(提督らしき男が砂浜に立っている)
「3年S組~!」
「提督センセ~~~!!!!」
(コールがかかると画面外から深海棲艦の群れが一斉に提督に襲いかかる)
「ワ~~~~!!!!」
「ヲ~~~~!!!!」
「ぎゃあああああああ!!!!」
(提督はもみくちゃにされ群れに紛れて見えなくなってしまう)
~♪
(本来は替え歌がありましたが、3年B組金八先生のオープニングテーマを聞きながらお楽しみください)
ふんふんふ~んふふん ふふんふんふふふ~ふふん♪
(ボロボロになって半裸の提督が砂浜で寝っ転がっている)
ふんふ~んふふんふふんふふん~♪ふふんふふふーん♪
(提督は起き上がりゆっくりと歩いて行く)
ふふんふふふふん♪ふふふんふふん♪
ふふんふふふふふん♪ふふんふんふんふん♪
ふふふーんふふふーん♪ふふふーんふふん♪
ふふふんふふん♪ふふふーんふふーふーん♪
(砂の盛り上がりで足を引っかけ転けそうになる提督)
ふふんふーんふふーん♪ふふふふーん♪
ふふふーんふふんふふふーん♪
ふふふーんふふん♪ふふふふーん♪ふふんふふふーん♪
~♪
(砂浜を歩いた先に半壊した自由の女神像)
「ここはアメリカだったんだー!」
(提供は深海鎮守府がお送りします)
俺は提督先生、深海学校3年S組の新任教師だ!
さあ、初対面のみんなに元気よく挨拶するぞ!
「おはよう諸君!私が君たちのたんにんきょう………」
教室内の光景に俺の言葉は少しずつ消えていった。
最前列の机には潜水艦カ級がぐったりと寝そべり、その後ろには重巡ソ級がこちらを睨み付け、最後列には空母ヲ級が戦艦ル級とタ級をはべらせていたのだ。
そのあまりの異様な光景に息を呑んでいるとヲ級が俺に対して嘲るような台詞を吐いた。
「ヲッヲッ、セクハラ提督ガ来タヨウダゼ」
「ギャハハハハハ!」
それを聞くと他の連中が大声で笑い出す、どうやらヲ級はこのクラスでもトップヒエラルキーにいるようだ。
俺は黒板に自分の名前を書き、教卓に手を置いて深海棲艦の顔と名前を確認するように1人ずつ見ていく。
そうしていると少しずつ教室の笑い声が収まっていく、ヲ級はニヤニヤ笑いを押さえきれないようだが。
「俺が3年S組の担任、提督先生だ。これから一年よろしく頼むぞ………お前ら全員腐ったミカンだー!」
「ヲッ!?今ココデソノ台詞言ウノ!?」
「ふざけんな!なんで俺がこんな学校の教師やらなくちゃならないんだ!汚物は消毒だー!」
「私タチガ腐ッタミカンナラ、アナタハクソ提督、デショ?」
そんな言葉を横から囁かれハッと振り向いた瞬間、ダイソンパンチで俺は宙を舞っていた。
俺を殴ったのは…戦艦棲姫…間違いなくこのクラスの番長………
「ダレガ、番長、ヨ………」
「はっ!こ、ここは………あ、明石さん…?」
俺はベッドの上で目が覚めた。
明石さんが心配そうに顔を覗いている、見知った顔に俺は思わず安心のため息をついた。
「提督、気がつかれましたか?あ、まだ動いちゃダメですよ!精密検査では異常無しでしたけど額が割れて大分血がでちゃって…」
「ああ、たしかにあんなパンチを受けたら血がでるな………」
「パンチ?私が聞いた話だと大和さんが振り向いた瞬間に提督の頭に46cm砲塔がガツンと直撃して…あのあと大変だったんですよ?大和さんは大泣きするし武蔵さんはあなたを引きずって医療室に駆け込んでくるし………」
明石さんは本当に困ったように苦笑を浮かべる。
少し開いたカーテンからは申し訳なさそうな大和が向こうに見えた。
「じゃあ3年S組は夢だったのか…」
「ソレッテ、本当ニ、夢ダッタノカシラ、ネ?」
何か空耳が聞こえたが、俺は聞こえないふりをした。
(了)