「あーっ!司令官が加賀さんと裸で抱きあってるー!」
清霜の大きな声で私はハッと正気に戻り、加賀さんの中から抜くとあわててズボンを履き始める。
執務室の鍵をうっかりかけ忘れてしまったようだ。
扉は大きく開かれ、清霜が大声をあげていた。
「ねぇ司令官!、何、何してんの? ねぇ何してんの? 何、何、何、ねぇ?」
「何って…それは…なあ…ナニっていうか…ははは」
私は加賀さんとの関係を見られたことのばつの悪さにしどろもどろになるが、加賀さんは落ち着き払って上着だけを羽織る。
「あなたたしか…清霜…だったかしら?」
「はい!MI作戦で救出していただいた清霜ですっ!加賀さんは司令官と何してたんですか?」
くりくりっと丸い目を輝かせる清霜、ああ、そんなに純粋な目で見られると困ってしまう。
しかしひょっとして本当に何をしてたのか分からなかったのか…?
「新任の子なら知らないのも仕方ないわね…これはね”開発”してたのよ」
「えっ!開発なんですか!?」
加賀さんはしれっと大嘘を吐いた。
「あなたまだ秘書艦になったことないから知らないでしょうけど、秘書艦になったらこうやって提督と協力して毎日”開発”しないといけないの」
「そうなんですか!へぇ~凄いな~…こうやって航空機とか出来ちゃうんですか!?」
清霜はその大嘘を信じ込んだのか興味津々とばかりに質問を続ける。
「そうよ、だからこの烈風も流星改も私と提督の子供みたいなものなの」
「ブフーッ!」
加賀さんの言葉に私はたまらず盛大に吹いてしまう。
しかし加賀さんの大嘘は立て板に水とばかりにすらすらと流れ出す。
「ちなみに朝昼晩と毎日3回”開発”することが推奨されてるわ、あと開発を成功させる秘密の呪文があるの」
「わぁ!どんな呪文なんです!教えて下さい!」
「そうねえ…あなたが今さっき見たことを黙ってくれたら教えてあげるわ、なにしろこれは秘書艦にならないと教えられない秘密の呪文だから」
清霜はブンブンと首を縦に振って答える。
加賀さんはにっこりと笑うと耳元で何事か囁いた。
「ラメハラメハ!これを唱えるんですか?」
「そうよ、提督に後ろから抱かれながら何度も繰り返すの」
「ラメハラメハ!ラメハラメハ!ラメハラメハラメハラメ!きゃははっ、おもしろ~い!」
元気に笑いながら何度もラメハラメハ!と繰り返す清霜。
そして私の顔を見ると何か思いついたのか膝の上に座ってきた。
「じゃあ秘書艦になったときのために練習しちゃいます!加賀さん見てて下さいね!司令官!ラメハラメハって言って!」
「あ、ああ、しょうがないな…ラメハラメハ…らめはらめはらめ…孕め?」
清霜を後ろから抱いて”呪文”を呟いているとその本当の意味に気がついた。
加賀さんは口元は笑っているが目が笑っていない。
「さ、私と提督は開発の続きをしないといけないから、清霜は早く皆のところにお帰りなさい」
「はーい分かりましたー!」
清霜は加賀さんの目つきに気がついているのかいないのか、私の膝から素直に降りてしまう。
そして部屋を出ようとしたところでくるりと振り返り、屈託のない笑顔でこう言った。
「でも、提督さんの秘密の呪文って廊下まで聞こえてましたよ?」
(了)
清霜って可愛いよね。