「体内にエネルギーを溜めるイメージ。細胞1つ1つから少しずつパワーを集めて、どんどんどんどん増えていく……。蓄えたその力を一気に――外へ!」
「うん、合格。もう『練』ができるようになったな。『凝』のオーラ移動の『流』もゆっくりカタチになってきたし、優秀だよ」
天空闘技場の100階クラスに与えられる部屋で修行を開始してすでに2週間弱。
ポンズはこちらの予定通り、戦闘開始機関までの3日間ギリギリで戦闘を行い、順調に10階ずつ上がって、160階クラスの闘士に上がり、「纏」、「絶」、「練」の4大行の内3つの技術を習得した。
「元があったとしても、修行開始から2週間で念能力の4大行の2つを習得して、『凝』とオーラ移動技術の『流』をつたいながらも使えるなんて、才能もあるようだね」
「ふぅ。早々に4大行の3つを習得できたのは嬉しいけど、蜂が使えなくなったのは痛いわ……」
残念そうに部屋の机に置かれた帽子を見つめるポンズ。
「でも、それは仕方がないよ。帽子を付けたまま『練』なんてしたら蜂の精孔が開いて大半が死ぬだろうし、敵意を放つ念を浴びたり、浴びせようとする余波だけでも蜂は死にそうだからね」
「それはそうなんだけど……」
ポンズは残念そうに帽子を抱えてベッドに腰をかけた。
つい1週間前まで蜂の巣となっていた帽子だが、今の帽子に蜂は住んでいない。「練」の習得や、悪意を込めた念に耐性をつけるための修行の邪魔になるので、実家に送り返して、蜂が住んでいない同じ帽子を送り返してもらったのだ。
ポンズが具現化系や操作系だったら蜂を操れると思うんだけど、今は言わない方がいいか。
「とりあえず、今は新しい戦闘スタイルを体に馴染ませないといけないから、今度は体源流の本部に行こう」
「……はい。――またボロボロにされるのね……」
ポンズは帽子を置いて立ち上がった。
あれ? レイプ目になってる?
それから修行着である体操着の上から、上下赤色のジャージを着たポンズを連れて、体源流の本部となっているビルへ向った。
◆
「ほら、ポンズ! 攻撃を避けたあとの注意力が散漫になってるわよ! 戦闘中は常に警戒を怠らない!」
「はい!」
体源流本部の念能力者のみが使用できる個人訓練部屋で、体操着にブルマ姿のポンズがムチで打たれる。
「ナイフでの戦闘は瞬発力が大事よ! 相手の懐に一瞬で入って、効果的な攻撃を行なう! 相手の攻撃の瞬間や、隙をついてカウンターを決めるのも有効よ! 私のムチをかいくぐって間合いに入ってきなさい!」
150メートル四方の部屋でポンズはムチを振り回す美女にナイフを持って突っ込んでいく。
縦横斜めと縦横無尽に振り回される5mはあろうかというムチを、ポンズはギリギリで、時々かすりながらもかい潜る。
「――っ、はあっ!」
自分の間合いまで入ったポンズは、「凝」で脚力を少し強化して美女の懐へ入りナイフを向ける。
「――甘い!」
美女はナイフでの一閃を紙一重でかわし、ムチを操って自分の元へ戻し、ムチの先でポンズの背をパンッと打った。
「――くっ」
ポンズの口から苦痛の声が漏れる。
ここで見学兼監督をしていた俺が止める。
「止め!」
その言葉で戦闘行為を解除する2人。
「なかなかだったわよ」
「ありがとうございました!」
ポンズは礼をしてから疲労で床に座り込む。
荒い息をあげるポンズの頭をひと撫でしてから、ムチを持った美女がこちらへ身を寄せてきた。
ごく自然な形で腕を絡めて巨乳を押し付けてきた。
うん、極上感触!
それに胸元が開いていて、深めに入ったスリットの黒いエッチなドレスは眼福ものだね!
