異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
---サトゥー---
三が日が終わり、今、アリサと共に、アイツが宿泊している迎賓館にいる。今後のことを決める為の話し合いが行われていた。
この世界での冒険以外のことは順調にいっている。エチゴヤというお店を起業し、そこそこの財も築き上げている。だけど、冒険という面では、難しい局面に立っていた。俺だけならば、それなりに戦えるのだけど、アリサ、ナナと共に潜ると、難易度が数段上がってしまうのだった。二人の経験値を確保しながら、二人を護りながら戦う局面は、リスキーであるのだ。
「アリサから、依頼はされたよ。一緒に潜りたいって。僕にメリットはあるのか?」
無い…取引材料が無い。金では対価にならないだろう。性欲以外の欲のない者への対価は、異性だと思うのだが、俺の手元にはアリサしかいない。ナナもいるが、ナナは貸与扱いらしいので、俺の物では無いようだ。
「そうだな。なぁ、違う異世界でのダンジョンは興味無いか?」
あ?違う異世界?
「迷宮都市のダンジョンがさぁ、今出入り禁止なんだよ」
ダンジョンへの出入りが禁止?まさか、中層へのルートが破壊されたって…
「そうそう。ちょっとやり過ぎたみたいでね。修復が終わるまで、入るなって、ギルド長が言うんだよ」
補強工事中とか言っていたな。補強する前に入ると、壊れるってことか…
「で、3ヶ月くらい、入るなって言われてね。他の異世界で鍛錬をしようと思っているんだよ」
「それに同行すれば、ここに戻った時に、メンバーを貸して貰えるのか?」
「勿論だよ。リザ、ポチ、タマを貸し出す。貸し出す為に、新しく手に入れた人材を彼女達並にしたいんだ。どうかな?」
「で、俺は何をすれば良いんだ?」
「行った先で、スキルを使ってもらい、買い物を有利にして欲しい」
う~ん…悪い話では無い。3ヶ月の辛抱で、メンバーが借りられるのであれば、御の字か?
「わかった。それで手を打とう」
だけど、俺は彼の言う3ヶ月の意味をわかっていなかった。後で、ミトに教わったのだけど、世界ごとに時の進むペースは違うらしい。この世界の3ヶ月が、実際は何年になるか分からないってことを知った時には、後の祭りであった。
---シュウ---
ダンジョンと言えば、あの世界だろうな。あの世界であれば、ハイエルフが存在するし。アーゼの為にもなると思う。
ただ、難点は、ドランにいる者を迂闊に出せないことだ。ドラン内なら問題は無いが、あの世界へ足を踏み入れると、同化吸収していしまう者が出てしまう。で、たまに悲劇が起きる。大抵は同化吸収をした結果、若返るのだけど、たまに年齢が増える者もいるのだった。
どの辺りの時代に出るかが問題だな。先遣隊として僕とサトゥー、ミトで異世界へ降り立った。
「どうだ?ゲーム画面は開くか?」
開かなければ、コイツらは単なる人間で、役立たない。
「開くなぁ。今、スキル欄と能力欄もチェックしている。全部使えそうかな。全マップ検索は…これも使えるようだ」
サトゥーがチェックを終え、ミトもチェックを終えた。3人共チーターとして、暴れられるようだ。
向こうの世界との橋渡しをドランでしてもらう。向こうの世界で問題が起きたら、直ぐにわかるようにして、直ぐに向かえる体勢も作った。時の放浪チーム故、この辺りはノウハウがあるので、問題はない。
「ここの世界はどんな世界だ?」
サトゥーに訊かれた。
「異種族共存で、神々が地上で謳歌している。ダンジョンは地下60階だ。モンスターは魔核では無く魔石を持っており、モンスターを倒して、魔石とドロップ品を手に入れ、地上で売りさばくゲームだよ」
「魔石?お前、アッチの世界で売らなかったか?」
「売ったよ。魔核に混ぜてね♪」
「だから、あの量か?」
「あぁ、あの大量の魔核か?あれは、アノ世界の魔物のだよ。宇宙空間で狩りをしただけだよ」
「お前、チート過ぎるだろ?」
「サトゥーには言われたくない。僕に出来無いことが出来るだろ?」
実際問題、トントンだと思う。チートさを競い合った場合は。
「で、住処はどうするんだ?」
「サトゥー、土地を買ってきてくれ」
「この世界の金は持っていないが」
「僕が持っている。この世界の流通量の5倍以上をね♪」
「チートすぎるだろ、お前…」
サトゥーが呆れていた。
---サトゥー---
