※この作品はR-18です。

Monster Survivor   作:てんぞー

18 / 75
3年目 夏季

「海だあああ―――!!」

 

 テンション任せに砂浜を走った。

 

「ダイミョウザザミだあああ―――!!」

 

 ダイミョウザザミに追われてウリ坊に乗りながら全力逃亡する。

 

「イビルジョーだぁああああ―――!!」

 

 通りすがりのイビルジョーがダイミョウザザミを真っ二つに砕いてから美味しそうに食べて去って行く。海に到着して一時間が経過しただけで、凄まじいまでの濃さを味わった気がする。イビルジョーがダイミョウザザミを砕いて、その中の味噌と肉をちゅるん、と吸い上げる様に食べる姿を眺め、美味そうに食ってるなアイツ、と思っている間にお口直しだろうか。殻ごとダイミョウザザミを食い終わったイビルジョーが海の方へと突撃して行く。

 

 数秒後、ガノトトスが全力で逃げ出すのを、イビルジョーが追いかけまわしていた。相変わらずここの環境は狂ってるなぁ、と二匹と一人で身を寄せ合いながら体を震え上げつつ眺めていた。ここまで近づいて、一切興味がない様にイビルジョーは大型種レベルの竜ばかりを狙って食い殺している。もはや確定だろう。あいつは食う相手を選別しているイビルジョーなのだ。だから自分が住んでいる地域はあんなに良い環境をしているのに大型種が少ないのだろう。フォロクルルも花畑からほとんど離れない上に花の蜜しか食わないし。……ダイミョウザザミも竜種になるのだろうか? あいつ、甲殻種じゃなかった? でもサイズ的に大型だし。

 

「まぁ、名付けるとしたら《偏食》のイビルジョー、って所かな」

 

 ほとんどのイビルジョーは悪食だ。健啖の悪魔、何て呼ばれたり、全ての生物を食料として見做している貪欲の竜だ。貪食の王とまで呼ばれるほどに食べる物を選ばず、そしてひたすら食い続けるのには理由がある。それはとてもシンプルな理由で、そうしなければ体が持たないから、という事にある。その体温と巨体はカロリーの消費が激しすぎる結果、常に食べ続けないと体を維持する事が出来ない。それ故に食事をとっても常に空腹に襲われる。

 

 その苦しみから解放されるのは食べている間、そして死ぬ時だけ。

 

 それがイビルジョーという、神様がデザインを間違えたような憐れな竜の正体だった。モンスターハンターシリーズにおける全てのイビルジョーは食欲の塊だ。我慢なんて概念はない。食べる事が出来るのなら即座に食べる。それがイビルジョーという生物の生態であり、基本でもある。だから目の前に食べられる小型種が存在する場合、一切の迷いもなく食べる筈なのだ。

 

 ……なのに《偏食》はそれに見向きもせず、大型種のみを食べている。

 

 その影響なのか、体は更に赤黒くなっている。そう言えば飢餓状態のイビルジョーや、極限にまで飢餓が達したイビルジョーの体色が変化するのは、同族まで食べ続けて来た結果龍属性を溜め込み、それによって変質してしまったから……だなんて設定を思い出した。だとしたらそうなのだろうか? 《偏食》のイビルジョーは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだろうか?

 

 火山の本当の悪魔を感じ取って、食欲よりも強くなる事を選んだのだろうか?

 

 食欲という本能を、強くなるという欲求で乗り越えたのだろうか?

 

「……それが本当だとしたら、生態やら本能やらを乗り越えた化け物じゃねぇか」

 

 理屈は解るが、生物としての、イビルジョーとしての限界を確実に超えた個体だ。極限征伐や至天征伐の最終レベルで出現するようなアレだろうか? まぁ、まだラ・ロやミ・ルが見えていないだけましだと思う。UNKNOWN系統は考えるだけ無駄だし。それにイビルジョーが此方を放置してくれるなら、それはそれで安心だ。出現場所を選ばないアイツが拠点に乗り込んでこないか、地味に不安だったし。しかし、

 

「強くなるために本能を乗り越えるとかイケメンすぎるだろ、アレ……」

 

