「……これが、カリオストロ?」
流れてくる映像を見ながら、音女はそう呟いていた。ふと、カリオストロが今どうなっているのか気になったのだ。
そして、少しだけ確認するためにカメラ越しでカリオストロの様子を確認していたのだ。
「……」
音女は、カリオストロは未だにジーンノイズの苗床として犯され続けている真っ最中かと思っていた。
しかし、映像から流れてくるカリオストロは、腹こそ膨らんでいたがジーンノイズには犯されていなかったのだ。
「…というか、孕んだら直後に出産が始まるはずなのになんで今原が膨らみっぱなしなんだろう。」
そう、ジーンノイズのコアを孕んだ場合多少のラグこそあるものの、膨らんだら100%出産が始まるのだ。
しかし、目の前の映像に写っているカリオストロは、音女が見ているこの瞬間の間にひとつもコアを出産していなかった。
「我慢…出来るほど体力が残ってるとは思わないし……まさかと思うけど……」
立ち上がって、音女は一旦その部屋から立ち去る。何か確信があるのか、早歩きですぐにカリオストロの所へ向かうのであった。
「……やっぱり、もうほとんど意識は残っていないような……という事は……」
カリオストロがいる場所まで向かった一同。そして、映像越しではなくいまこうして目の前に立ったことで、やはりカリオストロが犯されないように出産を我慢しているという線は、改めて音女の頭の中からなくなった。
代わりに、音女はカリオストロの股の方に指を伸ばして中に何かが挟まっていることに気づいた。
「……なんか、詰まってる?」
指を伸ばしたり、押したりつついてみたり色々行ったが、その詰まっているであろうものの正体に、音女はある程度検討がついているようだった。
「……長い棒とか、調ちゃんあたりに連絡して持ってきてもらおう。」
しかし、自分の指では何ともならないために音女は調に連絡を取ろうとする。ここで、音女は自分が今なんなのかを思い出した。
「……そうだった、私はジーンノイズだった。」
そう、ジーンノイズならば触手を伸ばして叩きつければいいだけの話なのである。ちなみに、何故ほかのジーンノイズなのかと言うと、既に『妊娠しているのは犯すな』という命令をジーンノイズが持っているために、相反する命令の矛盾点のせいで余計なことが起こりかねないと判断したからだ。
上書きされる可能性の方が高いのだが、念には念を入れておく。
「がっ!?」
「……また上手いこと引っかかってたもんで。」
詰まっているのを取り出すために、音女は自分の触手を勢いよくカリオストロの膣内へと叩き込む。
そのおかげか、中からは大量のコアが排出された。そう、詰まっていたのは一気に出そうとしてまるでジグソーパズルのようにはめ込まれていって、綺麗に詰まってしまったコアなのであった。
「がはっ……げほっ…あー、また貴方なの……あーし、よく寝た気がするわぁ……」
「ま、まだ理性があるん、だね。」
「理性……うん、まだあるみたいねー…貴方達の攻めが、甘すぎるんじゃないかしら?」
「そ、そう思うなら思ってていい、よ。べ、別に攻めがうまかろうと…へ、下手かろうと……か、関係ない…から。」
音女の様子を見て、カリオストロは彼女の変化を今ここで確認した。体が人間ではないものに、変質していること。人間を止めるなんて、余程の事があったのだろうか…と内心予想していた。
「……あ、そうそう…見せたいものが、あるんだ。」
「見せたい、モノ……?」
取り出した液晶に、映像が映る。カリオストロは最初何を見せられるのかと思っていたが、そこに居たのはプレラーティであった。
しかも、ジーンノイズに大量に犯されている場面であった。
「なっ!?」
「い、言っておく、けど……こ、この子に関して、は…完全に、同意して、るから……」
恐らく、その言葉は真実なのだろう。プレラーティは彼女の攻めに屈して、今現在ジーンノイズに犯されて喜んでいるのだ。
「……プレラーティ、完全に壊れたのね…」
「そうなるように仕向けた、から。」
「……」
「…仲間意識強い、から……怒るものかと。」
音女の言葉に、カリオストロは何も答えない。だが、その内心はおそらく穏やかなものではないだろう。
諦めも、恐怖もない。それが今のカリオストロだった。
「あーしが怒る時は、その怒りが通じそうな時だけよ。今ここで怒ったところで冷静さを欠くだけ……」
「……正、論…」
「……だからって、怒らないわけじゃない。後悔するといいわね、『あーしは殺しておいたほうがよかった』って。」
「そ、そんな後悔……したくない、から…さっさと潰す、ね。」
指を鳴らして、どこからともなくジーンノイズを呼ぶ音女。既にカリオストロの中から、触手は引き抜いていた。
「……あーしを、あのかわい子ちゃんみたいにむち打ちでもする気かしら?」
「かわい子ちゃん……あ、あぁ…クリス、ちゃん…そ、そんなことしない、よ。
た、ただ……
「……?そのために、痛みが必要なんじゃないの?」
「い、痛みだけじゃあ……壊れるの、無理。だから……快楽だけで、どうにかする……」
カリオストロは、鼻で笑う。元々自分でしないかったとはいえ、たとえジーンノイズでも快楽だけで堕とすことは不可能である。
なぜなら、大抵の場合犯されていることによっての体力の疲労で堕ちるからだ。休むことなく犯されていれば、確かにおかしくなるが……
「ただ犯すだけじゃあ、『快楽』は関係ないわよ?」
「そ、そんなこと……しって、る。だ、だから……ちょ、ちょっと面白いジーンノイズを……作っ、た。」
「……今までのジーンノイズと、何かが違うっての?」
