※この作品はR-18です。

HUNTER×HUNTER 世界を渡る転生者   作:上平 英

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第5話 こうして彼女は逃げられなくなった 

 ポンズに念を教えることに決めた俺は、ポンズを周りに誰もいない倉庫へとポンズを呼び出していた。

 

 現在は、すでに先に合格していた俺、ポンズ、ヒソカ、イルミ以外の2次試験のやり直しが無事に行なわれ、やり直し試験で合格した39名と、俺達の43名で飛行船に乗って、第3次試験が行なわれる試験会場へ向けて移動しているところで、移動時間は休憩時間兼自由時間なので、念を教えるチャンスなのだ。

 

「なんでわざわざ飛行船の倉庫で話さなきゃならないのよ」

 

 ポンズはシャワーを浴びたばかりで、ホコリっぽい飛行船の倉庫に連れてこられた所為で若干不機嫌だが、念についての情報が漏れるのはマズイので我慢してもらう。

 

 とりあえず、立ったまま話すのはポンズに、無駄な疲労が溜まるおそれがあるので座らせ、さっそく念について話を始める。

 

「ポンズ。俺やヒソカから何か違和感を感じていないか?」

 

「……違和感?」

 

 少しは心当たりがあるようだ。

 

 その違和感を強く感じさせるために、後ろからポンズに抱きつく。

 

「な、なにを――」

 

 ああ……いい匂いだし、温かくて柔らかくて抱き心地最高~! このシャワーを浴びたあとの少し湿った髪とか大好きだなぁ!

 

 ――って、目的が変わっちまった。

 

 気をとりなおして、いきなり精孔が開いてしまわない程度に「纏」のオーラを薄くして、「周」を使ってポンズの体を自分の体の一部と考え、ポンズの体を自分のオーラで包む。

 

「どう? 何か感じる?」

 

「…………。――ええ、なんだか温かい? ものに全身を包まれてるみたい……」

 

 ポンズを後ろから抱きしめたまま、耳元で念の説明を始める。

 

「ポンズが今感じているのは俺のオーラ。このオーラと呼ばれる生命エネルギーを自在に操る能力の事を念っていうんだ」

 

「念? オーラ? なんなのそれ?」

 

「簡単に言えば超能力みたいなものだよ」

 

「超能力?」

 

 疑問符を浮べるポンズ。ずっと抱きついたままなのに離れろとか、拒絶しなくなったのは嬉しい進展だね。

 

「やっぱり、念を口だけで説明するのは信じられないだろうし、とりあえず実践してみるか」

 

 あらかじめ用意していた鞄のなかから数珠繋ぎになったコンドームの束を取りだす。

 

「ちょっ、ちょっと! なに出してるのよ!」

 

「まあ、落ち着いて。別にエッチに使うためじゃないから」

 

「信用できないわよ! それの用途って1つしかないじゃない!」

 

 ジタバタもがきだすポンズ。周りに誰も居ない薄暗い場所、後ろから抱きしめている状態でコンドームというチョイスは間違いだとは分かっていたが、それ以外の荷物の方が色々とヤバイのでこれしかなかったんだ……。あとコンドームは薄くて破れにくいからエッチ以外にも色々と便利だからな。

 

 それに、このコンドームの切り取りしやすいように付けられたミシン目のギザギザは、念の説明に使えるし。

 

「まあ、見てて」

 

「――わかったわよ……」

 

 ん~……ポンズってここまで聞き分けよかったけ? それとも俺の好感度が高いから?

 

 まあ、3次試験までそこまで時間がないだろうから、さっさとコンドームに「周」でオーラを纏わせる。

 

「よく見ててね」

 

「……うん」

 

 鉄でできた床をコンドームの包装紙のギザギザで、床の一部を豆腐のように切り刻んだ。

 

「――っ!? なっ、なんで!?」

 

「これが念の力だよ」

 

 驚愕するポンズに、「周」を解かれてただのコンドームになった、コンドームをポンズに渡した。

 

「ただの避妊具よね? なんで? なんでこれで床が切れるの!?」

 

 コンドームを両手に持って興味深そうに呟くポンズ。なんか厭らしくていいね♪

 