「もー?」

 

「きぃー?」

 

「アレ、擬人化させたら絶対に悪系ダンディになる気がする。まぁ、戯言はここまでにして、ここからどうすっか考えるかー」

 

 海に到着したテンションではしゃぎ回った時に、ちょくちょく周りの地形を確認したが、この海岸は結構広い。少なくとも砂浜自体は100メートル以上の幅がある。そして砂浜の脇にはヤシの木がある、それが同じものであれば。これが本当にヤシの木であるなら、ココヤシからは()()()()()()()のだ。つまり油という放火ウェポンを新たに入手する事が可能になる他、料理に油を使う事が出来る。ナタデココそのものも魅力的なので、色々と食生活周りが充実する一助になる。植生に関して目立つのはこれぐらいだろうか?

 

 だが一番の目玉はやはり、海水だ。今まで身を清めたり沸騰させたりで使っていた川の水とは違う、此方は海水だ。つまりは塩の混じった水だ。干し肉を作る上でどうしても干し肉が不味くなってしまうのは、臭みなどを取る時に使う塩が存在しないからだ。第二拠点で常に炎を使い続けられる様になった今、冬場だけではなく春や夏でも素早く水分を蒸発させる事で燻製を作る事が出来るようになっている。だからここは、是非とも塩が欲しい。

 

 海水を煮詰めて濁りを取り出しながら濾過を繰り返す事で塩は作る事が出来る。夏の自由研究レベルの技術なので此方は難しくはない。問題は塩を作る場合、大量に海水を必要とする事だ。

 

 そして炎や道具を使う以上、拠点に海水を持ち帰るという事が必要になってくる。第二拠点は丘に近い環境の為、ここに来るまでの時間を一、二時間程カット出来ているのはいいが、それでもまだ片道三時間程度の時間がかかるのだ。

 

「うーん、それでも塩……というか塩分は健康の為に必要だからなぁ、ここは少し無理してでも海水を持ち帰れるだけ持ち帰って往復する必要があるかもしれないなぁ……」

 

 まぁ、この作業の良い所は、冬になっても海水は消えないという所だろうか。寧ろやる事が減る冬の間に塩のストックを作る事を考えればいいだろう。だからとりあえず、これは後回しにしておこうと決める。パームオイル、ヤシ油の抽出に関してもちょっと記憶を掘り返す必要があるので、大人しくなる冬季に入ってから本格的に活動を始めようと考える。

 

 今、一番の問題は、

 

「―――筏で脱出とか無理そうだなぁ」

 

 海の向こう側の景色だった。

 

 陸地は見えないのだが、岩礁地帯が見える。その中、大きな岩礁の上に頭を乗せる()()のラヴィエンテの姿が見える。日向ぼっこをするその背中の上には、カモメの様な鳥が載っており、ラヴィエンテと一緒に温まっている姿が見える。

 

 しかしその姿はゲームで見るよりははるかに穏やかだった。なんと言うか、殺意や戦意、闘志の様なものは一切感じず、穏やかに陽の光を浴びて気持ちよさそうに眠っている。それがゲーム的に考えるとまずありえない光景なのだが、この環境付近のモンスターの生態はそもそも常識では測れない事ばかりなので、或いはそう言うラヴィエンテもいるのかもしれない、と番いのラヴィエンテを見て判断する。

 

 それでも二頭いるというのは流石にちょっとビビるのだが。

 

「ただ、アレを回避して海に出るってのはちょっと無理だなぁ」

 

 たぶん距離的に此方の事は感知しているんであろうが、それをどうこうしようという意思は感じない。近付かなければ平和だと思う。少なくとも自分の直感はそう伝えている。その為、海に出るという選択肢は排除しておく。それにラヴィエンテの周りには魚が泳いでいるのが見える感じ、野生生物からしても今のラヴィエンテは大丈夫らしい。

 

 イビルジョーが大型しか食わないチャレンジャーだったり、ラヴィエンテが穏やかだったり、メフィストフェレスが火山で眠ってたり、本当におかしな場所だ。

 

