※この作品はR-18です。

艦娘百夜物語   作:ブラックマンバ

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第65夜「五月雨会議」

 

今日は各鎮守府から集まった五月雨が一堂に会する五月雨会議の日である。

今回来て集まったのは「Y鎮守府の五月雨(以下Y五月雨)」「K鎮守府のK五月雨」「R基地のR五月雨」「T泊地のT五月雨」「B泊地のB五月雨」の5名であった。

 

「では第9回五月雨会議を始めたいと思いまーすっ」

「「「「「よろしくおねがいしまーっす」」」」」

 

議長のY五月雨の号令と同時に5人の五月雨の声が綺麗にハモる。

最初の議題として改二についての要望などがあげられた。

 

「はい! やっぱり武装強化して欲しいです! 12.7cm連装砲B型改二を二丁持ちしたーい!」

「もちろん61cm五連装(酸素)魚雷も装備!」

「やっぱり回避を上げて欲しいです! え…追突したからそれはなし? そんなぁ!」

 

きゃいきゃいと好き勝手に喋る五月雨達の会話を議事録につけるK五月雨、

これは後にちゃんと纏められて会議記録として司令部に提出されるものである。

 

「でも私達の改二の改造なんていつになるんでしょうか……」

「し、新春には吹雪ちゃんの改二が来ますから…きっと…きっとそのうち来ますよ!」

 

しかしやはりどんなに要望を述べても見通しが立たない以上ただの妄想で終わるのが常であった。

 

「……えー、では次に各鎮守府の活動についてお願いします」

「はい! 私はドジったふりをして提督に10回抱きついて、3回ぐらい勢い余ってヘッドバッドで気絶させました!」

「私は砂糖と塩をわざと間違えてコーヒーを出しました! でも提督は文句も言わず全部飲んでくれました! 本当に大好き!」

「提督と涼風が手を繋いで歩いていたからドジったふりをして曲がり角で激突しましたけど私は悪くありません!」

「R五月雨はケッコンまだだもんね、しょうがないよね……」

 

K五月雨はそう呟きながら議事録をつける、こちらは後で五月雨会議を欠席した五月雨達に配布されるものであった。

 

「ケッコンといえば、私のところはジュウコンしない主義の提督だから私とだけなんだけど……」

 

B五月雨がケッコン指輪をきらりと光らせながら、ちらりとY五月雨を見た。

 

「うん…私のところは戦略的ケッコンカッコカリで金剛姉妹や加賀さん赤城さんとも一緒だから肩身が狭くて……」

 

ふう、とY五月雨はため息をつきながらそうそうたるジュウコンメンバーを思い出す。

 

「古参の鎮守府は大変ですよね、私のところも提督が白露姉妹全員と結婚しようとしてて今度は春雨にもケッコン指輪を渡すつもりなんです! 本当にもう……」

 

と、唇を尖らせたのはK五月雨である。

提督にジュウコンカッコカリをされている五月雨は会議メンバーでも5割近くを占めていた。

しかしこのような例もある。

 

「それはそれで賑やかでいいじゃないですか、私のところなんて私とケッコンするの5人目なんですよ!」

「T五月雨の提督は筋金入りの五月雨教徒ですからねぇ……」

「でも何かいいことあるんですよね?」

 

複数の五月雨のみとケッコンしているところのT五月雨の生活には皆も興味津々である。

 

「そう…ですね……どうしても寂しい夜は、当番の五月雨のふりをして提督の寝室に入る…っていうのをしたことあるんですけど」

「そ、それでどうなったの?」

「えっと、やっぱり私ですね、みんな同じこと考えてて提督の寝室に全員集まっちゃったんです」

「あはっT五月雨達ったらドジですね」

「もう1時間早く寝室に行っていればよかったのにー」

 

あははと五月雨達が笑い、会議に和やかな空気が流れた。

 

「あとですね、提督は五月雨のみの艦隊を組めないっ!って暴れてますね、司令部に毎月嘆願書を送ってるみたいですが無視されてるみたいです」

「そ、それは当たり前では……」

「しょうがないですから全艦隊に私達を配備して慰めにしているみたいです、本当にもう……」

 

呆れたような顔になるT五月雨だがそれでも提督のことは好きなのだ。

たとえ同じ自分と延々とケッコンしようとする変態提督でも。

 

「そういえばR五月雨はまだミコンなんですか? この前の会議の時は”もうすぐLv99になるから今度来るときはケッコン指輪見せますね!”って言ってたのに」

「はい…もうLv99になって一ヶ月以上も経つのに……指輪渡してくれないし……明石さんにちょっと聞いてみたら私用の指輪は用意してるみたいなんですけど……はぁ……」

 

暗い表情になるR五月雨、何も無い薬指を切なそうに見つめる。

なんとか慰めようとする他五月雨達は思案し、やがてY五月雨がぽんと膝を打った。

 

「そうだ、その提督さんはきっと改二待ちしてるんですよ!」

「あ、そうか、それがありましたね!」

 

B五月雨もそれに思い当たったようだ。

 

「この前も私の提督がビスマルクさんのドライ待ちでずっと99にしていたままでしたし……(あ、思い出したらちょっと腹が立ってきました)」

「そうですよ、きっと改二になって強く綺麗になった私達とケッコンしたいんです!」

「そ、そうなのかなあ……」

「そうです! きっとそうです! 間違いありません!」

 

五月雨達は立ち上がると励ますようにR五月雨を囲んだ。

 

「大丈夫です! 指輪がちゃんとあるならケッコンする気はあります!」

「そうですよ、改二になってからケッコン式なんて羨ましいです!」

「いいなあいいなあ、新しくなった私でケッコン出来るなんて!」

「そ、そうですね、ちょっと待てばいいんですよね!……」

 

一瞬顔を輝かせるR五月雨だったがやはり俯いて呟いた。

 

「……でも、改二っていつになるんでしょうか……」

 

結局そこに行き詰まってしまい、皆は暗い顔になった。

 

 

 

(了)

 

メンバーケッコン表

 

Y五月雨:金剛姉妹、加賀、赤城、大和、武蔵等20名とジュウコン

B五月雨:単身ケッコン

R五月雨:ミコン

K五月雨:白露型とジュウコン

T五月雨:五月雨5人とジュウコン、ケッコン待ち五月雨10名

 

 

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