「わかった? これが念だよ」

 

「……念とかオーラってのが実在してるのは分かったわ。……というか、あんなもの見せられたら信じないといけなくなってしまったわ」

 

「うんうん。受け入れる事が大切だからね」

 

 コンドームを受け取ってポケットにしまう。

 

「でもその念っていうのは、私にも使えるの?」

 

「ああ、使えるよ。念は訓練しだいで誰でも使えるスキルだからね」

 

「そうなの?」

 

「うん。念はプロハンターの必須スキルだし、ポンズがハンター試験に合格したら、後々覚えていくはずだったろうスキルだから」

 

「えっ?」

 

「ん~……、正直ここまで言っていいのか分からないけど、ハンターライセンスを取ったあとに、ハンター協会から依頼された念能力者が、念を覚えていない合格者に、念の基礎を教えて念能力者にする裏ハンター試験ってのがあるんだよ」

 

「念を覚えるための裏ハンター試験……」

 

 話してる最中に腰を抱いたけど、ここからおっぱいを触るところまでもっていけるかな~?

 

 ホテルで触ったとき、すげぇ触り心地よかったし、まだ成長する余地もあるみたいだから鷲掴みにして揉みてぇ……!

 

 って、説明説明。

 

「さっきまでポンズが念やオーラを知らなかったのは、念能力が修行さえすれば誰にでも使えて、やり方しだいでは人を簡単に殺せるスキルだからなんだよ。だからポンズも念能力の情報については極力秘匿させないといけないよ」

 

「そんな重要な情報……私なんかに教えていいの?」

 

 こちらを振り返り、真剣な表情で訊ねてくるポンズに、笑顔で答える。

 

「もちろん。そもそもポンズは俺やヒソカのオーラを感じとっていたし、さっきも言ったけどプロハンターになれば念を覚えたはずだしね」

 

「……この試験期間中に覚えられる?」

 

「それはポンズの才能しだいだけど、俺の裏技的な方法を使えば早くて1日、遅くて1年で、念能力を使うための入り口までたどり着けるよ」

 

 簡単な説明を終えたところでポンズに訊ねる。

 

「念は使い方を誤れば危険な能力だし、念を自由自在に使えるまで長い修行が必要になるスキルだけど、使いこなせればものすごい力となる。――ってところまでは説明したけど、どうするポンズ。俺を師として念を覚える? それともプロハンター試験に合格してから別の師を見つけて念を覚える? 幻獣ハンター志望なら身を守る術が必要になってくるから念を覚えないというのはなしだよ」

 

「………………」

 

 突然の問いにポンズは少し考え込んだ様子を見せたあと、こちらの目を正面から見て言った。

 

「……私に念を教えてくれる?」

 

 ポンズの答えに、

 

「もちろんさ」

 

 とうなずいて唇を奪った。

 

 ついでにおっぱいもソフトタッチしました。

 

「――っ! ちょっと、どこに手を――んっ!」

 

「ああ……、ソフトタッチで終わるつもりだったのがいつの間にか、服のなかに手が~……」

 

「ん……、あうっ、なに呟いてるのよっ、早く手を抜きな――あうっ……」

 

「おおっ、ゆっくりと乳首が硬くなっていくこの感触っ! 最高だね!」

 

 両手でブラジャーをずらして両手の親指と人差し指でクリクリと捏ねる!

 

「――くっ、弟子入りする相手間違えたわ……! あんっ……、もう、いい加減にしなさいよぉぉ……」

 

「今さらクーリングオフは出来ません。ポンズには念能力を完全に覚えてもらうまで俺が師匠です。あと、この食べごろの果実も俺のです」

 

 本当においしそうだなぁぁ……。

 

「もう――っ、んむっ!? ……く、んく……あふぇぇ……」

 

 体を弄りつつ、唇を奪い舌を絡めながら唾液を交換し合う! 3次試験開始まで色々と楽しませてもらおうっと。

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

「もう! ほとんど念の使い方習っていないのに3次試験の開始時間になったっちゃじゃない!」

 

「ゴメンゴメン。いや~あまりにポンズが可愛すぎてさ~」

 

 あははは、結局あのあとホテルの時みたいに愛撫し続けて終わっちゃった。

 

 一応、膜のように薄いオーラを「周」でポンズの全身を覆って、念の感覚を体に覚えさせて下地をつくっていたけど、やっぱり愛撫の方に夢中になって、大体3時間ぐらい弄り続けたんだよな~。

 

 ああっ、この体に残るポンズの感触!