 まぁ、自分は生きる為に出来る事をするだけだ、と判断する。ここに出てくる生物の事を考える。ラヴィエンテと毎日お散歩しているイビルジョーは除外する。偶にお空を優雅に飛んでいる辿異リオレウスもこの際忘れよう。この浜辺にメインで生息しているのは先ほど目撃した、ダイミョウザザミがいる。

 

「って事は……」

 

 適当に砂浜を歩き始めれば、それに反応する様に砂浜が軽く盛り上がり、そしてそこから出現して来る姿が見えた。背中に大きな貝殻を背負った小型のモンスターは地中から出現すると、二本のハサミを持ち上げて、威嚇する様にアピールした。

 

 甲殻種、ヤオザミだった。ダイミョウザザミの幼体とも言われるこいつは、ヤドカリの様な、蟹の様な、ザリガニの様な生物だった。安定していないけどしょうがない。こいつからザリガニっぽい防具が作れるのに、ミソが取れて、しかも見た目はヤドカリだ。お前、もうちょっとそこらへんはっきりして欲しいと思う。まぁ、それはともあれ、折角出て来たヤオザミなのだ、

 

「Go」

 

 ウリ坊に指示を出すと、一瞬で加速したウリ坊が勢いよくヤオザミに突撃し、跳ね上げながらヤオザミを空中に放り出した。打ち上げられたヤオザミが落下して来るところを狙って片手剣を投擲し、その身体を貫通した所で狩猟を完了させる。死亡したヤオザミから片手剣を引き抜いてその殻を引き剥がし、柔らかい背中を晒す。

 

 そこにナイフを突き刺して、開ける。ヤオザミ等の甲殻種はその性質上、背中が一番柔らかくて刃物の通りが良いのだ。だから背中を開き、そこから開いて確認するのは甲殻種が溜め込んでいる珍味、

 

「でっでーん、ザーザーミーソー」

 

 ネコ型ロボットの様な言い方でヤオザミの中に溜め込まれたザザミソを取り出す。こいつは精算アイテムとしてカウントされる珍味であり、美味しいという話を聞くものだ。まぁ、そもそも蟹味噌って結構美味しいし、一度食べてみたかったんだよなぁと思いながら指を味噌の中に突っ込んで、掬って口の中に突っ込んだ。

 

 そしてそのまま、動きを停止した。

 

 その動きを不審に思ったウリ坊とホルクが首を傾げるので、素早く二口目を口の中に放り込みながら呟く。

 

「や、やばたん……!」

 

「!?」

 

「もっ! もっ!」

 

「やばい、超やばい……なんだこれ、超うめぇわ……」

 

 ザザミソを食べる指の動きが止まらない。そのままヤオザミの腕を千切って、その中の肉を軽く引っこ抜きながら味噌を絡めて食べてみる。絶品。超美味しい。え、なに? この味本当なの? リアルなの? 現実なの? そんな疑問がわいてくるレベルですさまじい程の美味だった。地球で食べていた蟹とは比べ物にならないレベルで美味しい。肉とかは地球の方が遥かに美味しいのに、蟹味噌と蟹肉に関してはこっちの方が数倍というレベルでやばい美味い。

 

「やばいやばいやばい、クッソうめぇわなんだこれうめぇ」

 

「もっ! ももっ! ぶもっ!」

 

「あぁ、解った! 解ったから! グルメに育ちやがってこいつ……」

 

 横からウリ坊が食わせてとタックルして来るので仕方がなくヤオザミの肉とザザミソを食わせると、ウリ坊の目が輝き始める。それを見ていたホルクも突く様に食べて、そのままむしゃぶりつく様にヤオザミを食べ始める。

 

 今、この環境で一番おいしいものがなんであるのか、それが確定した瞬間だった。

 

 どこかで、呆れた龍の気配を感じる……。

 

「……狩ろう」

 

「もっ」

 

「きっ」

 

 何を、という言葉に関してはもはや口にする必要はなかった。言語を口にしなくても今、二匹と一人は完全に心を一つにしているという確信があった。そう、美味しい。その概念は生物の心を一つにするのだった。何ていい天気だろうか、潮風が夏の日差しをやわらげる様に涼ませてくれる。それを感じながらヤオザミを虐殺してやる、と心の中で固く誓った。

