※この作品はR-18です。

異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:もっち~!

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商談 Part4

---シュウ---

 

そして、迷宮へ…カリナなのだけども、ラカという魔法道具のおかげで、ライトニングナックルが使い込めていた。予想外の戦力アップである。

 

前衛はリザ、タマ、ポチの連携で、単体ならこれで対処できている。中段にはアイズ、ゼナ、カリナ、リーンを配置し、複数の敵の場合に前衛をアシストさせていく。万が一の時はリヴェリアの魔法もあるし、奇襲された場合は僕と白音で対応だ。セーラには治癒術を教え込んでいる。回復役が多い分には困らないから。

 

「逃げてくる人達がいるのです」

 

ポチが反応した。トレインか?魔物を引き連れて逃げる行為は、罰則があるはずだ。ここで食い止めるか。

 

「前衛と中段を交代だ。トレインだったら、ここで断ち切る」

 

リザ達は下がり、トレイン対策をする。防御能力が低い初期の三人娘は、手練れであるゼナ達が防御して居るすきに、叩くように指示をしてある。

 

「おい、逃げろ!ギガントアントの大群だぞ!」

 

男性だけのパーティー逃げ去っていく。

 

「助けてぇ~!」

 

女性の叫び声がした。最後尾かな?女性の声に誘われて、僕が様子を見に行った。脚を喰われている女性が一人。ポーターという荷物運びのようだ。真空刃で食らいついている蟻さんの頭を切り落として、女性を助けて、抱えて逃げる。

 

「もう少しだ、がんばれよ♪」

 

このポーターを雇ったとみられるパーティーのメンバーに声を掛けた。そして、仲間のいる場所まで後退した。

 

「エリザベス、この女性を頼む。止血と化膿止めくらいでいいぞ」

 

「了解です」

 

セーラはエリザベスの処置を見つめている。どうすれば良いのかを頭に叩き込んでいるようだ。

 

「ゼナ!来るぞ!ゼナ、リーンで足止めをしろ!」

 

「はい!」

 

「リザとカリナは正面からの攻撃、タマ、ポチは側面だ。アイズはタマポチの援護だ!」

 

「はい♪」

 

ドン!

 

「うっ!」

 

ゼナとリーンが盾を使って、防御するが、勢いがある分、後ずさりしてしまう。

 

「やぁ!」

 

リザが、槍を蟻さんの口に突っ込み、内部から頭部を破壊していく。蟻さんの攻略は、口の中からの攻撃か、関節裏から切り落とすと、割りと楽に制圧出来る。

 

アイズが二降りのデュランダムを手にして、関節を切り刻んでいく。動きが一瞬止まった蟻さん達は、ポチ、タマの餌食になっていく。

 

う~ん、多いな。アイズ達に疲れが見え始めた。

 

「アイズ、引け!ポチ、タマもだ」

 

僕が行くかな♪愛剣を腰に携えていく。そして、『ダイヤモンドダスト』で、まず蟻さんの先頭チームを倒して、戦闘域を確保した。『ダイヤモンドダスト』はダイヤモンドの微粉末を光速で撃ち出す殲滅級魔術である。いくら装甲が固い蟻さんでも、ダイヤモンドの硬度には勝て無いのだ。

 

「はい?魔法1発で殲滅ですか?」

 

ゼナが驚いている。

 

「ゼナ、よく耐えたな」

 

頭を撫でて上げると、顔を真っ赤にして喜んでいるようだ。ゼナ達の前に進み出て、蟻さんに意識を集中していく。第二陣が見えて来た。得意な剣技である4刀流での飛ぶ斬撃を放っていく。

 

僕の飛ぶ斬撃はポチとリザに教えたのとは違い、刃先に乗せたオーラを飛ばすのでは無い。

 

剣に宿る者達の力を解放して放っているのだ。名も無き聖王が宿る妖刀村雨、初代ハーデスが宿る妖刀村正、黒炉と呼ばれた炎の精霊が宿る魔剣セル=べレスタ、初代KIVAに仕えたキバット族が宿る魔皇剣ザンバットソード。彼らの力を解放して撃ち込んでいるのだった。なので、威力は絶望的な程である。この剣技の難点は、放った後、鞘に一度戻さないと、再度放てないことである。僕は居合い斬りを駆使して、この難点を乗り切っている。

