薄暗さに目が馴れてくると周りの壁は冷たい石のようななにかに囲まれた部屋に居るのだと分かった。
両腕は頭の後ろに固定され、動かしたときに聞こえる音から鎖だと想像できる。
傾斜のある椅子は腰から下はなく、その代わりに肘掛けのような物にふくらはぎが乗り固定されていた。
他には腰と腋の下を通した所にベルトが巻かれて身動きも出来ない。
私の名前はリミィ。黒猫族の密偵である。
この世界には多くの人類と少しの獣人が居る。お互いの民族は激しい争いが行われ、高い能力を持つ獣人でも数には敵わず劣勢を強いられていた。
しかし、ある貴族が非人道的な研究により個々の能力を爆発に引き上げる装置を作ったと情報を得た。
それを聞いた獣人達は1つの作戦を立てた。
設計図を奪え。
潜伏能力の高い黒猫族の中でも1番能力が高かった私が選任され、そう命令を受けた。
当然貴族の家は厳重な警備網が張られ、生きて帰られる確率の方が断然低い。
それでも指示が出たからには私は従う他ない。
実際には言われていたほど難しくなく潜入出来た。
やっぱり人類なんてチョロいもんだと思って、設計図を盗んで屋敷を出た。
これが罠だった。
抜け道のない包囲網。警備犬の嗅覚による執拗なまでの追い打ち。何体もの犬に囲まれた恐怖。
恐怖なんてもう無くなっていたと思っていた。
追い詰められて思った。いかに私が未熟なのかを。
その時だ。目の前に得体の知れない物が飛び出し弾けた。
この世の物とは思えない程の臭いと一寸先も見えない程の煙で感覚を奪われた私は人生を諦めた。
そして冒頭に戻る。
ガチャ…。
「お目覚めですか…?」
目の前の扉が静かに開きか細い研究者風の男が入ってきた。
研究者風の男は私が起きていることを確認するとほっと胸を撫で下ろし、再び私を見つめ直す。
私の胸は原因不明の鼓動の早まりを起こした。
はっきり言おう。性癖ドストライクの男に一目惚れしたのだ。
恥ずかしくてとてもじゃないと言えないが、私にも乙女心があったとは…。
しかし、目の前の男が白か黒かは分からない。
少なからず人類だし、良くはないと思う。
「私を拘束してどうするつもり?欲しい情報を手に入れるまで拷問?獣みたく性欲を晴らす強姦?」
「あっ…えと…、困っているようでしたので助けてあげるのと、その、自分の研究のサンプルになって欲しくて…。あっ、違いますよ、解剖とか暴力的な事は好きじゃありませんので。研究が済めばすぐに自由にしますから、お願いします。手伝って下さい!」
男は腰から直角に腰を曲げ深々とお辞儀をする。
人類にも変なのっているんだね。普通だったら獣人に頭下げる人居ないのに。
「ふんっ、こんな状態じゃあ断ってもサンプルにされるんだろ?だったら好きにしたらいい。その代わり約束は守って貰うよ」
「えっ!!本当ですかっ!ありがとうございます!あっ、じゃあ早速始めましょう!」
ドタバタと部屋の外から箱を持ってきた男は私の周りにカメラを設置していく。
「実験は自分が行いますので細かいのはあとで見たくて…」
バツ印状に対角線で置かれた4台のカメラ。そして天井からまっすぐ私を捉える1台のカメラ。計5個のカメラが私を凝視している。
ぱつんっ。
大きなハサミを使って切れ込みを私の服に入れていく男。
「これが終わったら、綺麗な服をあげますので勘弁して下さい」
何重にも重ねた全身タイツは切りづらかったらしく、胸と下半身で諦めていた。
露わになった毛皮は周囲の風を感じ少し気持ちいい。
「それでは始めます」
椅子で開かれた股の目と鼻の先に顔を近付けた男。
荒い鼻息が大事な部分の毛を撫で下ろす。
「んっ……な、なにするつもり?」
ドクドクと心臓の音が激しくなる。
落ち着け私。性的な拷問だって練習したでしょ?
なにを今更鼻息が当たっただけで…。
ふー…。
「んんっ、くっ……」
優しく息を吹き掛けられるとどうしても腰がピクリと反応してしまう。
不感症と笑われ、褒められた私が感じている?
意味が分からなかった。
脈が私のアソコを刺激して物欲しげになる。
触って欲しい。気持ちよくして欲しい。
好奇心は時に猫を殺すと言うが今の私にぴったりではないか?
どうでもいいことを考えていないと、すぐにこの男に屈してしまいそうで怖かった。
怖いのに、めちゃくちゃにして欲しいという願望もある。
とにかく、屈しなければ私は無事に帰れるんだ。私には役目があるのだから。
ぺろっ。
「んはっ、んんっ、くっ、ふっ、ふっ……」
舐められた。得体の知れないこの男に大事な部分を!
訓練とは違うこの胸の高鳴り。
足で堪えたいのに開かれて固定された脚では腰に上手く力を入れられない。
発情期の獣のようにカクカクと腰が震えた。
んちゅ、ちゅぱっ、じゅるっ…。
「くぁっ、はぁっ、ひくぅっ、ふぅぅ……」
唇をぴったり付けると、いやらしい音をたてながらアソコを舐められ、吸われる。
理解不能な快感に声が抑えられない。
下を見やれば、豚のように貪る男の顔があった。
じゅるっ、んぷっ、んちゅっ…!
「ふぁぁ!? くぅう、んぎぃっ…あっ、あっ…!!」
男は舐める吸うの動作に舌をアソコへと伸ばし始めた。
体の奥にうごめきながら進んでくる異物感。
訓練の時は棒を機械的に出し入れするだけだったのにこんなの聞いてないっ。
お腹の1番奥がなにかを欲している。
なにか熱いモノを、熱い刺激が欲しい!
体に反応して心も熱くなり始める。
顔が熱い。体中がお湯に入ったみたく熱くなる。なにかが欲しいのに、なにかが分からない。
「あっ、あっ、あっ、んくっ、んぁあっ、うそっ、いやっ、いやぁっ、あっ…! ~~~っんんんん!!♡♡」
目尻が熱くなり、頭が白く飛ぶ。
体は震えたかったが、キツく固定しているベルトに阻まれ大きく動けない。
それがかえって私の昂ぶりを反芻させ、未知の領域へと持ち上げた。
「あの、申し訳ありません。まだ信用出来ないのでベルトはそのままでご飯を食べて下さい」
今日の研究は私が絶頂する事についてだったらしい。
うやうやしくご飯を持ってきた男に疑いの目を向けながら、差し出されたご飯を口に入れる。
ご飯にスープにサラダに。私の人生で初めてといえる程、豪華な食事だった。