※この作品はR-18です。

艦娘百夜物語   作:ブラックマンバ

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第10夜「鎮守府潰滅!提督は■■■■だった!」

AL/MI作戦は成功した。

しかし急いで帰還しようとする艦娘達の足取りは重い。

それは疲れだけではない、MI島の奪取及び防衛に成功した榛名達に届いた、鎮守府からの緊急入電が原因であった。

 

「こちらザザッ守府…ザーッ…大量の深海棲艦に襲われている!…こちら…ザザーッ」

「提督!?提督ーっ!」

 

 

 

『鎮守府潰滅!提督は■■■■だった!』

 

 

 

数日後、ようやく鎮守府近海にまでたどり着いた連合艦隊。

連合艦隊旗艦である榛名は第二艦隊に警戒命令を出しつつ鎮守府への帰還を急いだ。

 

「こちら連合艦隊旗艦榛名。五十鈴?周りの状況はどう?」

「こちら五十鈴。雪風と時雨を使って全周警戒はしてるけど敵の気配はないわね…潜水艦も」

「ねえ榛名、急いで行きましょうよ!」

 

力を入れすぎてメガネを握りつぶしそうな霧島はいらだちを隠せない、榛名はため息を一つつくと命令した。

 

「警戒はそのまま、私と霧島は偵察機を先行させていきます。航空母艦のみなさんも残っている彩雲を出して下さい」

 

MI諸島での激戦で、加賀、赤城、飛龍、蒼龍はかなりの航空戦力を喪失。

現地で応急修理はしたものの、このままでは苦戦を覚悟しなければならない。

しかし、鎮守府の現状を思えば榛名はぎゅっと唇を噛みしめるのであった。

 

「えっ!鎮守府から煙!?」

 

先行した偵察機からの連絡によると鎮守府からはかなりの煙が立ち上っているという。

その話を聞いた霧島はもう我慢出来ないとばかりに速力を早めた。

 

「待って!待ちなさい霧島!単独先行するつもりなの!?

「お願い榛名!せめて私だけでも…!」

「ダメよ!私の命令に従いなさい!」

「でも…でも………!」

 

鎮守府には待っている提督や姉がいる、自分だって出来ることなら全てを捨てて駆け出したい。

しかし榛名は連合艦隊旗艦なのだ。

 

『頼んだぞ榛名、お前なら出来る』

 

そう送り出してくれた提督の期待に応えるためにも、霧島を先行させて深海棲艦に撃沈させられるなどという最悪の事態だけは避けたいのだ。

いきり立つ霧島を宥めつつ榛名達は速度をあげていくと、ようやく水平線の向こうから鎮守府の姿が現れた。

 

「あぁーっ!鎮守府から黒煙が…あんなに!」

「うそ…うそよ…」

「しれぇーっ!しれぇーっ!」

 

雪風達駆逐艦から悲鳴のような声が漏れる。

榛名も黒煙が昇る鎮守府を見て嗚咽が漏れそうになるところをぐっと堪えて命令する。

 

「全艦戦闘準備!命に代えても提督達をお救いします!」

 

しかしその命令はすでに意味のあるものではなかった………

 

 

 

「あーん、誰もいないよー!」

「みんなー!どこー…どこにいるのー?」

 

雪風や五十鈴はガレキをひっくり返し、声が枯れるまで仲間達を呼びかける。

プライドの高い一航戦も飛行甲板が汚れるのもいとわずに、二航戦は泣きながらその作業を手伝った。

結果だけを言えば、鎮守府はもぬけのカラだった。深海棲艦も艦娘も提督もいなかった。

深海棲艦の大群が待ち受けているものと思い、死を覚悟した榛名達からしてみれば拍子抜けもいいところである。

とはいえ、念入りに砲撃と爆撃を受けた鎮守府は入渠ドッグどころか艦娘専用寮まで破壊されている有様であった。

 

「ふえええ…みんなの写真燃えちゃったよ~」

「ああ、この茶碗は加賀さんのお気に入りだったのに真っ二つに…」

 

ガレキから所持品の残骸を引きずりだし雪風はぐしゅぐしゅと泣き始める。

旗艦の榛名はあまりの惨状に茫然自失状態であった。

 

