「随分と時間も金もかけてしまったが・・・ようやくだ、この部屋さえあれば、俺の望むものが手に入れられる。」薄暗く無機質な部屋に男の声が響く。強く拳を握りしめ、他に誰もいない部屋で独り言に熱を込める。
「ふふふ・・・はははは!!待っていろ、待っていろよ!俺の愛する魔物達!!この部屋で、俺好みの従順な雌にしてやるからなぁ・・・!!」
ひとり高笑いをするこの男、将来を有望視される名家の長男で名はウィル。あらゆる学問に秀でまさしく天才と呼ばれて相違ない男であった。しかし、魔物の生体を研究し始めた頃から、その歯車は狂い始めた。研究の中で人間よりもはるかに誇り高く、強く、美しい、そんな魔物娘たちを目の当たりにした男は彼女らの性的な魅力に心酔し、いつしかそれらを自らの手中に収めたいとまで思うようになっていった。そして男は世間で狂った研究者と呼ばれるようになり、親族からも敬遠され素性を隠匿するように人里離れた屋敷での生活を強いられた。
「
先ほどまでひとりで喋っていたウィルの傍に長髪で褐色肌のどこか蠱惑的な雰囲気を持つ女性が立っていた。
「ん?ミラか。そうさ、これは歓喜の雄叫びさ!これから俺の甘美な生活が始まるのだからな!!」
「左様でございますか。しかし、そのように手放しで喜ぶにはいささか気が早いのではないでしょうか?」
ミラと呼ばれた女性は、冷ややかに言う。
「なに?どういうことだ。俺の考案し設計したこの部屋・・・様々な種族に合わせて変幻自在に環境を作り上げ、自由自在に調教ができるこの部屋が完璧ではないと言いたいのか?奴隷の分際で。」
ミラの一言に気分を害したのか、ウィルは彼女に詰め寄った。
「い、いえ、主様の作るものが完璧でないはずがありません。それは承知しております・・・ですが、万が一ということもあります。そこで・・・その・・・・・・この部屋のですね、実験といいますか、が必要、なのではと・・・たとえば・・・私で、とか・・・」
先ほどまでの冷淡な受け答えと違いどこか歯切れの悪くなるミラを見ながらウィルは意地の悪い笑みを浮かべた。
「なんだ、そういうことか・・・そうだな、たしかに必要かもしれないな・・・実験が。」
「では、私が・・・!」
「いや、俺は奴隷思いだからな。何か嫌がっているようなお前に手伝ってもらうのは悪い。」
「そ、そんな、私は嫌がってなどいません。必要なことなのですから、私で・・・!!」少し焦った様子でウィルを説得しようとするミラに強い口調で告げる。
「正直に言え。この部屋で俺に”して”ほしいんだろ?はっきり言えばお前でこの部屋の実験をしてやる。それができないなら、俺は今すぐ奴隷候補を連れてくる。」
ミラは強い口調でそう言われると、先ほどまでの凍てついた表情ではなく、泣きだしそうな顔でおいすがるようにウィルに体を密着させた。
「も、申し訳ありませんでした。主様!言います!正直に言いますから!私は、下僕の身でありながら主様からの褒美を期待して、勝手な申出を致しました。わ、私を主様にこの部屋で調教される最初の奴隷にして欲しいのですっ!!」そう言い切った彼女の背からは人間にあるはずのない、黒く大きな翼が生え、スカートからは黒い尻尾がのぞいていた。ミラは男がこの屋敷に住むようになってから身の回りの世話をしてもらうために奴隷商人から買った女性であったが、彼女は純粋な人間ではなかった。人と魔物の混血児は忌み嫌われており、そうだと分かればたとえ奴隷としてでも買い手がつかないからと人間だと偽って売られていた女だった。
男はミラの正体が人と悪魔の混血と知ると、単なる世話係ではなく自身の欲望を満たすための奴隷としても調教し篭絡してしまったのだ。
「・・・また感情が乱れて翼や尻尾が出てきてるぞ、いや、手間が省けたか?命令通り本心をさらけ出したんだ。望み通りに調教してやる。なにより、お前の今日までの働きには何かしてやらないといけないと思っていたところだ。この調教実験をお前の頑張りの褒美にしてやろう。」ウィルはそう言うとミラの身を包むスーツ越しにその豊満な肉体をまさぐり、軽く口付けをしてベッドに押し倒す。
「あ、ありがとうございます!こんな私を奴隷にしてくださり、あまつさえこんな調教までなんて・・・!!私は、幸せ者です・・・!」
「ほら、始めるぞ・・・お前の弱点、尻尾から弄り倒してやろう。」男が部屋の扉が閉めると部屋の中の音は一切外には聞こえなくなった。
そして、部屋の中では魔物を調教するための実験と称してミラは望み通り一晩中あらゆる調教を褒美として受け取り、歓喜の悲鳴と嬌声を上げ続けた。