愛する駆逐艦達のために魚雷を産みたい。
そう思った提督は弾薬をばらして火薬をご飯にふりかけて食べるようになった。
「これが本当のかやくご飯ってか、ガハハハ」
当然のことながらそんなご飯を一杯も食べられるはずもなく、腹をこわしてしまう。
しかしそんなことで挫けるような提督ではなかった。
「提督も、少し修理したほうが良いみたいですね」
明石にそう言われたので鋼鉄の胃腸に改装してもらった。
これで火薬ご飯どころか鉄板も食べられるようになる。
そう思った提督は鉄板の唐揚げを食べようとしたが歯が全てへし折れてしまった。
「提督も、少し修理したほうが良いみたいですね」
明石にそう言われたので提督はタングステンの歯とアゴに改装してもらった。
強力なアゴのバネと超硬度タングステンの歯はバリバリと音を立てながら鉄板を噛み砕いていく。
しかし食べても食べても尻からは鉄板の火薬和えが出るばかりであった。
トイレが詰まってしまったので汚水まみれになりながら修理を終わらせた提督は「これではうっかりトイレにも行けないではないか」と憤慨した。
「提督も、少し修理したほうが良いみたいですね」
明石にそう言われたので提督は肛門部分をプレス機に改装してもらった。
鉄板の油揚げをおかずに火薬ご飯を食べながら重油の味噌汁を噛むように啜る。
そうしてついに提督の尻から直径61cmの立派な魚雷が生産されるようになった。
提督が食事をするたびにごとりごとりと魚雷が生産される。
しかしこれでは1日に3つしか生産出来ない。
「提督も、少し修理したほうが良いみたいですね」
明石にそう言われたので提督は口の前に全自動給餌機を据え付けてもらった。
鉄板を噛み砕き、火薬の塊と油を混ぜて飲む。
このおかげで毎時1本の魚雷生産が可能となったのである。
がっしょんがっしょん、提督の鋼鉄の胃腸はフル稼働。
がっしょんがっしょん、肛門からは魚雷がひり出される。
しかしこれでは提督の仕事が出来ないではないか。
「提督も、少し修理したほうが良いみたいですね」
明石にそう言われたので提督はついに脳改造を受けた。
鎮守府の総合戦略コンピュータと脳をネットワークで直結することによって的確な指令を出せるようになったのだ。
しかしそれでも提督は魚雷を生産し続けた。
「私は駆逐艦達のために魚雷を産んでいるんだ、私はなんて幸せなんだ」
「………提督も、少し修理したほうが良いみたいですね」
明石にそう言われたので提督は魚雷生産プラントに改造された。
完全に工場となってしまっては元が一体なんだったのか誰にも分からない。
新しく建設された魚雷生産プラント№6は24時間フル稼働で魚雷を生産し続けている。
「提督も、少し修理したほうが良いみたいですね」
明石にそう言われたので、新しい提督は鋼鉄の胃腸に改装してもらった。
(了)