曰く、拷問というのは3種類存在している。1つはとてもとてもメジャーなもの。『痛み』による屈服である。死にはしない程度に激痛を与え続けていき、その痛みに屈服した時にその者から情報を得るという手法である。
2つ目は、情報など何も関係なしに捕虜を痛めつける行為である。これは、拷問と言うより死刑などに近いものだが、事実拷問器具なるものが存在してある以上、その類の拷問も存在しているのだ。敵の悲鳴だけを出すだけの殺戮兵器、ということだ。
そして3つ目、これは有名ではあるが少なくとも効率は悪く、そして行う者の性的欲求を満たすためだけにあると言っても過言ではない。そう、『快楽』による屈服だ。ひたすらに快楽を与え続けていき、もう絶頂に達したくないと、これで達したくないと心に敗北感を与えていくだけの拷問である。
「……そ、それで…君に行ってる、のが……3つ目、ってことだね。」
「ひんっ!は、も、もうやめ……ひぐぅ!?」
「い、今ので……4回目、かな……」
ひたすらに、響は責め立てられ続けていた。音女から伸びた触手が、アナル、膣、尿道と責め立てられているのだ。そして、当然といえば当然なのかもしれないが、薬を盛られているのだ。
「も、もうイキたく……」
「の、ノルマは…30回だから、ね?い、一時間以内にできなかったら…また10回追加だけ、ど。」
「ひぎぃぃぃい!!」
音女の澄ましたような顔とは別に、響は激しい声を上げていく。最早痛みですら快楽となった感覚が、あまりの快感で逆に痛みを感じてくるという事が起きていた。
だが、そこまでになってしまえば当然響の脳はパニックを起こす。事実、響は自分が呼吸をしているのかどうかさえも、理解していない状態なのだ。
「お゛……あ゛っ……」
「あ、また気絶した……しょうがないなぁ……たく…」
響は白目を向いて気絶する。だが、その間でも体はきっちりと感じているので、バッチリ絶頂に達し続けていた。
「起こす為には……水をかけるのが1番かな。」
そう言いながら、音女はジーンノイズを作り出して、命令を行う。命令されたジーンノイズは、触手を伸ばして響の顔の上に持ってくる。そして、その顔に大量に液体をぶちまける。因みに、サンジェルマン達に使ったものとは別なので、簡単に中毒に陥って潰れる……といったことが起こらない。
「げほ、げほっ!?」
「お、おはよう……じ、実に30秒ほどの睡眠だった、ね。」
「す、少しだけ……少しだけ、休ませて……」
息も絶え絶えになりながら、響は懇願する。相手が誰かはわかっている。しかし、今までに出会った精神が潰れてきた仲間や友人、そして相手の言うことを聞いて喜んで動く仲間達。
自分の味方は今は一人もいないのだ。本部でさえ、今の自分を助けようとは思わないだろう。
「……い、いいよ。ちょ、ちょっと私も動かし疲れた、し……」
「っ……!?」
聞いてもらえるとは思わなかった懇願。音女は自分の体を人間のそれに戻すと、近くの椅子に座りこみ響をじっと見る。
そして、何を思ったのか口を開く。
「あ、貴方達の組織は……つ、潰れた、よ。」
「……え?」
「い、言っておくけど……私じゃない、からね。せ、政府のいわゆるお偉いさんが……潰した。
し、仕事のできない無能はいらない……って。」
音女の言葉に響は絶句する。無論、嘘だと断じることもできるだろう。だが、今の響にそれを言うだけの判断力と持ち前の前向きさは揃っていなかった。
「し、師匠達、は……」
「よ、よくて解散……さ、最悪の状況だと……し、死刑じゃない?あ、あくまでも予想だ、から。」
「し、死刑……」
「で、でもあ、あのに、人間やめてる男……は、人間に殺せるとは思えない、けど。」
顎に手を当てて、音女は考える。ちらっと響の方に視線を向けるが、完全に絶望しきっている表情である。
その顔を見て、音女はうっすらと笑みを浮かべる。前の響なら大声で嘘だと断じることもできただろう。だが、それをするだけの精神力も今や持ち合わせていない。
