「……1日経ったけど、他の人たち来ない。」
激動の1日が終わり、その翌日。日を超えて、太陽も地平線を超えて登っている頃。
音女は一人部屋で、各階層のチェックをしていた。だが、日付が変わっても太陽が登っても残り2人の装者が来ることがなかった。
見捨てた……というのは、まずありえないと音女は考えている為、理解出来ない行動であった。
「なんで……?昨日思いの外傷が深かった?だとしたら、嬉しい誤算だけど…国が装者……はともかく、シンフォギアを手放すわけないし……」
椅子の上で体育座りしながら、首を捻る音女。仲間思いだろうが仲間思いでなかろうが、どう転んでもこの施設に装者は乗り込んでくるものだと音女は考えていた。
眠たかったから、経験値を稼ぎに稼いだジーンノイズに施設の見回りをさせていたが、朝の八時になっても来ないとは思っていなかった。
「錬金術師の3人も面の皮厚そうだし……来ると思ってたんだけど。うーん、私の周りでなにか良くないことが起こってるような気がする……あ、私のしてることも世間一般じゃあ良くない事か。」
クルクル椅子を回しながら、音女は独り言を呟いていく。実際、今の彼女は割と暇なのである。
暇が故に……今モニターに映っている情事を傍観することになったのであった。
「ほら!どうなの!?どうなのよ!!」
「ふぐ、ふぐぅ!!」
未来が、靴を履いたまま裸の切歌の秘裂を踏んでいる。だが、決して踏み潰そうという意思のものでなく、靴の裏で切歌を辱めようといった類のものだった。
「ふ、ふふ……こんな、こんなことされて感じるなんて……調ちゃんの為に体を売ってる?そんな、そんなことないじゃない……貴方は、あなた自身が気持ちよくなりたいから……こんなことしてるんでしょう?」
「ふぐぅ!!んぐ、んぐぉ!」
「何を言ってるのか私にはわからないわ……」
既に未来の目はおかしくなっていた。眺めながら、音女はこの情事が始まる前までのことを思い出していた。
調、クリスとの情事を経て未来との行為に至ってる訳だが、する前は未来は遠慮は一応存在していた。
『気にしてないよ……し、調ちゃんもこんなことしたくなかったって私わかってるし……』
小日向未来は優しい少女である。その言葉が、本音なことは誰にでもわかる事だった。
だが、同時に調に対する怒りも未来は持っていた。だが、気づかないように必死に無視していただけだった。
『……なんで、何で私だったの!?それこそ、それこそ他の子でよかったじゃない!なんで、なんで私が……』
切歌が何とかしようとして、どこかで地雷を踏んだのか……あっさりと未来の中の鬱憤は爆発した。
普段口にしないようなこと……それこそ、いつもの未来ならば思わないようなことを口走っていた。
切歌はそれに対して何も答えられなかった。それが、未来の何かしらのストッパーを壊した。
『体……使ってくれるんでしょ?だったら……責任取ってよ。調ちゃんが、起こしたことなんだから……1番仲がいい、貴方に。』
いつもならば、口走らないどころか思うことすらない……というのは、あくまでも自身に対する許容量が超えた場合である。
信用している相手に、売られて自分の体が生物かどうかも怪しいものの孕み袋にされた……というのは、どれだけ波乱万丈な人生を送ってきたものでも耐えられるものでないだろう、女である以上は。
「んぉ、んおお!」
「あはは……そんな声で鳴くなら……調ちゃんはどう鳴くのかな…私が無茶苦茶にされたんだし、貴方もあの子も……ね?」
にしてもこれは変わりすぎじゃないだろうか?と、微妙に引いてる音女。
情報として、未来のことも彼女は知っていた。過去、とあるシンフォギアを纏った際に感情が暴走したことがあったという。
ノイズに犯されたという事実と、もうひとつ何かしらの要因でその面が再び発露してしまったのではないか?と考えていた。
「はぁ、はぁ……ねぇ、何で響は来ないの?クリスは?翼先輩は?マリアさんは?
