ある意味常に修羅場(キャットファイト)が起こる本丸
折れてた以外でも別の本丸に行ったのとかもいる玉響刀剣
小鳥の刀剣は小鳥のことが大好きである。好意を然程隠していない。しかし、その表現方法に顕現した本丸で違いがある。
まあ、青雁本丸で鍛刀された刀は皆少なからず初心なのである。傍には居たがるが、あまり積極的に触れられないし目を合わせて話が出来ない。一応話が出来る分は青雁刀剣よりはマシなのだが。
逆に、玉響本丸で鍛刀された刀はべたべたひっつきたがるし、なんなら口吸いや閨事に持ち込みたがる。青雁本丸の刀に目撃されると破廉恥だなんだと騒ぎになる。
正直、小鳥から見ればどっちも手がかかる刀剣である。例外は初期刀の江雪と、ドロップ刀剣である浦島と日本号くらいだ。浦島と日本号はその大騒ぎに冷ややかな視線を向ける程である。つよい。
「…っていうか、三日月たちは何で主さんを抱きたがるわけ?主さんそういうの好きじゃないと思うんだけど」
「そう…なのか?」
三日月は首を傾げる。
「そうだよ。主さんは抱っこされてぎゅっぎゅするのとかは好きだけど、艶事は嫌いらしいし。何処かの本丸で無理やり手篭めにされてどうのこうのって江雪が言ってた」
そう浦島が言った所にくろのすけがやってくる。
「紫星本丸の話ですね。あの時は主さまの腱を切って逃げられないようにする、などということもされましたので、緊急避難もしたのですが…最終的に、主さまへの執着が強すぎて神隠しなどしようとされたのでまとめて刀解しました」
「俺たちは主の躯に傷をつけたりなどしない」
「主さまは性的快楽の共有そのものにもトラウマを持っておられますのでそういう事を迫る時点でアウトですが」
「…あの女は見目の良いものと交わりたがったぞ」
「主さまとあの女を一緒にしないでください。共通点なんて女性の審神者であることくらいでしょう」
「だーれだっ」
「国永だろう。どうした?」
「当たりだ。…君は一体何で俺たちを見分けているんだ?視覚ではないようだが」
「何、と言われても…まあ、わかるもんはわかるとしか言えないな。…今のはそもそも、声で鶴丸国永のどちらかとわかった上で、こんなことするのは国永だろうと思ったのもあるが」
「鶴丸はやらないか」
「少なくとも、後ろから抱きつく形ではやってこないな」
国永に張り合っている時はともかく、鶴丸が自分から小鳥に抱きついたりする事はない。手を取るだけでいっぱいいっぱいである。
「…そうか」
国永は神妙な顔をした。
「主、遠征土産を…って、国永お前」
「動いた者勝ちだ。主の嫌がらない内は咎められるいわれはない」
「…まあ、抱きつかれる程度なら別に」
「手の位置がいやらしい」
「…胸なんてただの脂肪の塊だから、揉まれても何とも思わないんだぜ…?」
ちなみに小鳥はかろうじてBカップである。
「おっきくなるかもしれないじゃないか」
「邪魔だからいらん。でかくなったらその分肩に荷重が増えるんだぞ」
「主のおっぱいを育てたい」
「いらん」
日本号は、多分この本丸で一番精神的に落ち着いている刀剣である。それと同時に一番練度が低くもあるのだが。まあ、顕現して日が浅いので仕方がない。
「…しかし、お前らもう少し冷静になれねぇのか?」
その視線の先には御手杵と蜻蛉切が二振りずついる。ちなみに、御手杵は二振りとも小鳥ではない審神者の喚んだ刀剣になる。
「被ってないあんたには、わかんねーかもしれないけどさ、同じ刀剣の刀剣男士ってすげー気になるんだよ、同じ刀種とか以上に」
「…そんな目障りだってんなら俺は小鳥に頼んで刀解か連結してもらってくるよ。それでいいだろ」
「そういう事じゃねぇっての」
「小鳥殿が困惑されるでしょう。小鳥殿は問題があるとは考えていないのですから」
「そもそも、玉響の御手杵殿がいなくなれば解決する、という話ではないだろう。早まるな」
「…そもそもそんな大層な話してたのかよお前ら」
「…いや、初めは、小鳥殿の蜻蛉切が我らとは別の意味で小鳥殿とぎくしゃくしているのでは、という話だったのだ」
「…私のことは、小鳥殿の刀剣と数えずとも良いと思うのですが。私は玉響殿を主と認めていましたので」
「でも小鳥を主と認めないわけじゃないだろ。っていうか、"今更"って意味じゃ俺らの方が気まずいところあるって。…小鳥は気にしてないみたいだけど」
「小鳥ちゃんは気にしてないんだから普通に話せばいいだろ、普通に話せるんだから」
「青杵と蜻蛉切はちゃんと話しできねぇもんな、未だに」
「寧ろ、何でお前は全然緊張しねぇんだよ」
「そもそもお前ら考え過ぎなんだよ。主だって普通の(?)人間だぞ」