 

うん~、威力がデカ過ぎて迷宮が壊れているような気がする。

 

「シュウ様…崩れそうなんですけど…」

 

背中越しにゼナの震える声が聞こえる。うん、僕もそんな気がしているんだよ~♪剣技を止めて、様子を窺いながら、魔核を『強奪』で回収していく。

 

「ポチ!蟻さんはまだいそうか?」

 

「まだいるようなのです」

 

いるのか…どうするかな…見えない位置にいると『ダイヤモンドダスト』は放てない。光速で撃ち出すので、途中で曲がらずに、直進していくのだった。

 

「撤退っていう手もあると思うが…」

 

とカリナ。それも手である。この状態なら、トレインは避けられると思う。何よりも、この先の曲がり角が、脆い状態になっている予感がする。床が抜けたら大惨事だよな。

 

「よし、撤退だ♪」

 

僕は勇気ある撤退を選んだ。

 

-------

 

迷宮を出た処で、取得した魔核を提出する。手に入れた魔核は全量、ギルドで買い取りになるのだ。が…

 

「うっ!なんですか、この量は?」

 

蟻さんから得た魔核が、カウンターの前に山積みになっている。1000近くいたんではないか?で、アーゼの処で処分したクラゲさんの魔核もこっそり全量、仕込んであるので、万単位の予感である。

 

「あ、あの…ローンで良いですか?」

 

係員の人が訊いてきた。

 

「査定が先ですよ♪」

 

「査定の時間をください…」

 

魔核を1つ1つ鑑定して査定するらしく、量が量だけに時間がかかるらしい。

 

「で、赤札になれますか?」

 

赤札とは、中層へ行く為の許可書のことである。

 

「間違い無く…」

 

一人頭100個程度でなれると、以前聞いていたので、間違いは無いだろう。

 

「じゃ、ローンでかまいません♪」

 

僕達は住処へと戻った。

 

-------

 

潜ったことで、問題点がわかった。スタミナ不足である。大群相手だと、ばててしまうようだ。

 

「体力、スタミナを増強だな♪」

 

効果的なトレーニングって、持久走かな?

 

「種族的な問題だと思いますよ」

 

とラム。まぁ、人間に近い種族で編成したパーティーだものな。ファルコン達のようにはいかないか。

 

蟻さんの表皮を錬金しながら、考えを巡らせている。誰か、借りた方が良いのかな?先輩と後輩氏を入れるって手もあるかな?チーターコンビを思い浮かべた。ゼナがネックにはなるけど…う~ん…

 

「カリナ、コレを付けてみて」

 

錬金した物をカリナに渡した。

 

「ギガントアントのハーフアーマーですか?」

 

「うんうん♪カリナだけ無かったからね」

 

リザ達には以前、渡してあり、防御力の実証は終わっている。

 

「軽いし、動きやすいです。ありがとうございます」

 

「それはカリナ専用だよ。採寸して作ってあるし」

 

「はい?いつ採寸されたのですか?」

 

「この前、抱いた時にだよ♪」

 

僕の言葉で、カリナの顔が茹だって行く…

 

 

 

---サトゥー---

 

峠道で、リリオ達に出逢った。

 

「おぉ、サトゥーじゃないか♪」

 

「リリオ達も迷宮都市へ?」

 

「そうだよ。迷宮の運営方法を学びにな」

 

この世界では、迷宮は観光資源であり、魔核の取れる鉱脈のような物らしい。それぞれの都市で、迷宮にいる魔物を街に出さない工夫をして、冒険者達を呼び込み、街としての収入をアップさせるのだそうだ。

 

「じゃ、ゼナと再会は確定だな」

 

そうなるよな。アイツと一緒にいるはずだから。

 

「迷宮都市には、超つえぇ~パーティーが2つあるらしいぞ」

 

2つ?1つはアイツの処だろうな。もう1つが気になる。そこを味方にすれば、アイツに対峙出来るかな?

