗る女性は、悟史の顔を無言で見つめている。その表情は驚いているようなそんな表情だ。悟史はその表情に違和感を覚えた。

「……っあ、ごめんなさい……あの、今人を捜していまして、女性なんですけど。小金井愛美という女性知りませんか?栗色の髪で、ちょっと小柄なんですけど」

 

(……あいつ、何やらかしたんだ?)

 

 マサの話に、悟史は心の中でぼやいた。少し興味が沸いた悟史。

「迷子かなにか?」

「いえ、お恥ずかしい話ですけど、家出なんです」

 一瞬の沈黙。悟史は吹き出し笑った。マサの方は、突然の悟史の笑いに戸惑っている。

「……ぃや、失礼。家出した理由は?」

「それは私の口からは申し上げられません。」

 真っ直ぐ悟史を見つめそう言い放つマサ。悟史は真顔になり、小さく溜め息をついた。

「そうか、まぁ。見つけたら家に帰るよう伝えるよ」

 そう言って、その場を後にする悟史。

 

『運命ってあるんですね』

 

 悟史の後ろ姿を見つめ、そう言ったマサの言葉を悟史は知らない。

 

 

 

 

 すっかり日が沈んだ頃。悟史はホテルにようやく着いた。この日、数件の銭湯を巡り、満足顔でホテルのロビーへ。フロントに向かい、戻されているであろう部屋の鍵を取りに行く。

「いいえ、お連れ様はチェックアウトされていませんよ」

 その言葉に目眩を覚えた悟史。

「……そうですか」

 その一言だけ。エレベータに乗り込み、部屋の扉をノックする。扉の向こう側から人の気配。

「……おい、いるんだろ?開けろ」

「嫌よ」

 その言葉に大きく溜め息をつく。無意識に声のトーンが下がる。

「開けろ。お前、自分の立場分かってんのか?」

 すると、ゆっくりと扉が開く。何事もなかったように悟史は部屋の中へ。窓際の椅子に腰掛け、煙草に火を点けた。無言の愛美が座椅子に座り、視線を悟史に向けた。

「……どこに行っていたの?」

「置き手紙してただろ?銭湯巡りだ。それより、お前何で出ていかない」

「…………」

 悟史の問いに、愛美は視線をテーブルに向ける。悟史は何度目かの溜め息。

「そう言えば、清水マサって名乗る女性が俺に声掛けてきたぞ」

「っえ!?」

「お前、家出したんだってな」

 突如、愛美は立ち上がり、悟史の袖を掴む。

「私の事、話したの?居場所教えたの?」

 力一杯袖を握り、焦りと不安を滲ませた表情で愛美が言う。その表情に悟史は一瞬驚いた。持っていた煙草を灰皿に置く。

「……いや、それは言ってない。」

「本当に?」

「ああ、本当だ」

 真っ直ぐ愛美を見つめる悟史。それを聞いて、愛美は安堵の溜め息をついた。その場に座り込む。悟史は煙草の火を消した。

「家出の理由は何だ?ってか、お前何者だ?何で追われているんだ?」

「…………」

「答えろよ。ここまで俺を巻き込んでいて、関係ないとか言うなよ?」

 悟史の言葉に、掴んでいた手を離す。愛美は座椅子に座った。悟史も座椅子に座る。

「私の両親は、大きな会社を経営しているの。」

「……もしかして、小金井グループか?」

「うん」

「成る程。お前、社長令嬢だったか。それで?家出の理由は?」

「あまり驚かないんだね」

 淡々としている悟史に、愛美は不思議そうな表情をしている。悟史の方は、腕組して座椅子に身体を預けていた。

「……まぁ、慣れているからな」

 ポツリと呟く悟史。愛美は首を傾げた。

「んで?家出の理由は?」

 再度、悟史の問いに、愛美は困り顔をすると視線をテーブルに向けた。

「私の家ね。成人したら、親が決めた人と結婚しないといけないの」

「…………」

「別に親が決めた人と結婚しない訳じゃないの。いずれは親の決めた人と結婚するつもりよ。でも、異性とお付き合いした事がないまま、結婚したくないの。私、恋愛してみたいの。だから」

 愛美の視線が悟史に向けられる。悟史は一瞬ドキリとした。頬を染めて、目を潤ませた愛美が悟史を見ている。

「……それで家出か」

 その一言に、小さく頷く愛美。悟史は深く息を吐く。

 

(俺は……。まぁ、家を出た時点で俺には関係ない世界だ)

 

 悟史の思考に過去の自分が映る。その表情は怒りだ。悟史の口角が少し上がり、小さく溜め息をついた。愛美はそれに気付く。

「これからどうするつもりだ?」

 悟史が愛美に問う。愛美は悟史を真っ直ぐ見据え。

「……悟史はどうするの?」

「俺?俺は、とりあえず九州観光を続けるけど?元々、それが目的だし」

「……ねぇ、私も一緒に行ったらダメかな?」

 愛美の言葉に目を丸くする悟史。愛美の表情は柔らかな笑み。

「九州観光にか?……一応、聞くけど部屋は?」

「一緒の部屋じゃダメ?」

 ニッコリ微笑む愛美。悟史の口はあんぐりしている。

「……お、お前。独身の男女が一つの部屋ってのは、まずいだろ。俺が襲うかも知れないぞ」

「大丈夫だよ。だって昨日、何もしなかったでしょ?」

 満面の笑みで愛美が言った。悟史は大きく溜め息をつき、天井を仰ぐ。

 

(マジかぁ……)

 

 この日から、愛美に振り回される日々を送る事になる悟史だった。




 ちょっとずつエロい場面が増えますね……
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