長らくお待たせしました!
side.影
僕は奴隷に紛れた王の半身。誰もが僕を奴隷だと思っている。でも、僕の中にいる人が本当の王様。でも、こんな人間が王様と言えるわけないので従う。今僕はさっきのサーヴァントに囲まれていた人間を捕まえた。この器みたいな物も。この人間もいずれは奴隷として扱われるだろう。
でも、この人にはそれをして欲しくない…。せめて王様の傍にいる奴隷であれば安心だと思うんだけど…
そして僕はこの人についてる鎖のようなものが付いてることに気がついた。おそらくさっきの金の鎧をつけてる人のだと思うけど、これを利用させてもらおう。僕が王様に代わる前に紙に書いてそれを見てもらおう。
そうすれば上物だと思って扱ってくれるはず…
しばらくして城についた。中はもぬけの殻。さっきの奴隷達がここの住民だったりするから。
え?その住民をなんで連れてこないのか?あのサーヴァントたちが届けてくれると思うから…。それに僕は連れていける人数が1人だけ。だから、アレは置いてきた。あの人達に帰る場所なんてココしかないんだから…
そしてもぬけの殻になった城下町の目と鼻の先にはお城があり、お城の中には奴隷化してても尚、幹部と言われる臣下達がいる。臣下達は僕のことを奴隷だと思ってる。王様は王様、奴隷は奴隷。同じ人間だと思いたくないらしい。
臣下の人達は僕と王様のことを知ってる。でも、認めたくないがために僕の時は部屋が違う。僕が寝た後に王様の部屋に戻すんだ…。面倒なことだってわかっててもそうしてる。よっぽど一緒にしたくないんだなぁって、もう慣れたけど
「連れてきたか?」
臣下の1人に言われた。その質問に対して頷くと。
「さっさとしろ、ノロマめ!」
手荒な真似はしたくなあけど、気を失ってるしいいかと思って影の中から人間を出した。見慣れない服に見慣れない鎖が腕に繋がってる。それを取ろうとしても取れないので、仕方なく繋げたまま僕と一緒に牢獄へ入れられた。僕は既に鎖で縛られてるので何もされないが、人間の方は吊るされた鉄の手枷と壁に繋がってる足枷を付けられて身動き取れない状態にされた。僕はさっきの器を隠して、僕が寝るまでその人間を見ていた。しばらくしてると。
「んん…」
起きたのかな?
じっと見つめる。うっすら目を開けアクビをしてから周りをキョロキョロ。そして自分の侵されてる状態を察して目が覚める。
「えぇ!?」
声が大きい。起きたことに知らされたら何されるかわからない。とりあえず僕がその人間の口に手を当てた。見回りの人に見られたが、幸い何もなく通り過ぎていった。抑える手を取って改めてその人間を見る。
「……?」
見つめ返されてしまった。僕はあまり喋れるような人間じゃない。だから、黙られると非常に困る。目をそらすとハッとした顔で苦笑いしてきた。それから小さい声で話しかけてきた。
「……君が俺をここに連れてき人?」
僕は1つ頷いた。
「そっか、ここがどこだかって言える?」
「お城の中」
「てことは、この状況と状態を見る限りでは捕まったのか…。不甲斐ないなぁ」
人間の男の人はこんな状況でも笑ってる。
苦笑いだっととしても、笑えないと思うけど…
「君の名前は?」
「………」
「言いたくない?」
僕は何も反応しなかった。なのに。
「俺は演。異邦人だよ。って見ればわかるか…」
自分の名前も自分が何者なのかも明かしてくれた。これじゃあ礼儀知らずって思われちゃうかも。
「エイ……」
「うん?」
「……エイ・シャドー」
「エイ、か。よろしくねエイ」
「……ん」
名前を教えたらすごく嬉しそうな顔で向けられた。綺麗に笑う人を初めて見た気がした。
ここの国にそんな人いないし…
「!」
ん?何か見てる?
下に視線を向けると金色の器を見ていた。それを隠すと。
「それは大切なものなんだ!返してくr」
また大声を上げるので今度は影で顔を隠した。また見張り人が来てこっちを覗くが何もなかったようにまた通り過ぎ、そして去っていく。影を顔から離した。そしてキッと睨むと。
「ごめん、大声出して…。でもそれは本当に返してもらいたいんだ…」
頭を横に振る。
「そうだよね……。でもこれが良からぬことで使われると結構大変なんだよなぁ…」
良からぬこと?
