異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
---ギルド長----
迷宮の一部が破壊されたそうだ。やった人物は分かっている。
「どうしますか?」
ギルド内で会議をしている。
「どうもこうも無いだろ?入るなとは言え無い。破壊するなとは言えるとは思うが」
現在、上層から中層への扉へ行くルートは閉鎖中である。数え切れないギガントアントの死骸で埋め尽くされていた。床の抜けた部分はギガントアントの死骸で埋まっている。これは下の階層の通路が埋まっていることを意味している。
「とんだ散財だよ…まぁ、当分、魔核は取れなくても良い位、貯蔵量があるからいいが」
この街の財政で払えきれない魔核…あの方は1日で、あの量の魔物を倒したのか…敵にはしたくない攻撃力である。
「年末年始は、復旧作業をするよ!」
ギルド員達に発破を掛ける。
---サトゥー---
ミトがどこで和食三昧しているのか、わからない。今朝は、鰺の干物定食のようだった。
「いいなぁ…私も食べたいよ~」
アリサが和定食に飢えていた。いや、俺もそうだけど。
『おい、そろそろ、どこで食べられるのか、教えてくれ!』
ミトへメッセージを送った。
『大晦日はエビ天の載った年越しソバだって♪』
羨ましい…ソウルフードに飢えている俺とアリサ。
『取引してくれ!』
心の叫びをメッセージで送った。
『サトゥーさん、取引の材料が無いんでは?』
って…はっと、気づいた。シュウ絡みか…アイツ…和食を持ち込んでいるのか。
『俺を雇ってくれ…』
『いらないって♪』
そんな…俺のチート技が必要だろうに?
『サトゥーさんに出来ることって、私にも出来るから。二人もチーターはいらないそうです♪』
ミトは完全にシュウに寝返った気がする。食い物で釣られたのか?
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王様に朝食会に誘われた。断る訳に行かない。
朝食会には俺とムーノ男爵でお伺いした。娘枠のアリサだけ連れて行く訳に行かないから。ナナが不規則発言をしそうで恐いし。
長テーブルの下座に座る。上座にはロイヤルファミリーが座るらしい。上座側のドアが開き、王様とアイツが入って来た。アイツの後にはテニオン神殿の巫女であるセーラ、リーングランデ嬢、カリナ嬢、ゼナさん、ミトが付いて来て、席に着いていった。どうして、アイツが上座に座っているんだ?
そして、朝食会が静かにスタートした。王様と歓談するアイツ。どういう立場なんだ?
「それでじゃ、今年の最後の日に、シュウ様の戦いが見たいのですが、いかがですか?」
「僕ですか?猛者のペンドラゴン卿で良いでは無いですか。僕なんか、戦闘向きでは無いですよ」
って、会話が聞こえて来た。
「相手は、我が国が誇るシガ八剣という騎士達じゃ。いかがですか?」
「ペンドラゴン卿にお譲りします」
「そうですか。そういうことだ、ペンドラゴン卿よ!楽しませてくれ給え!」
って、俺に話が飛んで来た。
そして、食事会が終わり、アイツ達が部屋を出て行く。何故か王様が見送っているんだけど…立場が逆では無いのか?
---シュウ---
朝食会を終えて、廊下へ出ると、知らない白い鎧の戦士が、僕に近づいて来た。ゼナとリーンが僕の前に立ち、盾代わりになった。ミトとカリナが僕の両隣で臨戦態勢になっている。
「ほぉ~、教育が行き届いていますな」
「無礼ではないか?名乗らずに、話掛けるとは」
リーンが応対をしてくれた。
「私はシガ八剣の一人、『雑草』のヘイムだ。明日の夜、我が屋敷でシガ八剣を集めた晩餐会を開くのだ。陛下よりオーミィ牛の良い肉を下賜して戴いたので、皆に振舞おうと思ってな」
オーミィ牛?近江牛のことかな?
