※この作品はR-18です。

終焉後の新たなサーヴァントマスター   作:HAL

3 / 8


最初に申し上げます。ごめんなさい☆
あー、待って!ちゃんと説明するから!(;´д`)

これはまだ序章に過ぎません。あらすじのようなものです。
茶番も結構入るのでそこは長くなると思います。
それでも読んで下さるとその先、読みやすいと思われます。
ちなみに作者である僕の思考と性格が最強説あるので、主人公も最強ですが、マスターの一部分が最強説を放出する可能性があります。
そこだけは把握お願いします。
では主人公達とみんなが出会うまでの長い時間、お楽しみ下さい。


出会い①

 

 

僕達、ハルと影に出会う前ーー。

 

 

 

 

side.演

 

 

 

特異点を全て制覇し、終焉が終わって俺達は平和に暮らしていた。時期が来ればイベント特異点に行ったり、バレンタインやクリスマス、ハロウィン、その他もろもろ。本当に平和だった。

 

「あぁ、平和だなぁ」

 

お茶をすすりながらみんなの話を聞いていた。カルデアの食堂では何人かサーヴァント達がいた。そこにいたのは。

 

 

「タバコ」

 

「おう」

 

「やり過ぎたらなくなるだろ…、俺にも一つ」

 

「お前も人のこと言えなくね?ほい」

 

「まったくだな…」

 

「………」

 

クー・フーリンのランサーとキャスターとプロトタイプ、それからバーサーカーがいた。

 

まあタバコ吸って誰も止める人いないからしてもいいけど、それだと煙臭いから喫煙室設けようかな…。あとでダ・ヴィンチちゃんに頼もう…

 

あっちでは。

 

 

「我に逆らうか、老いた我」

 

「逆らう逆らわないの問題ではなかろう。これは我の食するものだ」

 

「我めそれを食べようと思ったのだ。それを貴様が横取りしたのだろう!」

 

「早い者勝ちだという言葉知っているか?若い我」

 

「貴様ー!!」

 

ライオンとライオンの喧嘩に見えるけど、あれはギルガメッシュのアーチャーとキャスター。あの周りには誰も近寄れないのか、みんな近寄ろうとしない。

 

まあ、俺も行ける気がしないけど…

 

俺の隣では女性のサーヴァント達がいる。

 

 

「上姉様、下姉様、お茶をお持ちしました…」

 

「あら、気が利くのね?メデューサ」

 

「今日はちゃんと入れてきたわよね?不味かったら許さないわよ?」

 

「今日はライダーの私に教えて貰って作りました。私の入れ方では姉様達のお口には合いませんので…」

 

「なら、あんたじゃなくてライダーのメデューサが入れればいいんじゃないかしら?」

 

「そうね?ほぼあっちのメデューサが入れたのならあなたのお茶ではないと思うわよ?」

 

「うっ……、すみません…」

 

「私は何もしてません、姉様達。私は口で教えただけで全部ランサーの私がやりました」

 

「あらそうなの」

 

「ふーん」

 

「お口に合わなければまたすぐに作り直します…」

 

「とりあえずいただくわ」

 

「飲み物に罪はないしね。いただきます」

 

ギリシャ神話で出てくる女神様のステンノとエウリュアレ、メデューサの3人。いわゆる、ゴルゴン三姉妹。目を隠してる子がライダーのメデューサ、可愛い顔の子がランサーのメデューサ。ランサーのメデューサは特異点の時に『アナ』と呼んでたから未だに抜けきれなくて、『アナ』と呼んでいる。

 

ここで俺が何か言ったら確実に俺に移るから、アナには悪いけど黙っておこう…

 

そして俺の目の前にいるのが。

 

「先輩、今日はどうしましょうか?」

 

マシュだ。マシュ・キリエライト、それが彼女の名前。俺は彼女のことをマシュと呼んでいる。大体の人間がそう呼んでる。真名を言う人はそんなにいない。けど、言う人は言う。

 

「先輩?」

 

「ん?……あぁ、何しようか。イベントも終わったし平和だから何もないし、まあ今日はのんびりでいいんじゃない?何かあるわけでもないしーー」

 

『ブーン、ブーン!』

 