「……さ、さて、続きしよっか?」
「ひっ!?も、もうちょっと休ま━━━」
「だ、ダメ……も、もっともっと犯して……君、を……か、カースト最低位置にしたいがために、してること、だから。」
そして、ある程度絶望を与えてから動き始める。懸念はある、今あげた男……風鳴弦十郎だ。
だが、今のジーンノイズの敵ではない。既に何千何万という数では抑えがきかないのだ。いくら人外であっても、街1つを吹き飛ばすようなことをしでかすほどとは思えない。
「た、助けに来たとしても待っているのは……ただの非難、だけ。だから……存分にあそ、ぼ?」
「うぐっ……んぐぅ!?」
音女は響の唇を奪う。今更、ファーストキスだとかセカンドキスだとかは関係ないことだ。はっきりいって些事である。
だが、場合によっては処女を奪うよりも唇を奪うことの方がキツい事もあるのだ。
「じゅる……れろ……」
「ん、んぐ……!」
無理矢理唾液を送り込ませて、響に飲ませる音女。そして、唾液とともに舌も絡めさせる。このまま舌を触手に出来れば、もっと面白いことが出来たのだが、未だそこまでの細かい作業はできない。
「ふー、ふー……!うぅ!」
「じゅるるる……ぷはっ…ふ、ふふ………あ、あんな短いキスだけ、で……1回、イッちゃった……ね?」
「っ……」
「こ、答えなくてもいい、よ。か、体の方に聞くだけ、だから……」
「ひぁっ!?」
音女は、響が答えないことを予想していたのか、そのまま流れるように彼女の秘裂に手を伸ばす。
音女の予想通り、既に響の秘所は濡れていて愛液を軽く垂らしてしまっていた。
「や、やぁ……!」
「そんなに、犯されるのがいい、の?」
「そんな、ことぉ……!」
「く、口は嘘つき……か、体は正直……」
指で触りながら、音女はそう言う。響は、頭を横に振って違うと反応を返すが、彼女自身の内心はまた別の話である。
既に、彼女の本能は完全に蝕まれている。それをひたむきに否定するのは、彼女の理性である。『堕ちてはダメだ』という意識があるからなのだ。
「……もう一歩だけ、踏み落としてみよう、かな。」
「え……?」
そう呟くと音女はそのまま離れる。響は、なぜ音女が離れたのかわからなかったが、体が妙に疼いてしょうがないことだけは理解していた。
だが、それを悟られてはならないと唇を噛んで言葉を発するのを我慢する。
「……」
音女はそのまま部屋から出ていく。響は、一旦それで安心したが……部屋から出た音女は満足気な表情だった。
後一歩、後一歩なのだ。周りの精神的支柱になれるものを、周りが攻めて堕とすという行為が完成するまで。
「お願いよ……彼女の言うことを聞いてちょうだい?」
「マリアさん……貴方まで、なんで…」
「もう嫌なのよ…2人の辛い声を、ひたすらに聞かされるのはもう嫌なのよ……!」
頭を抱えて、過呼吸になり始めるマリア。音女が出て言ってからしばらくして入ってきたマリアだったが、響は既に彼女がまともである事を諦めていた。
まともそうに見えた切歌でさえ、あぁなっているのだ。案の定、マリアは正気を失っているのだが。
「2人の……まさか、切歌ちゃんと調ちゃんの……」
「貴方が、屈服してくれないと…私は、私は……!」
「っ……!」
怯えた表情になるマリア。その様子を見て響は戸惑ってしまった。いつも凛としているマリアが、このような状態になってしまっているから……では無い。『自分が抵抗する意味があるのか?』という意思で起きた戸惑いだった。
「わた、私は……」
「貴方が、貴方だけなのよ……そしたら、私は気持ちいいだけに戻れるから……」
望まれるのは、自分が全員を助けること……では無い。自分が、相手に屈服して見世物にされろ、というものが仲間から求められるものだった。
それが、余計に彼女の心を蝕んでいく。手を伸ばし、掴んで助けようとする彼女の善性に、淀みが生まれる。
「……自分が、助かりたいから、なんですか……?」
「当たり前じゃない……!あんなの、聞いていられないのよ……!」
「そう、ですか……」
