「……あ、何か忘れてると思ってたら。」
「むぐ、むぐぐー!!」
廊下を歩きながら、音女は横に視線を向けてとあることを思い出した。サンジェルマンと、プレラーティの事であった。
今2人は孕みの苗床と化しているが、彼女達が望むのであれば解放してあげようと考えていた。どちらか片方だけ、だが。
「……けどこの2人、仲間意識かなり強いのよね…切歌ちゃん達みたいな事をしてもいいけど……」
「お姉様?」
偶然近づいていたのか、調が音女の顔を見上げるようにして中腰で座っていた。
声をかけられてつい驚いて、音女は一瞬固まった。
「な、何調……ちゃん。ど、どどどうしたの?」
「い、いえ……悩んでるような様子だったので。」
「だ、大丈夫だから……そ、それで捕まえた2人、は?」
「あ……ちゃんと縛ってあります。胸が大きい方は、私の新しい奴隷なんですか?」
調が、聞き返す。軽く話を済ませていただけなので、ここでもう一度改めて捕まえた響と翼について、話すべきだろうと考えた。
「ひ、響ちゃんは……みんなの、奴隷。い、言ってることは…分かる、よね?」
「えっと……私の奴隷でもあるけど、私の奴隷の奴隷……って事ですか?」
「そ、そういうこと。」
「私はそれでもいいですけど……何故そんな?」
調に質問されて、ふと考える音女。そう言えば自分は何故、立花響という少女を精神的に痛めつけようとしているのだろう。
個人的に恨みがあるわけじゃない、かと言って辛酸を舐めさせられた訳でもない。驚きはしたが、勝ってはいるのだから。
だったら何故なのだろうか。と、静かにゆっくりと考え込む音女。そして、一つの答えにたどり着いた。
「……あぁ、うん。壊したかったんだ、私。」
「壊し……たかった、ですか?」
「人を信じられないような環境にいて、人を馬鹿みたいに信じる……そんな子に、かつての仲間からの非道な仕打ちを受けさせて……壊したいんだ。
面白そうってのが大半だったけど、根幹はこれだったわけだ。」
「……?」
調が見てることを思い出して、またビクビクし始める音女。しかし、自分の響への行為への根幹を、改めて確認したので遠慮なくいけそうなことに、少しだけ楽しみを見出していた。
「……し、調ちゃん。つ、疲れただろうし…1回部屋にも、戻ろっか。あ、相手して……あげる。」
「っ!はい!!」
頬を染め、嬉しそうに驚きに抱きつく調。音女に甘えられる、体を触ってもらえる……そう考えるだけで、彼女の体は反応するようになっていた。
「……ま、2人のことは後ででいっか…」
「何か言いましたか?」
「う、ううん。さ、さぁ……行こっ?」
「これを……付けてればいいんですか?」
「う、うん。」
それから、時間が経過した。アダムからも言われたので、音女はジーンノイズを世界中に撒き始めた。
と言うのも、これはアダムや音女が力を誇示するためにしたことではなく、『世界を守るため』であった。
まず、ジーンノイズは日本中に撒かれた。理由付けとしては、世界…主にシンフォギアや完全聖遺物などの、現代兵器では到底適わない兵器を狙う国からの防御のため。
実際、米国からはそれらの催促があったと後から聞いたのだ。
「……米国ならまだしも、世界もまた無茶をする…」
既に、日本は鎖国してるも同然の国となった。そして、自分達の国を滅ぼすかもしれない国、と世界から敵視もされ始めていた。
そんな時に、どこかの国が潜水艦やら戦闘機やら色々持ち出してきたのだ。当然、日本を救うという建前で、滅ぼす気なのだろう。そんなことは誰の目から見ても明らかだった。
「……今、世界ってどうなってるんですか?」
「……70%が、こ、降伏してる、よ……確かね。
け、けど……そ、それはあくまで大きな国と…それに与する国だけであって……も、元々どこにも所属してないような国は……まだ、反抗してる。」