これは緊急事態時になる警報。食堂にいるすべての人間が放送に耳も傾ける。

 

『あー、あー!テステス。ダ・ヴィンチちゃんの放送聞こえるかい?マスターとマシュ、その他動けるものは至急管制室にきてくれるかい。ちょっと変な特異点を見つけてね?見て欲しいんだ。それからレイシストもするかもしれないから、そういう意味でも動けるものは管制室に来て欲しい。じゃあ待ってるよ。ブツッ』

 

食堂にいた者や部屋にいて動ける者はすぐに管制室に向かった。何が起きてるか気になるサーヴァントもいたりいなかったり。とにかく半数のサーヴァント達が管制室に入っていく。

 

「何かあったんですか?ダ・ヴィンチちゃん」

 

マシュがダ・ヴィンチちゃんに聞く。

 

「どうやら奇妙な特異点を観測したそうだ。どこから発生されたものなのかもそこが何年なのかもわからない。ただわかるのは、そこがどこのイベントにもどこの特異点とも行ったことのない場所。影の国に近い場所だね」

 

「師匠の場所かよ…」

 

ダ・ヴィンチちゃんの説明を横切るように言ったのは、ランサーのクー・フーリンだった。

 

というか、みんな同じ顔してるけど…

 

「君達の師匠さんのところとも違う影の国だね。国と言っていいのかもわからないけど」

 

「わけわかんねぇ…」

 

ざわざわと騒ぎ始めた。しかし、その中でも冷静な奴がいた。

 

「うるさいぞ、貴様ら。ここでうろたえてても仕方なかろう?さっさと編成し迎え。我はここから見て指示する。動ける者や戦える奴はここに残り、無理な者や戦えん奴は部屋に戻るなりしろ。ここにいては邪魔だ。散れ」

 

キャスターであるギルガメッシュだった。さすがだなと思いつつ、みんなはそれぞれ思い思いに残ったり出て行ったりとして、残った人数は6人。キャスターのギルガメッシュはここで支持するということで、行けるサーヴァントは5人。マシュと俺は確定なので数に数えていないけど、それでも5人。

 

心強いけど……うーん…

 

「余を連れていくことを許す」

 

「なんでオメーもついてくんだよ、金ピカ野郎!」

 

「それはこちらのセリフだ、狗」

 

「狗って言うんじゃねぇ!」

 

「コイツらだけでは心配だからな…」

 

「まあ、私も一緒に行ってあげなくもないわ。というか男だらけだと、マシュが困るもの。女が1人でもいると心強いでしょ?」

 

オジマンディアスとランサーのクー・フーリン、アーチャーのギルガメッシュとエミヤにイシュタル。それぞれの言い分はわかったとしても、メンツ的には喧嘩しそうなメンツである事は変わらない。

 

心配でしかないけど、なんとかなると信じよう…

 

「準備はできたか?なら、レイシフトを開始する。持ち場に入れ」

 

そう言われてそれぞれ入り待つ。そして飛ばされる。

 

 

 

次に目が覚めた時には暗い場所に立っていた。ちゃんとみんなも居て、ここがどこだか見渡してみる。

 

「何も、ない…?」

 

「というか、暗いですね…」

 

「何も見えないじゃない!」

 

「金ピカの光で明るくできねぇのかよ」

 

「貴様はバカか、そんなことできるわけなかろう。だから狗なのだ」

 

「狗は関係ねぇだろ!つか、その呼び方で呼ぶんじゃねぇ!」

 

「喧嘩してる場合じゃないだろうに…」

 

「ふむ、足場が悪いな。平らな道はないのか」

 

「ないと思うわよ、こんなところにはね」

 

あはは…。とりあえずみんないるということが確認できただけ良しとしよう…。この状況下でも喧嘩とかすっとんきょーなこと言ってる人もいるし…

 

『上手くいったか?』

 

管制室から見ているギルガメッシュの声が聞こえた。

 

「うん。なんとか」

 

『そうか。雑種から見てどういう所に着いた?』

 

「なんだか暗い場所に着いたみたい。上を見ても太陽がないし、まるで夜みたい。それに地面はなんだかゴツゴツしてる。岩山にいるみたいなんだ。でもそれ以外ので景色は見当たらなくて何をしたらいいかわからないんだ」

