※この作品はR-18です。

小夜啼鳥の箱庭   作:ペンギン隊長

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X回目 ホワイト()引き継ぎ 全部は揃ってない本丸 前任病死
前回は色々アレだったので全刀解することになった。前の本丸にいる間に担当が変わった


飛び方を忘れた鳥

 

 

 

その本丸は、とても普通だった。特に瘴気の発生している様子はないし、何処かが荒れているという様子もない。小鳥が浄化した後の本丸に比べれば清浄さは劣るが、淀んでいるわけではない(というより、小鳥の浄化能力が高すぎる)のである。そのことに、小鳥は困惑した。

「…あれ、僕此処で何するの?僕此処に来る必要あった?」

「そのことですが主さま」

「何?くろのすけ」

「此処で不都合がなければ、主さまはもう本丸を移る必要はないそうです。通常通り、本丸を運営し、歴史修正主義者と戦うように、と」

「…何で?」

「主さまの担当者が変わったからです。新しく担当になった者は、これまでの主さまの任務が不当なものであった、と」

「・・・」

小鳥は無表情で首を傾げる。

「…何故?」

「…人道的ではなかった、と」

「僕はそれが必要だったからその任務が課せられていたんじゃないの」

「…確かに、"ブラック本丸"の対処は必要なことではありました。しかし、それを主さま一人に押し付けたのは不当と言えるでしょう」

「…そう」

小鳥は目を伏せる。

 

 

 

「あなたが我が本丸の新しい主さまですね?私、こんのすけと申します」

「僕は小鳥だよ。よろしく」

「よろしくお願いします!」

「…主さま、主さまの管狐は一匹で十分だとは思いませんか?」

「んー…別にどっちでもいいんじゃない。この本丸についてはこんのすけの方が詳しいだろうし、くろのすけは気心が知れてると言えるだろうし」

「ところで主さま」

「何、こんのすけ」

「主さまは此処に来る前は他の本丸にいたと伺っています。…その傷は、刀剣男士に付けられたもの、ですか?」

「んー…まあ、増えなきゃその内なくなるから、気にしないで。特に支障はないし」

「いやいや、気にしないわけには参りませんよ。女性に手をあげるなど、男の風上にもおけません」

「まあ、大体刀傷だけどねー」

 

 

 

「本日からこの本丸に配属されました、小鳥です。よろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げた後、刀剣たちの反応に小鳥は僅かに首を傾げる。なんというか、挙動不審だ。無視されているわけではない(寧ろすごく気にされてる感がある)のに、意思を表明しようという様子がない。小鳥は困ったように江雪を見る。江雪は肩をすくめ、一歩前に出た。

「…主の初期刀の、江雪左文字と申します。…主に何か、問題でもありましたか」

「そ、そんなことはないぜよ」

「寧ろ女の子が主というのが…」

「こんなのかっこよくないよね…」

小鳥はゆるりと首を傾げて言う。

「僕がいると話をするのに支障があるのなら、一旦引っ込むけど。江雪、任せていい?」

「…いたし方ありません…」

 

 

 

「あなた、何か知っていますよね」

くろのすけがこんのすけに問う。

「…。…まあ、ざっくり言うとですね、前任の主さまの影響なのです。前の主さまはDTこじらせてまして、女の方に夢を見すぎているのです。特に黒髪の清楚な女性」

「俺は黒髪だけど清楚じゃあないと思うんだけど」

「主さまは見た目儚げ美少女じゃないですか。しかも今は怪我もしていらっしゃいますし」

「そうですよ主さま、十分中身と外見にギャップができています」

「いやあ、実際筋力とかはないよ?」

少なくとも、呪術などで強化しない場合、見た目通りの貧弱さである。

「…。で、ええと、女の子に夢見すぎてるって、どういうこと?」

「これまでに撃沈していった方の中には、思春期の男子中学生のようだとおっしゃった方がいましたね」

「…成程」

呆れたように溜息をついたくろのすけとは対象的に、小鳥は首を傾げる。

「つまり、どういうこと?」

「女の子に対して色々思い込みや妄想があるのでしょう。害は、ないのかもしれませんが」

「んー…俺の知ってる男子中学生はただのおこちゃまだったからなぁ」

「まあぶっちゃけ、へたれの主さまでしたので、害はないと思いますよ」

「害はなくとも、主さまとまともに会話もできないのであれば問題はある気がしますが」

「…それは、否めませんが」

「…まあ、受け入れられない、というわけでないなら、慣れるまで待つけどさぁ」

 

 

 

「・・・」

小鳥は目の前の挙動不審な刀剣をじーっと見る。

「何?」

小首を傾げた小鳥に陸奥は余計に挙動不審になった。

「良い天気じゃの」

「…確かに、とく晴れているね」

ただし、本丸は大抵天気が悪い方が珍しいくらいである。

「ゴシュミは、何でしょうか」

「え?うーん…読書と音楽、かな」

それが何?と小鳥は首を傾げる。が、陸奥は何やら感動している様子である。小鳥には理解できない。助けを求めて視線を彷徨わせる。江雪が処置なし、という顔をしていた。

「…えっと、陸奥さんは他の皆の代表で来た、ってことじゃないの?」

「ほ、ほうじゃ。その…小鳥、ちゃん、わしらの主に、なってくれんかのぅ?」

「…寧ろ、僕で大丈夫なの?」

「なんちゃあない。わしらは、おなごに乱暴したりは絶対せんきに、安心しとぅせ」

「そこは、特に疑ってないけど」

 