「ポンズの修行に付き合ってくれて助かるよ、レイナ」
「ふふ、こっちもたっぷり報酬もらってるから、いいわよ」
男を魅了するアダルトな笑顔で返してくるレイナ。
う~ん……、報酬といっても俺に得のある事ばっかりなんだけどな~。
「ポンズ、今度は私の番! 無手での近距離戦をみっちり仕込んであげる!」
「その次はあたしの番よ! 遠距離からの攻撃を避ける訓練をつませてあげますわ!」
「もう少し待ってくださいぃいい……」
ポンズは人気者だね~。
今度は、手甲とネコミミ&尻尾装備のビキニスタイル、赤毛の短髪元気っ娘のアンナと、2丁の短銃を持ったゴスロリお嬢さま風、ブロンドロリっ娘のクルミの2人に絡まれていた。
他にもこの部屋の壁際で自分の番を待ってる門下生が50人ほど……。部屋の外にも気配が200人分ほど……。
この本部の門下生って全部で2000人ぐらいで、念能力者はその内役800人ほどだったはず……。
…………。
よし、その話は置いておこう。
現在ポンズが受けているのは、体現流の恒例、新入り仕込みです。
本部に連れてきた新人の念能力者はまず、外で事故や何者かの襲撃にあっても死なないように、最低限の戦闘技術を皆で指導をするんだ。
まあ、非念能力者も同じように戦闘技術を教えて、念に目覚めたら今度は4大行を仕込んで、応用を教え込んで、各自個人の「発」を覚えさせるだけどさ。
「それにしても、ポンズって人気だね」
ここ1ヶ月、2日に1回は本部で修行させてるけど、毎回大勢集まるんだよな。
今度は猫ルックのアンナちゃんに、無手での格闘技術の指導を受けているポンズさんを眺めながら呟くと、レイナが口もとに手を当ててクスクスと笑い声を漏らした。
「ふふっ、新人が外で誰かに殺されて死なないように、皆で戦闘訓練をつけるのは恒例だけど、いつもこんなに集まらないわよ」
「そうかな?」
結構毎回集まってたと思うけど。
そう答えて殴りあい(アドバイスされながら殴られている)をしているポンズと、ちょっとSが入ってるドMなアイナの戦闘訓練を眺めていると、レイナが巨乳の谷間に腕を挟み込んできて、ふにぅぅっと腕を包んだ。
「昔より触り心地ちがよくなったな」
「うふ、ありがと♪」
レイナとイチャイチャしていると、周りから羨ましそうな視線が……。
レオナはその視線を流して耳元で甘く囁いた。
「皆、真剣に新人のポンズちゃんに戦闘訓練つけるけど、ここまで大人数の門下生が集まってるのは、そのあとの
「えっ! 本当に!?」
訊ね返すと、レイナは笑みを濃くして説明してくれた。
「ええ、そうなのよ。ポンズちゃんに戦闘訓練をみっちりつけた人が、リョウさんと優先的にエッチできるってね。だから皆、リョウさんとエッチしたいから我先にって、ポンズちゃんに戦闘訓練をするの。まあ、それだったら師範達からポンズちゃんに戦闘訓練をしそうだけど、他の師範達は各地方位散ってるし、本部にいる師範達もリョウさんとエッチしたいだろうけど、他の門下生達に権利を譲ってるのよ」
そうだったの? っていうかレイナも師範代に最近なったような気が……。
「うふふっ、私は子供の頃からリョウさんに開発されながら育ったのよ。他の女よりもリョウさんに対しては貪欲なの。それにポンズちゃんも可愛いしね」
「さすが、門下生の一部にお姉さまと慕われて、尚且つどっちでもイケル事はあるな」
「もう、確かにどっちでもイケルけど、リョウさんが一番に決まってるじゃない」
「うん、最高に嬉しいよ」
レイナの腰を抱いて引き寄せた途端に、抱き合うお互いの体の間をヒュンと、風きり音を鳴らせて横切った念弾。
2人揃って念弾が打ち込まれてきた方向に顔を向けると、いつの間にかアンナと相手を代わって、遠距離戦の訓練を行っていたクルミちゃんが、短銃の片方をこちらへ向けていた。
視線で訓練中にイチャイチャしているんじゃありません! と言われているようだ。
とりあえず抱き合うのを止めると、クルミちゃんは短銃をポンズの方へ向きなおして、戦闘訓練の厳しさが増した。
ポンズは叫ぶ元気もなくして必死に念弾を避けているが、視線はこちらに助けを求めているものだった。
まあ、頑張って! 怪我しても本部には治癒系の念能力者も、念能力を使わないくても立派な女医さんもいるから安心だよ!
