「でっでーん! いーとーぐーるーまー!」
「きゅーん」
「むーん」
「ぶるる」
最近、ウリ坊が住み着きました。どう見てもブルファンゴの子供です、ありがとうございました。まぁ、可愛いは正義だ。ムーファの子供のフェニーが可愛いのも正義だ。そしてエルペの子供がかわいいのも正義だ。本格的に牧畜始まってないかこれ? と思いつつ夏季中旬、生活基盤が整い始めていたサバイバー拠点、ついに待望の糸車が完成した。その近くには土と岩を固めて作ったかまどが存在し、レンガの生産が行える状態になっている。
本格的にサバイバルを超えて農業系アイドルの領域に入り始めたなこれ……と、最近では思いつつあった。実際、やってることが農業系アイドルを参考にしているから文句が言えない。まさかテレビのアイドル活動を見てサバイバル生活を助けられるなんて思いもしなかった。やっぱりおかしいよ、あの人たち。アイドルのやる事じゃねぇよアレ。
まぁそれはともかく、なんとかツリーハウス周辺も色々と賑やかになって来た。その最大の理由は糸車の完成にある。かなり大変だったのは事実だし、何度も何度も失敗したものだった。だが糸車を作成する上で一番自分を突き動かした理由は、服の耐久が限界に近かったという事実だった。服は究極的には消耗品であり、着続ければその内ダメになる。そしてクイーンランゴスタとの戦いを経て、自分の服はもうぼろぼろで、そろそろ限界に達していた。ジーンズの方はまだ持つとしても、少なくともシャツは限界だった。あとトランクス。
そろそろ代替品を作る必要がある。これは割と急務だった。その為に必死に神殿遺跡に通っては木の板にナイフで糸車の姿になるべく近づける様に彫り込み、それを持ち帰って何度も何度も観察を繰り返しながら糸車を漸く、冬から頑張って完成させた。ただ完成した所で即座に羊毛から糸を作れた訳ではなかった。品質も高い訳ではなく、最初に作った糸はすぐにぼろぼろになった。
だが何度か繰り返していけば少しずつまともなものになり、ちゃんと出来るようになると素材本来の力強さや異質さが出てくるようになり、まるで別物を扱っている様なレベルで頑丈なものへと変貌するのだ。このおかげで糸がついに解禁された。これが凄まじく強く、今まで使っていたクモの巣よりも使えるのだ。そしてこれを竜骨から削り取って作った針に通す事で、
お裁縫がついに解禁される。
そう、服飾の時代が来た。
文明開化である。
下着、服、靴下、そして靴。不格好ながらこれを作成する為の土台がついに完成したのだ。その感動は段違いだ。今までは生きるために必要な物を作っていた。これからは生きる事を楽にする為の生産を行うのだ。実際服はぼろぼろで、トランクスや靴下も不快な部分はある。というか靴下はもう捨てた。流石に新しい物を作るのは無理だったから、靴はずっと直に履いている。
だが糸と皮があるのであれば、この生活を変えられる。
特にケルビの皮は、一番衣服に対する適性を保有していると個人的には思っている。今のところ失敗続きではあるが、少しずつ上達している自覚はあった。それでもだいぶ不足しているのだが。
まぁ、ランポスの相手をするときはせめて不快感のない恰好をしたい。
そういう意味でも糸車を作成したのだ。服のコンディション、不快感はメンタリティに影響する。そういう細かい所で極限状態の命のやり取りに対して邪魔を入れられたくはないのだ。
なにせ、ランポスは強敵だ。
ランゴスタは小さく、すばしっこく、攻撃が当てづらい。だが思考が単調で、それでいて簡単に潰せるという弱点が存在している。つまりまだ、ワンパンで殺せる範囲に居るという事だ。だがランポスは違う。
あれは集団で、群れで生きる生物だ。
馬鹿にされがちだが、ランポスは非常に狡猾で賢い生物だ。ゲーム内で設定されたAIは基本的にハンターを襲う様に出来ている。だが現実においてはそう単純なものではなく、発見次第増援を呼び寄せるという行動をし、その上で複数で囲み、そして急所を狙って飛び掛かってくるのだ。既にこの爪や牙で草食竜だけではなく、様々な物体を切り裂けるという事は確認済みだ。かなり鋭利な武器となっている。