 

 あぁ、でも、このザザミソとヤオザミ肉、絶対に酒と似合うだろうなぁ、と思った。酒が飲みたくなる。そんな味をしている甲殻種だった。だけど酒……作成できるだろうか? 材料的には果実酒ぐらいだったら本当にぎりぎりで作れるんじゃないか? とは思わなくもない。だけど酒造り……試してみるだけの価値があるのかもしれない。

 

 だがその前に、今はヤオザミだ。ヤオザミを狩るのだ。あのザザミソを大量に手に入れて、

 

「我らの食欲を満たすのだ! 行け、ウリ坊! お前のダッシュで砂浜を刺激し、ヤオザミを呼び起こすのだ!」

 

「ぶもっ―――!」

 

 滅茶苦茶やる気を表すウリ坊が一気に砂浜を走り出し、ドリフトを決める様に砂を蹴り上げ、砂浜に隠れている気配を叩き起こす様に暴れ回り、そして戻ってくる。そしてその気配に刺激され、砂浜の大地が揺れながら、

 

―――ダイミョウザザミが出現する。

 

 甲殻種の中でも大型に属する存在。背中の殻は大型飛竜の頭蓋を活用しており、そのハサミはハンターを掴んで真っ二つに出来るだけのサイズがある。まともに相手するだけ、面倒な相手だ。

 

 だけどダイミョウザザミを見て思うのだ。

 

 ヤオザミであの味だった。

 

 そしてイビルジョーはあのダイミョウザザミを食べていた。

 

 ならば、ダイミョウザザミって実はクッソ美味しいのでは……?

 

 食欲はイビルジョーだけではなく、日本人も狂わせる。

 

「ぶち殺す……!」

 

「ももっ……!」

 

「ききぃっ―――!」

 

 食欲と美味の気配に突き動かされ、覇気と殺意が全身を漲り、叩き起こされて出現したダイミョウザザミは困惑の真っただ中にあった。だがそれを一切考慮も気遣う事もなく、その体の中に詰め込まれた美味に手を伸ばす為に―――虐殺を開始する。

 

 出現して此方へと視線を向けて来たダイミョウザザミの顔面に閃光玉を投擲し、そのまま正面からウリ坊に体当たりを取らせ、頭を揺らしながらホルクに跳躍して捕まって、そのまま軽く飛翔してダイミョウザザミの上へと飛び降りる。

 

そのまま、頭の上、死角から脳天を貫く様に片手剣を両手で下へと構えて押さえ、飛び降りた勢いのままに頭を貫き即死させる。

 

「っしゃぁ!! 特大ザザミソゲットォ!! 今夜はザザミソパーティーだお前ら!!」

 

 ペットの喜びの咆哮を聞きつつ素早くダイミョウザザミの解体に入る。甲殻の上から斬るのは馬鹿々々しいことなので、剣を関節部や隙間に差し込み、そういう部分から割く様に斬る事で最低限の労力でダイミョウザザミを解体する。そうやってまず最初に足を解体し、そして今度は殻を解体する。ヤオザミは貝殻を引っぺがしたが、此方はモノブロスの頭蓋骨だ―――この付近につまりはモノブロスがいるという事になるのだが、それはこの際スルーしておく。

 

 というかモノブロスの頭蓋骨が重すぎた。運ぶとかそういう領域じゃない。材料として使うのにも、これを加工する、利用する技術が自分にはない。だからこれは放置するしかない。甲殻周りはたぶん、材料に流用できるだろうが。ともあれ、足と爪を解体したのだ、引っこ抜いたそれを筋に沿って開きながら、

 

 その中に隠されている肉を露出させ、人数分並べて、更に開いたダイミョウザザミの中からザザミソを引っこ抜き、それにちょんちょんと付けながら食べる。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

 無言のまま、ちゅるり、と食べすすめる。パキリ、と剣で定期的に殻を割って食べやすくしながら、ダイミョウザザミの肉を再びちゅるり、と飲み込む様に食べて行く。横ではウリ坊とホルクが此方の食べる姿を真似して、器用に前足で足を押さえながら中身を吸い上げて食べている。お互い、そこには一切声を漏らす事無く、静かに蟹足を解体しては喰い続けるというのを繰り返し、