それに疲労しても俺より優れた疲労回復系術者がいるし、明日の朝まではぶっ続けで訓練だからね! その後は休みだから安心して経験を積んじゃって!
このまま行けば200階にあがる頃にはかなり強くなれるよ!
「戦闘訓練の方はこのまま数十名に任せてもよさそうだし、そろそろ50人ぐらい連れて行こうか」
エッチが目当ての門下生達をあんまり待たせるのも可哀想だしね。
「ふふっ、2日前ぐらいにも時間を少し空けて1000人ぐらいの女達と乱交したばっかりなのに、相変わらず底なしね♪」
「あははは、実は最近女と愛し合う度に体の調子や念のコントロールが良くなってるんだよね。それに、まるで性欲尽きなくてさ。たぶんネタで創った念能力の所為だと思うけどさあ」
「あら、そうなの? それは丁度いいじゃない。皆、リョウさんとエッチしたがってるし、今度の休みに支部で何人切りできるか試してみましょうよ」
「レイナってほんと乱交とか好きだよね」
「ええ。でもどちらかというと、リョウさんが大勢の女を犯しているところを見るのが好きなのよ。だらしない雌犬みたいにドロドロに犯されていく女を眺めながら、私も孕ませようと、次々に女達を犯しながら向うリョウさん。――ああっ、想像しただけで……」
内股になってそわそわと太ももを擦りつき合わせるレイナ。
さすが子供の頃から開発して快楽を教え込ませただけの事はある貪欲ぶりだな。
おっ、丁度休憩時間に入ったようだし、今言うか。
「じゃっ、ポンズはいつも通りこのまま戦闘訓練。近距離戦闘技術の向上が1番で、間合いが中距離の相手からの攻撃を避けて、素早く懐に入る訓練が2番。そして遠距離からの狙撃などを感覚レベルで避けたり防御する訓練が3番で、適度に念能力で休憩を取らせながらみっちり鍛え込んであげて」
「はぁはぁ……リョウ師範は、また」
死にそうだねポンズ……。まあ、念能力で回復させるから死なせないだろうけどさ。
「うん。せっかく手伝ってもらってる感謝と、あんまり見れていない門下生達の修行を付けにいくから、同門の彼女達の言いつけ守って戦闘訓練をみっちり積むんだよ」
「はい! ……はぁはぁ……」
気力だけで元気よく返事したみたいだね。
「じゃっ、とりあえず部屋のなかの門下生からね。その次は外の門下生だよ」
入れ替わりで部屋に入る50人と交代して、門下生の特質系念能力者が創った『竜宮の玉手箱部屋/クロックルーム』へ向った。
一見すると広い体育館のような部屋だが、この部屋の1日は外での5時間になるという特殊部屋になっているのだ。
能力的にレアで、発動の際に膨大なオーラを必要とするが、神字を部屋の床板の裏や壁紙の裏にびっしりと記入しているから消費オーラが軽減され、さらに部屋を使用するためのオーラは使用者持ちだから、部屋を創った能力者が自身で使用しない限り疲れない。精々新しく部屋を創る時に大量のオーラと、大量の神字を書く事が必要になるぐらいのデメリットがあるだけだ。
さてと、もうビンビンだし! さっそくレイナから犯して、始めるか!
◆
はい、部屋のなかで2日、外での10時間できっちり門下生達を犯し終えました!