こいつで切り裂かれようものなら体がズタズタになるだろう。
ただ、それ以上にランゴスタより活発で、行動的で、そして知性のある生物であるというのが非常に恐ろしい。自分よりも強い相手からは逃げる、という判断をする事も出来るのだ、こいつらは。実際昔のムービーではリオレウスの登場等で逃亡するランポスの姿が目撃出来た。
AIの問題か、実際にプレイするとそんな事はないんだが。
ともあれ、個人的に恐ろしいのは数を増やすランポスが、
間違いなく強敵であり、専用の対策を施すにしても、訓練と鍛錬で戦い慣れる、或いは身体能力を上昇させるという方法以外には存在しないと思っている。
なぜ? と言われれば簡単だ―――ランゴスタよりも分布が広く、そして賢いランポスは、罠に引っ掛けた所で群れが広く広がっている上、殺したら誘引できる訳じゃないのだ。しかも罠を識別する程度の脳はある。一方的なハメを展開しようとすると、逆に数で囲まれて死んでしまうだろうと思っている。
だからランポスの狩猟に必要なのは、純粋な体力と、技量と、そして身体能力。
ランポスと戦い続けられるだけの体力、
ランポスの攻撃を回避できる身体能力、
そしてランポスを一撃で殺すだけの技量だ。
この三つが一番重要なファクターだと思っている。体力はこの一年近い生活で鍛えられているからまだいい。身体能力はまだまだ、足りないと思っているのでもっと鍛えなくてはならない。そして最後に技量、これが一番の問題だ。的確に獲物の急所を見極め、そして一撃で殺す。その技術と技量が必要になってくるのだ。こればかりは簡単な物ではない。体を鍛え、武器を握り、それを振るう事に慣れなきゃならない。その上でランポスという存在を見慣れなきゃいけない。
こうやって必要な事、やらなくてはいけない事を積み重ねて行けば、大体自分の一日のスケジュールが決まってくる。
まず朝、明るくなってくる瞬間に起きる。
この時間帯に糸車を使って、糸を作る練習と服飾の練習を始める。この先、ここで生活する以上、裁縫は必須技術だった。手本もクソもない中で、これは何百回も練習しなくてはならない事だった。またそれと並行してレンガの生産にも入る。レンガは今まで使っていた木材の代わりの資材になる。ツリーハウスの強化、道の作成、壁の作成、軽い飾り付け、様々な事にレンガは使える。特に最近、拡張してきたツリーハウスを下から支えるためにレンガが欲しかったのだ。これで大量生産を行えば、ツリーハウスを卒業してレンガの家を作る事を考えてもいいかもしれないが、地上の安全が絶対ではない以上、ツリーハウスの強化にレンガを回していた。
そしてある程度練習に時間を費やしたら、畑の世話や家畜の世話を始める。つまりはエルぺやムーファの相手をする。迷い込んだウリ坊はどうやら自分をエルペやムーファの仲間だと思って迷い込んでしまったらしく、非常に仲良くしている。牡丹肉にしようかと思っていた計画を変えるハメになっている。エルペから山羊乳を取って、これとキャベツと干し肉を使って朝食を取りつつ、畑の様子を見る。
それが終われば鍛錬に入る。ウリ坊を背中に乗せて腕立て伏せ。スクワット、腹筋、懸垂、木登りを往復でし、体を壊さない程度の高さから飛び降りて受け身を取る事の練習をし、軽いアスレチックを木材で作成したので、それを使ってパルクールの練習をする。それで体を動かしたら片手剣を両手で握り、素振りを繰り返す。
最初は10回ぐらいしか持たなかった。だけど1週間も続ければ少しずつ、素振りの回数が増える。更に続ければ回数が増える。毎日、少しずつ、少しずつ素振りの回数を増やして行き、剣を振る、という日本の生活では絶対に使う事のない技術を自分の体に覚えさせて行く。間違いなく栄養面では地球に劣っているし、環境は劣悪だ。最新のスポーツ科学からすればこんな環境で体が強く育つ方がおかしいと断言されるだろう。
