それは爛れながらも平穏な日々 作:メキシカンX
「それに……一夏。私は、お前になら抱かれてもいい」
まずい。
まずいまずいまずい。
まずいまずいまずいまずいまずい!
織斑一夏は、そう囁きながら身体を密着させてくる千冬の身体を受け止めつつ必死に意識を別の物事に逸らそうとしていた。
千冬の肌に触れる事自体は決して初めてではない。
彼女が日本初のIS適合者として多忙になった頃からマッサージは定期的に行っていたし、恐ろしく疲労の溜っている千冬の体を癒すために様々なツボを覚え、それは尻周りや胸周りのツボも含まれていた。
だがマッサージで触れる時の千冬と今の千冬とでは、決定的に異なるものがある。それは「空気」だ。
化粧気の無い千冬は、何かしらのフォーマルな場でもなければ基本薄めのファンデーションを塗る程度で、香水も好んでは付けてはいなかった。
しかし、今の千冬からは確かにむわっとする艶やかな香りが立ち上る。“フェロモン”というものなのだろうか。それを嗅ぐだけで一夏の頭は痺れてくる。
どうする?
いや、どうするじゃないだろ! ダメだって!
千冬姉を妊娠させて、俺との子供を作って、それで引き続き姉弟を続ける?
それで、箒たちとは今まで通りに過ごす?
無理だ! ああ畜生、何で姉のおっぱいに反応してるんだよ俺の息子!
いやこの場合の息子は千冬姉と作る予定の子供の事じゃなくって……じゃない!
うわ、柔らかい! 千冬姉のおっぱい凄い柔らかい! そんな押し付けられたら!
いや、だからおっぱいから意識を反らせ俺!
でも、ここで止めたら結局人工授精とかで結局千冬姉が悲しんで……
ああもう、千冬姉ももうちょっと離れてくれ! いい匂いがして、このままだと……!
混乱する頭を必死に整理しようとしつつも、一夏の身体も否応なく熱を帯びてゆく。
反応しているのだ。姉弟だという枠を越え、眼前の雌と交わりたいという雄の本能が。
そうやって一夏が内心で懸命に葛藤しているのが千冬にも分かっているのだろう。身体を密着させたまま耳元に口を寄せ、最後のひと押しを口にした。
「だから……迷わず、私のおまんこに中出ししろ」
あ、駄目だ、これ。
その甘い囁きに、一夏の理性は屈服した。
「……ち、千冬姉」
「『千冬』だ」
落ち着かなげに口を開く一夏の唇に、千冬は人差し指をあてて言った。
「え?」
「身体を重ねている間、私はお前の“女”だ。だから名前だけで呼べ」
その一言は、一夏の心だけでなく股間にも強烈な反応を起こさせた。未だ千冬の細い指に包まれた肉棒はびくんと跳ね、これからの行為への期待に更に怒張する。
熱に浮かされたような表情で、一夏は千冬の瞳を見た。日頃の鋭利な刃を思わせる態度の時には絶対に見られない、優しい瞳を。
「……ち、千冬」
「ああ」
「千冬……」
「ああ」
「千冬……っ!」
内側からの衝動に耐えかね、一夏は千冬に荒々しく唇を押し当てた。近くからでも十分に熱さが伝わってきていた彼女の吐息が直接一夏の口腔内に流れ込み、僅かに残っていた理性を完全に押し流した。
「んっ、んんっ、千冬っ……」
「そ、そうだ、一夏……もっと、私を求めろ……っ!」
千冬の片手が一夏の首筋に回され、更に密着を強くする。
一夏の舌に千冬の舌が絡みつく。まだ口付けにも不慣れで、どう動いて良いのか分からない一夏の舌を導くように千冬の口腔内に誘い込み、歯茎や内頬を舐めるように誘導する。
「んふっ、ンッ、ンンッ……!」
「ふぁ……んっ、んあっ……!」
「千冬……千冬っ……!」
千冬の口の中に限界まで舌を差し入れ、一夏は初めてのディープキスに溺れた。荒々しい彼の舌使いに対し、千冬はそれを受け止めつつも一夏の口に滑らかに舌を割り込ませ、荒い呼吸の中で唾液を交換する。
一夏は、自分の中に快感と共に支配欲が満たされてゆくのを感じていた。
常に憧れ、背中を見続け支え続けてきた姉が、今こうして自分に身体を任せ唇を求め合っている。それは背徳感と合わさり、堪らない悦びを一夏に与えていた。
ふと、びくんと一夏の身体が反応した。
「ちっ、千冬っ、それっ!」
「ぷぁっ……敏感だな……女性に触られるのは始めてか?」
「そんなの、当たり前……だろっ! うわっ!」
