※この作品はR-18です。

異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:もっち~!

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システィーナ王女の暴走

 

---シュウ---

 

到着は明日の予定だそうなので、今日は大人しく馬車の中にいる。アリサ達は、先に転移してあっちへ連れ戻った。一緒に行くと不都合だったから。

 

「暇だぁ~」

 

何者しないのは苦痛である。

 

「ダメだよ~、馬車内で淫行はしちゃダメ!」

 

って、ミト…そうなのか…ミトを全裸にしようとして、注意された。う~ん…

 

しかし、こういう時に限って、アクシデントは起きやすく、僕を飽きさせないというか、困らせると言うか…

 

「私も同行します」

 

システィーナ王女を載せた馬車が僕達の旅団に追い付いたのだ。

 

「なんで?」

 

「あなたと会話していません。私はミツクニ公爵と会話をしているのです。下男はさがっていないさい」

 

僕は下男なのか…すねてやる!馬車を降り、どこかへ転移しようとすると、

 

「行かないでください。ここは我慢を。ねぇ♪」

 

セーラが僕に抱きついた。

 

「下男は公爵と同じ馬車はまずいと思うんだよ」

 

「私達の主です。私達は下男なんて思っていません。システィーナ叔母様には、お姉様が説明しています」

 

しかし、見るからに、リーンが苦戦しているように見える。お付きの者によると、縁談は不調に終わったそうだ。勇者様の好みで無い上、王女はサトゥー一筋だと言う。

 

サトゥーとくっつけて、エチゴヤに専念させるか。リザ達は僕が引き取って…それも有りかな。

 

「悪人顔に成っていますが、何を思いつきましたか?」

 

セーラに訊かれた。なので、閃きを教えた。

 

「なるほど…でもサトゥーさんが納得しますかね?」

 

「するように持ちかけるよ。まぁ、悪あがきをして、ダメな場合にする。サトゥーは有効利用しないとな♪」

 

サトゥーは僕にとっての便利グッズであるから♪

 

で、セーラ、リーンよりも階位は上らしいシスティーナが、僕の座っていた場所を占拠して、帯同するらしい。システィーナは、ここまで載って来た馬車を、王都へ帰るように指示して、退路を断つようだ。

 

表舞台的には、この旅団で一番階位の高いシスティーナ。わがままし放題らしい。裏舞台的には、雑魚に過ぎないけど。まぁ、手柄はサトゥーとシスティーナへ丸投げにしようっと♪

 

しかし、問題児は問題を生む…食事が合わないらしい。この旅団の食事は狩った獲物を調理であるが、王女様の口には合わないようだった。

 

「おい!下男よ!まともな食事を手配しなさい!」

 

って、無茶を言う。しかし、ここで温厚なミトがキレた。

 

「もういい加減にしてくれないか?彼は下男ではなく、私達の主様なのだからな」

 

剣を手にして、王女様に刃を向けた。それを合図に、リーン、カリナ、ゼナまでも刃を王女様に向けた。

 

「おい!そこの魔王よ!いい加減、洗脳を解きなさい!」

 

って、僕に命じてきた。魔王なんて、ちんけなジョブでは無いんだけど…

 

「洗脳なんてされていない。このわがまま娘が!」

 

ミトがヒートアップしている。

 

「ミト!やめろ!もういいよ。なんかキレそうだよ」

 

「えっ!ダメだって。キレちゃダメ!」

 

ミトが剣をしまい、僕に走り寄って抱きついた。

 

「ねっ、お願いだから…置いて行かないで…一緒に連れて行ってくれるって、言ったよね?」

 

「そうか、お前!ミツクニ公爵を語っているのね?」

 

今度はミトを誤認し始めた王女様。まぁ、公爵って見た目のイメージが違うもんな。

 

「おい、そこのクソ女!ミトを虐めるのであれば、お前に罰を与える。消えろ!」

 

王女様を全裸にして、強制転移させた。サトゥーのいる場所へ♪

 

「どこに飛ばしたの?」

 

「サトゥーの元だよ。どうせ呑み屋だろ?あの街の娼館は、好みじゃ無いって言っていたし」

 