 

『なるほどな。状況はわかった』

 

『こちらも今わかったことを説明するとしよう』

 

「ダ・ヴィンチちゃん!」

 

俺の意見に対して管制室のギルガメッシュは一言二言言って黙り、代わりにダ・ウィッチちゃんが出てきた。マシュはそれに反応して発すると、今まで喧嘩やらなんやらやってた5人がこっちを見て何だ何だと集まってきた。

 

……ギルガメッシュ2人いるから、こっちにいるギルガメッシュはそのままで。あっちにいるギルガメッシュは僕の心の中でギルさんと呼ぼう。ボロ出さなければ大丈夫だと思うし…

 

『今そっちにいつも一緒にいるフォウくんはいるかな?』

 

「え?」

 

マシュがあたりを見渡す。しかしそこにフォウの姿は見えない。

 

「ここにはいません」

 

『実はこっちにいる状態なんだ。君たちと同じように入っていったはずなのに』

 

『フォーー…フォーー…』

 

向こうにいるフォウもなんだか寂しそうで、鳴き声も弱々しい。

 

「ということは動物の入れない場所ということですか?」

 

『今までなら入れた。クー・フーリンくんの師匠さんのところでも普通に入れるだろうフォウくんはそっちでは歓迎されない。となると動物の勘を察して拒否してきたことになる。そしてもう一つわかったことがある。それはこちらにいるギルガメッシュくんが教えてくれるよ』

 

そう言ってダ・ウィッチちゃんはギルさんに代わった。ギルさんはなんだか不服そうな顔をしている。

 

何か嫌な気配でもしてるのかな…?

 

しばらく言葉をためらうのか沈黙が少し長く感じた。みんなも息を飲むような顔でギルさんの言葉を待つ。そしてその時は来た。

 

『……我も認めたくないと思ってる節はあるが、言うしかないのだろうな…。ここは太陽に閉ざされた特異点、ここの住民は全て奴隷だということ。すなわち、奴隷の国だ』

 

「『「『!!!?」』」』

 

『それからこの国で行われてる行事だが、それは狩りと売買、拷問といったあらゆる事柄には全て奴隷が使われている。逆らった奴隷はその行事に担ぎ出され死ぬ者もいるという。……忘れ去られた国ということよな。しかし、ここの年歴がわからない。ウルク時代よりも前かもしれない。そんな記述はないが、恐らくそのくらいだと見ている』

 

淡々と言葉を告げるギルさんは通常運転に見えて、実は少し怒っている。なんとなく声のトーンが低いというか、ウルクの特異点の最骨頂並に神経が逆なでしてる。

 

年歴がわからないだけでも声的な意味でも、怖いのに…。さらにこの国の発展がこんな状態じゃあ、もうこっちに来て怒りの鉄槌をしないと気が済まないくらいの考えはしてるよ……

 

そんなことは口にできないのでとりあえず話を進める。

 

「日本で言うと……」

 

俺はあまり歴史に詳しくないので、マシュを見る。

 

「織田信長は生きていないと思います。それはまだ生まれる前とかかと。まだ王様だとかの権力は強い者が弱い者を虐げる時代ですから、それが何年の時代のものかは計り知れないですが。だとしても、卑弥呼がいればそんな制度はなかったはずですからその前か卑弥呼が亡くなった後となります」

 

さすが歴史女と呼んでもいいんじゃないかと思うほどの頭の回転。俺には到底無理だけど、その状態で話は進む。

 

『しかし、太陽の加護を持ったものでも光が小さい。というか、力を使っているのか?そこの我とオジマンディアスは』

 

「それが……」

 

後ろを振り返るとさっきまでいつもの会話をしていた5人が、性格入れ替わるように真反対な状態になっている。言葉遣いは変わらないのに態度がいつもと違う。それはマシュとギルさんが会話をしてる最中、後ろが気になったので見てみるとそこでの光景がまるでカオスだった。

 

「……ぐがぁぁぁぁぁ!!」

 

この、いつもはオカン気質なエミヤがクー・フーリンのいびきのように寝てる。

 

