異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
---シュウ---
気になることがあったので、あの老執事が住んでいた館に、イビルアイと滞在することにした。館を見回り、ある部屋に結界を何重にもかけていく。
「何をするの?」
「イビルアイを食べようかな?」
彼女を抱き寄せ、仮面を外させて唇を重ねた。僕の印を刻まれた彼女には、抵抗する権限は無い。ただ、僕のしたいようにさせるだけだ。
「かわいいのに、なんで仮面なんかをしているんだ?」
頬を紅潮させ始めた彼女。
「大昔に…国を1つ滅ぼしたことがあるの…だから、賞金首なのよ…」
「国の1つくらいで、ビビるなよ。じゃ、違う世界では仮面は禁止にするかな」
「えっ!」
「この世界の賞金首だろ?この世界に居るときだけは、許してやる」
「主様は…何者なの?」
「吸血してごらん?」
驚いた顔で僕を見るイビルアイ。僕自身の血を吸わせる意味が、わからないらしい。でも、言われるままに僕の腕に噛みつき、吸血をしようとした…
「なんで?出来ない…」
更に驚いた顔で、僕を見つめ固まっている彼女。
「僕には血が通っていない。生物かどうか怪しい存在なんだよ♪」
「どうして…」
理解が出来ずに呆然としている彼女。
「僕が何者かは、僕もわからない。ただ、仲間を護りたいだけだ」
はっとする彼女。
「大昔…そんなはずは…あれはおとぎ話のはず…」
「まぁ、そんな感じだよ」
彼女をベッドへ押し倒し…
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僕は気になっていたことを確かめる為に、出来たてのホムンクルスを1体用意した。ナナ達のいた迷宮にあった資料に錬金方法が書かれていたので、試しに作ってみたら出来た。これを使えば、『身体創造』をしなくても、魂やデータから、『肉体改造』で元の身体が作れ、魔力と時間の節約になりそうである。
次に仲間の用意してくれたデータを使い、『肉体改造』をしていく。ミトから聞いた話では、竜脈にデータが蓄積しているってことだったので、電脳部隊に頼んで、あるNPCのデータをコピーしてきてもらったのだ。
目の前には、あの執事が現れた。『生命の再起動』を発動して、彼を目覚めさせていく。彼の名前はセバス・チャン。
「ここは…」
「セバス、お前の屋敷だ」
「あなた様は…」
「お前の新しい主だよ」
「で、私に何用ですか?」
「お前、ロストする前に何か言おうとしていたが、あれはなんだ?」
記憶をフル検索しているセバス。なかなか、あの時の記憶が見付からないようだが、暫く待つと…
「主様にお願いがあります。ツアレという娘をお助けください。八本指に誘拐されたのです」
はぁ?あの非合法組織にか?まぁ、掃除するついでにするか。って、いうか、セバスが死んでだいぶ時間が経過している。生きているのか?セバスの記憶を読み取りながら、ツアレと言う娘の魂を『招魂』してみた。目の前に、弱々しい火の玉が現れ、セバスの周囲を飛び始めた。
「主様…これは…」
「もう殺されたってことだ」
彼女の魂を専用の器に収めて、大切にしまった。
「セバス、掃除が終わったら、蘇生をしよう」
「ありがとうございます…主様…後、もう1つ、お願いがあります。この屋敷の令嬢として配置していましたソリュシャンもお願いできますか?」
あの縦ロール女か?確か、捕食スライムって種族だっけ?
「種族を変更するけど、いいか?」
「えぇ…出来ればスキルなどは、継承できていると、役に立ちます。盗賊、暗殺スキル持ちの戦闘メイドでございます」
「ナーベラルと同じか?」
「おぉ…ナーベラルは眷属にされていらっしゃるのですね。えぇ、同じ戦闘メイドでございます」
「わかった。蘇生しよう」
まぁ、掃除の後だな。
---モモンガ---
一郎とダンジョンへ潜った。一郎の眷属達は、見た目は幼子であるが、その戦闘力は、凄まじいものである。
「お前がここまで育てたのか?」
一郎に訊いてみた。
「アリサ以外は、アイツから借りているんだよ」
借りている?