自分が助けようとしたことは、間違えていたのだろうか。自分は、やはり堕ちることを望まれるのだろうか。
響はそんなことを考えながら、かつてのことを思い出す。初めて彼女がシンフォギアを目にしたあの日。
天羽奏、風鳴翼のライブで、翼以外に生き残った生存者。だが、そんな生存者に出されたものは町ぐるみでの迫害だった。そんな迫害の日々を思い出して……
「求められているだけ……『マシ』なのかな……」
一言、そう発した。あの時の自分は、ひたすらに迫害されていた。母親や祖母までもが町ぐるみでの迫害に巻き込まれていた。
その時にいたのが、未来だった。しかし、その未来ですら自分が音女側に行く事を望んでいるのだ。
最早、自分だけが無理してこちらにいる必要は無いのだ。
シンフォギアはない、例えなくても動くのが彼女のポリシー、信念だが……その信念も、1人では虚しいものだ。
「…私は、必要…?」
ポロポロと、何かが壊れていく音が聞こえてくる。自分が今まで培ってきたものが壊れてき始める。
『……ひ、必要だよ?』
「……」
音女の声が聞こえてくる。その言葉に響は返事を返さなかったが、すっと心が軽くなるような気がした。
『き、君がいてくれたら…単純に嬉しい、し……そ、それに……可愛いから、一緒にいたい、もん……』
「一緒、に……私、と……?」
正気を失い始めた響の心に、音女の声が染み込んでいく。音女が言っていることは嘘ではないが、本当のことを話している訳でもない。
単純に手放すのが勿体ないだけだが……一緒にいたいというのは別に嘘ではない。言葉はいいようである。
『う、うん……だ、だって君ばっかり構ってる……でしょ?そ、それは君が欲しかった、から……だし。
も、もし必要なかったら……殺してるから、ね。』
こんな言葉、信じることもないだろう。信じる必要も、要素も何も無い。だが、極限までのムチを味わせておくだけで飴はとても甘くなる。その飴には、普通なら全く甘さを感じないとしても、だ。
「……私、生きてる…」
『そう……必要無い訳が、ない。』
「私は……必要なの……?」
『そう、必要……必要だから、いじめる。必要だから、なんでもやらせる……頼むのは、必要だから。』
音女が頼むことなんて、たかが知れているのだ。だが、音女のその言葉は響に溶け込んでいく。
染み込んでいき……まるで腐食して、折れた棒の様に響の心はポッキリと折れた。甘い毒、彼女に屈してしまえば人間として生きていくことはこれから不可能になるだろう。
だが、彼女の心は━━━
「ふふ、本当に、いいの?」
「は、い……お願いします……」
響は虚ろな目で、しかし恍惚とした表情で音女に頼み込んでいた。その首には首輪がつけられており、彼女の屈服が目に見えていた。
なら、これから行われることは彼女達の情事だろうか?答えは否、情事など行われることもない。
「な、なら遠慮なく……」
「ぐっ……あ、ん……!」
音女は、四つん這いになった響の上に座る。座られて、響はまるで悦んでいるかのような表情をしていた。
響は、音女に頼んだのだ。『必要としてくれるなら椅子でもなんでもいいから、させて欲しい』と。
「……座り心地は、まずまず。けどBGMが足りない。」
「ふぐぅ!」
音女はそう言って、バイブを響に差し込む。足が震え始めるが、響は体制を崩さずに、より恍惚とした表情になる。
「……予想より早く堕ちた。けど…」
喘ぐ響をバックに、独り言を呟く音女。響が堕ちる事が目標だったが、まさか予定よりも早めに堕ちてしまうのは予想外だった。
しかし、予想以上に早かったからと言ってやらないという訳では無い。
ならば、やろうとしていたことはやらせるべきだろう。
「錬金術師達と絡ませて……それで終わらせよう。」
既に堕ち切った響を見ながら、音女はそう呟いてから適当にそのまま本を読み始めるのだった。
補足
・立花響
過去の出来事を思い出し、必要としてくれる人を音女だと勘違いすることで屈服
あ、活動報告で軽い報告を入れてます。