アイツに、土地取引をしている場所に連れて行かれ、値段の交渉をしていく。で、提示価格の4割引きで契約をした。その場所は、中心地から少し離れた場所であった。
違法建築と思われる建物が乱立するエリアだ。その中の増築に増築を重ねたと思われる、少し大きめな建物を買った。
「大丈夫か?壊れそうだぞ」
安かろうな物件に思える。
「外見はどうでもいんだよ。土地の広さが問題であってね」
アイツが何かの魔法陣を発現して、建物に術を発動した。
「これでいい。入ろうか」
中に入ると…外見と違う間取りである。これって…
「あの世界への出入り口が欲しかったんだよ。あっちには、元の世界への出入り口がある。あぁ、迂闊に出入りすると、時間が狂うから、元の世界へ戻る時は僕と一緒にしてくれ」
時間の基準時はアイツらしい。
「1階は共用部、2階はサトゥー達が使え。僕達は3階以上を使う」
エレベータがある。
「じゃ、ナナ、リザ、タマ、ポチはサトゥーと潜ってくれ」
「「はい」」
「はいなのです」
「了解です。マイマスター♪」
メンバーの紹介を受けた。槍使いのリザ、剣士のポチ、拳士のタマだそうだ。レベルは…アリサよりも高い。
「ここのダンジョンはあっちより難易度は低いけど、モンスターのレベルは高いぞ」
って、説明を受けた。モンスター狩りに集中出来るのか…
「そうそう、所属はエマノン・ファミリアだからな。無所属だと、神々が眷属にしようとしてウザいから。まぁ、無理に眷属にしたり、嘘吐いて眷属にしたりした神々が居たら、潰すだけだな♪」
コイツ、マジに神々を潰し兼ねない。で、この地に降臨している神々は神では無く、神族だそうで、平気で嘘を吐くので、注意しろと言われた。
「で、ソッチの戦力は?」
「チーターのミト、剣士のヴァイオレット、魔法使いのチセだよ」
「ゼナさん達は?」
「向こうに置いてきた。もう少し、ここで足場を組まないと、危険で呼べないよ」
アイツが言う危険…治安が悪いのだろうか?
「治安か?悪いよ。人さらいをする神々が居ても、亜人では罰することが出来無いルールだよ。本当、ここの神族はクソ神が多いから、注意しろよな」
あぁ、神殺しスキルが無いとダメなんだな。俺や、アイツのようでないと。
「腐った神々を排除できたら、呼ぶよ♪」
引っ越し前の掃除を、アイツと俺ですれば良いのかな?
---シュウ---
サトゥー達をダンジョンの入り口まで案内し、ミトとヴァイオレット、チセと共に街中をぶらり散歩♪ヴァイオレットとチセは表情に感情が灯るようになってきた。
「あの屋台…美味しそうな香りがします」
チセが甘えてきた。4人分のじゃが丸君を買い、みんなで食した。
「私達はいつ潜るのですか?」
ヴァイオレットに訊かれた。
「ヴァイオレットとチセが、問題無いと判断してからだ。ダンジョン内では大掛かりな治療は出来無いからな」
見た目は問題無い二人。でも、ヴァイオレットは神経が総て再生されていない。徐々に再生はしているのだが、指先の感覚に不備があり、細やかな剣技は難しいと思う。リセは、命を粗末に考える時がたまにある。自己犠牲とは違い、自殺願望に近いというか。
「まぁ、二人の問題がなくなるまで、まったりとしよう。向こう世界に戻っても、同じだしな」
散歩をしながら、道行く者達を見ている。この世界の人間関係を知らないと、仲間を呼び出せないからだ。
「団長!」
別働隊として動いているジムに声を掛けられた。
「治外法権エリアに拠点を置きました」
悪を断つには悪になるって感じで、まず治外法権エリアを牛耳る方向でも攻めることにしたのだ。この街の治外法権エリアは、外国資本のリゾート施設が多数設置されていた。高級ホテル併設の娼館、高級ホテル併設のカジノ、高級ホテル併設の人身売買市、高級ホテル併設の妖しい薬屋など。まぁ、闇組織が高級ホテルを運営しているだけである。
でも、刺激が欲しい神々は、彼らを必要悪として、招いたようだ。
「じゃ、掃除を始めてくれるか?」
「了解です」
この世界の掃除は案件の内である。その案件のついでに、サトゥー達のパーティーを作り上げ、うちの新人戦士二人を使い者にするだけである。
「神ってバカなの?」
ミトが訊いてきた。
「だな。っていうか、神以外の種族は駒とか人形と同じだよ。そう神々を掃除するのが、本来の僕達の仕事だ」
あっちの世界のは案件では無い。なので、帰還しても良いのだけど、僕が何故召喚されたのかを知りたいのだ。その為だけで、居座っているというか…
