「あ、あのっ! ほ、ほんとにここで、その、するん、ですか?」
「うん」
提督の間髪を入れない返答に、下着姿の羽黒がうぅぅ、と俯いた。無理もない、いくら、鎮守府の敷地内、しかも建物の影とは言え、ここは外である。そういう反応になっても致し方ない。
「うぅ、司令官さんの変態……」
「それに付き合ってそんな姿になった羽黒も大概だと思うが」
「そ、それはっ! その」
「その、何?」
「う、うぅ~っ!」
ポカポカと叩かれながら、提督が声を抑えながら、しかし心底楽しそうに笑った。衝撃が強くなる。羽黒が涙目で膨れていた。
「だ、だって」ひとしきり司令官を叩き満足したのか、羽黒がもたれかかってきた。遠慮がちに提督を見上げながら、その軍服の裾をおずおずと握っている。ぼやくように呟いた。「司令官さんと、その、久しぶりに、その、出来ると思ったから」
甘ったるい声が提督の耳に漂ってきて、なにかもうどうでも良くなってくる。おまけに、日陰とは言え夏場だからか、羽黒の汗の匂いまで漂ってくるからたまらない。ついでに、自分の良い人が下着姿で寄りかかり、甘えきった様子で膨らんでいるんだから役満である。襲いかかる、という選択肢ではなく、強く抱きしめる、という方向に本能をコントロールできただけ、提督の思考には及第点を付けるべきであろう。
「可愛い奴め」提督が羽黒の額に口づけた。汗の塩味が強い。しょっぱいな、と感想を言えば、羽黒のふくれっ面が真っ赤になった。
「なぁ、羽黒」提督がくにくにと羽黒の胸をもんだ。ブラを軽く浮かせ、隙間の中へと指を挿れ、蠢かせる。ん、と羽黒が軽く跳ねた。「良いか?」
気づけばしぼんでいた羽黒の頬は、暖房にできそうなくらい赤らんでいた。既に蕩け始めていた瞳が、こくん、と縦に揺れる。いい加減、羽黒の方も切羽詰まってきたらしい。それに何処か喜びを感じながら、提督は羽黒の顎に手をやり、持ち上げた。羽黒が潤んだ瞳を閉じる。そのまま、距離が縮まっていき――
『Prrrrrrrrrrrrrrr!!』
「っひゃぁ!」
「おわっ!?」
提督の軍服、そのポケットがけたたましく鳴り出した。あんまりにも不意を疲れたせいで、羽黒が素っ頓狂な声を挙げ、身をかばうように縮こまってしまった。提督は提督で情けない声を出し、それからようやく正気に戻り、慌ててポケットの中をあさりだした。執務室備え付けの電話、その子機であった。
「も、もしもし? 何か有ったか?」
『お仕事がいっぱい』
底冷えする声が聞こえてきた。先日の「お昼まで仕事ほったらかし事件(命名:明石)」以降、提督が頭の上がらない大淀であった。ひっ、と提督が息を呑んだ。
『冗談ですから本気で怖がらないでくださいよ……』
電話越しの声が柔らかくなった。拗ねた調子が加わったのはご愛嬌だが。
「すまんすまん。負い目があるせいでつい、な。で、何事だ?」
『大したことじゃありません。赤レンガの』大淀が提督の同期の名前を出した。
「あ、あぁ。例の件か。わかった、回してくれ」
はい、と了承の言葉の後、転送に秘話装置が働く電子音がなり始めた。いきなりの着信音とゾッとするような大淀の声のダブルパンチを受けた提督が心を落ち着かせるにはもってこいの時間である。と、やっと羽黒の存在と今まで何していたかを思い出した提督が、慌てて眼の前を見遣った。困惑する羽黒がそこに居た。
「司令官さん?」
「すまん、赤レンガに問い合わせしてた件で電話がったみたいでな。あぁ」
提督が嘆息した。すっかり気分は断ち切られ、それなりに面倒な仕事の話が待っているはずであった。名残惜しい。本当に名残惜しいのだが。
「羽黒?」提督が言いづらそうに羽黒を呼んだ。「恐らくちょっと時間かかる。待っててくれてもいいけど、服着て執務室に戻っててくれた方が良いな、多分」
「え、あっはい」
「うん、ほんとすまない」