 

 全体的にバランスのいいスタイルに、綺麗な薄ピンク色の少し陥没気味の乳首!

 

 安産型の桃尻! しかも、シミや汚れもなく美しく、アナルも色素の薄い綺麗なピンク!

 

 まだ毛も生えそろっていなくて、ピッタリスジの閉じたお子様ロリマンは1番のお気に入り!

 

 乱れる姿も、俺に送る普段のクールな姿と別の、愛らしい甘えてくる子犬や小猫のようで、もう! 最高です!

 

 ふふふふふっ、イくという感覚も教え込ませてるし、指をオマンコに入れてほぐしているからチンコ挿入しても受け入れて、感じてくれるだろう!

 

「もうっ! ほらさっさと3次試験会場に行くわよ!」

 

「は~い」

 

「はあ……、こいつが私の師匠……。選択肢間違えたようね」

 

「まあまあ、そんなこと言わないで仲良くやろうよ」

 

「はぁ……」

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 さてさて3次試験が開始されました!

 

 試験の場所はトリックタワーという高い塔の頂上!

 

 合格の条件は制限時間の72時間以内に生きて地上に降りる事! 

 

 だが塔には地上に降りるための階段も入り口もなく、塔の外壁にも窓も何もなく、地上に降りる術はない!

 

 とまあ、ハンター試験の受験者達の大半はどうやって地上に降りるか悩んでいるが、何名かは屋上の床に隠し扉があることに気づき、周りに気づかれないように消えていく。

 

「ねえ、リョウ」

 

「ポンズも気づいたか?」

 

「ええ、隠し扉でしょ」

 

「ああ。何人かっていうかヒソカとイル――、ギタラクルが降りて行ったからな」

 

「ええ、あんなインパクトのある2人が消えれば嫌でも気づくわよ」

 

 っていうか常に2人を警戒してるから降りて行くところ見たんでしょ。

 

「私達も隠し扉を探す? 一応いくつか見つけてるけど」

 

「ん~……、いや、いいよ。降りられない高さでもないし」

 

「え?」

 

 表情が固まるポンズ。

 

「二次試験でネテロの爺さんも飛行船から生身で降りてきたのにまったくの無傷だったろ」

 

「あ……、ああっ! ネテロ会長は使えて、使ったって事なのね!」

 

「そうだよ。だから同じく熟練者で世界有数の実力者(自称)の俺にはこの高さぐらい余裕なの。だから、まあ、今は他の受験者達が減るのをゆっくり待つ――つもりでいたんだけど」

 

「何かあったの?」

 

 無言で壁側で注目を集めた男を指挿す。

 

「普通の人間ならこの窓1つない壁を降りる事は自殺行為だろうが、このくらいのとっかかりがあれば、一流のロッククライマーなら、難なくクリア出来るぜ」

 

 一流ロッククライマーを自称した86番の受験者が、ゆっくりと壁を降りていくところだった。

 

「うわ、あの人この壁を自分の手足だけで降りていくつもりなの?」

 

 隠し扉の存在に気づいていたポンズは、86番の行為に呆れるのを通り越して感心するような視線を送った。

 

 86番が降り始めてからすぐに、こちらへ向ってくる獣の気配をいくつも感じた。

 

「もうすぐ来るな」

 

「……やっぱり、ただバカ正直に壁を降りてもダメなように、何か仕掛けられてるのね?」

 

「うん。人の頭をつけた不気味な鳥達が86番を狙ってこちらに飛んで着ているからね」

 

「うわ……、えげつないわね。その怪鳥、おそらく肉食よ」

 

 苦そうな顔をして86番の残酷な運命を想像するポンズ。

 