「………あああ…提督…提督…」

「おかしいわね、ここまで破壊されてれば死体の一つや二つもありそうなものなのに………」

「…死体?」

 

霧島の言葉にピクリと反応する榛名。

 

「ここまでやられているのなら少なくともそれらしい痕跡が残ってなければおかしいわ、でも血痕一つ見つからない」

「…じゃあ…提督は生きてる…?」

「そうよ!その可能性があるわ!………でも本当に一体どこに行ったのかしら…」

「あの時…鎮守府が襲撃されて…提督が行く可能性がある………あああーっ!」

 

突如大声を出して榛名は走り始める、鎮守府の執務室があった場所へ!

そこは大量のガレキが積もっていたが、榛名は46cm砲を出して一気に吹き飛ばす!

 

ドドオォオオオン!

 

「きゃああああっ!」

「なに!?敵襲!?」

「榛名!何やってるの!?」

 

あまりの大音量に全員が集まってきた、口々に”榛名!あなた気でも狂ったの!”と言ってくるが榛名はそれには耳を貸さずにガレキの下にあった執務室のカーペットを見つけ、一気にひっぺがえした!

 

「えっ!な、なにこれ…!」

「まさかこんなところに………」

 

そこには鋼鉄で作られた扉があった。

円形のシェルターのような扉は頑丈で、ガレキの下にあってもかすり傷一つついていない。

 

「多分、提督達はここに…なんで私ったら忘れていたのかしら?」

「ねえ!このシェルターなんか暗号つきなんだけど…」

「大丈夫よパスワードなら知ってるわ、提督の誕生日を………」

「へえ、提督の誕生日………ってなんであんたが知ってるの榛名!?」

 

榛名は霧島の言葉を無視しながら8桁のパスワードを打ち込む。

そして扉からプシューと空気が抜ける音が立ち、ハンドルがぐるりと周りシェルターは開放された。

 

「………ああ、やっと気がついてくれたんだな榛名………」

「提督…よかった…提督…あぁああーーっっ!」

 

感極まった榛名は提督に泣きながら抱きつく。

こうして鎮守府にいた提督と艦娘達は全員の無事が確認されたのであった。

 

 

 

「いやあ、まさか執務室にシェルターがあるなんて思ってもいなかったよ」

「ええ、実は提督には内密で明石さんに作ってくれるように頼みましたから」

「お、おお……せめて何か言って欲しかったな。まあ助かったんだし何か言うのは野暮か。ただ、中から開けられない仕様なのには参ったな、食料も水もギリギリであやうく艦娘達の小水を飲むところまで追い詰められたよ」

「それは、私が提督を監禁出来た時に万が一にも逃がしたくありませんでしたから……」

「……今なんつった?」

 

夕方。

外に残っていた食料と壊れていなかった大釜を使って全員分の炊き出しをしているところを眺めながら、榛名と提督はホッと一息ついていた。

 

「実際あの時は本当にギリギリだった、深海棲艦の襲撃でお前達に緊急連絡をしたあと明石さんが血相変えてやってきて………」

「みなさんをあの監禁部屋…もといシェルターに避難させた…と」

 

提督は黙って頷く、榛名の不穏な台詞はあえて無視した。そしてその顔色は優れないままであった。

 

「榛名、俺は明日の朝にでも大本営に出頭しなければならない」

「え…」

「いくら奇襲とはいえ鎮守府をここまで破壊された責任を取らねばならぬ」

「そんな!私たちがもっと早く戻っていればこんなことには…だから責任は私が!」

「お前達に責任はないよ。責任を取るのは人間の仕事さ。じゃあな榛名、達者で暮らせよ」

「そんなのいやです!私は…私は提督とずっと一緒に………!」

 

こうして全ての責任をとった提督はシベリア鎮守府へと左遷、榛名は艦娘をやめ秘書として付いていくのであった。

その後の彼らがどうなったのかは歴史書には記されていない。

だが、後にシベリアの奥地で窓のない小屋から重なり合った男女の骨となった遺骸が発見されたことは記しておきたい。

 

 

(了)

 




ダブルダイソンとか懐かしいですね。
ところで何が■■■■だったのでしょうか私にはもう分かりません。
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