「余の目の前でアリが動いている!生きてるようだ!」

 

この、いつもは気高き上から目線の俺様オジマンディアスが当たり前のようなことを言って子供のようにはしゃいでる。

 

「エミヤ、起きろ!ここで寝るな!寝たら死ぬぞ!」

 

この、いつもはだらけつつ喧嘩早く真面目になれなさそうなクー・フーリンがエミヤのようにオカン気質に目覚めてエミヤを介抱してる。

 

「この鎧、目がチカチカして目が痛いわ!誰だ、こんなかっちゅうを身につけさせた奴は!ここに連れてこい雑種!」

 

この、いつものように上から目線の金ピカが好きなギルガメッシュが自らの装備に文句を言い、そして自分の身につけていたものを外して叫んでる。

 

目のやり場所がない…

 

「ここ、こわいよーー!!やだーー!!おうちかえるーー!!」

 

この、いつもはワガママで宝石大好きな大人気ないイシュタルが恐怖で泣きじゃくりオジマンディアスの子供よりさらにたちの悪い状態になっている。

 

『ふむ。つまりポンコツぞろいか。中々に面倒でどうしようもない集団よな。しかし、さっきまでそんな状態じゃなかったのだな?」

 

「うん、いつものように喧嘩してた声が聞こえてたよ。オジマンディアスだけはちょっとネジが抜けてたんじゃないかってくらい変わってたけど…」

 

『アレは元からであろう。というか体は大人だが心まではまだ子供だからじゃないか?その状態からさらに何十本のネジが外れたと見える。他の奴らもそんなものだろう』

 

「でも、このままだとまともな戦闘も探索もできないよ?」

 

『マシュ』

 

「はい、こういうこともあろうかとギルガメッシュさんからこれを持っていいくように言われました。「何が起きるかわからない、持ってて損はしないだろう」

という考えに達したギルガメッシュさんは私にこれをここに来た時にマスターに渡すよう言われました」

 

「さすがギルs……ギルガメッシュ」

 

『今なんと?』

 

「な、なんでもないよ!」

 

ここで話が止まると面倒なのでとりあえず話をそらし、マシュから聖杯を貰いみんなの前に出す。

 

「えっと…確か……『聖杯よ、我の希望を聞き叶えよ』」

 

これ、ギルさんが考えた聖杯を使う時の決めゼリフなんだよな…

 

『みんなを元に戻して』と強く頭の中で願った。するとすぐにみんなは元に戻った。さっきの現状が嘘のように。みんな、自分の現状把握が追いついていない。

 

オジマンディアスはあんまり変わってないけど

 

『あとでお前達の言動を録音した物がこちらにある。それを聴いて発狂するといい。壊したりでもしたらここのマスターである雑種から容赦ない要求をされることを肝に銘じておけ』

 

嫌な予感がすると思う者やキョトンとした顔の者まで、みんなそれぞれを思いつつも何も変わらないのでとりあえず身だしなみを整えている。

 

あ、ちなみに聖杯はすぐマシュの縦の中に入れたよ。聖杯用のポケットの中に入れておけば安心だからね♪

 

『さて、そろそろ茶番はそのくらいにしてダ・ウィッチちゃんからのここの特異点になるものを解析した結果を伝えるよ。みんな、心して聞いて欲しい。私もびっくりしたからね』

 

身だしなみを整えたみんなと俺とマシュはダ・ウィッチちゃんからの言葉を聞き、そして。

 

『ここには城があって、その城や城下町含めて全ての人間が奴隷化としてる。それを束ねている者がいるらしいんだが、それが誰なのかまでは把握できてない。できているのは、その束ねてる人間は1人。しかも黒幕もその1人の後ろに存在してる。どんな状態で束ねているのかは知らないけど、奴隷の中にはサーヴァントもいるみたいなんだ』

 

「なんだって……!」

 

サーヴァントという言葉にみんなして反応した。管制室にいるギルさんの『……っ!』という声にならない声も聞こえたくらいだ。

 

