勝負は一瞬、そう……たった一瞬で終わっていたのだ。音女は座ったまま、その腰を動かしてすらいない。
せいぜい、足を組替える程度でしか動かすことは無いが、それすらもなかった。
「お、あひゅ……」
「ひ、ぐぅ……」
「ぁ、ん……!」
寝転がるのは新しいメス3匹。それを見下ろして、音女はただ真顔のままになっていた。
一応、説明しておくならば……ギアの性能差では、ハッキリいえば音女が圧倒的に不利である。何故ならば、ギアの力を吸収したと言ってもこれはあくまでもジーンノイズ。
シンフォギアや完全聖遺物からの攻撃には滅法弱いのだ。そう、『攻撃』には、である。
「……呆気ないなぁ。」
椅子になっている翼と調の上から立ち上がり、音女は3人を見下ろしていた。一瞬で決着が着いたので、強制的にギアが解除されており全員元の姿へと戻っていた。
「い、一体、何が……!」
「……」
未だ意識を保っているセレナ。だが、彼女の目には何が起こっているか全くわからなかった。
しかし、音女は説明することは無い。面倒だし、言ったところで意味が無いからだ。既に負けた相手に説明することなぞ、何も無いのだ。
だが、簡単な話なのだ。ジーンノイズは非有機物を吸収する。その力を、最大限…はっきり言えば言葉遊びのレベルにまで引きあげたものが、今現在、音女のまとっているジーンノイズでできたギアの力なのだ。無論、その吸収した力を発揮することも出来るが、やるべきは『奪う』という事である。
手順はたった2つだった。『纏っているギアの部分から触手を出す』ことと、『触れた瞬間意識を奪う』の二つである。
意識は、有機物ではない。あくまでも有機物の塊である人から行われる物であり、それが有機物かと言われれば首を縦に振る者は少なくないだろう。
「……にしても、あんな簡単にいくなんて。」
エルフナインでさえも、簡単に落ちた。いや、セレナが未だ意識を保っている以上、あの一瞬の間に色々起こりすぎたのだろう。
ふと、音女は簡単に直前のことを思い出し始めるのであった。
エルフナイン達が、音女に対して飛び込んでくる。エルフナインが正面、左右をセレナと奏で挟み込む形である。校舎である以上、背面に逃げ場無し。
仮に避けられても、エルフナインはその直後に長剣を振るうつもりでいた。
「ここっ!!」
「━━━がっ…!?」
振り下ろそうとした瞬間、右側から奏の声が聞こえてきた。一瞬たりとて動いていない音女。しかし纏っているギアから、触手のようなものが生えて、それが奏を覆っていた。
そして、エルフナインは瞬時に考える。何かに殴られた、もしくは捕まえられて脳を弄り回された、と言ったものでは無い事は明白だった。ならば何なのか?
それを考える前に、エルフナインは音女に長剣を振り下ろそうとする……が、一瞬でも気を取られたのが間違いだったのだ。意識を少しでも奏に向けたことが敗因。
「ごはっ!?」
エルフナインにも、その触手が突き立てられていた。しかし幸か不幸か、剣を掴んでいる手だけは離さずに済んでいた。
しかし、掴まれた直後から意識が朦朧とし始めていた。せめて一矢報いてやろうと思ったのか、手首で動かして剣を投げようとしたのだ。
だが、投げる直前で意識を完全に失い、明後日の方向に剣は飛んでいく。
その飛んで行った方向が、セレナと音女の丁度中間だったのだ。それにより、音女の一撃は掠る程度で済んだことにより、セレナは意識を失う一歩手前まで持っていかれた、ということだった。
「んー……なるほど理解理解……ま、どうでもいいかな。みんなで一緒に犯してあげることなのは、変わりないんだしさ。」
「おか、す…?」
セレナに性知識というものはそこまで備わっていない。シンフォギアを起動するためだけに育てられた彼女は、女になることを許されていない。
だからこそ、この言葉を本当に理解していなかった。そして、同時にそれが音女の嗜虐心を猛烈に刺激した。
「……へぇ、無知、無知……!」
見ればセレナは、未だ年端もいかぬ少女にしか見えない。いや、一応はこの世界で生きていれば、切歌や調よりも年上になっている可能性があったらしい。
しかし目の前にいるセレナはそんなことは無かった。つまり、文字通り見た目通りの少女ということになる。
「ひっ……」
音女の異常さを垣間見せたその表情に、セレナはつい腰が引けてしまう。
しかし、既に体から抵抗する力も奪われているセレナでは、太刀打ちは不可能である。
気絶している奏とエルフナインは、今は意識を奪われているとはいえ、意識というものは回復するものでもある。故に2人はあとで放置しておいても問題ないと、音女は判断した。
「し、調ちゃん……そ、それに他のみんなも、だけど……こ、ここの2人運んでおい、て……ね?」
「は、はい……分かりました……」
調は興奮で息を切らしながら、音女に返事をする。足場にされたのが、余程興奮していたらしく、愛液がかなり滴っていた。
そんな調を見て、珍しく音女は後で本気で可愛がってやろうという気になっていた。
「ふ、ふふふ……」
「い、いや……どこに連れていくきなの……」
「その…お姉様がこうなったら、まともな人生、もう歩め無くなっちゃうけど……苗床にならないから安心してね?」
調からの、フォローにならないフォローが入る。見知った顔からの、入ることの無い手助けに絶望したのか、セレナは手を調に伸ばしたまま顔を真っ青に染めていた。