「警戒は怠るなよ。治安が悪すぎるな、この街は…」
こうして見ている間でも、スリや人さらいなどの行為が目につく。今までで、最悪的に治安が悪そうだ。
---サトゥー---
う~ん…楽である。彼女達は、指示を的確に理解して、作戦を遂行してくれている。おかげで、アリサの経験値が稼げる。ナナは見違えるように戦闘力がアップしているし。
問題は、借りた三人娘は肉食メインであることか。家に帰れば、肉のストックがあるらしいが、ダンジョン内では無い。で、このダンジョンのモンスター達は倒すと灰になってしまうので、現地調達が出来無いと来ている。
「お腹減ったよ~」
「減ったのです!」
タマポチが反抗期に突入した感じである。リザとナナが宥めてくれているが、明らかにリザも、不満を持った目で俺を見ている。う~ん、明日からは肉をストレージに多めに入れておくか。
備蓄している干し肉をストレージから出し、三人に渡した。豪快に食べる三人。燃費が悪い気がする。アイツの指示で、食後には青汁を飲んでいる。野菜類を食べないらしい。
ナナの食事はエナジードレインである。肌と肌が触れないとダメらしいのだが、背中に手を当ててドレインさせろと言う。手を当てるのは俺である。ナナ曰く、人前で胸などの女性のシンボルを出すなとアイツに命令されているらしい。
夜の営みを変わってしまった。下腹部同士が交わるのは問題ないらしいが、唇はアイツに捧げる為にあるから、キスはダメらしい。年末に預ける前は、天に舞い上がるようなフェラをしてくれたのに…くそっ!
簡単な食事を終え、地上を目指した。ストレージにある肉が足り無いから…
---シュウ---
サトゥーには、異世界だと行ったのだが、実は、海を隔てた場所にあるのだった。同一世界上にある場所であったのだった。僕も知った時には驚いた。
「ここにも魔王がいると思うの?」
ミトに訊かれた。
「いても、おかしく無いだろう?っていうか、シガ王国のある大陸だけに魔王が出るって、おかしくないか?」
「そうだよね…この大陸でも、良い筈だよね」
同じ世界上に、ここがあるとは知らず、アイズとリヴェリアを連れて来て後悔している。この世界の二人は同化吸収してしまったのだろう。こっちに来てから見かけていないし。娘二人に年齢的な変化が無いことから、同じくらいの年齢だったのだろう。
この地で買った地図を見る。シガ王国のある大陸は書かれていない。交流が無いのか、見付かっていないのか?海に何かがあり、見付かっていない可能性はあるか。
僕の予想では、日本から近い場所にある大陸がくさいと思うんだ。日本はその大陸から分離したと考えれば、名称、文化が似ている説明は付く。
「まさか…ムー大陸?」
「他の大陸から来られない結界で護られているとしたら?」
「結界内だけに魔王が出てくる。いや、結界内に魔王が封じ込まれているのかな」
そんな仮説も有りだと思う。
「ただいま~」
「ただいまなのです♪」
タマとポチの声。帰ってきたようだ。
「どうだった?」
僕に甘える、リザ、タマ、ポチ、ナナ…どうしたんだ?
「サトゥー、お前、機嫌を損ねたとか?」
「肉が足り無かった…現地調達すればって思っていたら…」
あぁ、ここは灰になるよな。
「いや、裏技で、殺さないように肉を抉るって方法がある。でも上層だと牛さんはいないか…」
「はぁ?そんな技を覚え無いとダメなのか…明日はストレージに多めに肉を持って行くよ」
「で、成果は?」
「ばっちりです♪」
アリサは嬉しそうだ。う~ん、ポチとタマが抱きついたまま、寝入ったようだ。慣れないパーティーで、こいつらなりに、気を使ったんだろうな。って、リザとナナは狸寝入りをしている気もする。
「おい、寝室に行くぞ」
リザとナナを小突いて起こし、ポチ、タマを抱えて寝室へと、案内する。風呂での怪我チェックは後にするか。
---サトゥー----
俺の取り分の魔石を売って、娼館へ…出迎えてくれた女性達を見て固まった。あの時のアマゾネス達を彷彿させる。アマゾネスだらけの娼館だった。
後で訊いた話によると、アマゾネスという種族は、身籠もっても、女児しか生まれないそうで、産まれた子供は100%アマゾネスになるそうだ。なので、こういう職業に向いているらしい…
そして、今夜も粉しか出ないくらいに、やられまくった…『アマゾネスの竿』という称号を得たみたいだ。凹む俺…