地下からビルに
「にしても、局長の判断があーし分からないわ。」
「あの男のことを理解している奴なんていないだろう……そんな事より重要なことがある、というわけだ。」
「地下にいる時はそうでもなかったけど、地上にいるとやっぱり得があるわよね〜」
新しく出来た施設。防音も当然のこと完璧であり、施設の最上階一個下が苗床場として生まれ変わっている。
だが、それ以上にこの施設のとある一室で、出来上がってから1週間ほどずっとくつろいでいるカリオストロ達には、楽しみなことがあった。
「すいませーん、ピザの宅配ですけどー」
「またピザを頼んだのか……先日も頼んでなかったか?」
「えー?昨日頼んだのは丼よ〜」
飯である。正確には、カリオストロが宅配できるものの殆どを頼んで食べているだけなのだが。
プレラーティが、それにあやかって自分も食にありついている、という状況である。
「なんだかんだ言って、プレラーティも美味しそうに食べるじゃない。」
「美味い飯は食べたくなる、というわけだ。」
「それには同意よ〜あ、カードで。」
「ありあとやしたー」
店員はそのまま帰っていく。そして、頼んだピザを頬張りながら思い出したかのようにカリオストロは食べながら喋り始める。
「
「飲み込んでから喋れ……そうだな、局長に呼ばれてどこかに行ったぞ。
サンジェルマンにも隠れて連絡を取ったが、局長の折檻で大分腹を立てていたな。」
「そう、無事で何よりだわ……まぁそうそうサンジェルマンを捨てるようなことはしないと思うけれど。」
「五体満足なら大丈夫、というわけだ……美味っ…」
「……は?ジーンノイズを取り込む?」
「纏うことが出来るんだ、ならば取り込むことも出来ると思うけどね、ジーンノイズは。」
「いやいや……た、確かに…纏えます、けどね?ゆ、有機物である以上…は、取り込む、のは…無理です。
あ、で、でも取り込むことが出来ないのはジーンノイズの方だから、逆なら……?」
「取り込めるとしよう、仮にね。
どんなことが起こるか……予想できるか?君は。」
とある錬金術師達の集う一室。そこでは音女とアダムが話し合っていた。アダムは何故か風呂に入っているが。
「……ジーンノイズに、取り込み返されるか……そ、そのジーンノイズの力を使えるようになる、か……の二択かと。」
「そうだね、そうなるだろうね、基本的には。
だが、だが、だ……ならば引き出せるとしたらどうだ?コアの力だけを。」
「……り、理論上それなら……確かにジーンノイズの力を、100%安全に、使えます。い、いえ……使えるよう前提が整います。
そ、その力がどういう風に発現する、か……わからない、以上はなんとも……」
「ふむ……」
考え込むアダム。音女はなぜ風呂場で話し合っているのか以上に、なぜ風呂場でアダムは帽子を被っているのかがとても気になっていた。
「……あぁ、君には聞かせていなかったね。あの後のことを。」
「か、風鳴弦十郎が……来た時のこと?」
「そう、同じことを彼に言ったのさ……君がプレラーティに教えて貰ったこととね。
そしたら、そのまま帰っていったよ。地面を渾身の力で殴りつけたあとにね。」
「……そ、そうですか。」
「錬金術を使って、そのへん一帯を吹き飛ばしたよ。一応ね。」
アダムの使う錬金術は、はっきり言ってとんでもなく素人のものである。だが、その規格外の力の使い方によりただの熱量攻撃として使えば、はっきり言って破格のものでもある。
つまり、その熱量攻撃で吹き飛ばしたということだろう。
「は、話を戻しますけど……と、取り込むと言っても、何を、どのように?」
「そうだね……危険すぎるだろう、体に直接というのは。だから組み込めば、簡単じゃないか?機械とかにね。」
「機械……」
だが、機械は大雑把にいえば無機物である。
