※この作品はR-18です。

艦娘百夜物語   作:ブラックマンバ

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第14夜「五月雨をあつめてはやし…」

英霊…A-0システムの完成により人類は艦娘を量産することに成功した。

それは艦娘の魂のコピーが可能になったことによる技術革新であった。

 

A-0システムとは身体クローンと魂のコピーを組み合わせたシステムである。

 

身体のクローンそのものは知っての通りクローン羊ドリーを筆頭に既に実験に成功していたため、オリジナルの艦娘の体細胞を培養して急速成長させる技術を開発させた。

そしてその空っぽの体に魂をコピーさせることによって新しい艦娘が誕生する。

大型艦になれば艤装等のコストはかかるものの、今までは量産することもままならなかった貴重な艦娘を新しく作り出せるようになったのは大きな進歩だった。

 

これが現在の深海棲艦に対抗する艦娘量産体制であり人類の新戦略であった。

 

しかしA-0システムに問題がなかったわけではない。

例えば同じ艦娘が出会ってしまうと「もう一人の自分が目の前にいる」という混乱から生じる軽度から中度の精神錯乱、俗に言うドッペルゲンガー症候群を発症してしまうのは有名な話だろう。

この症候群の対策は同じ艦娘同士を出会わせないことしかなく、同じ艦娘を同じ艦隊に入れることが出来ないことの理由である。

 

そして大鯨と龍鳳のように機種変換していてもドッペルゲンガー症候群から逃れることは出来ない。

ある提督は千歳と千代田の水母、軽空母、軽空母改二の6隻で艦隊を組もうとしたが、「千歳姉がいっぱい!」「千代田!千代田なの?!どうして貴女と私がこんなにいるの!?」と混乱の末に撃ち合いとなり悲劇としか言いようのない結果になった。

 

ところで…私の鎮守府には五月雨が10人ほどいる。

どの五月雨も魅力的で毎日毎時間交代で秘書艦として可愛がっている。

しかし前述のドッペルゲンガー症候群により何人も同時に可愛がることは出来ない、私の身体は一つしかないというのに。

 

私はこの問題に長いこと悩まされていたが、ある日ついにその悩みを解消することが出来たのである!

隼鷹改二が使う”禁”の札!これを使えば私の夢を叶えることが出来る!

 

まず、五月雨…仮に一としておこう…を部屋に呼び出すと両目と両耳に”禁”を掛ける。

こうすることによって視覚と聴覚を一時的に奪うことが出来る。

完全に見えず聞こえずになるのは自分の身体ですでに実験済だ、隼鷹にちょっとばかり鼻薬を効かせて掛け方を教えて貰ったのだ。

 

そして五月雨二(以下三四五六七八九十と繰り返す)を部屋まで迎えに行き、その場で”禁”を掛け、手を引いていく。

新手のプレイだと思っている五月雨達は大人しく私の手を握って(ああ、この全幅の信頼感!)私の部屋までついてきてくれる。

こうしてついに十人の五月雨が私の部屋に揃ったのである。

この時のために用意したキングサイズのベッドの上に十人の五月雨が!

 

「提督…どこ…どこにいるんですか…」

「怖いです、提督…あの、ひょっとして他に誰かいます?」

「あーん、誰?誰なの!?ここに誰かいるのぉーっ!」

 

”禁”を掛ける前にあらかじめ大人しく待つように言付けておいたはずだが、視覚と聴覚を塞がれた状態ではパニックになって不安感があっという間に膨れあがるようだ、お互いの身体が触れる度にびくりと身体を震わせる五月雨達。

私は一番怯えている五月雨を見つけると、そっと頬を撫でた。

 

「あっ…提督…提督の手だ…ああ、怖かった、怖かったです…もう、離さないで………」

 

私の手だとすぐに分かったのか、五月雨はその手を離さない。

私はついでに近くにいた五月雨も抱え込む、ああ両手に花だ。

そしてベッドに二人とも押し倒し、五月雨の匂いを胸一杯に吸い込む。

これだけで射精してしまいそうだよ!

 

「あっ提督の匂いがする」

「きゃんっ!この腕の太さは提督ですか?私をほおっておいて何をしていたんです!?」

 

私の気配を感じたのか全ての五月雨達が寄ってくる。

ある五月雨は私の片足に抱きつき。

ある五月雨は私の首に齧り付いて離れず。

ある五月雨は私の足の裏に頬ずりまでしてくる。

全ての五月雨は口々に私の名を呼び、私を求めてくる。

 

ああ、これぞこの世の天国!

 

目も見えず、耳も聞こえない不安と恐怖を解消するため、触覚と嗅覚と味覚で私を求める五月雨達。

 

「ていとくぅ…しらない人が部屋にいっぱいいて怖かった…怖かったのぉ…もっとちゅっちゅってしてぇ………」

「えへへ…提督の汗…しょっぱいの…」

「もう離さないからぁ…提督は私の…だからぁ………」

 

視覚と聴覚と触覚と嗅覚と味覚の全てで私は五月雨を感じる。

五月雨の顔が胸が腹が尻が性器が足が視界いっぱいに広がり。

五月雨のあえぎ声泣き声嘆願の声悦びの声あらゆる声が耳を支配し。

五月雨の肌が触れてない部分は私の身体にどこにもなく。

五月雨の若い娘特有の酸味と甘みが混じった匂いはこの部屋に染みつき。

五月雨の味は口を開けばすぐに感じることが出来た。

 

そのうちに五月雨と私の感覚の境界が曖昧になっていく。

五月雨が達する度に私も射精し。

私が射精すれば五月雨も達する。

十人の五月雨の絶頂は十回以上の射精の快感になる。

十回出せば百回の絶頂になり、百回の絶頂は千回の射精へと導かれる。

わたしのすべてが五月雨に注がれ、五月雨の全てがわたしにかえってくる。

千回が万回、万回が億回、億回が…………

 

 

 

 

そしてすべてが

 

まっしろに

 

なった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■■鎮守府、五月雨事件レポート

 

■■■鎮守府の■■■提督は死体となって発見された。

 

第1発見者の■■によると、昼になっても執務室に来ない提督を迎えに行くために寝室に向かい、ベッドの上で全裸で倒れている提督を発見。

すぐに医務室に連絡したが医師によって死亡が確認された。

部屋中には白露型駆逐艦五月雨の衣装が散乱、前日未明より提督が五月雨の手を引いているところを多数の艦娘が目撃しており事件性があるものとして軍警察が五月雨達の行方を追っている。

 

そう、この鎮守府に登録されていた10隻全ての五月雨が行方不明となったのだ。

提督が彼女らに何をしていたのかは容易に想像出来るが、ドッペルゲンガー症候群を引き起こさずに10隻全ての五月雨と同時に関係を結んでいた方法については皆目不明である。

 

 

 

もし、もしも、五月雨達が自分達にやられていたこと、提督が死んでいたことを悟ってあらゆることに絶望し、混乱と錯乱のうちに海へと出てしまったのなら。

彼女達は二度と陸に戻ってくることはないだろう。

 

我々A-0システム倫理委員会はこの事件の危険性を鑑み、鎮守府内における同艦娘ストックに制限を掛けることを進言します。

 

 

20**/**/**

 

 

 

(了)

 

 




当時SCPに嵌まってたので最後のレポートはそれっぽくなりました。
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