だがそんな科学的根拠を無視する様に、体は鍛えられて行く。空気か、或いはファンタジー的な世界観だからか、それとも食べている物が違うからだろうか。肉体は鍛えれば鍛える程、強くなって行く。それでもハンターと呼ばれる様な怪物的な存在には到底、追いつけないし、届く事はない。
それでもひたすら、鍛錬を重ね続けるしかなかった。それ以外に生きる道が存在しないからだ。
最近は畑とエルペとムーファのおかげで、あまり採取探索に出る必要がなくなったのだが、それが鍛えられる時間を確保できる最大の理由だった。畑で野菜を、レンガを生産しつつかまどの様なもので肉を燻製にする事も覚えた。そのおかげで拠点から極力、動く必要がなくなって来た。それで確保した時間を鍛錬へと充てる事によって、生存率を高めている。
全ては生きるために。
最初は両手で握る事しか出来なかった片手剣。だが鍛錬を始めて、冬季から6カ月、8カ月近い時間が経過している。少しずつ繰り返してきた鍛錬は、漸く身について来た。両手でしか振るえなかった剣が、漸く片手で振るえる様になってきたのだ。
縦、横、突き。三つのシンプルな動作を片手で繰り出す。その動作はちょっと揺れて、震えている。真っ直ぐ切れているというのには程遠かった。それでもこの三つの動作を片手で繰り出せるという事実は、多大な満足感を自分の心に生み出す結果となった。これだけの鍛錬を経て漸く、片手剣という武器を扱う事の入り口に到達する事が出来たからだ。
「だけど、まぁ、まだまだ……だよな」
「ぶるるる」
ウリ坊が足元で軽く鳴く。そうだそうだ、と言っている様な気がした。事実、片手剣という武器は片手で振るう事によって、もう片手で道具を扱える事が最大の利点となる装備だ。モンスターハンターシリーズでも、片手剣だけが納刀せずにアイテムを使用できる装備だった。常に片手が開いている為、動きやすさも段違いだ。
だが逆に言えば、片手で握っても連続で振るう事が出来る上に、それで一撃で殺すだけの技量が必要になるという事実もあった。
「うーん、師匠とかが居ればまだ話は別だったんだろうけどな……まぁ、我流でどうにかするしかないよなぁ」
片手剣を握り、それを軽くポーズを決めつつ、ランポスを相手に想像し、振るってみる。ダメだ、避けられる。片手剣が重すぎる上に太刀筋がブレブレだ。これでは相対した時にあっさりと避けられてしまう。
剣術なんて齧ったことすらない。解るのは斬る、払う、突く。この三動作が武器を使った動きにおけるもっとも基本的な動きである、という事実だけだ。だからその三動作を何千、何万回と繰り返す事しか出来ないという事実。見様見真似でアニメとか漫画の真似をすれば、変な風に癖がついてしまう。だったら解っている範囲で極められるだけ極めた方が遥かに有用だと思った。
だから武器を使った鍛錬は、その繰り返しだった。
素早く武器を振るうのではなく、ゆっくりと、自分の体に綺麗な太刀筋を教え込む様に動かす。どっかで読んだ鍛錬方法だった。ただこれ、滅茶苦茶筋力を使うので、物凄い疲れる。ハンターの様に音速で回復するスタミナもないから、休むとなると一時間や二時間は確保する必要になる。
そしてその休みの間は、今度は岩壁からのランポスウォッチングに時間を割く。
知識とは最大の武器である。
ランポスを殺す上で、ランポスの事を知らなくてはならないのだから。
何せ、ゲームデータそのままであると判断すると、軽く地獄を見る事はクイーンランゴスタの甲殻の硬さから理解している。HPなんてものはないし、スキルなんて便利なものも存在しない。少なくとも、自分には。だから出来る事は観察し、生態を把握し、そしてそれを通して的確に相手の事を理解する事だった。ゲームにはなかった、リアルになったからこそ解る様な事、生態、それを詳細に把握しなければならなかった。それを見逃し、その結果死亡したのでは死ぬに死ねなくなってしまう。
