※この作品はR-18です。

異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:もっち~!

15 / 65
03/06 誤字を修正


王都の長い夜

---ギルド長----

 

迷宮の一部が破壊されたそうだ。やった人物は分かっている。

 

「どうしますか?」

 

ギルド内で会議をしている。

 

「どうもこうも無いだろ?入るなとは言え無い。破壊するなとは言えるとは思うが」

 

現在、上層から中層への扉へ行くルートは閉鎖中である。数え切れないギガントアントの死骸で埋め尽くされていた。床の抜けた部分はギガントアントの死骸で埋まっている。これは下の階層の通路が埋まっていることを意味している。

 

「とんだ散財だよ…まぁ、当分、魔核は取れなくても良い位、貯蔵量があるからいいが」

 

この街の財政で払えきれない魔核…あの方は1日で、あの量の魔物を倒したのか…敵にはしたくない攻撃力である。

 

「年末年始は、復旧作業をするよ!」

 

ギルド員達に発破を掛ける。

 

 

 

---サトゥー---

 

ミトがどこで和食三昧しているのか、わからない。今朝は、鰺の干物定食のようだった。

 

「いいなぁ…私も食べたいよ~」

 

アリサが和定食に飢えていた。いや、俺もそうだけど。

 

『おい、そろそろ、どこで食べられるのか、教えてくれ!』

 

ミトへメッセージを送った。

 

『大晦日はエビ天の載った年越しソバだって♪』

 

羨ましい…ソウルフードに飢えている俺とアリサ。

 

『取引してくれ!』

 

心の叫びをメッセージで送った。

 

『サトゥーさん、取引の材料が無いんでは?』

 

って…はっと、気づいた。シュウ絡みか…アイツ…和食を持ち込んでいるのか。

 

『俺を雇ってくれ…』

 

『いらないって♪』

 

そんな…俺のチート技が必要だろうに?

 

『サトゥーさんに出来ることって、私にも出来るから。二人もチーターはいらないそうです♪』

 

ミトは完全にシュウに寝返った気がする。食い物で釣られたのか?

 

-------

 

王様に朝食会に誘われた。断る訳に行かない。

 

朝食会には俺とムーノ男爵でお伺いした。娘枠のアリサだけ連れて行く訳に行かないから。ナナが不規則発言をしそうで恐いし。

 

長テーブルの下座に座る。上座にはロイヤルファミリーが座るらしい。上座側のドアが開き、王様とアイツが入って来た。アイツの後にはテニオン神殿の巫女であるセーラ、リーングランデ嬢、カリナ嬢、ゼナさん、ミトが付いて来て、席に着いていった。どうして、アイツが上座に座っているんだ?

 

そして、朝食会が静かにスタートした。王様と歓談するアイツ。どういう立場なんだ?

 

「それでじゃ、今年の最後の日に、シュウ様の戦いが見たいのですが、いかがですか?」

 

「僕ですか?猛者のペンドラゴン卿で良いでは無いですか。僕なんか、戦闘向きでは無いですよ」

 

って、会話が聞こえて来た。

 

「相手は、我が国が誇るシガ八剣という騎士達じゃ。いかがですか?」

 

「ペンドラゴン卿にお譲りします」

 

「そうですか。そういうことだ、ペンドラゴン卿よ!楽しませてくれ給え!」

 

って、俺に話が飛んで来た。

 

そして、食事会が終わり、アイツ達が部屋を出て行く。何故か王様が見送っているんだけど…立場が逆では無いのか?

 

 

 

---シュウ---

 

朝食会を終えて、廊下へ出ると、知らない白い鎧の戦士が、僕に近づいて来た。ゼナとリーンが僕の前に立ち、盾代わりになった。ミトとカリナが僕の両隣で臨戦態勢になっている。

 

「ほぉ~、教育が行き届いていますな」

 

「無礼ではないか?名乗らずに、話掛けるとは」

 

リーンが応対をしてくれた。

 

「私はシガ八剣の一人、『雑草』のヘイムだ。明日の夜、我が屋敷でシガ八剣を集めた晩餐会を開くのだ。陛下よりオーミィ牛の良い肉を下賜して戴いたので、皆に振舞おうと思ってな」

 

オーミィ牛?近江牛のことかな?