 

峠を越え、迷宮都市が見えて来た。関所には長い行列が出来ている。商人のキャラバンのようだ。

 

「なんで、迷宮都市に、商人のキャラバンなのかな?」

 

って、アリサも疑問に思ったようだ。

 

「あぁ、なんでも魔核が大量に売りに出されているそうだよ」

 

リリオは迷宮都市の情報が豊富なようだ。定期便で連絡が届いているのかな?

 

「大量にって、大量に持ち帰った者がいるってことですよね?」

 

アイツの顔が浮かぶ。

 

「尋常じゃない数を1回で持ち帰ったパーティーがいたそうなんだよ」

 

絶対に、アイツだ。

 

「尋常じゃない数って?」

 

「万単位だそうだ」

 

言葉を失う俺…万単位?尋常では無い。そんなに魔物がいる迷宮なのか?そうだとすると、ここはかなり危険に思える。

 

「ギルドが買い取りの支払をローンにしたらしいよ」

 

街の予算を食いつぶす額か?アイツ…資金融資なんか、必要が無いのか?

 

「サトゥーは爵位持ちだろ?」

 

「そうですが…」

 

ムノー男爵から名誉士爵に任命され、ペンドラゴン卿を名乗っている。

 

「なら、向こうにある、爵位持ちと軍関係者の為の関所から入ることができるぞ♪」

 

意外にあっさりと街に入ることが出来た。リリオ達は軍関係者と会うらしいので、ギルドの前で、別れた。ます、住処だよな。ギルドの建物に入り、良い物件が無いかを訊いてみた。

 

「人数が少ないから、これなんかいかがですか?」

 

日本の住居事情からすると、広めな邸宅を紹介された。場所は貴族街にあるそうで、価格も手ごろであったので、即決した。

 

 

 

---シュウ----

 

サトゥーのオーラを感じた。この街に着いたのかな?顔でも見てくるかな?って、アイツの家はどこになったんだ?地図を見ながら、アイツのオーラを探る。う~ん…この辺りでは無いようだ。まぁ、いいか。早速、転移した。

 

サトゥーの家は、道を2本挟んだ辺りであった。

 

「よぉ♪」

 

リビングでくつろいでいるアイツに声を掛けた。

 

「お前…」

 

ミトとテンちゃんが敵意を持って睨んでいる。ナナは、僕のことを忘れているようだ。

 

「シュウ…」

 

「先輩、挨拶に来ましたよ♪」

 

ズン!

 

殴り掛かって来たテンちゃんを、返り討ちにした。その場で、崩れていく彼女。

 

「久しぶりにミトと遊ぼうかな?」

 

ミトがサトゥーの腕に抱きついた。

 

「用件はなんだ?」

 

サトゥーが無表情で訊いてきた。

 

「雇いたいんだよ。先輩と後輩氏をね。ちょっと、僕のパーティーはスタミナ不足で、中層がきつそうなんだよ」

 

「俺とミトを雇うのか?」

 

「そういうことだ。どう?悪い話では無いだろ?」

 

「トレードが条件だ!」

 

サトゥーが取引を申し出た。

 

「どういう取引かな?」

 

「報酬としてゼナさんをもらう」

 

「悪いな。ゼナは物品ではない。報酬の対象にはしない。では、決裂ってことで良いんだな?」

 

サトゥーはチート技なのかな?無表情である。結構、心では思案しているんだけど。読心術持ちの前では、無表情は無意味だよ♪

 

「待って!私が供物になる。だから、イチロー兄ぃを雇って…」

 

ミトが震えながら、取引を持ちかけてきた。

 

「ミト!ダメだ。アイツの玩具にされるだけどぞ!」

 

サトゥーが引き留めている。

 

「じゃ、ミトの勇気に免じて、猶予を与えてあげるよ。次に僕達が潜るまでに決断してくれ。こっちも助っ人を用意する都合があるんでね。じゃあなぁ~♪」

 

自分の住処に戻る僕。う~ん、ネギ太郎を呼び出すかな。アイツの防御でアイズ達を休ませるのも手ではあるし…ネギ太郎とは、僕の弟子で、完全調整体と呼ばれる人造人間である。『フルカウンター』と言う絶対的な防御を持ち、殲滅魔法を8つ所持している猛者であるのだが、高位魔法を詰め込み過ぎた為、記憶力に難点があるのが玉に瑕である。