それなりに強引に巻き込んだ挙げ句がこの有様だから、罪悪感MAXの提督はと言えば、ろくに羽黒の顔も見れずに平謝りである。
「ぁ、でも、その、司令官さん? わ、私、ここで――」
「いや、本当に時間かかると思うから、すまんけど戻って」
『もしもし』
「おー、もしもし。久しぶりだな。そっちは相変わらずか?」
そのまま、提督の意識は受話器の向こう側の懐かしい同期へとスライドしていった。足早に物陰を去っていくその姿は、通話は他人の目に触れないところでという情報管理の基礎教育がなした業か、単に自分がひんむいた羽黒のそばにいるのがいたたまれなかっただけか。何れにせよ、ほとんどあてもなく陽光の下を彷徨いながら、提督が口早に用件を――。
「え、違う? あの案件じゃなく? じゃあ――は、船団護衛記録? それも1年前の? んなもん、そっちに――違う違う、こっちも持ってるけど、そっちの記録室にだな、うん」
と、雲行きが怪しくなったのは、近況報告と雑談が終わったときであった。ピタリ、と提督の足が止まる。
「ほら、角の……いや、そっちは広報した文書の保管場所。だから、その反対……そう、そこそこ。で――あ、やっぱりあったか」
どうやら、提督の記憶は大当たりしたものの、予想の方は大外れのようであった。ぴくり、と米神が痙攣する。
「うん――平謝りはしなくていいさ。うん――わかったわかった。ところで、お前さん家の近くに美味いと話題の居酒屋がだな。うん、拒否できる立場かい? うん、よろしい。じゃあ、また例の件で――おぅ」
通話を切ると、受話器をもった提督の腕がだらんと垂れ下がった。はぁぁ、と長い溜息が出てくる。そりゃ、良い事をしようとしたタイミングに電話がかかってきて、それが割とどうでも良い話ならば興ざめもいいところである。
「……戻るか」
踵を返し、とぼとぼといま来た道を戻り始める。どうせ、執務室は反対側。戻るには、ちょっと迂回路とは言え羽黒とさっきまで居た場所を通るのだ、と徒労に言い訳を付ける。そう、徒労である。本件と、それに数倍する雑談で費やされた道のりを完全に戻り切るほんの少し前まで、提督は固く徒労だと信じていた。信じていたのだけれども。
「…………ぅ…………っ」
かすかに聞こえてきた、荒い息遣い。耳に入ったそれに、あれ一体何の音だろうか、と惚けられるほど提督は阿呆ではない。ただただ固まってしまっただけである。いやいや、きっと赤の他人が盛っているんだろう、という現実逃避をようやっと思いつく。が。
「司令官、さんっ…………んっ」
まぁ無理だよね。どう考えても口調は羽黒、声音も羽黒、おまけに自分を呼んでいると。先ほどとは別の理由で顔が引きつる。今度は慎重に、一歩一歩を確かめるように近づいていく。世間話しながら費やした先程までの云百歩よりも遥かに長距離のように思えてくる。唯一、確実に大きくなっていく羽黒の嬌声だけが、現実的な距離感を提督に思い出させる要素であったが、まともな効果は発揮できていなかった。。何しろ大きくなればなるほど、提督の頭から冷静な思考回路を奪い去る呪文こそがそれなのだから。
「んっ、……あっ、……ふぅぅっ!」
先程まで自分が居た物陰を、見つからないように覗いて見やれば、ご想像の通り羽黒が自らの胸を揉みしだいていた。身を縮こまらせながら壁にもたれかかり、もう片方の手を口に当てて必死で声を押し殺している。もちろん、提督を呼び寄せたようにあまり意味は無かったのだが。
「んっ、こんな、とこぉ、誰かに、見られたら……っ!」
羽黒が息を呑んだきがして、提督が慌てて頭を引っ込めた。だが、指摘の言葉も叱責の言葉も、それどことか羞恥の叫びも無かった。再び恐る恐ると覗いてみれば、胸を揉むのが強くなっているようだ。どうも、見られるのを想像して感じたらしい。
「しれいかんさ、ぁぅ、私、がまん、むりっ……も、無理なのっ」羽黒が乳首を摘みながらんんっ、と震えた。はっはっ、と荒く息が吐き出される。「ほしく、てぇっ、私、わたしっ」