僕は気になって演って人の服を掴んでクイクイと引っ張る。それに気づいた演って人は疑問顔をする。
言葉……、頑張ろう……
「……何か…あるの…?」
「その器はね?なんでも願いが叶うんだよ。どんな願いでも、ね?例えば富を得たいとかお金が欲しいとか権利が欲しいとかそういうのを叶えてくれるんだ。それはいい意味で使うならいいんだけど、悪いことに使うと国が一瞬で吹っ飛ぶんだ。そうなると、帰る場所が欲しいって言って人たちも一瞬で消えちゃう。それくらいの価値ある器なんだよ」
つまり王様じゃなくても使えるのかな??
「これ持つならちゃんと使ってくれる人の方がいいなぁ…。半端な人が使うと名に起こるかわからないし…」
やっぱり、そうなんだ…。じゃあ臣下の人達には渡せないかな…。あの人達、結構隙があればなにかとやらかすし……
「あ、そうだ…!ここって王様いるんだよね?王様にだったら渡しても大丈夫かな?でも臣下の人に渡さないといけないってなると、なんか嫌な予感がするんだよね…」
この人、鋭い…。会ったことないはずなのに…
「……この器が、小さかったら……」
と、気づいた時にはボソッと呟いていた。演という人は何かにハッと気がついたかと思ったら目を輝かせて僕をバッと見た。僕はギョッとしてると。
「ちょっと一かバチかやってみないとわからないけど、やってみる価値はあるかも…。ねえ、エイ?」
「?」
「ちょっと耳かして?」
「??」
言われるように耳を貸してコソコソ話をしてきた。ちょっとくすぐったかったけど、ちゃんと聞いた。内容はこうだった。
『この器に小さくなってもらおう』
ということだった。やり方は簡単だった。まずこの通路に誰もいないかを確認。それが出来次第、演って人にこの器を渡しその願いを叶えさせるということだ。
本当に出来るのかな…?
まずは僕が影を使って見周りの人がいるか探索してみる。周りや曲がり角などのところを見る限りでは臣下の人はどころか、見回りの奴隷もいない。
多少の大きな声も多分、聞こえないかもしれない
しばらくして影が戻ってきた。頭を横に振っていないことを示した。それから演って人に器を持たせた。
「今回はあの決めゼリフは、省こう…うん」
なんだかブツブツ言ってる。息を整えて器にこう言った。
「器よ、今すぐ小さくなれ」
口にするだけじゃなくて、ここから祈ってる姿はなんだかカッコよくて、格好は仕方ないけどそれでも僕にはかっこよく見えた。すると、器から変化が見えた。
「思った通り小さくなったね。これは君に渡しておくけど、起きた時に王様の方にもし届くことがあったらこの器を大きくするように言って?元に戻るから。それから、周りの人には気をつけてって」
こんな状況でも自分より他人である僕やあの人にそう言った。僕は頷く。そしてそれを影の中にしまい、眠くなるまで話をした。僕がこういう人間だとしても、この人はちゃんと聞いてくれた。すごくいい人なんだという事はわかった。そして時間が経ってだんだん眠くなってきた僕は最後に告げた。
「……王様、明日、会えるよ……。…でも、服、脱がされる……。奴隷、に、なるから……」
そこで僕は目を閉じた。初めてのたぬき寝入り。それを見た演って人は一緒に寝てくれた。本当に寝たであろう演って人は寝息をたてて寝ている。
なんでそんなに安心して寝てるんだろう…
でも僕も少し安心してる。今まで1人だったからかもしれない。友達にはなれないけど、心が落ち着く人に出会えたのはこれが初めてかもしれないと思った。
演って人って言いづらいから演さんって呼ぼう
しばらくすると、いつもの時間帯に臣下達がやってきて牢獄から僕を出し王様が使うようなとても輝いてる場所に移された。それから僕の愛用してる黒い首巻きと高価な白い首巻きと交換された。
つまりこの国の宝とも言われる王様が着ける首巻きなんだけど、それを着けて起きた時には変わってるんだ…。名前は、多分その時にわかるよ
臣下達はすることをしたら部屋から出て立ち去った。僕は寝る前にさっきの小さくなった器を取り出して握る。それから目を閉じてそのまま深い眠りに入った。
それと、視点の話ですが。
主に主人公メインでやりますが、時々マスターやごく稀にマシュが視点になることがあります。
他のキャラ達はあまり、視点に使用するつもりはありません。
悪しからずm(_ _)m