乱交パーティを開いていた部屋のなかは雌の臭いや雄の臭いで異臭がしたり、体液などで汚れていましたが、掃除に使える能力者が数人いるので、速攻で部屋は綺麗になり、俺達も掃除の必要はなく、すでに部屋から出ています。
そして現在、ボロボロになって落ちているポンズを背中に背負って、天空闘技場へと帰っているところです。
ふふっ、すでに肉体の疲労は直してあるけど、精神的に完全に疲れきってるなぁ。
今夜は俺も少し疲れたし、全裸剥いて添い寝するか。
◆
俺は乱交、ポンズは体源流の戦闘訓練後の休日のあと、10日足らずでポンズは無事、200階に到達しちゃいました。
うん、急ピッチで育てすぎたね。
戦闘訓練とか内容も濃いし、現役の体源流の師範や門下生達からの指導もあって、ポンズさんが覚醒しちゃった!? と驚いちゃうぐらい一気に強くなったんだよね。
体源流の修行部屋で筋力などを上げる基礎トレーニングもやらせて念無しで4tまで動かせるようになったし、戦闘スタイルも、ナイフと、打撃技&関節技を合わせた戦闘技術で、薬品も戦闘に組み込める暗殺タイプに確立して、さらに「纏」、「絶」のスキルアップに、「凝」から体の一点にオーラを集中させる「硬」も覚えて、武器を体の一部と認識してオーラで強化する「周」も合格! オーラ移動技術「流」もそこらの並み以上の使い手レベルまで上がったのだ!
しかも「練」の自足時間は1時間半!
念能力を覚えて3ヶ月足らずというのは、信じられないレベルの成長速度だ!
そして現在、ポンズはもうすでに「纏」と「練」の応用、「堅」を倒れるまで維持させる事で、オーラの総量と防御力を上げる修行をしていたんだけど、そろそろだな。
「よし、30分の「堅」終了。十分合格レベルだね」
「はぁはぁ……、やったぁ……」
途端に全身から汗を流しながら荒く息を吐くポンズ。
うん、体操着も汗でスケスケだし、これもなかなか……。っと、いけないいけない。
「ポンズ」
「はい、師範」
師匠の方が響き的にいいんだけどな~。
「いよいよ「発」の修行に入るよ」
「――っ! はい!」
疲れているけど、嬉しそうな表情を浮かべるポンズ。やっと自分だけの能力が得られる事が嬉しいんだろう。
「じゃあ、まずは一般的に知られている心源流の水身式で何系なのかを調べるよ。何系統があるのかは知っているよね」
「はいっ、全部で6つの系統があり、強化系、変化系、具現化系、特質系、操作系、放出系の6角系ですよね」
「うん、そうだよ。じゃあ、見てみようか」
まっ、水見式のやり方は教えていたし、もう自分の系統を知っているかもしれないけどね。
用意しておいた水を並々注いだグラスに葉っぱを1枚乗せて、テーブルに置き、ポンズにコップを手で囲い、「練」をするように指示した。
結果、ポンズの系統は操作系だった。
まっ、天然で蜂を操っていたようだから予想はしていたけど。
「うん、「纏」も「練」も毎日基礎修行をしているから「発」もなかなかだね」
葉っぱが初めてではあり得ないぐらいユラユラと動いた。
「ええ、何度も地獄を見ましたから……」
「練」を止めてハンカチで目元を拭うリアクションを見せるポンズ。
う~ん、体源流の本部に通い出してから敬語使うようになったけど、ポンズの場合、色気が……。
まあ、エッチの時には普段のストレス発散もあってか、前より乱れるようになったけどさ。
「ポンズ、自分の「発」をどうするか決めている?」
「はい。一応は、操作系と具現化系で創ろうと考えています」
「そう」
十中八九、蜂を具現化するんだろうな。テレビで蜂の特集があったら必ず録画して観たり、蜂を飼っていた帽子をぼーっと眺めている時があるし。
「まあ、でも「発」っての1回限りで、能力を創ってしまえば容量が減るから考えないといけないよ」
「はい」
いい返事、やっぱりまとめて指導するのって効率がいいね。