「そっち方向にキレたのか。ならいいか♪」

 

ミトの表情からは、安堵感を感じた。

 

 

 

---サトゥー---

 

鍛冶場に突然、全裸のシスティーナが転移してきた。コイツ、シュウに何かをしたようだ。全裸で強制転移って、シュウにしか出来ない荒技だし。

 

「えぇぇぇぇ~、見ないで…」

 

システィーナがしゃがんで、身体を丸めている。鍛冶場は大騒ぎになり、鍛冶修行どころでは無くなった。バスタオルで包んで、宿屋へ連れて帰った。

 

「お前、何をしたんだ?」

 

システィーナが悔しそうに話した。シュウを下男に化けた魔王、ミトを偽公爵と言い切ったようだった。

 

「サトゥー、この女を死刑にしましょうよ」

 

って、アリサ。

 

「そうでうよ、許せないです」

 

って、温厚なルルまで…シュウのことを主と思って、慕っているからな、コイツらは…

 

「なんで?なんで、死刑なのよ~!」

 

アリサを睨むシスティーナ。アリサは仕込み杖を手にしている。ルルは捌き用のナイフを隠し持っているし、リザ達もいつでも屠れる位置に立っていた。

 

「お前が悪い。アイツを下男と、魔王って…シンパが怒るぞ」

 

「だって、そうでしょ?ハイエルフ様を騙して、婚約者にして、セーラやリーンを愛人って、魔王らしい行動じゃない」

 

完全に自分の説を信じているシスティーナ。

 

「サトゥー様、アイツを一緒に退治しましょう。この国を乗っ取られる前に」

 

いや、もう乗っ取っていると思う。って、言うか、アイツそういうことに興味無いし。う~ん、どうするかな。アイツがいなくなると、高級娼館へ行けなくなるし…困ったなぁ。

 

「王女である私の言葉は、王様の代弁です。今からサトゥー様はミツクニ公爵を名乗って下さい。私はミツクニ公爵夫人を名乗りますから♪」

 

え?何?ミトを排除か?って、言うか、俺の嫁さんに成っているのは何故だ?

 

 

 

---シュウ---

 

暴走姫対策で、王様の元へ転移したのだが…事態は急展開しているし…

 

「王女って、王様の代弁者なのか?」

 

「システィーナが、何かしましたか?」

 

王様の顔から血の気が失せている。

 

「全裸で演説しているから、民衆が集まってきているんだけど、その前で、サトゥーは今後、ミツクニ公爵を名乗って、自分はミツクニ公爵夫人を名乗るって、王様の代弁って形で宣言したんだよ。どうする?」

 

ミトは呆れた顔をしている。まぁ、そうだよな。

 

「おぉ~、ボルエハルト自治領の領主と連盟で、宣言文にサインしているし…」

 

ナナの視覚、聴覚を通して、あちらの状況を実況中継している僕。

 

「領主と宣言文ですか?それだと公文書で、宣言は正当性を帯びるか、サインした者達は反逆罪になります」

 

王様付きの大臣が困った顔をした。

 

「で、ミトと僕は、偽ミツクニ公爵ってことで、指名手配されたみたい…」

 

「はぁ?何でよ?」

 

ミトは呆れている。怒りを通り越して…

 

「すみません…娘が暴走をしまして…」

 

王様が土下座をしている。

 

「謝罪はいいから、処遇を改善してくれない?王様次第で、この世界は無くすから」

 

珍しくミトが「ダメだよ~」って、引き留めない。それ程、キレているようだ。

 

「困ります…」

 

あたふたする王様。

 

「しょうがないなぁ」

 

システィーナとサトゥーを『強制転移』させた。王様の前に転移してきた二人。

 

「シュウ…俺は…ダメだって言ったぞ」

 

僕を見て言い訳をするサトゥー。突然王の間に転移してことで、固まっている全裸のシスティーナ王女。

 

「どうして…お父様…」

 

王様は僕達に土下座をしている。

 

「貴様!お父様を洗脳してのね!許せない。サトゥー、ここでアイツらを倒すのよ」

 

『催淫』で喘いでいて貰う。

 