千冬の肉棒に触れていた方の手が前後に動き始めた。亀頭から滲み出てきていたカウパーと合わさり、ニチャニチャという音と共に一夏に鮮烈な刺激を送る。
「一夏、お前も触ってみろ……ンンッ」
「……!」
首筋に回されていた手が離れ、硬直していた一夏の手を握る。再びのキス。
千冬の手に導かれ、一夏の右手は千冬の黒いショーツの縁まで持って行かれた。そこで手が離れ、再び一夏の首筋に回される。
彼女が何をさせようとしているのか一夏は理解していた。動悸が激しくなる中、おずおずとショーツの中に手を差し入れる。手の甲には滑らかなシルクの下着の感触、指先には薄い陰毛の感触と千冬の身体の火照りが伝わってくる。
「んっ! そ、そうだ……もっと、奥まで……」
「(熱い! それに……)」
初めて触れる女陰は熱く、そしてしっとりと濡れていた。
指先に粘り気のある液体が絡みつき、肌とは異なる粘膜の感触が女性にしか無いそれの存在を否応なく一夏に意識させ、動悸を更に速めさせる。
「(千冬姉も、興奮してるんだ……!)」
肉棒を扱かれながら、一夏は自分の欲求に任せて指を千冬の肉襞に割り入れさせた。
「……っ!」
「千冬も、気持ちよくなって、ほしい……っ!」
テクニックとかは分からなかった。ただ千冬に気持ちよくなってほしいという気持ちのまま、指を奥まで差し込んでゆく。
無数の襞に覆われた膣内は入り込んできた指を全体でしっかりと、しかし柔らかく締め付けてくる。まだ挿入すらしていないのに、一夏はまるで自分の肉棒が入ったかのような錯覚を覚えた。
「(ここに、入るんだ……俺のが……!)」
「あ、あまりそこは手荒に扱うな……女の身体は、デリケートなのだからな……」
「あ、ご、ごめん……」
思わず素直に謝る一夏に、千冬は微笑んだ。
「こんな時でも優しいな、お前は」
「千冬、姉……!」
「ンッ……全く、甘えん坊だな」
その笑顔に、一夏は堪らずにその唇を押し当てた。思わず戻ってしまった呼び方に千冬は苦笑を浮かべ、キスの後で優しく一夏の頭を撫でる。
「そろそろ、始めるか」
「……あ、ああ」
一夏は千冬の膣内に挿れていた指を抜いた。薄暗い常夜灯の中でも、テラテラと光る千冬の愛液ははっきりと分かった。何となく顔に近づけ、ぺろりと舐める。
「……こんな味なんだ」
「こら、そういう事を言うな」
流石にそういう事を言われるのは恥ずかしいのだろう。千冬は一夏を窘めるように言うとベッドに腰かけた。
背中に手を回し、ブラのホックを外すとゆさっと重そうに両の乳房が露となる。薄く血管の浮かぶ乳房の先には桜色の乳首が揺れ、それは僅かに、しかしはっきりと固くなっていた。
千冬の胸のサイズがどの程度かは一夏は知らなかったが、少なくとも男友達と広げて読んだ雑誌の「驚異のGカップアイドル!」などの煽り文と共に誌面を飾るグラビアアイドル等より千冬の胸は遥かに大きく、重そうで、そして美しかった。
「………!」
無意識に一夏の咽が鳴る。
一夏の視線がまっすぐに向けられているのを分かっているのか、千冬は勿体付けるようにゆっくりとショーツに手を添えた。すらりとした脚を上げ、黒い下着を脱ぎ捨てる。
「千冬……姉」
「『千冬』だ」
再び千冬が笑う。しかしその笑顔は、今まで一夏が見た事も無いような蠱惑的な笑みだった。脚を下ろし、そのまま少しずつ広げる。
「ち……ふゆ」
「そうだ。これからお前は……」
濡れる薄い陰毛に彩られた薄紅色の女陰が愛液で光り、ひくひくと震える陰唇が一夏を誘う。
「私のここに、その硬くなったチンポを挿入するんだからな」
その言葉だけで一夏の肉棒は跳ね上がった。急激に内側からこみ上げる射精感に危うく本当に射精しそうになり、慌てて堪える。
「(あ、危ねえ……千冬姉、セックスの時、こんな顔するんだ……!)」
「……どうした? まさか挿れる前から限界か?」
「うえっ!? い、いや! そんなのじゃないって!」
図星を突かれ、一夏は慌てて否定した。強がりを誤魔化すように千冬に覆いかぶさり、彼女の身体をベッドに横たえさせる。仰向けになっても形を崩さず、弾力を保ったままのその巨乳に一夏の視線は吸い寄せられた。