 

「そうですか?ペンドラゴン卿を、お誘いされたらどうですか?」

 

「貴様に来て欲しいのだよ」

 

「申し訳無いですが、僕は食欲はあまり無いです」

 

「なぜ、王様の孫を二人も眷属にしておるのだ!」

 

「眷属?それは違います。旅の仲間ですよ」

 

何が目的だ?ここで潰してもいいかな?僕の苛立ちを感じたのか、セーラが背中に抱きついた。

 

「ダメですよ」

 

セーラのオーラと声と胸の感触で、クールダウンした僕。

 

「おい!王様の孫に抱きつかせるとは何事だ!」

 

うん?えん罪だ。セーラの意志で抱きついて来たんだし。

 

「おい!ヘイム!噛みつくな!一応、彼は王様のファミリーの一員なんだからな。」

 

「しかし…ジュレバーグよ!」

 

ヘイムが老騎士と話し始めた。

 

「で、用件が無いなら、そこを退いてくれるかな?」

 

騎士2名に声を掛けた。

 

「明日の晩だ!待って居るぞ!」

 

「悪いけど、僕は男とデートはしない主義だよ」

 

「貴様!」

 

ヘイムが剣を抜いた。松の廊下で抜くのと、変わらない気がするんだけど。

 

「おい!何をしておるのだ!」

 

王様付きの大臣がやって来て、シガ八剣の二人に声を掛けた。

 

「話し合いが決裂したら、剣を抜かれたのだが、ここで戦っても良いのかな?」

 

「ダメです。戦わないで、お帰りください。此奴らには私の方から話をします」

 

「じゃ、そういうことで♪」

 

僕達は、迎賓館を経由して、キャッスルドランへ転移した。

 

-------

 

シガ八剣の夕べの会、当日。王都上空で待機しているぼくの浮遊城。この国を代表する騎士達と力自慢を集めた夕べである。僕がテロリストなら、確実に狙うって思ったからだ。

 

それは突然現れた。飛行物体が5つ。主砲を叩き込んで粉砕した。主砲が当たった瞬間、キノコ雲が生じた。

 

「なんですか?あの威力は…」

 

ミトが驚いている。この城の主砲は核弾頭並の破壊力である。核は使っていないので、放射能汚染の心配は無い。って、いうか、アイツら爆弾を持っていたみたいだけど…

 

『空爆部隊は殲滅したよ』

 

ミトがサトゥーにメッセージを送信した。

 

 

 

---サトゥー---

 

シガ八剣の夕べに参加して、牛肉を堪能していたのだが、何かが5つ近づいて来た。だけど、いきなりの消失。それと同時に、ミトからメッセージが届いた。

 

『空爆部隊は殲滅したよ』

 

アイツが外を護っているんだ。じゃ、俺は室内を護るか。この食事会に潜入していた暗殺者と対峙し、戦闘を始めた。神殿騎士のジゾンと名乗ってはいたが、二つ名に『暗殺者』とあったので、マークしていた。

 

手練れのようだ。俺と戦いながらも、シカ八剣のカタナ使いのバウエン氏が瀕死、老騎士のジュレバーグ氏も半死半生の重傷である。

 

ジゾンの手にした魔剣、それが黒く染まっていく。その黒さが手から身体へと移っていき、全身を黒く染めていく。そんなジゾンの左右から「雑草」のヘイム氏の大剣と「草刈り」のリュオナ女史の大鎌が襲い掛かった。

 

ジゾンは、瀕死のパウエン氏を盾代わりに使い、ヘイム氏の攻撃を防いだ。リュオナ女史の大鎌の刃は、ジゾンの黒い身体に突き刺さらずに滑っていく。

 

余裕の笑みを浮かべたジゾン。だけど、頭からお尻に掛けて、一刀両断にされて、左右に切り分けられた。

 

「先輩♪何をしているんですか。あんな雑魚に手間取るなんて♪」

 

アイツがジゾンの頭上に転移してきた。

 