「いや、いや……!」
助けに入らない絶望、勝てると思っていたその自信が木っ端微塵に打ち砕かれた時、人は全てを諦めたかのような表情となる。
しかし、同時にその表情には何も諦めないという意思もある。その矛盾さが、さらなる絶望に叩き込まれてしまう所までが、テンプレートなのだ。
その声、表情、仕草全てが音女に取ってのスパイスとなっている。ヨダレが垂れてくる……という所までは行かないが、どうしようもなくそれが抑えられなくなっていた。
「折角だし……」
調達の方を見て、音女はふと思いつく。音女以外ろくに興味を示さない調と調以外には悪態の着くようになった切歌はともかくとして、ビビってばかりのマリアにはいい休みを与えてやろうと思ったのだ。
折角『妹』が来ているのだ。それを有効活用しない手段はないだろう。
「……ま、とりあえずマリアの調整をしながら…あの子の調整も終わらせないと……」
そう言って、平行世界から来た立花響の事を思い出す音女。今彼女は、とある部屋に入れられていた。
「んぶぅぅぅぅ!んぶ、んぶぅぅぅぅ!!」
立花響、平行世界からきた彼女は今犯されていた。ジーンノイズに、ではない。では何に犯されているというのか?簡単な話である、 小日向未来である。
音女は、平行世界から来た響も未来に対して何らかの形での依存があるという事を掴んでおり、それがどうにも自分の世界の小日向未来に向けられたものでは無いことまで把握していた。
「響、響ぃ…!」
しかし、この世界の小日向未来は彼女の世界の小日向未来未来でも、彼女の知る平行世界の小日向未来でもない。『かつて小日向未来だったもの』である。
響の名前だけを呼び続け、自分の情欲を満たすためだけに動き続ける。
音女から渡されたペニスバンドを使い、響をひたすらに犯す。当の本人である響は、両手足をそれぞれ拘束されている上に目も口も防がれていた。残った聴覚と触覚に全ての感覚が集中し始める。
「んぶぉ、んぶぅ!!」
「気持ちいい?気持ちいいんだね?」
女同士で交わったことがない、という訳では無い。しかし、その時でもここまで激しいものは無かった。
平行世界から来た響は、元の世界で道具のように扱われたことは無かった。汚物のような扱いくらいである。しかし、音女に優しくされた上にこのような道具の扱いにされるのは、響の心に変化をもたらしていた。
目の前にいるのは小日向未来、小日向未来なのだ。彼女が知っている彼女ではない……という事を、響は気にしなくなってきていた。
「ふー…!ふー……!」
未来の声が、響の脳に波紋のように広がっていき、そして爆弾が爆発したかのようにその跡を刻みつけていく。
それは、犯される快楽とともに麻薬のように響の脳裏に刻み込んでいく。
「お、ぶおおお!」
「きゃっ!!」
響は潮を吹いた。あまりの快楽に、体が耐えられなくなったのだ。そして、その快楽は未だに続けられる。男には射精というゴールがあるが、女にはそれがない。絶頂があるが、それは犯している側にあまり関係の無いことである。
つまり、射精というゴールがない分女は動けるのだ。無論、ペニスバンドありきの話なのだが。
「響の…美味しい…」
潮を浴びて、未来は恍惚とした表情になる。そして、それを舐めとってから再び動く。絶頂に絶頂を重ねるのは、かなり体に負担をかける行為である。
「お、ぐぁ…!ん、ぐぅぅぅ!」
跳ねながら、潮を吹き続ける響。未来はそれを浴びながら、さらにその欲望で響を染めていく。
達しながらも、達し続けるその行為に響はすっかりとろけてしまっていた。表情は破顔し、そして思考は完全に意味を為していないものとなっていた。
「はぁはぁ…!響ぃ、響ぃ!!」
未来の小ぶりな胸が揺れるほどに、激しい攻め。響は自分の心が壊れていくのをゆっくりと感じていた。
その壊れていく快楽は、蜜より甘く深淵よりも深い。どこまでもどこまでも堕ちていき、溶けていく。
自分が自分でなくなることを確信しながらも、減りつつある理性でふと考えた。『これから自分はどうなるのだろう』と。
そんなことは誰にもわからないし、予想することも出来ない。ただ一つ、確定できているのは、どんな予想をしても響はそうなりたいと願ってしまっていることであった。
「……ひ、ひどい…」
「ふんふんふーん……」
セレナを自室に連れ込んだ音女。響達の様子を見せながら、とある準備を進めていく。
セレナを、どれだけ淫らに調教できるか楽しみなのだ。
「さ、さぁ……これで遊ぼ、っか……」
「な、なんですかそれは……」
「……お、お尻をいじる道具、かな。」
アナル開発用の玩具の数々を見ながら、音女はセレナにニッコリと微笑む。類を見ないほどの爽やかな笑顔は、セレナに恐怖を与える。
アガートラームも奪われてしまい、非力な少女へと戻ってしまったセレナ。今から、さらにその下である奴隷…もしくは家畜に落とされる事は容易に想像できることであった。
しかし、彼女に拒否権はない。いや、拒否権はある。あるが、拒否した場合は音女に興味を持たれなくなり、ここに赤い肉片が新たに生まれるだけになるだろう。
「ふ、ふふ……楽しみ、だね。」
「……は、はは……」
引きつった笑みを浮かべながら、セレナは顔を真っ青にしていた。そして、恐怖で漏らしていた。
しかし、そんなことを気にしないほどに音女の恐ろしさをその身に味わう羽目になるのであった。