体源流本部で定期的に4大行の座学を行なっているところに、ポンズを入れて「発」についての講習会を開いてよかったよ。
「発」の創り方や、制約と誓約の注意点から、死にスキルにしないための指導も行なったから、短絡的に能力創って容量を減らすおバカもいないし。
「一応、最初は系統別の修行から始めようと思うが、「発」を創り込んでいるなら、「発」の製作から入ってもいいよ」
「いいの!?」
ポンズさんが、飛びついてきた。そんなに蜂が恋しいのか。
「いいよ。ちゃんと考えているなら。あ、でも制約と誓約は、念能力の力を秘薬的に上げるけど、あとつけも可能だし、今はなくても十分だからね」
「はい!」
ポンズの修行は「発」へ移り、基礎を平行しながら念能力の開発に移った。
◆
天空闘技場で修行を始めてもう3ヶ月。ポンズが200階クラスへ上がってからすぐ。
200階クラスに与えられている豪華な個室に移ったわけだけど、そこで2人と再会しました。
「ああっ! リョウさんにポンズさん!」
「げっ、リョウじゃん」
うん。ゴンとキルアだね。あと、げってなんだよ……。
「久しぶり。2人も天空闘技場に来ていたんだね。しかも、200階闘士だなんて驚きだよ」
「念も覚え始めたようね」
ポンズは2人を見て呟いた。確かに「纏」はしていないけど、オーラが体に留まっているからね。
まあ、それより――。
「なんでゴンはまだ腕にギブスつけてるんだ? ハンター試験でハンゾーにやられたところ、まだ治っていないのか?」
右腕にギブスってそこまで酷い怪我だったか?
「え~と……」
「あ~、コレね」
言いにくそうなゴンの代わりにキルアが説明を始めた。
「ゴンが念を覚え始めてすぐに、いつでもいいって選手登録しやがってさあ。次の日に対戦が決まって、200階クラスの念能力者にボコボコにされたんだよ」
「あなた、念能力を覚え始めてすぐに念能力者と戦ったの!? どれだけ命知らずなのよ!?」
驚愕の表情でポンズはゴンを見た。ゴンはというと、気まずそうに顔を伏せえいた。
いや、ほんと無謀だよ……。200階クラスの闘士って体源流でも中級の門下生達ばかりなんだから。
「もう、念を習ってる先生に散々説教くらったよ」
うんざりつぶやくキルア。おまえも注意されたんだね。
「それで腕は大丈夫なの?」
「うん、戦った相手が加減してくれたみたいで、そこまで酷い怪我じゃなかったから」
心配そうに訊ねるポンズに、頷いて答えるゴン。
「ちなみにどんな子と戦ったの?」
「フリフリのついたドレスの女子で、拳銃を2つ持ってたよ」
「…………クルミだね」
「うん、知ってるの?」
「うん」
ウチの門下生。
念を覚えたでウチの闘士と当たって怪我したゴンを、若干気の毒に思っているとキルアが頭の後ろで両手を組んで、うんざりした様子でつぶやき始めた。
「ほんと200階クラスの連中って化け物ばっかだよ。あのヒソカでさえ12戦7勝4敗1KO1分けで苦戦してるとかふざけてるし、200階クラスって一気にレベル上がりすぎだろ」
へぇ~、やっぱりヒソカでもウチの門下生の相手はキツイか。
「ポンズさんもこれから200階なの?」
「ええ、そうよ。今は準備期間中。念はリョウに鍛えてもらってるわ」
「そうなんだ」
「リョウがねぇ」
ゴンは感心しているような視線だけど、キルアの視線は明らかに悪い意味の視線だな。
「じゃっ、俺とポンズはこれから選手登録に行くから」
「えっ!? もう戦うの!?」
「おい、さっきの話聞いていなかったのかよ」
失礼な奴らだな。
「もうポンズは念能力者として十分合格点をもらってるから、心配ないよ。ハンター試験の最中からすでに「纏」をさせていたし、キミたちより強いよ」
「ハンター試験のときから覚えてたの!?」
「ズルじゃねの?」
まあ、それに関してはズルと言われたら反論できないかもしれないが。
「よし、行こうか」
「ちょっ!? あからさまに話し変えやがった!」