『でも、そのサーヴァントは時間とか関係なく出てる時は出てるけど、捜索不明になる時があるんだ。でもその時は奴隷として活動してるみたいだから見たらすぐにわかると思う。そのサーヴァントはお城の幹部辺りに値する地位みたいだね。時折お城に向かうことがあるみたいなんだ。まあ、なにがあるかは確かめてみないとこの解析結果が本当かどうかわからないからね。こちらの情報は以上だ』

 

ダ・ヴィンチちゃんからの報告は終わりギルさんに変わる。

 

『というわけで、向かうわけだが未だに景色は変わらぬか?』

 

あたりを見回してみたけど…

 

「何も変わらない…」

 

『そうか、であればこちらで操作しよう。そのとおり動け。もし道に迷っても我は知らん。責任は持てんと思え。空から探そうと思うな。いくら光が見えても追って遭難されても困る。はぐれそうなら手を繋げ。良いな、そこのサーヴァントども』

 

上から目線のようにみんなに向けていうので5人は嫌そうに睨んだり舌打ちしたりブツブツ言ったりとギルさんに対して何か言いたそうな顔をしてる。

 

『ふむ。何か言いたそうな者がいるな。実際言ってる奴もおるが……。そうかなら今ここにいない奴らを集めお前達の醜態を晒してもいいんだぞぉ?』

 

とても嫌味弱味を握った人が煽るような言い方をするギルさん。オジマンディアスとギルガメッシュ以外はいつもの感じで焦ってるけど、オジマンディアスは。

 

「余が醜態を晒したところで、それを聴いた者は死を表す。そして死を宣告された者には今すぐ『ラムセウム・テンティリス』の刑だ」

 

しそうで怖い…

 

ギルガメッシュは。

 

「……、今それを聞いた奴らには俺の1千……いや、100万本のあらゆる剣で串刺しにしてくれる。もちろん、鎖で縛り的のように貼り付けてから殺してやる」

 

これもやりかねないのでその時はちゃんと言わないといけない。

 

でも怖い…

 

『…………、ならはぐれぬようせいぜい気を張ることよな?我は手助けなんぞせんからな。自分の身は自分で、だ。おっと、これも忠告をするべきか。優しさだと思って聞けよ?今聖杯によってお前達は先の醜態をカバーしているが、雑種から離れれば即元に戻り醜態を晒すこととなる。フッ。まあ、そのようなヘマをする者達ではないとわかっているがな?』

 

……何の争いをしているんだろう。というか早く先に行かないと、いい加減俺も疲れるんだけどな…

 

そんなことを俺が思っていると俺を代弁するようにマシュが言葉を発した。

 

「皆さん、ここで何を争ってるのか知りませんがこのままでは先へ進めません。こんなことで足を引っ張るようならここに残ってください。先輩は私を含めてサーヴァントではありません」

 

「まあ、そうだな…」

 

「人間なんです。長くここに留まって皆さんのように醜態を晒す事はなくとも、疲労は来ます。体力がないとかの問題ではありません。皆さんの魔力供給をしているのが誰なのか、ちゃんと把握してますか?もし、魔力供給をされなくなったらどうしますか?」

 

「…あー……」

 

「確かに皆さんは私や先輩よりも力も技術も体力も精神力も違います。それは重々承知していますが、普通の人間では足を踏み入れることも出来ないようなところに立ってる先輩は、少なくともその一般人ではないんです。しかし、サーヴァントでもないので、そんな長くは動けません。こうして立ってるのだって、サーヴァントとは違い普通の人間なら疲れます」

 

「むぅ…」

 

「私だって、デミ・サーヴァントでもカルデアに戻れば普通の人間です。立ってるだけでも人間ですから疲れます。私は先輩と同じ状況下なのでわかります。そんな先輩のことを考えれないような頭脳をお持ちだったのですか?」

 

「うっ…」

 

「いつも罵倒したり出来損ないと言ってる人たちは、私や先輩が憧れを持ったり尊敬してるような人は狭くて器の小さい人たちだったのでしょうか?私や先輩はみなさんのことをすごく尊敬してます。憧れを持ってます。それを自らの手で手放し捨てて失望されたいのですか?」

 

「うぐっ…」

 