「こんなに手練れを貸せるって、アイツは強いのか?」
「強いのかどうかは知らない。でも破壊力は抜群だよ。来月から向かう迷宮都市にある迷宮を破壊して、今出入り禁止状態だから」
迷宮を破壊?殺傷力でなく破壊力でしか、戦力が測れないのか…唖然とする俺。
「本気を出すと、この星が消えるから、本気で戦え無いらしいよ」
はぁい?星が消えるレベルの破壊力って何?不死の王たる俺でも、そこまでの破壊力は無かったんだけど…
「それとだ!いつになったら、俺はレベル2になるんだ?」
さっきから、随分と倒していると思うのだが、レベルが1のままなのだ。
「ここのダンジョンじゃレベルは上がらないよ。だって、違うシステムの大陸だから」
はぁ?違うシステムの大陸?
「アイツが言うには、俺達が召喚された大陸とは、違うシステムの大陸らしいんだよ。例えば、ドラクエのキャラレベルって、エフエフをいくらプレイしても上がらないでしょ?」
いや、そうだけど…絶句状態の俺…レベリング出来ないのに、なんで戦う必要があるんだ?
「レベルがあがらないのに、なんでここなんだ?」
とても取り乱す俺。
「アイツが言うには、レベルは上がらないけど、VR操作の練習にはなると言うんだよ。敵自体はこっちの方が強いけど、アッチはその分、ダンジョンが複雑なんだよ」
ここで戦い方をマスターしろってことか?って、言うか、一郎はアイツの信者かと思うくらい、アイツのことを信頼しているようだ。
---シュウ---
8本指は殲滅出来た。ツアレ、ソリュシャンはもう一度生を与えた。メイドが増える分にはいいか♪
問題は…この部隊の司令塔を、任せることができる人材がいないことか。
セバスに打診したら、固辞された。アルベドは問題が有るので問題外である。保護した女性達の皮膚を剥ぎ、羊皮紙にしてしまったそうだ。僕の為らしいので怒るに怒れないし。
イビルアイではアルベドが従わないし。はぁ~…アルベドの残虐性に耐えられて、悪魔度が高く、戦略を練れる人材だと誰だ?仲間の顔を一人ずつ思い出していく…あぁ、おっとり目のリッチがいたなぁ…あの部隊と併せるか?暴走が恐いのだけども…
あぁ…適任者がいた…魔王の血筋で、養女の紅髪とか。今、司令塔になる教育をしているところだし。その娘を呼び出した。
「お父さんと仕事…嬉しく思います」
その娘、リアス・グレモリー。色々な世界でリアス・グレモリーとは接しているが、歴代で、一番能力値の高いリアス・グレモリーである。
「うっ…主様のお嬢様ですか…」
リアスの纏うオーラに対してひれ伏すアルベド。最上級悪魔のリアスに対して、小悪魔なアルベドでは格が違いすぎるのだった。
「今後、この世界での司令塔は、我が娘、リアスにまかせる。皆、娘を頼むぞ」
セバス、イビルアイ達全員が頷いた。で、戦闘メイドは、ここに常駐させて、この世界の掃除を皆に頼んだ。ツアレだけは、非戦闘員でありメイド見習いと言うことで、王都組に随行させて、修行させようと思う。セバスに打診すると、逆にお願いをされた。
---モモンガ----
迷宮都市なる場所へ引っ越すまで、後2週間と迫ってきた。オラリオの住処で、アイツと一郎、ヒカルが相談をしている。
「サトゥーは先に馬車で移動を開始してくれ。で、寄る先々の街や村で、問題が無いかを確認してくれ。問題があれば、ミトと僕で対処していく」
「おい!手柄の丸投げはやめてくれ~」
僅かな期間で一郎が大出世した裏では、アイツの手柄の丸投げがあるそうだ。なので、分不相応な立場にされている一郎。
「いいだろ?男爵だし♪僕は平民だしさぁ、ミトは公爵だもの」
意味不明な理由を言うアイツ。困った顔の一郎。