そう、世界は70%降伏した。こう言うと、侵略したかのように思えるが、実際はただ日本から離れただけである。
作るのに何千万何億と金も時間もかかるような兵器に対して、5分あれば女1人で大量生産できるような兵器を、相手が所有しているのだから、勝てないと悟るのも当然だが。
「戦闘機を取り込まれ、パイロットが高度そのままで排出されて墜落していって……潜水艦だったら、同じパターンで水圧で死亡…ミサイルも爆発ごと取り込まれたんですよね。」
「う、うん……よく覚えてたね……ひ、人を取り込まないから…死に方がかなりえげつなくなるのは……ちょっと考えてなかった。」
「それで……これはなんですか?」
「た、ただのシュミレーションゲーム、だよ…ほ、ほら…今ならVR……ってゲームがあるけど……そ、そんな感じ。」
「ごめんなさい、よく分からないです。」
ゲームをしていない調がおかしいのか、ゲームばかりしている自分がおかしいのか。
そんなどうでもいいことに、少しだけショックを受けながらも音女は説明を続けていく。
「……や、やってもらうのはさっきも言ったけど…ゲーム。あ、相手の弾に当たらないように避けていって…相手を攻撃して。
い、1発でも当たったら……アウト、だから。」
「わ、分かりました……けど、これをやる意味って?」
「この『情報』を、じ、ジーンノイズに食べさせて……も、もっと戦闘機より強く、する。
い、今の戦闘力なら必要ないかもしれないけど……ね、念の為、ね?」
今更だが、ジーンノイズはやられてもそのやられた情報を食わせる事が出来る。コアが破壊されてなければ、そのジーンノイズ自身が覚える。
だが、あくまでも耐性がつくだけであり、やられなくなるという訳では無い。
だが、『これは避けるべきだ』『これは落としておくべきだ』と学習させることで、戦闘に関しての戦闘パターンを増やすことが出来る。
そして、その情報をVRゲームという記録媒体で簡易的に複製することも出来る。
あくまでもゲームなので、攻撃をされたから避ける程度の学習しかできないだろうが、一々同士討ちをさせたりぶっつけ本番させるよりはるかにマシである。
「けど、シミュレーションゲームをするよりアクションゲームや対戦ゲームの方がいいのでは?」
「お、オンラインでの、対戦ゲームを…く、クリスちゃんに行ってもらってる、から。」
ちらっと視線を横に向ける音女。隣の部屋…というよりも、隣の教室はパソコンなどが大量においてある教室である。
さすが音楽学校と言うべきか、音楽関係のアプリが大量に入り込んでいたのには、舌を巻いていた。
「昨日からずっと電気がついてると思ったら……」
「そ、そういう事だから……あ、い、いつでもやめていいからね。ま、毎日3分くらいしてくれれば……それで、いいから。」
「はい!」
そう言って、コントローラーをもって寝転ぶ調。それを見てから音女は、部屋を出た。
向かう場所は響の所……では無く、他の者達のところである。切歌、未来、マリアの3人のところであった。
まだ、この3人は完全には堕ちていない。響が周りから奴隷扱いされて、どういう反応になるかを見たいので、それだけのために堕としにいくのであった。
「何の用、デスか。」
調の部屋に入ると、頬を赤くした切歌が肩で息をしながら音女を睨みつける。しかし、顔が蕩けているのでその睨みにはほとんど睨んでいる要素はなかった。
「ま、毎日調ちゃんに…大量の媚薬を飲まされ、て。ほ、放ったらかしにされてるだけじゃなく、て…さ、触るのも禁止されて……そ、そんな余裕…まだあるん、だ。」
「うっ……」
コツン、と切歌のデコを指一本で押す音女。それだけで切歌の体は大きく倒れてしまう。
それほどまでに、切歌の体は疲弊と欲求不満で溜まっていた。
「っ……!あ、く……!」
「ふ、ふふ……お、お尻も…乳首も、色んなところ開発、されて……まだされてない所、は……どこ、かな……ん。」