「あははは……」
「さてと、笑っていないで行こうかポンズ。じゃね、ゴン、キルア」
とりあえず1ヶ月以内で申し込みだけして「発」の修行に入ろう。
◆
大会に申し込んでから1週間ほどでポンズの念能力が決まりました。
まあ、大方予想していた通りの具現化系、操作系能力で、色々な能力を持った蜂を基本とした念獣を、帽子や、その近くから出現させる能力です。
ですが、この天空闘技場では使わせないんだよな。
「手の内はバラさないって事よね」
「うん。ここで修行している体源流の闘士達も、念能力の基礎と応用や武器のみで戦っているし、念能力の『発』を使う場合は、相手が強くてヤバイ場合や、攻略がされない自信のある能力しか使わないんだ。まあ、それと別に誰にも教えない切り札を必ず2,3は持っておくように体源流の門下生に言いつけているけどね」
「…………体源流の門下生になってみて思い知ったけど、体源流って信じられないぐらい過保護よね」
ポンズは「発」で作り出した蜂を自由に操る訓練をしながら、うんざりと答えた。
「そうだね。普通のところじゃ、新人に皆で戦闘訓練つけたり、念の講習会開いて注意点とか、ここまで手厚く修行を施さないだろうね」
「ほんとよ。……まだ、本格的に修行を始めて3ヶ月も経たないのに、もう何度血反吐を吐いたのか思い出せないわ。――まあ、その代わりとんでもなく強くなったと思うけどね」
「そうだね」
さてと、それはそうと試合はいつになるかな?
もうそろそろだと――。
あ、壁のモニターが変わった。
「え~と、4月15日の15時からか」
「まだ時間はあるわね」
「そうだね。それまでみっちり修行を続けよう」
「はい」
さてと、試合相手は誰かな~。
コンコン。
部屋のドアがノックされた。ポンズは誰が来たかドアの方へ向う。
「誰か着たみたいね」
「門下生かな? ――っ」
……この禍々しいオーラは、まさか――。
「ポンズ、ストップ」
「え? う、うん」
ポンズを下がらせ、俺がドアを開ける。
「ヒソカ」
「はぁい◆」
キモッ! 笑顔がキモイ! 何で体から嫌なオーラだしながらくねくねしてるんだよ!
「なんの用だ?」
「もう、つれないなあ☆ ああ、久しぶり、ポンズちゃん◆ 大分おいしそうに成長しているようだね☆」
「――ヒッ……!」
おいおい……。
ポンズも怯えてるからもう帰って欲しいんだけど。
「ほら、コレ◆ 僕の試合のチケットなんだ☆ 2枚あるから2人できてね◆」
とりあえず、差し出されたチケットを見る。
「対戦日は4月14日17時から、ヒソカ対カストロ。――ん~、ポンズの試合の1日前か。どうする?」
ポンズに行くか訊ねると、あごに手を当てて頷いた。
「……そうね、行きましょう。他の念能力者同士の試合も観てみたいし」
「じゃあ、決定だな。――ヒソカ、そういう事で観戦させてもらうよ」
「それはよかった◆」
ニッコリ笑顔のヒソカさん。
「よし、用が終わったなら帰れ」
「もう、本当につれないな◆ 僕はキミの事すっごく大好きなのに☆」
「えげぇええ……、最悪。男に言われるのはもちろん、おまえに大好きとか言われたくない……」
「ふふふ☆ キミがおいしいそうな子をたくさん育ててくれるから、すっごく感謝してるんだよ◆」
「そうかい」
うぇ……、もうさっさとクロロと戦って殺されてくれないかな、こいつ。
「じゃ、僕は帰るね◆」
「ああ、もう来なくていいからな。っていうか来ないでくれ、頼むから」
「ふふふ◆」
ヒソカは不気味な笑みと禍々しいオーラの残り香だけ残して帰っていった。
「ふう……。やっと帰ったわね……」
ポンズは大きく息を吐いて肩を下ろした。
「ああ、やっとね。はぁ……、やっぱあいつ嫌いだな」
「むしろあいつを好きなヤツが見てみたいわね……」
「「はぁ……」」
2人で思いため息を吐いて、部屋の空気を入れ替えてからいつもの修行を開始した。