右からエミヤ、クー・フーリン、オジマンディアス、イシュタル、そしてギルガメッシュ。それぞれ心を抉られるようにマシュに罵倒され心臓がある胸に手を当てて必死に耐えていた。イシュタルは涙を溜めて堪えていた。

 

「ま、マシュ……」

 

「私は、そんな先輩達を軽蔑しますよ?」

 

この言葉でみんな膝をついて失恋した人間のように倒れた。正確に表現すると『orz』である。

 

「マシュ、言い過ぎだって……」

 

俺がマシュを宥めていると、管制室にいるダ・ウィッチちゃんが声を発した。

 

『珍しくマシュが君達に説教したのは本当に凄いと思う。ロマニにも見せてやりたいくらいにね?でも、そうだね、私からも言わせてもらう。サーヴァントは元はといえば人間だった者達が英雄となって歴史に残り死んで歴史英雄になったもう一つの体がサーヴァントと呼ばれる理由だ。君たちだって人間の時があっただろう?そう考えてみたら、今はとても楽な体でも人間の時なら君達だって疲れていただろうに。演くんはその疲労を蓄積しながらも、こうしてみんなの茶番という茶番に付き合ったんだ。それは今後どんなに影響を及ぼすのかわかってての茶番だろう?……ね、キャスターのギルガメッシュくん?』

 

『………っ…、すまなかった雑種…。…いや、演。先に進める。帰ったらお前の欲しいものを献上する。それで許せ』

 

「じゃあその時はよろしく」

 

『あぁ、わかった』

 

反省したのかギルさんの声が若干弱々しく聞こえた。ため息を吐いて5人を見すえる。さっきのマシュの言葉でみんなアノ体勢のままで、ギルさんだけが解決しても意味がない。

 

マシュは悪気があってあんな事言ったわけじゃないけど、これはこれでふりだしに戻っただけなんだよね…

 

「マシュ」

 

「はい!先輩」

 

マシュの声はさっきのことについてすごく褒めてほしそうな感じだった。でもここで甘えさせるとこのループから出ることが出来ないので、アメを与えつつムチもやむおえないと思い。

 

「マシュ、止めてくれたことは非常に助かった。ありがとう。でもね?今落ち着いてるだろうから、周りの状況を見てみようか」

 

「?」

 

マシュが周りを見るとアノ体勢のまま固まっている。マシュはそれを見てから俺に向き直りそして。

 

「ごめんなさいっ、先輩!」

 

すぐにわかってもらえたので頭を撫でて収めた。マシュの件は。次に5人の所に行って、まずはエミヤから。

 

「エミヤ」

 

「すまなかった、マスター…。長引かせてしまって…。俺はなんということを…」

 

「うん、まあ、わかってもらえたならよかった。俺はもう怒ってないけど、あとで俺が注文する手料理を作ってくれるか?」

 

「あぁ、わかった!是非作らせてくれ、それでお詫びになるのであれば」

 

「うん」

 

エミヤの件、終了。次はクー・フーリン。

 

「クー・フーリン?」

 

「魔力供給は俺達の為でもあんのに、お前の魔力がなかったとしても戦えるけど、俺達ポンコツじゃねぇか…」

 

「………、つまり俺の魔力供給がなくても普通に戦えるんだな?よし、わかった。お前には魔力を渡すのをやめよう。いや、クー・フーリンの師匠にでも頼んd」

 

「嘘です!ごめんなさいっ!師匠だけは嫌だ!!」

 

「なら?」

 

「茶番とわかってて長引かせてすみません」

 

「よろしい」

 

クー・フーリンの件、終了。次はオジマンディアス。

 

「余は王であるぞ…。しかし余よりも下々の者が説教…。小娘の言葉でなければ万死ものであったぞ…」

 

俺が名前をいう前に既にブツブツ言ってた。俺がいることを忘れているみたいだった。俺は。

 

「オジマンディアス」

 

「!?」

 

耳元で囁いて気づかせ頭を上がらせる。オジマンディアスの顔はまるで「お前いたのか」という表情で見ている。そんな顔をしているオジマンディアスに俺は。

 

「王のお気に入りであるアーラシュさんを1日一緒にいる権利を与えようと思いましたが、取り消しますね?」

 