身を縮こまらせて自身への慕情を繰り返す羽黒を見ながら、そーいえば最近ご無沙汰だっけ、と提督が痛む頭をもみながら思案した。先の1件以降、大淀への気まずさから二人して忙しい日々を過ごしていたせいで、それなりに溜まっていたのである。だからこそ、先程こんなところで羽黒へ襲いかかろうとしていたわけなのだが。
「しれーかんさん、だめぇ」
気づけば、羽黒の瞳は蕩けきっていた。口から出てくるのも、既に言い訳ではなく想像上の提督との情事である。本格的にスイッチが入ったらしい。
「こんな、んっ、ところで、おっぱい、そんなに、んんっ」
いやいやと甘い汗を滴らせながら羽黒が首を横に振った。いやいや、と提督が否定しようと同じく首を左右にふるが、残念ながら先程まで本気でこうしようとしていたので説得力など皆無である。
「乳首、やぁっ。こんな、いっぱい、こりこりって、うぅ。ここ、おそと、なのにっ」
どうやら、羽黒の想像上の提督は極めて現実に忠実なようであった。羽黒の手が、再び乳首を掴むと、くりくりといじくり回す。口から漏れ出てくる妄想ほど手の動きが激しくないのは、外での自慰ということで自重しているのか、それともただ感じすぎているからセーブしているだけか。
「あっ、だめ。そんな、吸ったり、舐めたりは、あっ」
見れば、羽黒は乳首をつまむと、くいくいと引っ張っている。なるほど、吸われるのはそうやって再現しているらしい。こんど、そうしてやりながら両胸を吸われている気分はどうだ、とでも聞いてやろうと提督が底意地の悪い考えを浮かべた。
「んっ……司令官さん、もう、やめてください……」
羽黒が内股を擦りながら弱々しく呟いた。胸から手が離れている。自らを手篭めにしようという脳内提督に対するささやかな反抗なのだろうが、本人も気づいていないだろう動きで傍から見れば台無しである。もっとも、もったいない、もっと間断なく責めてやらないとと羽黒の中の提督にダメ出ししている実物が覗いている時点で台無しには違いなかったが。
「あ、だめだめ、だめですっ。お外であそこ触ったりなんかっ」
羽黒の手が、股をそっと撫でた。ぴちゃ、と相応に減衰していたものの、明らかに海からではない水音が提督の耳に入り込む。日陰だから気づかなかったが、下手すると地面に染みができているのではないか、というくらいの濡れ具合であった。
「んっ……、ふぅっ! そと、……ぁっ」
羽黒の口数が少なくなる。こしこしと、割れ目に指を滑らしては、白い喉をのけぞらせて感じるのを繰り返している。どうやら、提督云々は関係無しで、外で秘所をいじっているのに興奮してきたらしい。指の動きに合わせるかのように、腰が動き始めていた。
「おま、めっ、ぁ、刺激、つよ、いっ」
両手が覆い隠すように秘所をこねくり回す。羽黒の補足白い指が、濡れて光沢を帯びながら蠢きまわった。羽黒のお豆とやらがどれだけ刺激を受けているのかは分らなかったが、感じているのは意識が秘部に移ったせいでさらけ出された乳房を見れば明らかであった。ツン、と上を向いた乳首がぷるぷると震えている。ん、と羽黒がぴくりと震えた。軽くイきそうなようだ。
「ん、ぁ、ゃ、あ、ま、だめっ」
だめと言いつつも羽黒の指は止まらない。それでも己が指先を懇願するように見つめているのは、かすかに残った理性が警告しているからだろうか。尤も、その直後に、あぁっとひときわ大きく鳴いて体を大きく震わせているのだから意味がなかったが。
「はぁ――、はぁ――ッ」
しばしの間、息を整えてから、羽黒の顔が赤色と青色を混ぜたような顔色になり、慌てたように左右を見遣った。はぁぁ、と大きな大きなため息が聞こえてくる。とりあえず、後で索敵系の特訓だな、とどうやら隠れ切った提督が思った。
「うぅ、私お外で、こんなこと……」