「で、サトゥーよ。僕達にケンカを売るってことでいいんだな?」

 

「落ち着いて話そう」

 

無表情スキルで冷静そうな男を演じているサトゥー。

 

「兄ぃ…ヤルなら、討ってやる♪」

 

無表情ではあるが、ミトの気迫で後ずさりしていくサトゥー。

 

「ヒカル…話し合おう。俺は…敵対心は無い。それは事実だ」

 

「公爵夫人だけ悪者か?」

 

「だから、夫人にした覚えは無い!」

 

「ペンドラゴン男爵…申し上げにくいのですが…あの宣言文は生きています」

 

って、王様付きの大臣がサトゥーに。事態の深刻さを説明した。

 

「えっ!俺の知らないうちに…結婚したことになっているのか?」

 

無表情ではあるが、凹んでいるサトゥー。まぁ、凹むよな。

 

「どうすれば無かったことに?」

 

「申し上げにくいのですが…男爵と領主と王女が反逆罪になれば…」

 

「罪人か、結婚承諾なのか?」

 

「兄ぃ!違うって。この世界は消えるか、宣言を無効にするかだよ。ふふふ♪」

 

キレたミトは恐い…

 

「そこまでキレているんか?お前達…」

 

頷く僕とミト。目を見開いて驚いているサトゥー。無表情スキルが解除されたようだ。

 

「で、どうするんだ?僕はどっちでもいいよ。仲間達を連れて帰るだけだし♪」

 

ドアの外では、シガ八剣のメンバーが固まっている。僕とミトと王女を天秤に掛けているのかもしれない。

 

「わかりました。システィーナは病気療養させます。あの地を訪れたシスティーナはニセモノってことで、どうでしょうか?」

 

王様が代案をひねり出した。

 

「それが通るのであれば、それでいいけど…」

 

当のシスティーナは絶頂の彼方へ旅立って、意識は無い。

 

「では、大臣よ、そのように、通達を各地へ流してくれ」

 

「はっ!」

 

ドアの向こうのシガ八剣の方々から、安堵感が漏れている。

 

「ちょっと。待ってくれ!」

 

僕の待ったで、場の緊張が一気に高まった。

 

「今回の不始末の賠償は何だ?」

 

「え?」

 

固まる王様…

 

「決めてないなら、僕から要求をする。システィーナ王女は、ペンドラゴン男爵の妻にしてくれ。で、僕達が居なくなったら、サトゥーを王家で面倒見てやってくれないか?」

 

ミト以外が、固まった。

 

「ちょっと待て!どういうことだ?」

 

サトゥーから異議申し立てのようだ。折り込み済みだけどね♪

 

「離脱時にリザ達も連れて帰る。だから、僕達がいなくなったら、冒険はせずにエチゴヤ一本で生きろってことだ。システィーナは、名ばかりの妻で、王家からの人質扱いで良い」

 

「いや、しかしだな…」

 

「高級娼館は離脱時にエチゴヤに譲渡する。それで手を打て!」

 

サトゥーはにんまりした。だけど、僕達が離脱したら、あの大陸に行けないんだけどね♪まぁ、箱物だけ、譲渡でもいいかな。

 

「じゃ、これでシスティーナ問題は閉幕でいいな?」

 

「はい…」

 

王様は納得の上、凹んだようだ。近い将来、僕達が離脱する意志があることが、判明したからのようだ。

 

--------

 

サトゥーを街へ帰し、僕とミトは馬車へと戻った。

 

「どうなりましたか?」

 

セーラが効いてきた。推移と結論をみんなに話した。

 

「サトゥーさんは結婚されたんですね」

 

って、ゼナ。

 

「そういうこと。まぁ、結婚してもアイツのことだ、娼館通いを続けるだろうけどな」

 

「ですね」

 

ゼナの中でも『サトゥー=娼館大好き』ってイメージのようだ。

 

「で、今後はどうなるんだ?」

 

リーンに訊かれた。

 

「こっちは予定通りの行動をする。この世界の鍛冶に興味あるし♪」

 

そして、中断していた食事を始めた僕達。

 

 

 

 

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