そう言うとオジマンディアスはいつも上から目線の俺達ではなく、弱々しくそして子供のように駄々をこねるわけでもないけど、首を横に振って拒否してくる。

 

「王はマシュの言葉は聞きますけど、俺の言葉は聞きませんよね?ということは『マスター』である俺の言葉より、デミであっても『サーヴァント』であるマシュの言葉の方が良いのなら、王はこれからマシュの言葉を聞けばいいんじゃないでしょうか?俺はそれでも構いませんよ?権利は俺にありますから、好きな方を選んでください?」

 

我ながら後で殺されかねないほどの大罪を犯してる気がする。

 

でも、俺がいなかったらあんた来れてないだろって思うくらいにはちょっと傷ついたのは事実なんだよね。これくらいは許してもらわないと困るかな

 

「余が悪かった…、主を忘れてたわけでは、決してなく…その……、いや…、言い訳は見苦しいな…。…だが、その権利を剥奪するのは……ぃゃ……である…」

 

最初は顔を見て言ってたけど、徐々に下がってついには声も小さくなっていった。

 

うーん、これだと効果薄いかな?もう少し強めに行こうかな??限度を考えて……

 

「声が小さいですね?それじゃあ、1日とは言わず3日間一緒にいる権利を渡します。その代わり3日間が過ぎたらこちらの要求を飲んでもらいます、しかし声が小さくなるようなら本当に剥奪しますよ?」

 

今度は強く頭を振るオジマンディアス。周りからしてみればとてもシュールな光景を見ているだろう。2人を除いて。そんな事言ってられないのでとりあえずスールで。

 

「王?」

 

「嫌だ、ごめんなさい…、剥奪は嫌だ…頼む……」

 

太陽王から『ごめんなさい』を聞く日が来るとは思わなかったけど、頭を撫でて終了。少し嬉しそうなオジマンディアスを見たのは内緒。

 

さて、次はイシュタルかな

 

「イシュタル?」

 

「マシュや演にそこまでの負担をかけさせちゃって、ごめんね…?神様なのにそこをわかってあげられないなんて…。神、失格だわ…」

 

「わかってくれてるなら、いいよ。でもその代わりイシュタルが良いなら1回飛行してみたいんだけど。ダメ?」

 

オジマンディアスと違って非を認めてくれるからスムーズに進む。

 

「いいわよ!それで気が済むなら!」

 

「まあ、見てみたいって気持ちはあったし。ちゃんとしたのをやるのは初めてだからね。前はゴルゴーンの戦いに備えて色々やってたからさ、アレはノーカンにしたいというか…」

 

「えぇ!マスターの頼みならしてあげるわ!でも、落ちないようにしっかり捕まりなさい?振り落とす気はないけど、1人用の乗り物だから扱いが難しいの。それでいいなら、いつでも待ってるわ!」

 

「じゃあ帰ったら楽しみにしてるね?」

 

「えぇ!」

 

イシュタルの件、あっさり終了。残りはギルガメッシュだけになった。

 

ギルガメッシュは手強そうだけど、どうだろ…

 

「ギルガメッシュ?」

 

「我をこれほど打ち砕く人間がいたとは…。しかし、この屈辱許すわけにはいかなi」

 

最後まで聞くことなくギルガメッシュの前にしゃがみ、顎を上にクイッと上げた。プチッという音が頭の中で聞こえた。

 

途中からキレてたけどね。さすがにこの状況がわかってないとは思ってなかったけど、ギルさんの方がまだ尊敬できるって思ったのは初めてだなぁ…

 

「わかりました。ギルガメッシュ王のみ聖杯の力を解きましょう。というかオジマンディアス王や管制室にいるギルガメッシュよりも、考えがまさか底辺だったとは思いませんでした」

 

「て、底辺っ!?………っ!!」

 

今の言葉でかんに触ったのか俺を睨むギルガメッシュ。しかし、すぐに顔が歪みそして真っ青になった。今の状況的に何かを察したみたいだった。

 

「マシュ」

 

「は、はい。先輩、なんでしょうか?」

 

「聖杯、くれる?」

 

「は、はい!わかりました」

 

とても穏やかな顔でマシュから聖杯を受け取った。周りや管制室にいる2人も絶句してた。何かを察して言葉を発さなかった。俺はまた振り向きしゃがむ。

 