ぺたり、とへたりこんでから、羽黒が自分の身を抱きしめた。耳まで真っ赤になっている。どうやら、今になって恥ずかしくなってきたらしい。恐る恐る、手を股間に這わせている。びくり、と手がひいた。
「うわ、びちょびちょになってる」
再びため息が漏れ出てきた。どこかいじけたように染みができているらしい地面を見つめる。さて、そろそろ止めるのかな、と提督がしゃしゃり出ようとした瞬間だった。
「……ん、ぅん」
また艶めかしい声が聞こえてきた。慌てて隠れ直し、そっと羽黒を見やる。ふくれっ面のまま、羽黒が股間をさすっていた。
「司令官さんのせいだ」ぴくりと体を揺らしながらぼやく羽黒がそこに居た。「お外なのに。あんなふうに迫られたら、期待、しちゃうもん……」
ぶつぶつと小声で提督への呪詛を唱えながら、けれども羽黒の手は慎ましくも動くのを止めない。ついに、司令官さん、という単語がただ繰り返されるに至り、いよいよ羽黒の手の動きが先程までと同じ大きさにまで戻ってしまった。
「司令官さん、しれいかんさんっ」
指でクリトリスを弾きながら、羽黒が呼んだ。恥ずかしそうに下げられる視線は、何から逃れようとしているのか。ただただ、手を動かすのに没頭している。
「ぁ、しれいかんさんっ……。まだ、まだっ」
羽黒の手が一寸止まる。こくり、と羽黒の白い喉がなった気がした。誘うように腰を動かすと、人差し指と中指を秘所に宛てがった。一人芝居も良いところだったが、それは本人が一番わかっているらしい。悦楽以外のなにかで真っ赤になっている。が、膨らまされた頬から、決意が硬いのは丸わかりであった。
「ん、ふぅー……っ、はい、って、んっ」
羽黒のそこは、普段提督の肉棒を加えこんでいることを脇においても、覚悟の割にすんなりと羽黒の指を飲み込んだ。よほど濡れていたのであろう。自分でも気づいたのか、耳まで赤くなっている。
「んっ、ふっ、しれいか、さっ。うご、いてっ」
動いているからやめて欲しいのか、それとも動いてほしいのか。恐らくどっちもなのだろう、と言わんばかりに羽黒の手と腰が動く。指が膣肉を掻き分け、腰が引いて逃げ出した。本人も頭がのぼせ上がってわけがわからなくなっているのだろう。ただ一つ確実なのは、感じていることだけだろう。
「あぅ、んっ、こえ、だめっ、こえが、ぁっ」
もちろん今更なことだったし、であるからもう声を押し通せるわけでもない。淫水を搔き出すたびに、羽黒が震え、提督を呼びながら啼いた。
「しれいかんさんっ、そん、なにしたらっ、誰かに、見られ、ぇっ」
提督が念の為隠れる。が、思ったとおりで自らの興奮を高める言葉に過ぎなかった。その証拠に、先程まではかろうじて口を覆い隠そうとしていたもう一方の手も、ついに胸を掴んで揉みしだき始める。お陰様で、羽黒の熱っぽい息が耳にこびりついて離れなくなってきた。
「あっ、しれいか、さんっ! わたし、も、だめっ」
羽黒の喘ぎ声が大きくなった。と言っても、普通の話声程度になったくらいなのだが、それでも羽黒の状況くらいは丸わかりだった。秘部を突き刺すピストンが大きくなり、胸に這った手はといえば屹立した蕾を必死になっていじっている。しれいかんさん、と陶酔しきった目で虚空を眺めていた羽黒が、一瞬手を休め思案気げな表情になって横を向く。刹那、ついにバレたか、とまたしても隠れた提督だったが、それ以降なんの反応もない。不思議に思ってもう一度覗けば、羽黒が正面を向き直した。躊躇わしげに口が開く。
「司令官さん」羽黒が、震える声で呟いた。「しれいかんさんになら、その、そ、外でも、思いっきりイカされて良いから……」
そこまで言うと、羽黒の動きが再開した。喘ぎ声も再び大きくなる。可愛い奴め、と提督がニヤついた。そう言葉に出すことで更に感じ始めた秘書艦に思わずして、他の何を可愛いと思えというのか。
「ん、ふっ、外で、わた、だめなのにっ! い、イくっ! イッちゃ――」