だからこそ、機械に組み込んだとてその力は発揮されず、逆に取り込み返されるのがいいオチになるだろう。
「そう、だから課題となるだろうね……その辺が。」
「……」
こうして音女は施設に戻ってくる。アダムの言った『課題』というのが、彼女には謎が謎を呼ぶと言ってもいい代物なのだから。
「取り込む、取り込む……いややっぱりどう考えても無理な気がするけどな……ん?」
「どこに行ってたの!?」
「と、トイレデスよ…」
「嘘、そんなの嘘ってすぐにわかる……」
歩いていると、聞こえてくる2人の少女の声。調と音女である。この施設内でも、滅多に喧嘩をしたところを見たことがなかった音女は、2人の喧嘩に少し興味を持った。
と言っても、原因は大体察しがつくが。
「……な、何してる、の?」
「「貴方には関係ない!」デス!!」
ドアを開けて聞こうとするが、やはりと言うかなんというか……音女は門前払いである。
因みに、前のアジトと同じように逃げ出そうとしても、徘徊させてあるジーンノイズやその他諸々の罠で止められてしまうため、捉えた者達は皆一様に逃げられなくなっていた。
「……そ、そう。」
「……いや、やっぱりいて。貴方が、関係ないなんてことある筈が……無いんだから。」
「…な、何のこと?説明なしに、そんな事言われても…わ、分からない。」
「……切ちゃんに何を命令した。」
音女は少しだけ眉を動かす。いつバレても、彼女に取っては何も問題はなかったのだが、予想よりも違った結果ではあったからだ。
「……何の、事?」
「……私が部屋から居なくなったあと、切ちゃんがどこか別の部屋に行くのをこの目で見た。
後をつけていったら……クリス先輩の部屋だった。」
「……」
悔しいのか、はたまた恐怖しているのか。調は体を震わせて説明を続けていく。
切歌が止めようとするが、アイコンタクトで音女に止められる。
「……何の用事あるんだろう、って最初は思った。でも、しばらく待ってみたけど出る気配はなかった。
その時はそのまま行ったけど……その後見た切ちゃんの姿はボロボロだった。外傷もないし、打ち身なんかがあるわけじゃない……けど、服は気崩れてた。」
「そ、それが?」
「未来先輩も、クリス先輩も……不安定になってる…そんな、そんな2人に対して服が着崩れてる……なんて、襲われた、としか思えない……」
「……わ、私がそう命令した…って言いたい、の?切歌ちゃん、に無理矢理?」
「それしか有り得ない!!」
突然叫ぶ調。未来やクリスの事を不安定という調、しかし音女は調もその不安定の一員であると、内心思っていた。
だが、その不安定さ故にそれが危険でもあり安全でもあるのだ。
「……ま、まぁ…半分は合ってる。」
「な、何を!?」
切歌が音女を遮ろうとするが、音女自身がそれを制止する。調にはその状況が『バレて困るのが、切歌だけ』という風にしか見えなくなっていた。
「で、でも何かしたそうに…してた、のはこの子…脅してないし、き……強制した訳でもない。」
「……何を、させてた。」
「……こ、心に傷を負った女の子達、を……体で癒す、仕事。」
それを聞いた瞬間、調は切歌も知らないような顔で激昂した。音女を突き飛ばし、壁を背にさせて腕で首を押さえつける。
「お前が、お前が切ちゃんに!!」
「調!調!!」
「ぐ、げ……!」
音女は、苦しそうにしながらもその手に握っていたジーンノイズのコアを、地面にばらまく。
当然、そこからジーンノイズがでてくる。
「っ!!」
「げほっげほっ!!……ぼ、暴力なんて振るわなかったらよかった、のに。
約束、覚えてる……よね?」
「何が約束だ!!先に破ったのはそっちだ!!切ちゃんに手を出さないって言っていたのに!!」
「……私は、提案しただけ。の、乗らなかったらそれまでだったし……乗っても私が手を出したわけじゃ、ない。」
「そんな屁理屈……!」