「まっ、こちらとしては丁度いいんだけどね」

 

「えっ? どうして?」

 

「力は秘匿しないといけないものってのは話したよね?」

 

「え、ええ」

 

「このまま、受験者が少なくなるのを待つのも面動だし、ただ壁から飛び降りて地上に降りても不信に思われるだろうからね。あの86番を喰いに来た怪鳥を利用させてもらおうと思ってね」

 

「怪鳥を利用?」

 

 時間もないので首を傾げるポンズを連れて86番が降りていった場所へ向う。

 

 向った先にはキルアと、もう1人の子供。

 

「よう、キルア。――とそちらはレオリオとクラピカと一緒に試験受けにきた406番くん?」

 

「……リョウ」

 

「始めまして! 俺はゴン! リョウって、この人がトンパさんの言ってた試験でヒソカと同じぐらい警戒しておかないといけない人?」

 

「ああ。快楽殺人鬼とかじゃないからヒソカより危険じゃねえだろうけど、ヒソカよりこいつの方が断然強いだろうから注意した方がいいぜ。なんせウチのジジイと親父と2対1で戦ったのに、倒せなかったぐらいの使い手らしいし。とんでもない女好きで、子供でもババアでも、人妻でも気に入ればなんでもいける奴だから、知り合いに美人がいたら、絶対こいつに会わせないようにしないと危ないぜ?」

 

「それならミトさんに会わせないようにしないといけないね……」

 

 こちらを置き去りにしてキルアと少年ゴンは話続ける。……ていうか、ほんと酷い言われようだな。

 

「キルアから大変失礼な紹介が会ったけど、改めて俺の名はリョウ。そして俺のすぐ後ろにいる美少女は俺の弟子になったポンズだよ」

 

「美少女って歳でもないしけど、まあいいわ……。キルアくん、ゴンくん、私はこの女好きで変態の弟子に遺憾ながらなってしまった幻獣ハンター志望のポンズよ。同じ受験者でライバルの立場だけど手加減しないわよ?」

 

「別に手加減しなくていいよ」

 

「よろしく! リョウさん、ポンズさん!」

 

「よろしくね」

 

「よろしく。――ところでゴンくん、ミトさんって美人なの? だったら紹介して欲しいな~」

 

「リョウ……」

 

「――っと、心配しないでも全然大丈夫だって、ポンズをおろそかになんてしなから」

 

「…………はぁ。それより作戦はいいの? もうすぐ怪鳥が86番を襲いそうなんだけど?」

 

「え? ――ああっ!」

 

 忘れてた! 急いで下を覗くと、もう86番と怪鳥の距離を300m切ってる! 急がないと!

 

「うわ、でかい鳥、しかも人の頭ついてんじゃん。キモイな~」

 

「……あの人、大丈夫かな?」

 

 キルアとゴンが下を覗きこんでいる。

 

 少し急いで鞄からロープを取り出す。そして少ししゃがんでポンズに指示をだす。

 

「ポンズ、背中に乗って」

 

「わかったわ」

 

 背中に乗るポンズ。ああっ! 押しつけられるおっぱいの感触! 背中からゆっくり伝わってくるポンズの体温!

 

「うわああああああ!!」

 

 下から聞える断末魔の叫び。――っと、興奮している場合じゃないか。

 

「ポンズ、しっかり捕まっててね」

 

「ええ。……リョウ。信用はしてるけど、このままもしも死んじゃったら、許さないからね」

 

「大丈夫だよ。ポンズは俺が守る」

 

「…………はぁ……」

 

 キメ顔で言ってみたけど、不発だったようだ。

 

「じゃっ、キルア、ゴンくん。4次試験でまた会おう!」

 

「「えっ?」」

 

 惚ける2人を無視してポンズを背負ったまま壁から飛び降りる。

 

「う~ん、いい風っ!」

 

「やっぱり怖いぃいいいいいいいいいいいい~~~~!!」

 

 がっしりしがみ付いてくるポンズを愛らしく感じながら、86番に喰らいつこうとしていた怪鳥の背中に着地する。

 

「あああああ~~! ――えっ?」

 

 断末魔の叫びをあげていた86番は突如現れた俺達に驚き、信じられないようなものを見るような視線を送ってきたが、今の俺の機嫌はものすごくいい!