みんな、みんななんで来ないの?結局……シンフォギアを持ってない私は、やっぱり邪魔なの?情報に強い訳でもない、ただ響が心配だからいる存在……本部で、私だけがいらない子だから……捨てられたの?」
+、1日経っても誰も助けに来なかったという状況も追加しておこう。そう思いながら未来の部屋のモニターを消す音女。
そろそろ来るのだ、彼女が用事で呼んだ人物が。
「……何ですか、用事って。」
「の、ノックはするもの……だよ?」
ノックもせずに入ってくる存在、その前にモニターを一時的に別の場所の映像を写してその人物……月読調と対話する。
「……ノックしなくても勝手に開く自動ドアですよね、ここの施設のは。」
「う、うん……そうだけ、ど?ま、まぁ冗談は置いておいて……巡回、して欲しい。」
「……どこのですか?」
「ここの施設……な訳ない。広すぎる、から。だから……外、をね?」
「外って……そんな漠然とした……」
「ち、地図渡すから……そのルートに沿って、歩いて?そ、それだけでいい……から。」
そう言いながら音女は、調に専用の地図アプリが入ったスマートフォンを渡す。地下でも電波などは入るようで、それでルートが道に沿って出ていた。
「……この道に沿って進むんですか?」
「う、うん……総距離大体、1キロ……歩けない距離でも、無い。」
「そうですか……1人で?」
「う、うん……お、お昼までに戻って来るなら……いつ出ても、いいよ。」
「お昼?」
「と、特に重要視する理由はないけど……ただ、ご飯食べてる時に、報告は受けたくない、から……」
「……分かりました、行ってきます。」
それだけ言ってから、調は部屋の外へと出る。昼に指定したことに、重要な理由がないといえば嘘になる。
時間にして、今は午前九時頃である。つまり、昼頃までには正午を昼としても3時間の猶予はある。その間、装者達の誰かと関わろうとするかもしれない……と考えたのだ。
「囮が囮として機能してくれればいいけど……あ、装者といえば……」
思い出したかのように、モニター画面をさらに移し替える。現在の苗床の施設の状態である。
今は、マリアが未来の代わりに犯されている状況だが、今の今までほぼ放置だった。
「今どうなってるかなぁ……面白そうだったから、搾乳器取り込ませてみたけど……」
「ふー……!ふー……!」
マリアは未だ、強い目を持っていた。屈服せず、その瞳には『絶対にここから抜け出す』という意志を持って戦うために。
彼女が使えるシンフォギアも、今は手元に存在していない。だが、意思だけは心に持ち続けると決めたのだ。
「んぶっ!」
━━━胸に、搾乳器のような形をしたものを取り付けられながら、というかなり屈辱的な格好ではあるのだが。
別に、母乳はジーンノイズに必要なわけでも、ましてや音女に必要なものでもない。
ただの、実験だった。
「んぐ、んおっ……!」
搾乳器こそ付けられているものの、それ以外はほかの苗床と同じであった。下半身の膣とアナルにそれぞれ1本ずつ入れられ、精液と似たジーンノイズの1部を流し込まれる。
そして、即座に妊娠してジーンノイズのコアを大量に出産する。それのせいか、母乳が出るようになっている人物は何人か存在していた。
マリアもその中の一人である。
『……ま、まだまともな意識が残ってるんだ……』
「ぶはっ!!……貴方に、屈服するわけにはいかないのよ。」
音女が命令をしたのか、マリアの口から触手が離れて、そして犯されるのも一旦停止する。
声の主を睨みつけるように、マリアは映像越しの音女を睨みつけるが、音女はそれを意に介していなかった。
『な、何回かイってるからそのセリフ……あんまり、説得力ない、ね。』
「くっ……!」
少し頬を染めながら、恥ずかしがるマリア。その顔が、音女の嗜虐心をそそっていた。
『もっと屈服させたい』『快楽を請わせたい』という気持ちが、彼女の中で抑えきれなくなっていく。
『…け、けど。貴方で遊ぶのは、まだ先……す、すぐに未来ちゃんのようにしてあげる、ね?』
「っ!?あの子になにかしたのか!?」
『わ、私は何も……けど、あの子自身が、心の傷で……八つ当たりを繰り返す。』
「あの子が、そんなこと……」
『い、言ったでしょう?