本当に死ねなかったら良いんだけどなぁ。
ともあれ、ランポスウォッチングもランポス狩猟の為の下地として、行う様にした。これがギルド所属の依頼であれば、専用の観察チームによって生態観察と状況報告してくれたのだろうが、無論、そんなものは存在しないので自分の手でやらないとならない。だから1日の間になるべく時間を作り、そしてそれを通してランポスの観察を行う事にしている。
そうやってランポスの姿を巣の方と、そしてある程度隠れながら丘の方を観察し、ランポスの狩猟という物を目撃する。
ランポスという生物は、狩猟をベースとする食生活を送る
ゲームでは無駄な行動が多く、ハンターが武器を構えている癖にずっと威嚇をして攻撃してこないランポスとかが普通だったが、此方の世界で見るランポスはそんな事はなく、かなり狡猾で、恐ろしい相手に見える。
まず、ランポスの狩猟は一匹が前に出る事で始まる。
こいつが偵察、斥候役だ。囮でもある。鳴き声が届く距離に他のランポス達は後ろから付いて行き、そして偵察を行ったランポスの鳴き声、そして反応によって狩猟を決める。
獲物を見つけたランポスは仲間を呼び寄せつつ、仲間が来る方角へと相手の視線を向けない様に、回り込む様に走り出す。その間に威嚇と飛びつきを忘れず、警戒心を囮へと引き寄せるのだ。
その間に合流したランポスの本隊が死角や背後から襲い掛かり、一気に引き倒してそのまま、鋭い爪で襲い込みながら狩猟するというやり方をしている。畜生ながら、中々洗練された狩猟のスタイルだった。何気に最初の斥候役のランポスが返り討ちにされた場合、即座に逃亡するだけの知恵を持つのが厄介の様に思えた。観察している時に一度、アプトノスの尻尾ハンマーを頭に受けたランポスの頭が弾け飛ぶのを目撃したが、その場合、ランポス達は追撃するような事はなかった。
どうやら、群れの中で狩猟に関してはルールを決めている様に思えた。
普段から狩猟しているアプトノスであれ、囮が死んだのなら、それ以上の狩猟を行わず、ターゲットを変更する。管理された危機意識がある……と表現しても良いのかもしれない。ランポス達は自分たちの脆さと強さを同時に理解し、それをしっかりと生存のために役立てていた。ゲームの様なAIではなく、思考して活動しているというのがちゃんと解る事だった。
そして巣にいるランポス。
ここは大体の場合で、ドスランポスが居座っている。献上された食料を口にし、大きく育っている―――金冠サイズのドスランポスだ。ランポスの巣にはこのドスランポスが存在し、雌のランポスと思わしき個体が常に数匹存在している。どうやらランポスの群れはドスランポスを頂点としたハーレム制となっているらしい。
ドスランポスでさえ相手がいるってのに俺ときたら……。
いつか、いつかメゼポルタに行けたら……可愛い子と出会えるという事を信じておこう。ヒロインはいつだって大歓迎である。
そんな事を考えつつ、観察するランポスの巣での活動は、かなり地味だ。常に数匹のランポスによって巣は守られており、小さいランポスの雛? と思わしき個体を守っている。それだけではなく、時にはウリ坊やエルペの子供等を連れてきて、それと子ランポスを戦わせることでランポスの狩猟を学習させている。ゲーム内ではどれも確認する事の出来なかった事だが、こうやって眺めると、確認できる所でもあり、同時に弱点でもあるなと思える所でもあった。
ランポスの巣はかなり場所が固まっている。と言うか岩壁を降りた所がそうなのだ。そして上への備えが一切存在しない。地形的に飛竜が入って来れない場所だからだろうか……岩壁の上からサバイバー爆薬スペシャルGでも投げ込んでみれば、いい感じに絶滅するのではないだろうか? と思えるレベルで上への警戒が薄い。