 

 86番の服を掴んでこちら側に引き寄せて助けてやる。

 

「ゲッゲッ……」

 

 背中に飛び乗った時の衝撃と、2人分の重量に加え86番の体重も乗ったことで、羽ばたけずに下降し始める。

 

 常人なら下降している間に振り落とされたり、周囲にいる他の怪鳥に襲い掛かかられてるか、死亡するだろう。

 

 また、運よく怪鳥の背中に乗り続けていられても、下降していくに連れて速度があがるだろうから地面に落ちた際、怪鳥と一緒につぶれて死亡するだろう。

 

 だが、俺は常人ではない!

 

 この程度念無しでも切り抜けられる! 幸い周りには5匹以上怪鳥が飛んでいるしね!

 

 86番を掴んでいない方の手を使って、まずは足場にした怪鳥の胴体にロープを1本巻きつける!

 

 さらに用意しておいたロープを周りを飛んでいた5匹の怪鳥の足にくくりつけ、下降速度を落とす!

 

「す、すげえ、5匹同時に、しかも足を狙って……」

 

 野郎に褒められても嬉しくないよ。

 

「ねえ、リョウ。今は使ってるの?」

 

「いや、このロープが単に特別製なだけ。かなりの値段はしたけど、合金のワイヤーよりも強度があって強いんだ」

 

「……ふ~ん」

 

 ポンズ、意外と余裕だね。切り替えが早い事はいい事だよ~。

 

「さてと、86番!」

 

「お、おう!」

 

「おまえは邪魔だから地上に降りるまでじっとしてろよ!」

 

「あ、ああっ、わかった! 助けてくれるならなんでも言う事きくぜ!」

 

 86番に一声かけてから、着陸するための準備を始める。

 

 現在捕まえている怪鳥は足場用を除いて5匹。

 

 その5匹は突然足をロープで結ばれた所為で下降していたが、しだいに持ち直して下降から上昇し始めた。

 

 このままでは地上に降りられないので、1匹のロープを解く。

 

 1匹分の力がなくなったために、上昇から下降に移る。

 

「ゲッゲッ!」

 

「ヒィイイイイ!」

 

 ロープを結ばれていない近くに怪鳥が寄ってきた。86番の男がうるさいな。捨てるか? いや、やめておこう。

 

 怪鳥を解放して自由になった1本のロープをムチのように振るい、近寄ってきた怪鳥を迎撃する。

 

「ゲッゲェェエ……!」

 

 1匹、2匹、3匹……。

 

 下降が止まった。もう1匹を解放して自由になった2本のロープでさらに迎撃する。

 

 3匹になったために、下降の速度が上がるが、残りの3匹もどうにか足掻いて下降の速度を落としていく。

 

 塔の中腹辺りに来たところで、3匹の怪鳥の力が尽きて一気に下降の速度が上がるが、新たに俺達を捕食しにきたまだ元気な怪鳥にロープを括りつけて、速度を落とさせる。

 

 それからさらに半分、塔の4分の3を進んだところで怪鳥が喰えないと悟った用でまだ元気な怪鳥達も巣へと帰ろうとしだしたので、新に元気な3匹を捕まえて降りていく。

 

 そして地上200mぐらいまで差し掛かったところで、2匹に減らし、下降速度を上げ、50mほどになったところでもう1匹を解放し、最後の1匹をロープで叩いて無理やり羽ばたかせ、10メートル時点で足場の怪鳥も捕まえていた怪鳥も解放して、地上へと飛び降りた。

 

 役に立ってもらった怪鳥達や、襲ってきた怪鳥は殺してはいないけど、ロープで痛めつけたり、使い潰しちゃったからいずれは死ぬだろう。まっ、しょうがないよな。人を喰う怪鳥だし、弱肉強食だからな。

 

 それより地上に到着!