「(本当に大きいな、千冬姉のおっぱい……俺が中学の頃より大きくなってないか?)」
「そんなに人の胸が珍しいか? おっぱい星人。そんな目でオルコットや篠ノ之やデュノアの胸を見ているのではないだろうな?」
「ほ、箒たちは関係ないだろ!」
挑発するような言葉に一夏は言い返した。実際挑発しているのだろう。一夏の反応ひとつひとつを楽しむように千冬は言ってくる。
一夏の首に手が回される。その顔を近づけさせたところで千冬は囁いた。
「何度も言わせるな……今はお前の“女”だ。お前の好きなようにして、いいんだぞ?」
「……あ、ああ」
その言葉に操られるように、一夏は自身の手を千冬の乳房に添えた。長身の一夏は同年代の男子に比べて手は大きい方だがそれでも収まらないボリュームと、掌に伝わるずっしりとした重み、柔らかいのにしっかりと押し返してくる弾力は堪らなく魅力的で、一夏は千冬に身体を重ねつつ胸を揉んだ。
「こ、こんな感じでいいのかな、千冬……」
「んっ、そ、そうだ……最初は、丁寧に……」
千冬の声に甘い響きが混じる。豊かな乳房の先端で揺れる桜色の乳首に、一夏は思わず吸い付いた。
「ああっ! こ、こらっ、いきなり……っ!」
「んっ、んはっ……千冬のおっぱい、凄い、素敵だ……」
「ば、馬鹿者っ……!」
一夏の賞賛に千冬は顔を赤らめた。自分から誘いながらも、自分の弟から身体を褒められるというのは恥ずかしさもあるのだろう。
「(千冬姉、可愛い……!)」
もっと見たい。もっと自分の知らない、姉の痴態を見てみたい。感じる姿を、恥じらう姿を、快感に溺れる姿を見てみたい。
それは一夏の中から溢れた純粋な気持ちだった。
本来、今二人が行っている行為は「姉弟間という倫理的に問題がある、政府の要請で仕方なく行っている」ものである筈である。しかし、今の一夏にはそれだけで無くなりつつあった。
千冬はどうなのだろうか?
表面上はどうあれ仕方なく行っていて、妊娠したらそれで終わりなのだろうか?
妊娠したら元の姉弟に戻り、表向きの理由で休職して出産して、また教師に戻るのだろうか?
それが正しい事は分かる。今の自分たちがしている行為が間違っているのも分かる。
でも───
千冬の身体に魅了され、脳髄が痺れている一夏にそれ以上の判断はできなかった。今はただ千冬を感じさせたい。自分も気持ちよくなりたい。その衝動のまま一夏は千冬の豊かな胸の谷間に顔を埋めていた。
「んんっ……ま、全く……」
「うあっ!?」
きゅっと肉棒を握られ、一夏は思わず悲鳴をあげた。一気に現実に引き戻される。
「お前は人の胸を揉むだけで子供を作れるのか? ほら……ここだ」
「………!」
臍に貼りつかん勢いで勃起していた肉棒が、千冬の手でその先端を誘導させられる。亀頭に陰毛が触れただけで一夏の腰はぴくりと跳ねた。やがてその先の秘唇にたどり着く。
「そのまま、腰を突き入れてみろ……大丈夫だ。ゆっくりと、慌てずにな」
「あ、ああ……」
挿入しやすいように、千冬は一夏の肉棒に手を添えたままだ。震える陰唇は愛液に濡れ、一夏の亀頭を待ち望むようにひくついている。
「ち……千冬……!」
「ンッ……!」
一夏は腰をゆっくりと突き出した。亀頭がぬるりとしたものに触れ、やがて竿を含めた肉棒全体が柔らかな襞に包まれる。挿入の感覚に千冬も身体を震わせた。
「(これが、これが千冬姉のおまんこ……っ!)」
「ああっ……よ、よく、出来たな……偉いぞ……っ!」
艶めかしい喘ぎと共に千冬が言う。一夏は本能のままに腰を動かし始めた。日々のトレーニングを欠かしていない身体の賜物だろうか。千冬の膣内の襞は柔らかくも強烈に一夏の肉棒を全体で締め付け、そこから得られる快感を貪ろうとする。それに負けじと一夏も千冬の身体から得られる快感を堪能しようとしたが、
「うっ、うあっ! や、ヤバい、千冬っ!」
初めての快感は、一夏の意思を無視して早々に限界を迎えつつあった。
「あっ! まっ! 待てっ!」
「ああっ、だっ、駄目だっ! 千冬ぅっ!」
びくびくと一夏の腰が震え、強烈な射精感がこみ上げる。精管を駆け上がる精液の感覚。
挿入して早々に一夏は達し、千冬の膣内に精液を吐き出した。
「ああ……ち、千冬……っ!」