「ん、んん……!んぉ、ふー…!ふー……!」
「ちゅ、れろ……じゅるるる!」
「んぐぅ!!」
キスをして、舌を絡める。少し激しめに舌を吸えば、それだけで切歌は達してしまう。媚薬の効果もあるが、既に戻れないところまで切歌の体は開発されていた。
「ぷはっ……キ、キスだけでも…なの。こ、これじゃあ……ま、まともに日常生活送れない、でしょ?」
「ひょん、らころ……」
「ろ、呂律回ってないから……せ、説得力…無い、よ。」
ディープキスだけで蕩けている切歌。それに追い打ちをかけるかのように、音女は切歌のアナルに入っている尻尾を握る。
別段、握る行為そのものに意味は無い。だが、それによって後から行われる行為に意味があるのだ。
「ひ、ひっぱる、よ。」
「ふ、ぐぅぅぅううう!?」
音女は勢いよく尻尾を前後に動かす。愛液ではない、腸液が切歌のアナルに入っているアナルビーズ事引っ張られ、そして滴らせていく。
「お、お尻の気持ちよさは、どう…?気、気持ちいいで、しょ?」
「そ、そんなことさせられても……あたし、は…!」
「……もう、愛してくれる人は、いないのに?」
「っ……!」
音女が耳元で囁く。切歌は、音女のその言葉に下唇を噛み締めて、つい頭の中でその言葉を反響させてしまう。
「そん、なこと……」
「し、調ちゃんがいつか……記憶を取り戻す、と?そ、そんなわけない……し、調ちゃんは…確かに忘れてる、けど……本人の、意志とは無関係のところで……
「お、思い出そうと…?」
切歌は、音女につい聞き返してしまう。その言葉に、音女は何も答えなかった。しかし、その原因が自分にあるのではないか?いや、あるに違いないと切歌は頭で決めつけていく。
間接的にいえば、ある事になるが…直接的には、無い。
「う、うん……だから、ね?もう調ちゃんの事は……わ、忘れよ、う?」
「あ、う……!」
感じながらも、その目に涙を浮かべる切歌。忘れたくないが、向こうが忘れてしまっているというのは、紛れもない事実なのだ。
だが、それを切歌は認めない。認めたくないのだ。そう、どんなことがあっても絶対に認めてはいけない……その発想が、切歌を狂わせ始めていく。
「……
「へ?」
「調が、あたしにあんなことをするのは……
「……」
引きつった笑みを浮かべながら、切歌は音女に『してやったり』と言った表情を向ける。
音女は、そんな切歌に驚きも憐憫も向けない。ただ淡々と無表情だけを向けていた。
壊れることはわかっていた、そうするために行っていたのだから。だが、快楽に溺れた訳でもなく、かと言って痛みで思考停止した訳でもない。ただの現実逃避の結果である。
「ふ……ふへは…や、やっぱり調は忘れてなかったんデス…」
「き、切歌ちゃん……調ちゃんの言うこと……何でも聞く?」
「あ、当たり前デス…大好きな調の言うことならなんでも聞くに決まってるデスよ……!」
「か、過去の…仲間を、殴れ……って言われ、ても?」
「そ、そんな当たり前のこと聞かないで欲しいデス!!聞くったら聞くんデス!!」
激昂する切歌。この言い分は、フリとかではなく完全に壊れたもののそれだと、音女もすぐにわかった。
だが、この結果は音女にとってはとても退屈なものとなっていた。自分のモノにならないから……という訳では無いが。
「だ、だったら……調ちゃんが来るまで大人しく待ってて……ね。」
「縛るなデス!!触っていいのは調だんぐっぐぐぐ!!」
口に、適当な布類を詰め込んで、脚を開いて固定してから音女は切歌の秘所にバイブを入れる。
そして、それの電源を入れてから、実につまらなさそうに部屋を出るのであった。
補足
・VRゲーム
わざわざ作った音女製である。パイロットになって、専用コントローラーで操作を行う。
・暁切歌
音女相手にでは無いが、正気は無くなり洗脳はちゃんとできた模様
・サンジェルマン
冒頭の時点で再び忘れられている