まぁ、爆弾テロとか自然界では普通は発生しない事だから当然かもしれない。バゼルギウスの事は忘れさせて欲しい。アレは此方には出てこないと思いたい。大陸違うだろうし。
ともあれ、大体の場合でランポスの狩猟チームと、ドスランポスの狩猟チームは別行動しているのが見える。
ただ、このドスランポスが巣を出て、狩猟に向かう時は時々ある。その理由は解らないのだが、この時、囮、或いは斥候役をドスランポスが行う。そして配下たちのランポスを後から従えるのだ。これは戦略的に考えると下策なのだが……どこか、群れを率いる為のカリスマ、の様なものをその動きには感じられた。
或いはそうやって自ら危険な役割を果たす事によって、群れのトップとしての地位を証明しているのかもしれない、と自分はそれを見ていて思った。率先して前に出て、そして他のランポスの力を借りる事無く一撃でアプトノスを仕留める。そこにはランポスの長としての威厳と実力を感じさせるものがあった。
ゲーム内だと序盤の雑魚としてかなり情けない姿を見せていたんだけどなぁ、という感想があっただけに、やはりドスランポスやランポスに関する自分の先入観は捨て去る必要があった。
ランポスだけではないが、この世界全体の話でもそうだ。
無駄な先入観は捨て去るべきなのだ。何度も飛竜やこの世界の生物の生態を確認する度に、それがゲームを超越した生物としての姿を見せている事には気が付いているのだ。そしてそれはもはや、データだけでは信用の出来ない所に来ている。自分が見て、聞いて、そして経験して初めて、何が正しいのかを理解できる。この世界の生物はゲーム以上の命に溢れているのだから。
だからランポスの狩猟、そしてその後に続くであろうドスランポスの狩猟は、非常に大事な事であり、そして慎重にしなくてはならない事だった。
その為に、出来る事、準備は最大までしなくてはならない。
全ての鍛錬を終わらせた、日没の時、天然の明かりは既に星と月だけになっている夜に、ランプの中に浮かぶ虫の明かりを頼りに、目の前に片手剣を寝かせている。山の鉱脈から掘り出してきた《大地の結晶》と思わしき鉱石の一部を皮で包む様に掴み、これを砥石代わりに使って剣の錆落としをしていた。
ゲームの知識では大量の大地の結晶を使っていた事が記憶にあり、その形もちょくちょく話に出ていたので、ある程度は覚えがあった。だからそれを使って、片手剣の刀身に輝きを取り戻させようと努力をしていた。
徐々に、徐々に剣は輝きを取り戻して行く。少しずつだが、かつての輝きを見せて行く。
この刃と同じだ、と思う。
自分も少しずつ磨けば良い。焦る必要はない。強く、更に強く自分を追い込み、磨き上げれば良い。ハンターの様になる事は不可能だ。だから地球人にしかない概念、力で強くなって来ればよい。幸い、知識は20年の人生の中で育て上げて来た。後はその中から、この世界にあるものと無いものを判断して積み上げればいいのだ。この世界にあるものと、ないものはゲームを通して知っている。
それが全てだとは思えない。
この世界にはゲームで存在する以上がある。
だが基本的な情報が裏切らないのも事実だった。
だから、焦る必要はない。ゆっくり―――確実に、己という刃を磨き上げればいい。少しずつ輝きを取り戻してきた刃に映る自分の姿を確認し、
数日後、ランポスの狩猟を遂行する事を決めた。
ウリ坊とフェニーが住み着いて、もうちょっと本格化している拠点エリア。実はここ、地形的に大型の飛竜とかが入れる隙間が少ないので一種の安全地帯だったりするのだ。無論、完璧ではないけど。
ボディベースは地球人。だけどこの世界の栄養素とかで少しずつ、此方の世界の人間にスペックが寄り始めている。とはいえ、まだまだクソ雑魚地球人だけどね。
最も原始来な社会形式は狩猟と採取だと言われている。その次に来るのが農耕であり、ここになって動物を労働力として使う概念が生み出される。漸く文明的って言えるレベルかなぁ、これで。