 

「ついたねポンズ」

 

「……ええ、まさか本当にあんな方法で降りられるとは思わなかったわ」

 

 背中から降りたポンズは、まだしばらく地面に足がつかないようでフラフラしてる。さりげなく腕を貸す。

 

「ありがと……」

 

「――助かった……。助かったんだ……! 俺、助かったんだ……」

 

 ロープを持っていない方の手からすすり泣きが聞えた。

 

 あ、忘れてた。86番の服から手を離して解放する。

 

 すると86番は愛しそうに地面に大の字で抱きついて号泣し始めた。

 

「うわぁ……」

 

「危ない人みたいだな」

 

 大の大人のその様子に若干引き気味のポンズと俺。

 

 86番は今度はがばっと起き上がると、こちらを向いて号泣しながら土下座してお礼を言ってきた。

 

「ありがとう! ありがとう……! あんたらのおかげで、俺は……っ!」

 

「私は何も……」

 

「まあ、いいよ」

 

 ていうか涙と鼻水をだらだな。

 

「この礼は必ず! 必ずする! ありがとう! 俺に出来る事ならなんでも言ってくれ!」

 

「ああ、わかったよ。とりあえず3次試験の条件クリアしたんだから、合格報告されに行こう」

 

「ああっ! そうだな!」

 

 俺とポンズ、それに86番、名前を教えてもらったけどあまり覚えるつもりはない、と一緒に塔の周りを散策して試験官を探した。

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 結果、86番が張り切って入り口を探してくれて、ゆっくり探していた俺とポンズの役に立ってくれた。

 

 外から降りてくるとは思っても見なかっただろう閉じている入り口の前に集まり、監視カメラに呼びかけると、壁に隠すように設置されたスピーカーから男の声が返ってきた。

 

『……なぜ受験者が外にいる?』

 

「そりゃあ、塔のなか進むより早くて楽だからさ。屋上から飛び降りて、怪鳥を使って降りてきたんだよ。試験の合格条件には生きて地上にたどりつく事なんだから、別に塔のなかを進まなくてもいいだろ?」

 

『…………そうだな。わかった。今開ける』

 

 扉が開く。

 

 塔のなかに入るとそこは円を描いた広場になっていて、広場の周りは数多くの扉があった。

 

 おそらく塔の上の隠し扉から塔のなかから降りてくる受験者達は、その入り口から入ってくる手はずになっているんだろう。

 

 3人で入るとアナウンスが鳴り響いた。

 

『86番、オデロ! 3次試験通過第1号! 所要時間1時間47分! 403番、ポンズ! 3次試験通過第2号! 所要時間同じく1時間47分! 404番、リョウ! 3次試験通過第3号! 所要時間同じく1時間47分!』

 

 俺達の3次試験通過が告げられた。

 

「よっしゃああああああああ~~!」

 

 と、号泣しながらバンザイする86番のおっさんを別れを告げてからポンズを連れて奥へ向う。

 

 そして監視カメラを探してコンタクトを取る。

 

「お~い! 試験官~!」

 

『……どうかしたか、404番』

 

 返事が返ってきた。

 

「制限時間72時間とか言ってたけど、その間まで俺達はどうすればいいんだ?」

 

『早く合格した者達は、72時間経つまでここで待ってもらう事になっている』

 

「食事とかはどうすれば?」

 

『囚人食だがこちらが用意している。あと、個室ではないが、なん部屋か生活するための部屋もある。部屋数は限られているので早い者勝ちだ』

 

「おおっ! 部屋があるんだな!」

 

『ああ、だが72時間が経つ頃に広場に移動していないと、不合格となるので、気をつけるように』

 

 意外と親切だ!

 

 まあ、部屋の場所があるって事だけで、どこにあるとは言わなかったが、それぐらいこちらで探せるからな!

 

「ありがとう!」

 

 一応礼を言ってから、ポンズを引きつれて部屋を探しに向う。

 

「ポンズ、まだ他の合格者が少ない今がチャンスだ。急いで力の使い方を教えるよ」

 

「――っ。わかったわ。改めてご指導お願いします、師匠」

 

「ああ! どんな指導でも任せてくれ!」

 

「力の指導だけでいいわよ……」

 

「……そう?」

 

「何でそんなに残念そうなのよ……」

 

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