「先輩♪怪我人を頼みますよ。僕は、新敵と遊んできますから♪」

 

嬉しそうにアイツが転移して消えた。

 

 

 

---シュウ---

 

建物の外に転移すると、クロスボウが何本か飛んで来た。攻撃を透過させた。次の瞬間、血柱が十数本上がった。

 

物陰からアサシンが数名飛び出して来た。細いラインを相手の心臓へ目がけて、突き刺した。魂に宿るエネルギーを吸い出すソウルドレインをさせて貰う。その場で息絶えるアサシン達。

 

空からデカい魔物が落ちて来た。潰すのか?『ダイヤモンドダスト』で木っ端微塵に粉砕した。

 

「旦那様、警邏中の騎士の方がお見えです」

 

この屋敷の使用人が、この屋敷の主に聞こえるように大声で叫んでいる。

 

騎士にしては、黒いオーラ持ちだな。それに、巡回隊に不似合いな大盾を持った者が6名に、火石が先端に付いた長柄武器を持った者が10名、魔法使いが4名、その他10名の合計30名の部隊だよ。この国の巡回隊は、機動力が無いのかな。妖しい。次の瞬間、血柱が30本ほど上がった。僕の仲間は、躊躇しないんだよ♪

 

『お兄様。セーラさんの神託です。「王都に悪夢が訪れ、天より黒き災いが舞い降りる」だそうです』

 

白音から念話が入った。天より黒き災い?

 

『フィン、空から何か落ちて来たら、殲滅してくれ』

 

『了解』

 

僕は、キャッスルドランの指揮を任せている、フィンに指示を出した。それから10分ほど経つと、王都の3箇所に赤縄模様の魔物が現れた。王都内に部隊を展開していたので、出現後1分くらいで消滅させることが出来た。

 

しかし、ゾクゾクと現れる魔物達。キリが無いのか?まったくもう。

 

『団長、上空に魔法陣が出現しました』

 

フィンから報告が来た。空を見上げると、デカいのが発現している。う~ん、何をするんだ?

 

『ミト、サトゥーに小物をまかせたと、伝言を頼む』

 

『はい♪』

 

ミトとサトゥーはメッセージでヤリトリが出来る。便利である。で、キリの無い魔物対策にアイツを使うか。便利な魔法ランチャー君を♪

 

『フィン、出現した魔物の座標点をネギに転送していってくれ』

 

『了解』

 

『ネギ、任せた』

 

『了解です♪』

 

仕事を任されたので、嬉しそうな声のネギ太郎。

 

『団長、上級魔族みたいです』

 

って、ネギからの念話。魔法で倒せないらしい。ソイツの元へ行く。桜餅の親玉のような形である。被害を少なくさせる方向で、桜餅の内部に透過侵入して、本来のオーラを瞬間放出。桜餅だけ灰に還した。街は大丈夫だったかな?

 

って、桜餅が…灰にしたはずの桜餅が復活していた。なんだ?

 

『さあ、どうするポヨ?お前の攻撃は通用しないポヨ。観念して固有スキルを使って攻撃してくるポヨ』

 

固有スキル?僕の固有スキルってなんだ?もう一度、本来のオーラで灰にするが…

 

『今日は魔力が溢れてるから復活し放題――』

 

復活?効果が無い?なんだろう?何か見落としをしているのか?うん?先程のと固体が違う気がする。どこを斬っても金太郎のような感じなのか?って、ことは、複数居るって事かな?灰にしても、別の固体が出現って感じかな?どこに隠れているんだ?おっ!空間に切れ目を発見♪

 

ネギに切れ目の座標点を転送した。そして、三度灰にして、復活しようとした処で、

 

『ネギ、コキュートスを撃て♪』

 

『はい♪』

 

4体目が空間の切れ目を通過中で固まり、空間は閉じる事がことが出来無い。隙間から冷気が張り込み、残りの固体も凍らせていく。精神や魂までもを凍結させる魔法である。空間の切れ目を凍結し、出口を塞いだ。あと、コキュートスの利点は、形の無い物を固形化出来ることである。更に、正確には魔法では無いので、カウンターをされにくい。敵がカウンター持ちの場合、ネギがフルカウンター持ちだから、千日手にはなりそうである。