「さて、これから何をするかはわかりますよね?」

 

「……ま、待て…」

 

「………、『聖杯よ、我の希望を」

 

「待ってくれ!!」

 

ギルガメッシュが俺の腕を掴み遮った。わかりやすく言うと、聖杯を持ってる方だった。

 

「なんですか?」

 

「悪かった…、今は、それしか言えん…」

 

他のサーヴァントのみんなと違って、これ以上の屈辱は見せられないと判断したギルガメッシュはそれだけ言って後は顔をそらした。

 

それで許せると思ってるのかな?この王様は。これ以上長引くのは正直、色々とまずいんだけど…

 

「そうですか、それしか言えませんか。ならそうですね、ギルガメッシュ王はその金ピカ装備を不服そうにしていましたし、格好を変えましょう。奴隷が着るような服装をしてみますか?ここの特異点であるシンボル服です。それを聖杯に頼んだら出してくれますよ?」

 

「っ!!?」

 

自分が発したものだったとしても、今はそんなことを考えていないギルガメッシュは今まで強がる仮面をかぶってたが、その仮面も徐々に取れてきているのか弱々しくなってきた。

 

「今の表情、ここににいる人に見られたらそれこそ苦痛であり屈辱だと思うんですが、どうしますか?……俺はまだ優しいと思うんですけどね?」

 

みんなには聞こえないようにギルガメッシュの耳元で囁いた。弱々しくなってるギルガメッシュは肩をビクッと震わせ聖杯を持ってない方の腕を掴み、頭を振った。

 

態度も精神も今は弱くなってるからだけどね?普通の状態でこんな事言ったら監禁どころの騒ぎなんて序の口で終わってると思う。…うん

 

「さっきと今現在の表情、屈辱な相手らしかここにいません。見せたらどんな表情を浮かべるんでしょうね?それなら俺に見られてた方が良いのでは?」

 

俺はそのまま立ち上がろうした。

 

ギルガメッシュのチェックメイトのお時間だったから。意味はこれから知ると思う

 

ギルガメッシュは見られたくないのか俺を立たせないように鎖で縛りしゃがみ固定して動けなくした。俺は意図がわかっているので何も言わずにされるがままで。ギルガメッシュはか細い声で。

 

「……ごめんなさい……」

 

とても小さな声。でも俺には聞こえる声で言った。

 

「太陽王であるオジマンディアスでも周りを気にせず声を出して謝罪しましたよ?そんなことすれば屈辱であり恥だとか言いそうな方が、恥を惜しむことなく言いました。英雄王であるギルガメッシュにはできませんか?」

 

「……っ!!……ごめんなさいっ…!」

 

「はい、それでは今後何をしてくれますか?」

 

「……お前の行きたい場所にどこへだって連れてゆく。それこそ、我のできることであればどんなことでも…」

 

「………、なら帰った時伝えるために考えときますね?覚悟はいいですね?ギルガメッシュ王」

 

「………はい…」

 

普段こんなキャラではないのは重々承知だけど、内密な話をして鎖は解けた。そして立ち上がる前にオジマンディアスと同じく頭を撫でる。するとオジマンディアスとは違って目を見開き、それはそれで固まってしまった。でもギルガメッシュの件、終了。

 

正直疲れた…。来てそんなに時間経ってない気がするのに疲れた…

 

終わった途端、膝が崩れて倒れそうになった。鎖によって痛みはなかったけど。

 

「お疲れ様でした。少しお休みになった方がいいと思います。目が覚めるまでギルガメッシュ王かエミヤ先輩、クー・フーリンさんの背中を借りるといいと思います。おやすみなさい、先輩」

 

その言葉で俺の意識はプツッと途切れそのまま深い眠りについた。





長くて本当にすみません。これがずっと続くと考えてください。
なにしろ僕はまとめるのが苦手で、長くなってしまう体質なんです。
短編とか向かない質なので(;´д`)
ともあれ、ちゃん話は進んでますから飽きはしないと思います。
………多分ですが……(゜_゜>)
そんな訳で、改めてよろしくお願いしますm(_ _)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。