「で、出逢う魔物は、モモンガに優先的に仕留めさせろ。レベルが上がるはずだ」
やっと、レベル1から卒業できるみたいだ。
「で、うちのチームはどうするの?」
「ミトのチームは、王様に言って、迷宮都市にミツクニ邸の建設許可を貰え。で、転移で僕の屋敷に移動して、活動拠点を確保などの準備を頼む」
「で、主様は?」
「僕は、1週間前に、王都組と一緒に、陸路で向かう…じゃ、ダメか…そうかミトが一緒で無いとダメかっ」
何かに気づいたアイツ。
「ミツクニ公爵付き軍師だから、一緒に移動しないと、おかしいよな。リーンやセーラ達が、僕と一緒に別行動では…」
考え込むアイツ。いや、念話で誰かと相談しているようだ。
「今、リーンに確認したけど、ミトと一緒に移動する。なので、サトゥー達の後を追う感じで移動になる」
「そうなると、ここは引き払わないと」
「閉鎖状態でおいておく。また、新人をスカウトしたら、ここで鍛錬をさせたいから」
頷く、一郎とヒカル。
「明日の朝、王都に引っ越しをして、旅支度だ」
---シュウ---
この前見つけた、ゲームっぽい世界に転移した。妖精もドラゴンも悪魔もいる世界のようだ。あっちの世界の掃除が終わったら、ここでのんびりさせるかな…
ゲームシステムは召喚世界に近い感じである。数多くのスキル、称号があるし、サトゥー、ミト辺りの適応性も問題はなさそうだ。
『はじまりの街』を探索する。ここ辺りは初心者でも倒せる魔物しか出ないようだ。そして、オラリオとは違い、魔物を倒しても、肉がゲット出来るのがよい。肉食娘達の食料確保は解決できそうである。
新天地に来た場合のルーティンをしていく。『強奪』で、冒険者の懐から小銭を奪い去っていく。所謂遠隔でのスリである。身なりの良い冒険者に狙いを定めて、奪っていく。いくら強くても、お金が無いと、生きていけないからね♪
宿屋に部屋を取った。ベッドの寝心地は悪く無い。これなら、鍛錬で長期滞在でも問題無いかな?後は、治安のチェックだな。街中を歩き、腹黒そうなヤツがいないかをチェックする。いるにはいるが、オラリオの比では無いくらい少ないようだ。後は…いい女チェックだな。って、言うか、この街にはサトゥーの娯楽が無いようだ。娼館っていうものがまるで無い。ガールハントしか手は無いのか?それとも隠れ娼館があるのか?僕には全マップ検索などのチート能力が無いので、サトゥーに検分してもらうかな。
で、一番の関心事…この世界にも転生者、転移者がいるかどうかである。時間の進み具合もチェックすると、8時間で1日のようだ。なんか、ゲームの世界っぽい設定だな。夜、『透過』モードで宿の泊まり客をチェックしていく。記憶を読むが…まるで読めない。これは、セーブデータがリロードされていないってことか?
この手に詳しい仲間を呼び出した。
「団長…」
涙目で僕を見つめる、僕の騎士団の副団長のヤマト。どうしたんだ?
「訊きましたよ…僕の兄さんだったって…」
どこから、そんな話になったんだ?はて?
「だって、団長って、救世主だったんですよね?」
あぁ…僕が僕で無い時代にそうだったらしい。うん?
「ヤマトの世界と僕の世界は違うだろ?」
「あぁいう特殊キャラは、どの世界でも同じ魂らしいですよ」
僕に泣きすがるヤマト…男に泣きつかれてもなぁ…
「これからは、二人きりの時、兄さんと呼んでも良いですか?」
否定すると、本題に入れない気がしたので、頷いた僕。
「で、兄さん♪用件はなんですか?」
「ここで寝ている女性なぁ…記憶が読めないんだよ。それって、ここはゲームの中か?」
女性の頭に手を翳すヤマト。
「ゲーム内のようです。ここだけゲーム内っておかしいですね」
ここになにかあるのか?