 

『ネギ、ダイヤモンドダストで粉砕だ』

 

『はぁ~い♪』

 

桃色の粉雪が舞っている。実際は雪では無くクラッシュアイスに近いけど。

 

後は、魔法陣かな?上空を見上げると、ミトが呪文を唱えていた。

 

「……■■■■■■ 神威崩魔陣!!!」

 

その呪文により、巨大な魔法陣が消えていく。

 

「え?サトゥーさんから、伝言です。何かの詠唱をされたって…」

 

ミトからサトゥーからの伝言を聞いた。なんの詠唱をされたんだ?

 

天を見上げると、月をバックに三本の黒いラインが見えた。なんだよ~、あれは?

 

「あれって…神さま…」

 

ミトが呟いた。この世界の神か?ならば、僕の出番かな。本当の姿になる。三本のラインが怯んだように見えた。ふふふ♪『神殺し』を舐めるなよ♪初代ハーデスが宿る、妖刀村正を手にして、翼を展開して、黒いラインに戦いを挑む。

 

う~ん。コイツらには、魂が無いようだ。村正の『魂喰い』の効果がまるで効果がない。この世界の法則が分からない。どうするよ、これ…そうだ。触れた物を全て燃やしきって灰にする黒炉の魔剣セレ=ベレスタに持ち替えた。これならどうだ。コイツらは、神で無い気がする。そうそう、本当の姿だと魔物扱いで、勇者に襲われる危険があるので、人の姿に戻った。で、これって髪の気がする。セレ=ベレスタに触れると燃え上がっていく髪3本。なんだかなぁ…

 

「ミト!もう終わりかな?」

 

ミトが全マップ検索をして、索敵をしてくれた。

 

「はい♪」

 

「じゃ、撤収をするぞ!」

 

キャッスルドランへ帰還して、皆が帰還すると、アーゼの待つ森へと転移した。

 

 

 

---サトゥー---

 

王都が危機を逃れた翌日。俺は国王より表彰された。そして、男爵への爵位を新年のパーティーで授けるとまで言われた。アイツの手柄が全て俺の手柄になっている。何故?

 

「何故ですか?アイツの手柄ですよ!」

 

王様に言葉を投げた。

 

「あの方は表に出たがらない。それだけじゃ」

 

表に出たくないからって、俺に手柄を丸投げなのか?なんだ?その欲の無さは?

 

「あの方の望むことは、平和な世の中だけじゃ」

 

なんだ?そのスケールのデカい望みは?

 

「欲は無いんですか?アイツには」

 

「有るのは性欲だけと、仰っておった」

 

性欲以外の欲が無いのか?おかしいだろ?その後、シガ八剣のみんなに感謝され、名誉騎士の称号も贈られることになったそうだ。どんどん、この世界での俺は立身出世の道を歩んでいた。

 

--------

 

その夜、迎賓館の1つで、舞踏会が開かれた。あんな事件があったばかりなのにって疑問を大臣に向けると…あんな事件があったからだと言う。そういう考え方も出来るかもしれないけど。違和感がぬぐえない。

 

下級爵位の俺は、早い時間に入場した。まだ、参加者達がまばらである。そんな中、入り口の方で歓声があがった。俺達は歓声のした方へ行くと、馬車からアイツが降りて来た。そして、アイツがエスコートした相手は、見た事の無い人物であった。ステイタスを確認すると、ハイエルフのアイアリーゼ・ボルエナンと表示された。

 

「ハイエルフ様が正妻で、王さまのお孫さん達が側室だそうよ」

 

「さすがは主様よね」

 

って、会話が聞こえて来た。主様?アイツのことか?なんの主様なのだ?

 

ハイエルフをエスコートしているアイツの後に、セーラ嬢、リーングランデ嬢、カリナ嬢、ゼナさん、ミトが続いた。まさか、ゼナさんとミトも側室なのか?

 

アイツらは2階にある観覧席に座った。王様がアイツにご機嫌伺いをしている。アイツ…何者だ?

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。