「ば、馬鹿、もの……っ!」
自慰行為とは比べ物にならない程の快感と脱力感が一夏を襲う。何回も腰が震えるたび、精液が亀頭から千冬の中へと注ぎ込まれる。暫くの射精の後、一夏は大きく息を吐いた。
「はあ~~~……」
「………」
にゅぽんと肉棒が千冬の膣内から抜き出される。
「あ……」
そこでようやく、一夏は千冬が冷たい目で自分を見ている事に気付いた。何と反応してよいか分からない数秒の間の後、一夏はおずおずと言った。
「えっと……これで、終わりかな?」
「………」
瞬間、一夏の目から火花が散った。顎に強烈な一撃。
何が起きたかはかろうじて分かった。千冬が膝で一夏の顎を蹴り上げたのだ。
全力の千冬ならば一夏の顎が砕けていた事を考えれば十二分に手加減した一撃だったのだろう。それでも射精直後で脱力していた一夏には相当に堪えた。
「な、何をするんだよ!?」
「今のが私で、これが任務だから良かったと思え。もしこれで相手が篠ノ之とかで結婚初夜だったなら、お前は明日には離婚されている」
抗議する一夏に冷たく言う千冬の顔は既に普段見る教官のそれに戻っていた。秘唇から精液を溢れさせつつも、一夏に呆れつつ言う。
「全く……経験が無いのは分かっていたがベッドマナーのひとつも学んでいなかったとはな」
「そんなの、知らなくて当たり前だろ」
そう言いつつも、一夏はその前の千冬の言葉がちくりと心を刺すのを感じていた。やはり千冬には、これは任務なのか。
そんな一夏の内心を知ってか知らずか、千冬は一夏を見上げつつ更に言った。
「一夏、横になれ」
「千冬?」
「今は『千冬姉』だ。いいから横になれ」
言われるがままに一夏はベッドに仰向けに寝転んだ。それを確認し、千冬は自身の身体を一夏の下半身に向けてずり下げてゆく。
「ンッ……」
「うあっ!? ちょ、千冬姉!?」
おもむろに千冬は一夏の肉棒を口に含んだ。
愛液と精液に塗れたそれを躊躇わず口腔内に呑み込み、口をすぼめると舌先を亀頭に絡め、液を舐め取りつつ全体を刺激してゆく。鈴口をつつくように舌が触れると、射精直後で敏感になっていた肉棒は急激に再び勃起してゆく。
「ンッ、ンッ、んむぅ……」
「ああっ! ちっ、千冬姉っ!」
一夏は背を反らして身を悶えさせた。肉棒が十分に硬さと大きさを取り戻したのを確かめると、千冬は口を離した。唇から亀頭にかけて唾液が淫らなブリッジを造り上げる。
「っぱ……よし、まだいけるな?」
「……え?」
「第二ラウンドだ。男ならば、相手を満足させるまでは達するな。でなければ強い子を仕込めないぞ」
そう言いつつ、再び千冬は身体をずり上げ密着した。汗と愛液と一夏の精液が入り混じった淫臭が一夏の鼻孔を刺激する。
「で、でも、今ので……」
「ああ、それは無い。今日は安全日だからな」
「……え?」
千冬の言葉は、保健体育程度の知識しかない一夏にも理解できた。イレギュラーこそあれ、基本的に今晩は妊娠が見込めない日という事だ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ千冬姉! 何で!?」
「この話を政府から受けたのは今日の今日だ。人間の身体のサイクルは、そう簡単に変更できない」
「そうじゃなくて! 子供も作れないなら何で今日わざわざやったんだよ!?」
当然とも言える質問に、千冬はこちらも当然のように答えた。
「予行練習だ。危険日になってからいきなりお前に話を振って、それで断られたりしては次の周期まで余計な日数がかかってしまうし、そこでいきなり実践では失敗するかもしれない。実際、今のではお前のは子宮に届いたかも怪しかったしな」
「………」
一夏は言葉を失いながらも何処か安心しているのを感じていた。今晩だけでなく、暫くはこれが続くのだ。
反応が返ってこないのを了解と受け取ったのか、千冬は一夏の身体の上に乗ると身を起こした。
「今度は私が上になってやる。危ないと思ったら尻に気合を入れて、我慢しろ」
そう言いつつ見下ろす千冬の、淫らにして美しい顔。
汗に濡れる乳房が揺れ、秘所から垂れる愛液が亀頭に零れる。
一夏の肉棒は更なる快感への期待に、びくんと一際大きさを増した。