 

 

小鳥には、彼らの思考がさっぱりわからない。理解を放棄しているわけではないのだが、どうにも価値観の違いは深刻らしい。正直なところ、どうすればいいのかわからない。

「…なんか、此処の人たち話できなくて疲れる」

もっと普通に接して欲しいと切に思う。

「…これは、害があると考えるべきでしょうか」

「害という程ではないとは思うけど」

ぽつり、と小鳥はこぼす。

「珍獣扱いされてる気がする」

「・・・」

小鳥は江雪にもたれかかる。

「僕、そんなに変かなあ」

「変なのはあちらです」

即答だった。

「女性の扱いに慣れていないにしても流石に限界があります。あれは失礼だと言ってもいいのですよ」

「俺のことは女扱いしてくれなくていいんだけどなぁ」

「それはそれでどうかと思いますが」

 

 

江雪にもたれてうとうとしている小鳥を見て、刀剣たちに衝撃が走る。そして結果、刀剣たちが江雪におなごとの接し方を教えてくれと詰め寄る事態に発展、江雪は深く溜息をついた。江雪は別におなごとの接し方とやらを知っているわけではないのだが。

 

 

 

この本丸には元から江雪左文字がいた。小鳥は完璧に見分けているが。別に、態度によって見分けているわけではなく、元々全ての個体を見分けられているのである。ちなみに呼び分けは元の主の名を冠すことで行っている。この本丸であれば、青雁の江雪さん、となる。まあ、普段はさん付けしているだけなのだが。

刀剣たちも一応見分けはつけている。練度と、態度による。これはおかしなことではない。刀剣男士は本質的にそれらを区別できないのだから。審神者の方も、己の刀剣かどうかはわかっても、他所の刀剣は余程仲良くなければわからないことが多い。だから、小鳥が特異ではあるのだ。

「…私が、どうかしましたか?」

「どうかした、という程のことではないけど…他の人は同じ刀だと見分けが付かないって言うから、何でかなって」

刀同士で見分けがつかないのは、なんとなくわかる気がする。ざっくり言えば、区別できては都合が悪いのだろう。アイデンティティ的な意味で。なら、人はどうなのだろう。種族が違うからわからない、ということだろうか。

「…全然違うと思うんだけどなぁ」

言語的に説明しろと言われれば小鳥も困ってしまうのだが、小鳥にとっては、確かに同一の刀剣だとはわかるものの、別個体であれば全然別物なのである。それこそ、何故区別がつかないのかわからない程に。

 

 

小鳥の江雪は正直、殆どの刀剣を嫌っていると言っても間違いではないのだが、青雁の江雪に対する感情はそれまでに会ってきたどの江雪左文字に対するものとも違うだろう。一言で言うのなら…小鳥に、同一の刀剣だと認識されたくない。嫌悪と表すのが正しいのだろうが。

 

 

 

刀剣たちは、彼らなりに小鳥と仲良くしたがっている。小鳥の前では思ったように動けないし、そもそもその考えているシュミレーション自体がおかしくはあるが、仲良くしたくないわけではけしてない。ただし、それが伝わるのかはまた別問題だ。小鳥も、刀剣たちが色々こじらせているだけとこんのすけから聞いて知ってはいるのだが、わからない。どうしていいのかわからない。そもそも小鳥のコミュニケーション能力は高くないが。

「♪~」

挑戦しようという意欲自体はいいのだが。

 

 

 

「…で、この本丸で主の手で鍛刀された最初の刀が、俺というわけか。いやいや、愉快な状況だな」

「鶴丸さんは、難しい立場にさせてしまうかもしれないけど…」

「気にしないでくれ、主。嫌ってわけじゃない。君の喚び声に応えたのは俺の意思だしな。後、江雪は呼び捨てなんだろう?俺も呼び捨てで構わない」

「…鶴丸」

「笑おうぜ、主。君にはきっと、笑顔の方がよく似合う」

「…ありがとう」

小鳥が淡く微笑して、一拍遅れて鶴丸は赤面する。

「…鶴丸?」

「…いや、なんというか、その…驚いた」

「?」

「…いや、確かにこれは少々持て余してしまうかもしれないな…」

不思議そうにする小鳥に鶴丸は苦笑する。

「俺は、君の元に来られて良かったと思ってるぜ、主」

 

 

鶴丸を見て、江雪は深く深く溜息をついた。

「おいおい、ご挨拶なんじゃないか?それは」

「主は、鍛刀を行ったのですね」

「ああ。近侍を連れずにとは恐れ入る。こちらも酷く惹かれたとはいえ、近侍を伴わない鍛刀は主に負担があるだろうに」

「…次から、主が鍛刀をしようという時には傍にいて差し上げてくれませんか?鶴丸殿」

 

 

 

 





そもそも思春期中学生本丸がうちの子だったらどうなるだろう、って考えた結果がこれなので本題は此処 これはひどい(なんでこうなった)

陸奥がこの本丸の初期刀 江雪かぶってる いないのは鶴丸、小狐丸、蛍丸、浦島、歌仙、長谷部、乱、今剣。日本号はまだというか、大阪城後、戦力拡充計画前 ただし小鳥が審神者になってから年単位で経過している 時間軸()

見つめ合うと素直にお話できないし手が触れただけで真っ赤になるDTこじらせ男士
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