羽黒が大声を挙げ、たらん、と提督の方を向く。恐らく偶然だったのだろう。尤も、あれだけ警戒しても見つからなかったために、提督が安心しきってしまったのは必然だったし、そのせいで慌てて隠れる人影が羽黒に見つかったのも、きっと必然だったのだろうけど。
「――へ?」
喘ぎ声の合間に気の抜けるような声がして。
「―――ッ!!?」
声にならない悲鳴って、案外聞こえるもんなんだな、と提督が嘆息した。
「な、だれ、えっ、やぁ、手、止まらっ!? だめ、だめっ! イッ!? やぁあああっ!」
自分だとばれないように覗けば、真っ青になった羽黒ががくがくと震えていた。羞恥と恐怖と快感がにごちゃまぜになって襲われ、こらえきれず達してしまったらしい。達しながら、言うことを聞かない腕を必死に動かし、身を護るように体を抱きしめる様が、嗜虐心をそそってならなかった。
「ひぅ、や、やぁぁ……」
腰が抜けたのか、羽黒が身動きを取れずこちらを見つめ続けていた。ぷし、と何かが飛び出す音がした後、水音が鳴り響く。羽黒の顔に赤みが増し、手が股間を押さえるが押し止められるようなものではなく、黄色い水たまりが広がっていく。
「やぁ、止まらなっ! やだ、みな、見ないでぇ……っ」
羽黒が弱々しく身を縮こまらせたが、正直言って視線を引きつける要素しか無い。先程いじらしいことを言い続けていた口から絞り出される恐怖の声は、提督の何かを残念な形でぶった切っていたのである。
「う、うぇ、ひっぐ」
そろそろ本格的に泣き始めた羽黒に、提督がツカツカと歩き始めた、流石に無防備に過ぎないか、と提督が苦笑いしたところで、やっと気づいたのか羽黒が逃げ出そうともがき始め、秘部を隠しながら立ち上がり――ようやっと提督と目が合った。
「よ、よぉ」
「……しれいかん、さん?」
提督が所在なさげに片手を挙げた。そのさまを目に焼き付け、たっぷりと時間を掛けて理解してから――羽黒の顔が真っ赤に爆発した。もはや声も出てこないのか、完全に硬直しきっている。
「まぁ、なんだ。いくら鎮守府の敷地内で、今の時間このあたりは人が少ないとは言え、もうちょっと気をつけたほうが良いぞ?」
「う、ぁぁぁぁっ!」
羽黒が顔を覆い隠して悲鳴を上げた。今更ながら繰り出された常識的な言葉に、自分が何処で何をしていて誰に見られたかを痛烈に自覚しているらしい。体中が発熱せんばかりに朱色に染まり、日陰の中でも光って見えそうなほどだった。
だが、提督の眼中にその様子は無かった。いや、もちろん見えていたし、羞恥に震える羽黒に無関心で居られたわけでもない。ただそれ以上に、羽黒の細い腕から見え隠れする乳房とその頂きや、脚の付け根でちらちらと自己主張する濡れた突起の方に目が行っているだけである。
とどのつまり、提督もいろいろと限界であり、羽黒を笑えるような立場ではなかったのである。
「羽黒」
「うぇ?」
気づけば自身の目の前に立っていた提督を、羽黒がきょとんと見上げた。が、視界の隅に明らかに一部が突っ張った軍服、そのズボンの方を認めると、ぁっと小さく、しかし明瞭な声が漏れた。
「どうしてこうなったかは、わかるよな?」提督が一言一言を際だたせるように言った。「さっきのだな。続きを、したいんだが」
羽黒が恥ずかしそうにそっぽを向いて、こくこくと頷いた。けれども、体は正直というほかなく、いつの間にやら提督の服を握っていた手は固く、離すことはできなさそうであった。もちろん、提督にも羽黒にも、そんな意図は毛頭無かったのだが。
待てをされていた犬のように、提督が羽黒に貪りついたのは、そんな様子を見届けてからすぐのことであった。
この後、敷地内を見回っていた妙高に見つかり、折檻される提督と必死にそれを助けようとする羽黒が目撃されることになる。
どんどはれ
妙高姉さん的には、するのは良いけど慎みを持ちなさいってことらしい、って初風が震えながら言ってた