 

 気づけば、ダイミョウザザミが丸一匹、食いつくされていた。完全に食料として食い尽くされてしまったダイミョウザザミの姿を二匹と一人で体育座りしながら、食べ終わった残骸の向こう側に見た。それを見て、頷く。

 

「恐るべし、日本人の血よ……!」

 

 とりあえずそういう事にしておいた。正直、ドスランポスを狩猟した時よりも動きが数段素早く良かったような気さえする。やっぱりメンタリティとモチベーション改善するだけで人間、格段にパフォーマンスが上がるよなぁ、と実感する。闇の日本社会に出る前にそれを体感出来て良かった。もう二度と社会に出る事なんてないだろうが。

 

 色んな意味でブラックだ。

 

「はぁー……満足したぜ……」

 

 ごろり、と背中をウリ坊に預ける様に座り込みながらこの大きな残骸をどう処理しようか、と考える。食って中身がだいぶ空っぽになったのはいいのだが、根本的に大きすぎて山を抜けるのに運ぶのが難しいよなぁ、と思う。それに神殿の中は穴だらけになっているのだ。それを抜けるのに少しずつ板とかをセットして対策しているのに、流石にこれだけ大きくて重い物を運ぶ事は出来ないだろうと思う。

 

 板の方が耐えられない。

 

「となると、1回の往復で持ち帰れる重量とかにも注意しなきゃな」

 

 或いは神殿に物資集積所を設置するとか? 確かにあの神殿、今は小型の竜種でさえ近づかない不思議な場所になっている。その影響は恐らくあの神殿の地下で眠っている存在が原因なのだろうが……だとしたら、都合の良い事でもある。あの神殿の地下は、冬でもないのに冬の様な寒さを維持しているのだ。氷室代わりに物資を押し込めば保存できるのかもしれない、と思ったのだ。

 

 だから少しずつ神殿に運び込んで、保存しながら第二拠点へと運び込む事も考えられるのだ。だとしてもかなりの手間になる。時間はかかるだろう。となると流石に今回はこのダイミョウザザミ素材は、大半を放置する必要があるのだろう。

 

「いやぁ、ほんと失敗したわ……食欲はあかんね……」

 

 久方ぶりに感じる美味。この生活でだいぶ、人間性が削れている自覚はあったのだ、少しずつ、少しずつ削れるのではなく抜け落ちて行く……我慢すればするほど、邪魔になるので自然と生存本能が必要のない機能をオミットして行く様に、人間性が失われて行くのを感じた。

 

 だからこそ、ネタや冗談を口にしていた。

 

 遊びやゲームは、人間らしさと文化の形だ。

 

 それを口にして笑っている間はまだ人間であると自覚する事が出来るから。それでもある程度、食に対する楽しみみたいなものは、失われていると思っていた。こっちに来てから食べ物は生きる為に確保するものであり、味は二の次だった。だけどこうやって美味と呼べるものを口にし、それをかき込む様に食らいつくす自分を感じて、

 

 あぁ、まだ俺人間なんだ―――獣じゃない。

 

 それがしっかりと、自覚出来た。

 

 信仰も、拘りも、遊び心もそれは人間らしさの一つなのだ。だからこうやって美味しいものに何時の間にか涙を流している自分は、まだ、まだ大丈夫。まだ人間らしさを残している。まだ人間として生きているのだ、と認識できる。だからこそ考えてしまう。

 

 ここから去る方法をそろそろ、考えた方が良い。

 

 この先の世界を見る必要があるのだ、と。




 カニはお好きかな? 日本人の食欲はまさにジョー並み。

 根本的に日本というか地球のが食べる為に育てている分、根本的な食材の質に関しては地球産の方が美味しいと思っている。ただし、一部のマジカルなクリーチャーに関する素材はまた別だ。と、勝手に判断している。本当にそうかどうかは皆がモンハンTOKIOし始めた時に教えてね。

 しかしもう3年目の夏季……もう早いもんで4年目も見えて来たなぁ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。