 

 

 

---ミト---

 

アイツが転移していった。テンちゃんはのびたままだ。

 

「どうするんだよ。手を組めそうだったの…」

 

イチロー兄ぃに詰め寄った。

 

「ミトは渡せない」

 

「私以外は、いらないと思うよ」

 

実際問題、私しか取引の材料はいないと思う。ナナさん、アリサさんは、アイツが不要と判断して、兄ぃに渡した気がする。テンちゃんは論外だろうし。

 

「そうかもしれないが、応じられない。もう1つのパーティーに打診をしてみよう」

 

翌日、もう1つのパーティーの情報を、ギルドで集めて廻った。チーム名はファントムドラグーンで、リーダーはファルコンという戦士のようだ。

 

兄ぃと二人で、ファルコンと言う人物に会いに行った。

 

「あぁ、あなたがペンドラゴン卿ですか。で、どう言った、御用件ですか?」

 

彼の仲間からは異様な気配がする。彼らは人間では無いようだ。これって…

 

「同盟を組みたいのです。資金的に余裕があるので、見返りは冒険資金でどうですか?」

 

「お断りします。我々は資金に困っていません。それに金で忠義を売り払うマネはしませんよ」

 

忠義?誰に対する?生きて、ここを出られない気がするのだが、兄ぃは平然としている。

 

「忠義をお金で買おうとは思いません」

 

「では、訊こう!ペンドラゴン卿、何の為の同盟ですか?」

 

「神を名乗る輩に対抗する為です」

 

「団長は名乗っていないはずですが…嘘はいけませんよ♪」

 

団長?まさか…

 

「そう、まさかですよ♪あぁ、申し遅れましたが、私達は幽玄龍騎士団の団長の親衛隊です」

 

イヤな予感がする。団長って…

 

「団長とは?」

 

「僕のことですよ、先輩♪」

 

アイツの声がした。ファルコンさん達が、一斉にアイツに跪いた。終わった…死亡フラグが立ったと思う。

 

「シュウ…」

 

兄ぃは驚く様子は見せずに、無表情である。

 

「まさか、ファルコンと同盟を組もうとするとはな。サプライズをありがとう♪」

 

いつもとは違い、アイツの目は笑っていない。怒らせたようだ。

 

「団長、どうしますか?」

 

「どうしようかね?殺す価値は無い男だし。スルーでも良いと思う」

 

アイツの目は私を捉えている。そういうことなんだろう。

 

「兄ぃを生きて出してくれたら、私が供物になる」

 

「その願いを叶えよう♪」

 

兄ぃが強制転移された。私の首に奴隷の首輪が嵌められた…

 

 

 

---サトゥー---

 

セーリュー伯爵領へ強制転移させられた。目の前にはゼナさんの墓がある。そういうことなのか。アイツは未だに怒っている。俺がゼナさんにした行為にだ。

 

ミトは無事だろうか?迷宮都市へと急ぐ俺。迷宮都市の家に着いたのは夜になった頃だ。

 

「どうだったの?って、ミトさんは?」

 

アリサに訊かれた。返す言葉が浮かばない。

 

「まさか、奪われたの?」

 

「もう1つのパーティーも、アイツのパーティーだった…」

 

「え…」

 

アリサが言葉を失う。まさか、アイツの親衛隊だったとは…強い訳だ。アイツを守護する者達。当然、アイツ並に強いのだろう。

 

そうだ、ミトとメッセージ交換ができるはずだ。

 

『大丈夫か?』

 

『生きているよ…アイツの奴隷にされたけど…』

 

奴隷?ミトがか?

 

『奴隷の首輪というアイテムで、アイツの奴隷に身を落としている』

 

なんだ?そのアイテムは?聞いた事がないが。

 

『何かされているのか?』

 

『全裸にされて、放置プレイだよ。何もしない。視姦ってヤツだな』

 

何?見ているだけなら、返して欲しい。

 

『もう、アイツに関わるなよ、兄ぃ』

 

そうもいかない。後、頼れるのはリリオ達か…

 

 

 

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