音女の声は、妙に楽しげだった。反対に、マリアの顔は沈んでいた。自分が招いた責任ではないのか、と。
責任を感じるべきではないのは、頭では理解していた。だが、結局心は別なのである。
『き、切るね……様子見に来ただけ、だったから……』
そう言って、ブツンとスピーカーが落ちる音が聞こえる。それと同時にマリアに対する性行為も再開される。
「んぶっ!!」
下半身の二穴は動き始め、口にまた触手を入れられて母乳を吸い取られる。
マリアは、それに無様に感じることしか出来ない自分を、恥じることしか出来ないのであった。
「んぶお!んぐっ、ぶぅ!!」
「……改めて見ると、わかりやすいほどの廃墟だな。」
音女のいる地下基地の上にある廃墟。その前に3人の人物が立っていた。1人はガングニールの装者、立花響。
もう1人は天羽々斬の装者、風鳴翼。
そして、その風鳴翼と同じ血筋である風鳴弦十郎の3人であった。
「師匠……ほんとに1人で行くんですか?」
「あぁ、2人は相手のノイズ達の足止めを頼む。俺が囮として基地内に潜入、人質の解放と可能な限りの施設の破壊………それが今回の任務の内容だ。」
響と翼の2人は、顔を伏せる。自分達が不甲斐ないせいで、自分達の司令を危険に晒してしまっているのだから。
「気にするな、俺達も君達に頼りすぎていたのが現状だ。そこを、突かれて今のような状況になっている……それだけだ。」
軽く2人の頭を撫でる弦十郎。しかし、2人の顔はそれでも晴れない。だが、これ以上甘やかすわけにも行かないので、頭から手を離す。
「……では、作戦を始める!!」
「「はい!!」」
声を荒らげて、弦十郎は走り込んでいく。一般人よりは、確実に早い速度。
そのまま急ぎながら階段を全段飛び降りで素早く進み始めていく。
その間、ノイズ達の足止めのために響達は地上に残ることになった。
「何何何っ!?」
滅多につけない侵入者用のアラームが基地中に鳴り響く。予想外のことに音女は慌ててモニターを確認する。
そこには、ジーンノイズ達を拳の一撃だけで薙ぎ払っていく弦十郎の姿があった。
「え、待って誰あれ!?貰った装者達の情報には何も載ってなかったけど!?ていうか生身!?生身であの子達倒してるの!?え、あれほんとに人間!?
と、とりあえず『イグナイト&絶唱リリース』!!」
基地中の放送マイクを利用して、音女は基地中にいるジーンノイズ達にブーストをかける。
既にやられてしまったものはしょうがないが、少なくとも未来やマリアが出産したジーンノイズの数はかなりの数である。
人間かどうかも怪しい筋肉ダルマであっても、数の問題は突破できないだろう……と、この時は考えていた。
「攻撃させてくんない!!ていうか拳圧だけで壁が外側に凹む!?何、あれ何!?」
4つのギアの特性、かつそれを吸収していたノイズを何体も吸収したジーンノイズ達。
しかし、それらを全て無視して弦十郎は叩き潰して行く。
「あーもう!あんな化け物いるならあれひとりで十分じゃないの!?じゃなくてどうしようどうしよう!!」
慌てながら、作戦を考える音女。しかし、その間にも弦十郎は迫ってくるのであった。
補足
・小日向未来
精神が病む。八つ当たりしてる自分に嫌気がさしているが、八つ当たりしてないと心が壊れそうになる。
・マリア・カデンツァヴナ・イブ
苗床ルート
・風鳴弦十郎
唐突に来た。スピードはないが攻撃力と防御力に全振りしてる何か。通常の装者達が束になっても勝てるか不明。