「ちょ、ちょっとしたお薬……入れ、た。」
『お薬』その単語で勘づかないほどカリオストロは馬鹿ではない。ここでカリオストロを殺すことをしないのは明確であるので、毒ではない。
ならば、今目の前にいる音女が望んでいることは何か?カリオストロの恥辱の場面である。
「……結局、薬だよりなのね。」
「お、お薬万歳……媚薬万歳…って、ね。」
「……開き直るのね。」
「だ、だって……こっちの方が、楽……だし。」
音女は、『逆にこれ以外で何があるのだ?』と言った表情で、首を傾げる。カリオストロは、そんな音女にため息をつく。
しかし、逆に言えばジーンノイズに任せるほどには音女の暇がないということである。
ここで、カリオストロは冷静に素早く思考を重ねていく。『暇がなければ、確認するのは後になるだろう』『見ていなさそうな瞬間もあるかもしれない』『ジーンノイズの集団を突破する方法は?』と言ったところを考えていた。
「楽だから、ねぇ……」
「な、何?」
「……あーしから、少しでも目を離す気?」
「……ず、ずっと見てるのもめんどくさい、しね。」
カリオストロは、内心音女に対して疑心暗鬼になりながらもこれで隙が出来た……と思っていた。
カメラがどこにあるのか、まったく判断出来ないが……それでもそんな頻繁にこちらを見ることはないだろうと思っていた。
その隙が、脱出できる隙だとも感じていた。
「……ま、まぁ頑張って……ね。」
そう言って音女は部屋から出ていく。それと同時にカリオストロに対する陵辱が開始されるのであった。
『んぶ、ぶぉ!』
大きな胸を揺らしながら、ジーンノイズに犯されているカリオストロ。その映像を、音女はタブレットで見ていた。
いつでもどこでも見れる訳では無いが、別に見れる暇がない訳では無い。気が向けば見てみよう程度にしか思っていなかった。それが、音女がカリオストロに対して感じているものだった。
『んおおおお!!』
「まぁあれだけ大きかったら……ホルスタイン、くらいになるかな……」
乳房を搾られ、乳首を吸い上げられているカリオストロ。その様子は、さながら搾乳機に繋がれた牛そのものだった。
そもそも、カリオストロの胸はかなり大きい部類なので乳牛と罵られてもしょうがないのだ。音女の中では。
「逃げられると思ってたみたいだけど……寧ろ、ここは逃げられないようにできてるんだよ。
どうしようとも……ね。外から駆けつけたら、可能性はあるかもしれないけど……そんな可能性、もう微塵も残ってないしね。」
外には、見えないように擬態しているジーンノイズが大量にいるのだ。錬金術を使えるとしても、体力を削られた状態で逃げられるような数ではないはずである。
それこそ、アダムのような論外とも言えるべき強さがあれば別の話だが。
『おぶう!?』
「あは……あれだけ強気な口を叩いたんだもん。あ、今度はつまらないように指示を出しておかないと……『そういう風に』指令を出せば矛盾は起こさないと思うけど……」
カリオストロのこと自体はどうでもいい、と言わんばかりに音女はすぐにジーンノイズのことについて考え始める。
カリオストロはすぐに堕ちると、音女は考えていた。理由は特にない。だが、元男で女の体になってから……性に対する欲求が出なかったとは、考えづらかった。
「ぶぉ……んぶぉ……」
カリオストロは、一心不乱に触手から流れてくる液体を飲み続けていた。そうしなければ、口から溢れるか鼻から零れるかの二択だったからだ。
だが、ジーンノイズの方は敢えて飲み切れる量を常に出し続けていた。そんなことに、カリオストロは気づきもしない。
飲まなければ窒息しかねない、しかし飲めば媚薬たっぷりの液体の効能で体が強制的に発情されるしかない。
「んぐぉ……んぉ……」
既に、飲むことは彼女にとって無意識的な行動になっていた。何故自分がこんな目にあってるのか、それすらも思い出せないまま信念さえも媚毒によって染まっていく。
「………」
喘ぎ声を上げることすら、体力的に厳しいものがあった。しかし、分刻み…下手をすれば秒刻みで既に達し続けているのかもしれない。
自分で自分の絶頂の様子がわからなくなるほどに、カリオストロは達し続けていた。
「ふー…ふー……」
子宮が、痛く感じるほどに性を求める。体はただひたすら発情だけが行われていた。
呼吸が甘く感じた、唾液が苦く感じた。味覚も嗅覚もどうやら狂ってしまったらしい。カリオストロは、そんなことをぼーっと考えながらひたすら達し続けていく。
孕めば収まるだろうか?いや、収まらないだろう。孕んだ程度で、ジーンノイズをどれだけ産もうとも、自分の体が既に元に戻らないことだけを理解していた。
「っ……」
プレラーティのことを思い出していた。サンジェルマンのことも思い出していた。
隙が見つかるまで、自分の理性は保てているだろうか、いや保たせるしかないのだ。
「んぐ、ぉ……」
しかし、出される度に高まる性欲はいつ収まるのだろうか。自分は24時間どころか、60分も攻めに耐えられないのではないのか。
否定しようにも、否定するほどの理性がこの時点で残らなくなっていた。
そして、つい数秒前まで考えていたことすら塗りつぶされる。
「っ……!っっ……!」
達し続けながら、カリオストロは最後の思考をする。『一体、いつになったら隙を見せるのだろうか』
その答えが出る間もなく、カリオストロはその問すらも忘れてしまうのであった。
補足
・ジーンノイズのコアの出産
冷凍食品のチャーハンの袋を開ける際、開け口を小さくしすぎたせいで米粒だけで詰まってしまうかのような詰まり方をする時が偶にある