「ここの神が起こしていることか?」
「ここの神はサーバー内にいるAIですよ」
って、このゲームに詳しそうなヤマト。話を聞くと、以前、並行世界で、このゲームに関わったらしい。
「ほら。ファントムの事案ですよ」
「あぁ…あれか…」
たしか、核戦争で身体を失った者達の脳ミソだけを生かして、VRな世界で生かし続けたって、やつだったなぁ。
「この世界は、平和な世界がベースのようですね」
平和…召喚世界は戦いが絶えないよな。そう言えば…何かを見落としているのか?何をだ?
「兄さん、僕も随行しますからね♪」
へ?まずいだろ?お前は…
その日、召喚世界の神託の巫女達に、『災厄降臨』ってお告げがあったようだ…
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王都の屋敷に戻ると、セーラが青い顔で震えていた。それに伴って、セーラ以外の者達も震えていた。
「どうしたんだ?」
「あぁ、主様…神託がありました。『災厄降臨』って…」
あぁ、そう来たかぁ…
「それなら問題無いよ。正体はコイツだから」
みんなにヤマトを紹介した。
「コイツは僕の騎士団の副団長で、ヤマトって言うんだ。こいつは双子の弟でね、兄が抱えるはずだった、心の闇などの負の成分を総て請負い、コイツが得られるはずの聖なる成分を兄に奪われた災厄なる者で、封印されていたんだよ」
照れているヤマト。固まる皆…
「あぁ…そうなんですか…ならば、安心ですね」
って、ゼナ。
「安心だよ。違っていても、僕達が排除する」
「それよりも、騎士団ってなんだ?」
って、リーン。
「僕を団長とする騎士団だよ。気にならない程度の戦力だよ」
「気になるんだけど…どの位の戦力なんだ?」
って、カリナ。
「う~ん…」
うなる僕。
「12柱いる絶対神を敵に回しても、殲滅出来る程度ですよ」
って、涼しい顔のヤマトが答えた。セーラだけが、理解したのか、恐怖で包まれていく。マズいって。セーラに抱きつき、『安堵』なオーラで、中和していく。
「神をも敵にして勝てるのですか…主様…」
「どうだろ?戦った事無いから…ヤマト、大げさな表現はダメだぞ!」
「はぁ~い♪」
実際問題、殲滅できるだろうな…仕事が山積みになるから、しないけど。
「もし、本当だとしたら、地上で戦っちゃダメでしょ?」
って、ミト。そうですね…その通りです。
「あっ!」
ゼナが声を上げた。何かに気づいたようだ。
「ヤマトさんのお兄様って…聖なる根源なんですよね?」
ヤマトが僕に視線を送りながら、頷いている。おい!正体がバレるからよせ!
「そんな…」
セーラが気づいたのか、僕を凝視している。ヤマトに虐められている…しくしく…何の意趣返しだ?
「どういうことだ?」
カリナがセーラに訊いた。
「歴史が…破壊されてしまいそうです。事実なら…」
「歴史が破壊?」
何か大事になっていく。まずっ!って表情のヤマト。
「主様…そういうことですか!」
セーラが僕を見据えて訊いてきた。
「最凶なる災厄…それって、歴史を破壊するってことですよね!」
元巫女…侮れない…
「何が閃いたのだ?」
敢えて訊く。この世界では無い歴史のはずだ。
「父成る神が地上へ降ろした子供…地上の者を助ける為に…自己犠牲を顧みず…この世界に伝わる、始祖勇者のお話です」
始祖勇者?
「主様…始祖勇者の生まれ変わりなんですか?」
「違うよ。僕は通り縋りのエロ好きだから…」
って、セーラが僕に跪き祈りを捧げ始めた。ゼナも跪き…ミトも…リーンも…リザ達まで…何でだ?
「団長…背中…」
ヤマトが苦笑いをしている。背中?うっ!純白の翼が展開して、『安堵』なオーラが漏れている…
「お父さん…何をしているの?」
アイズがやって来た。翼に頬ずりをし始めた。
「う~ん、気持ちいいよね♪」
セーラが祈りを捧げ終わったのか、立ち上がった。すると、展開していた翼が消失した。
「そういうことなんですね♪」
セーラの顔に怯えは無かった。物凄く嬉しそうなんですけど…
「言いませんから。私の心に置いておきます」
何を悟ったんだ?スゴく不安な僕。単なるエロ神なんですが…