「そうですか?ペンドラゴン卿を、お誘いされたらどうですか?」
「貴様に来て欲しいのだよ」
「申し訳無いですが、僕は食欲はあまり無いです」
「なぜ、王様の孫を二人も眷属にしておるのだ!」
「眷属?それは違います。旅の仲間ですよ」
何が目的だ?ここで潰してもいいかな?僕の苛立ちを感じたのか、セーラが背中に抱きついた。
「ダメですよ」
セーラのオーラと声と胸の感触で、クールダウンした僕。
「おい!王様の孫に抱きつかせるとは何事だ!」
うん?えん罪だ。セーラの意志で抱きついて来たんだし。
「おい!ヘイム!噛みつくな!一応、彼は王様のファミリーの一員なんだからな。」
「しかし…ジュレバーグよ!」
ヘイムが老騎士と話し始めた。
「で、用件が無いなら、そこを退いてくれるかな?」
騎士2名に声を掛けた。
「明日の晩だ!待って居るぞ!」
「悪いけど、僕は男とデートはしない主義だよ」
「貴様!」
ヘイムが剣を抜いた。松の廊下で抜くのと、変わらない気がするんだけど。
「おい!何をしておるのだ!」
王様付きの大臣がやって来て、シガ八剣の二人に声を掛けた。
「話し合いが決裂したら、剣を抜かれたのだが、ここで戦っても良いのかな?」
「ダメです。戦わないで、お帰りください。此奴らには私の方から話をします」
「じゃ、そういうことで♪」
僕達は、迎賓館を経由して、キャッスルドランへ転移した。
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シガ八剣の夕べの会、当日。王都上空で待機しているぼくの浮遊城。この国を代表する騎士達と力自慢を集めた夕べである。僕がテロリストなら、確実に狙うって思ったからだ。
それは突然現れた。飛行物体が5つ。主砲を叩き込んで粉砕した。主砲が当たった瞬間、キノコ雲が生じた。
「なんですか?あの威力は…」
ミトが驚いている。この城の主砲は核弾頭並の破壊力である。核は使っていないので、放射能汚染の心配は無い。って、いうか、アイツら爆弾を持っていたみたいだけど…
『空爆部隊は殲滅したよ』
ミトがサトゥーにメッセージを送信した。
---サトゥー---
シガ八剣の夕べに参加して、牛肉を堪能していたのだが、何かが5つ近づいて来た。だけど、いきなりの消失。それと同時に、ミトからメッセージが届いた。
『空爆部隊は殲滅したよ』
アイツが外を護っているんだ。じゃ、俺は室内を護るか。この食事会に潜入していた暗殺者と対峙し、戦闘を始めた。神殿騎士のジゾンと名乗ってはいたが、二つ名に『暗殺者』とあったので、マークしていた。
手練れのようだ。俺と戦いながらも、シカ八剣のカタナ使いのバウエン氏が瀕死、老騎士のジュレバーグ氏も半死半生の重傷である。
ジゾンの手にした魔剣、それが黒く染まっていく。その黒さが手から身体へと移っていき、全身を黒く染めていく。そんなジゾンの左右から「雑草」のヘイム氏の大剣と「草刈り」のリュオナ女史の大鎌が襲い掛かった。
ジゾンは、瀕死のパウエン氏を盾代わりに使い、ヘイム氏の攻撃を防いだ。リュオナ女史の大鎌の刃は、ジゾンの黒い身体に突き刺さらずに滑っていく。
余裕の笑みを浮かべたジゾン。だけど、頭からお尻に掛けて、一刀両断にされて、左右に切り分けられた。
「先輩♪何をしているんですか。あんな雑魚に手間取るなんて♪」
アイツがジゾンの頭上に転移してきた。
「先輩♪怪我人を頼みますよ。僕は、新敵と遊んできますから♪」
嬉しそうにアイツが転移して消えた。
---シュウ---
建物の外に転移すると、クロスボウが何本か飛んで来た。攻撃を透過させた。次の瞬間、血柱が十数本上がった。
物陰からアサシンが数名飛び出して来た。細いラインを相手の心臓へ目がけて、突き刺した。魂に宿るエネルギーを吸い出すソウルドレインをさせて貰う。その場で息絶えるアサシン達。
空からデカい魔物が落ちて来た。潰すのか?『ダイヤモンドダスト』で木っ端微塵に粉砕した。
「旦那様、警邏中の騎士の方がお見えです」
この屋敷の使用人が、この屋敷の主に聞こえるように大声で叫んでいる。
騎士にしては、黒いオーラ持ちだな。それに、巡回隊に不似合いな大盾を持った者が6名に、火石が先端に付いた長柄武器を持った者が10名、魔法使いが4名、その他10名の合計30名の部隊だよ。この国の巡回隊は、機動力が無いのかな。妖しい。次の瞬間、血柱が30本ほど上がった。僕の仲間は、躊躇しないんだよ♪
『お兄様。セーラさんの神託です。「王都に悪夢が訪れ、天より黒き災いが舞い降りる」だそうです』
白音から念話が入った。天より黒き災い?
『フィン、空から何か落ちて来たら、殲滅してくれ』
『了解』
僕は、キャッスルドランの指揮を任せている、フィンに指示を出した。それから10分ほど経つと、王都の3箇所に赤縄模様の魔物が現れた。王都内に部隊を展開していたので、出現後1分くらいで消滅させることが出来た。
しかし、ゾクゾクと現れる魔物達。キリが無いのか?まったくもう。
『団長、上空に魔法陣が出現しました』
フィンから報告が来た。空を見上げると、デカいのが発現している。う~ん、何をするんだ?
『ミト、サトゥーに小物をまかせたと、伝言を頼む』
『はい♪』
ミトとサトゥーはメッセージでヤリトリが出来る。便利である。で、キリの無い魔物対策にアイツを使うか。便利な魔法ランチャー君を♪
『フィン、出現した魔物の座標点をネギに転送していってくれ』
『了解』
『ネギ、任せた』
『了解です♪』
仕事を任されたので、嬉しそうな声のネギ太郎。
『団長、上級魔族みたいです』
って、ネギからの念話。魔法で倒せないらしい。ソイツの元へ行く。桜餅の親玉のような形である。被害を少なくさせる方向で、桜餅の内部に透過侵入して、本来のオーラを瞬間放出。桜餅だけ灰に還した。街は大丈夫だったかな?