「わ、私の下にいる間は……その理屈が、通っている……ってだけだから。と、とりあえず……連れてって。」
ジーンノイズは調を簡単に拘束し、部屋から連れ出していく。そして、その場には切歌と音女だけが残された。
「し、調をどうする気デスか……!?」
「んー……罰、だね。今私めっちゃ怒ってるから。あ、切歌ちゃんは役割変更するから。」
「へ、変更……あたしも、苗床デスか。」
「いや、今いる分だけで割と十分だし……だから、もっと別のこと。」
「へ……?」
音女の言っていることがわからず、首を傾げるしかない切歌。しかし、その心には連れ去られた調のことばかりなのであった。
「んぶ、ぷぁ……」
「そ、そうそう……上手、上手…」
音女は切歌に自身の秘裂を舐めさせていた。単純な、しかして切歌にとってはかなり屈辱的な仕事。
これならば、まだ調以外の者を体で慰める方がマシに感じられるレベルだと感じていた。
「う、う……」
「……も、もっとちゃんと舐めないと…ね?」
この仕事で、調が守られる訳では無い。かと言って、拒否したり反抗的な態度を取れば調が酷い目にあうのは明白である。
自分から進んでやるより、強制されてやる性行為が彼女に取ってはとんでもなくストレスを感じさせるものだった。
「ちゅる、れろ……」
「ん、んん…」
頭を不躾に撫でる音女。舐められて、感じているので時折体が反応している。
切歌は下手な事が出来ないので、ひたすら舐めていくしかなかった。だが、唐突にそれは終わりを告げられた。
「えい。」
「ひぐっ!な、何を……」
「そ、そこに仰向けで……寝転んで。ふ、服従した、犬猫みたいな、ポーズで。」
要するに、股を開いて腹を見せろ。音女がこう言ってるのが流石の切歌も理解ができた。
だが、反抗することは許されない。反抗すれば、簡単に調の命運が決まってしまうからだ。
切歌は渋々仰向けになり、股を開いて犬のようなポーズをとる。それがお気に召したのか、音女は切歌にそのままのポーズでいることを軽く伝えると、戸棚を漁り始める。
「……じゃん。」
「付け耳と、首輪と……尻尾…?」
音女が得意げに出してきたものの用途が、イマイチ分からない切歌。使い方こそわかるが、首輪と付け耳を今出す理由が良くわかっていなかった。
「……あ、案外純情……だね。し、尻尾の付け方くらいは……分かる?」
そう言って音女は尻尾の全容を見せる。犬のような尻尾の先には、いくつかの玉が連なっており、尻尾から離れるにつれて小さくなっていた。
「こ、これはね……こうやって、付けるの。」
「いぎっ!?」
アナルにそれを入れられ始めたくらいで、切歌は思い出した。尻尾が無いだけで、要するにこれはアナルビーズなのだと。
これは、錬金術師達にいじられている時に入れられていたものだった。
「おー……拡張済み、だからすんなり……」
「い、ぎ……!」
「じゃ、じゃあ……首輪と、耳を……」
取り出したものを付けていく音女。切歌には一切抵抗ができない。その内、アナルにある異物に対して少しづつ快感を感じ始める。
それは、錬金術師達に調教されている時と似たような感覚だった。
「さ……行こ。」
「い、行くってどこんぐっ!?」
「犬は、喋らない……立たない、4本足で、歩いて?」
「わ、わん……」
「そ、それでいい……じゃ、じゃあ行こっか…調ちゃんの所に。」
先程連れていかれたばかりの調。今どうなっているのか…恐らく、それを見せて反応で遊びたいのだろうと切歌はすぐに思い至った。
だが、否定できるほど、いまの切歌は強くなかったのであった。
補足
・アダム
ジーンノイズを何とかして取り込めないか音女と試行錯誤中
・月読調
音女に暴力を奮ったので苗床行き、この時点で完全に調との約束はなくなっているので並列してクリスも参加するはめになっている
・暁切歌
犬プレイ