「あの、さ。帰らなくていいの?」
私が捕まってから1カ月間が経ったある日、男の人は言った。
私は温めているフライパンの蓋を取る。むあっと広がる湯気の中から縁がカリッと焼けた目玉焼きを皿に移す。
「うん。設計図盗めなかったし。作戦は私が死んでも良いように組まれているから。…まさか連れ出されるとは思ってなかったけどね」
実際に作戦が上手く行っていて、工場を爆発されたと新聞に書いてあった。
「それに、私は今はカールの妻だよ?離れる必要がないんだ。はい。朝食出来たよ」
カールというのは今、目の前に居る私を誘拐した人の名前だ。
「あいあい、ありがとう。そっか、じゃあ、ずっと一緒かな?」
あの時から毎日sexを続けた甲斐あって、異種間ではできにくいと言われた卵子への着床が成功していた。
今はまだ分からないが、確実に私のカラダにはもう一つの命が宿っている。
「それにしてもリミィがあんなにアナルsex好きだって分からなかったよ」
「なっ!それは相手がカールだからであって…!!」
着床出来てからというもの、万が一の為に普段のsexはアナルを使う事にしているのだが、カールのテクニックが凄くて私はいつもカールの技術に甘えてしまうのだ。
探求心のある研究者だからこそかは分からないけど、毎日のように私の気持ちいいところを開発している。
私自身はカールが愛してくれるのが嬉しくてなにも反撃をしないけど、飽きられないかな?
「カール。いつもsexの時はカールがメインだけど、今日は私に任せてみる気は無い?」
私の問いかけにカールは思わずというように口まで運んでいた目玉焼きを皿に落としてしまった。
「いや、え?あっ、別にいいんだけどね。どういう風の吹き回し?」
「たまには自分からやってみたいのよ」
なんとなく恥ずかしくて顔を背けてみたものの見つめられて居心地が悪い。
「自分からって…リミィ、いつもせーしちょうだいちょうだいって自分から言ってきてるんだけど?」
「もー!!そう言うんじゃなくて、私が攻めになりたいの!!」
「あー、うーん、そ、そう?」
全然分かったように見えないカールに私は内心ため息をついてテーブルから体を乗り出させる。
ちゅっ♡
顎をクイッと上げカールに不意打ちのキスをしてあげた。
「こういうこと。分かった?」
「あ、う、うん。分かった。いいよ♡なんなら今からでもやろうか?」
「……ばか♡」
馬鹿げたカールの提案に嬉しかった私はもう一度唇を重ねた。
目玉焼きの油がべっとりくっついたカールの唇は甘く、とろけそうだった。