って、桜餅が…灰にしたはずの桜餅が復活していた。なんだ?
『さあ、どうするポヨ?お前の攻撃は通用しないポヨ。観念して固有スキルを使って攻撃してくるポヨ』
固有スキル?僕の固有スキルってなんだ?もう一度、本来のオーラで灰にするが…
『今日は魔力が溢れてるから復活し放題――』
復活?効果が無い?なんだろう?何か見落としをしているのか?うん?先程のと固体が違う気がする。どこを斬っても金太郎のような感じなのか?って、ことは、複数居るって事かな?灰にしても、別の固体が出現って感じかな?どこに隠れているんだ?おっ!空間に切れ目を発見♪
ネギに切れ目の座標点を転送した。そして、三度灰にして、復活しようとした処で、
『ネギ、コキュートスを撃て♪』
『はい♪』
4体目が空間の切れ目を通過中で固まり、空間は閉じる事がことが出来無い。隙間から冷気が張り込み、残りの固体も凍らせていく。精神や魂までもを凍結させる魔法である。空間の切れ目を凍結し、出口を塞いだ。あと、コキュートスの利点は、形の無い物を固形化出来ることである。更に、正確には魔法では無いので、カウンターをされにくい。敵がカウンター持ちの場合、ネギがフルカウンター持ちだから、千日手にはなりそうである。
『ネギ、ダイヤモンドダストで粉砕だ』
『はぁ~い♪』
桃色の粉雪が舞っている。実際は雪では無くクラッシュアイスに近いけど。
後は、魔法陣かな?上空を見上げると、ミトが呪文を唱えていた。
「……■■■■■■ 神威崩魔陣!!!」
その呪文により、巨大な魔法陣が消えていく。
「え?サトゥーさんから、伝言です。何かの詠唱をされたって…」
ミトからサトゥーからの伝言を聞いた。なんの詠唱をされたんだ?
天を見上げると、月をバックに三本の黒いラインが見えた。なんだよ~、あれは?
「あれって…神さま…」
ミトが呟いた。この世界の神か?ならば、僕の出番かな。本当の姿になる。三本のラインが怯んだように見えた。ふふふ♪『神殺し』を舐めるなよ♪初代ハーデスが宿る、妖刀村正を手にして、翼を展開して、黒いラインに戦いを挑む。
う~ん。コイツらには、魂が無いようだ。村正の『魂喰い』の効果がまるで効果がない。この世界の法則が分からない。どうするよ、これ…そうだ。触れた物を全て燃やしきって灰にする黒炉の魔剣セレ=ベレスタに持ち替えた。これならどうだ。コイツらは、神で無い気がする。そうそう、本当の姿だと魔物扱いで、勇者に襲われる危険があるので、人の姿に戻った。で、これって髪の気がする。セレ=ベレスタに触れると燃え上がっていく髪3本。なんだかなぁ…
「ミト!もう終わりかな?」
ミトが全マップ検索をして、索敵をしてくれた。
「はい♪」
「じゃ、撤収をするぞ!」
キャッスルドランへ帰還して、皆が帰還すると、アーゼの待つ森へと転移した。
---サトゥー---
王都が危機を逃れた翌日。俺は国王より表彰された。そして、男爵への爵位を新年のパーティーで授けるとまで言われた。アイツの手柄が全て俺の手柄になっている。何故?
「何故ですか?アイツの手柄ですよ!」
王様に言葉を投げた。
「あの方は表に出たがらない。それだけじゃ」
表に出たくないからって、俺に手柄を丸投げなのか?なんだ?その欲の無さは?
「あの方の望むことは、平和な世の中だけじゃ」
なんだ?そのスケールのデカい望みは?
「欲は無いんですか?アイツには」
「有るのは性欲だけと、仰っておった」
性欲以外の欲が無いのか?おかしいだろ?その後、シガ八剣のみんなに感謝され、名誉騎士の称号も贈られることになったそうだ。どんどん、この世界での俺は立身出世の道を歩んでいた。
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その夜、迎賓館の1つで、舞踏会が開かれた。あんな事件があったばかりなのにって疑問を大臣に向けると…あんな事件があったからだと言う。そういう考え方も出来るかもしれないけど。違和感がぬぐえない。
下級爵位の俺は、早い時間に入場した。まだ、参加者達がまばらである。そんな中、入り口の方で歓声があがった。俺達は歓声のした方へ行くと、馬車からアイツが降りて来た。そして、アイツがエスコートした相手は、見た事の無い人物であった。ステイタスを確認すると、ハイエルフのアイアリーゼ・ボルエナンと表示された。
「ハイエルフ様が正妻で、王さまのお孫さん達が側室だそうよ」
「さすがは主様よね」
って、会話が聞こえて来た。主様?アイツのことか?なんの主様なのだ?
ハイエルフをエスコートしているアイツの後に、セーラ嬢、リーングランデ嬢、カリナ嬢、ゼナさん、ミトが続いた。まさか、ゼナさんとミトも側室なのか?
アイツらは2階にある観覧席に座った。王様がアイツにご機嫌伺いをしている。アイツ…何者だ?