異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
---ゼナ---
シュウさんと旅をしています。馬車での暇な時間に、教えを受けております。
「魔法使いは、ルールに基づいた呪文を唱えることで術が発動するけど、魔導師とか魔術師の場合は、ルールは無いから」
要するに、魔法使いは教えてもらった魔法しか使えないが、魔導師や魔術師は、自ら独自の魔法を作ることが出来るそうだ。
「魔法陣を作れるかどうかだな」
魔法陣は作れない。呪文を唱えることしかできない。呪文には魔法陣が組み込まれていて、それを言霊で発動しているらしい。
「僕の場合は魔法陣を作れるし、弄れるスキルがあるから。逆に、魔法使いの使うような魔法は、使えないと思ってくれると良い」
違いがわかった。じゃ、私は魔法使いとしてスキルアップが望めない…凹む。
「そうでもないよ。オーラ遣いになれば、スキルアップは出来る。魔法使いに拘ることは無いと思うんだよ」
目から鱗な話だ。そうだよ。敵を倒せれば、魔法に拘らなくて良いはずだ。
「例えば、ポチとリザが習得を目指している飛ぶ斬撃だけど、あれもオーラを利用しているんだよ。オーラとは身体に流れる気の流れのことだ」
オーラ理論を学んだ。
「例えば…」
彼の指先に炎が1つ浮かび上がった。
「触ってごらん♪」
恐る恐る炎に触れてみる。あれ?熱く無い。冷たくなったり暖かくなったりする。
「オーラにどうしたいかの念を乗せるんだよ。まぁ、これは上級ではあるけど。で、飛ぶ斬撃は、得物の刃先にオーラを乗せて、それを飛ばすのさ♪まぁ、チートな方法であって、正確には飛ぶ斬撃ではなく、飛ぶ斬撃もどきではあるけど、結果がでれば、方法はどうでもいんだよ」
なるほど…って、簡単にできる技では無い。でも、結果が同じなら手段は選ばないらしい。
「まぁ、簡単には無理だよ。鍛錬は必要だ」
「旦那様、何かが来る」
タマちゃんが何かを感じ取った。
「ナナ!止めろ。警戒レベルを2つ上げろ!」
リザさん、ポチちゃんが得物を持って、外に出た。
「う~ん、来たのか…どうするかな…」
彼の表情からすると、敵では無いようだ。馬車の外ではざわめいている。彼が馬車から降りた。私達も続いて降りると、そこに白髪の猫人、緑髪のハイエルフ、金髪の少女がいた。
「お兄様♪綾香様に送り込まれました」
お兄様?綾香様?何?
「お父さん、会いたかったです」
「わぁ~い♪お父さんだぁ~♪」
状況が分からない。どういうことだ?金髪の少女が、彼にベタついているし!
「あぁ、みんなに紹介をする。僕の妹で猫しょうの白音、僕の養女でハイエルフのリヴェリアとハーフ人間のアイズだ。仲良くしてくれ。で、綾香って言うのは、僕の上司で、姉ちゃんのことだよ。ゼナも含めて、嫉妬するなよ♪」
いきなり、私の額に口付けをしてくれた彼。嫉妬なんか、少しだけですよ。
「戦力アップだな。白音とリヴェリアは治癒術が使える。アイズは二刀流だよ。そうだ、ゼナ、アイズに風魔法は習え。こう見えても風の精霊の血を半分持っているから」
彼にベタつく彼女…精霊なのか…って、彼の養女って、人間が一人もいないんですけど…どうして?
「どうして?だって、基本的に人間は愚かで醜い生き物だよ。ゼナは違ったけど」
愚かで醜い生き物…どうして、そんな言い方なの?
「どうして?僕の母親は人間に殺されたんだ。それも教会が放った刺客にね」
まさか、彼は人間では無いのか…
「そうだよ。僕は化け物だよ」
化け物…こんなに優しいのに…
「優しいとか関係ないだろ?種族の問題なんだから」
種族…産まれたくて産まれた訳では無いのですよね。そうだよね…私だって、産まれたくて、あの家で産まれた訳ではない。
「そう、そういう考えが出来れば、醜くはなりにくい」
彼が私の見る目は暖かい。そんなに見つめないでください。蕩けそうです。
---シュウ---
妹と娘が来たということは、仲間達が合流する日は近いのかな?ミーアはリヴェリアに、ポチ、タマは白音に懐いたようだ。、ゼナはアイズに対して姉のように接し、甘えん坊のアイズは、僕に甘える機会が減ってきた感じだ。似た者同士、心が通じ合うのかな?
「街が見えたよ」
「街が見えたのです」
タマとポチが知らせてくれた。物資を補給しないとダメだな。旅するメンバーが増えたし。
って、またも街の入り口には関所がある。身分証か…白音が身分証を手渡して来た。
「綾香様が、それを使いなさいって」
身分証には『幽玄龍騎士団団長』と書かれていた。この名称は、この世界で使えるのか?関所で身分証を見せると、馬車内を調べずに関所を通過できた。何かカラクリがあるのか?まぁ、いいっか。
宿を探さないとなぁ。そんな悩みが浮かんだ時、馬車に走り寄って来た巫女姿の女性がいる。いや、巫女だから女性ではある。
「シュウ様ですか?私はこの街で巫女長をしているリリーと申します。ご神託がありまして、私どもの神殿を宿にお使いください」
姉ちゃんは、ご神託というツールを使ったようだ。
「そうですか、ありがとうございます」
馬車は巫女長をお乗せして、テニオン神殿へと向かった。
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その夜、神殿内が騒がしくなった。空気に同化して、情報を収集する。
「巫女長さま!大変です!」
司祭長が巫女長の部屋に駆け込んだ。
「どうしたの、司祭長。神殿では貴方の方が偉いのだから、私に様を付けてはいけませんよ」
「それどころでは、ありません。パリオン神殿、ガルレオン神殿の巫女殿に続いて、セーラ殿が行方不明になったそうです」
「なんですって、セーラが?なんてことでしょう…」
この神殿の巫女が攫われたらしい。一宿一飯の恩義ってやつかな?索敵能力を使い、この街の悪意ある者達を探し出す。うん?この街の地下に空間があるようだ。そこに悪意が渦巻いていた。取り敢えず、現場に転移しよう。
転移した先では、既に何かの儀式が始まっていた。何かの信者だろうか?円陣を組んでいる彼らの中心には、石で出来た寝台の上に、3人の少女達が載っている。生け贄か?拠り所か?儀式が完遂すれば、彼女達の命は無いだろう。う~ん…既に何かが少女達に降りているようだ。迂闊に手は出せない。正体が分からないと、対処を誤ってしまいそうだから。
サトゥーのチート能力なら、分かるのだろうけど、僕の能力では分からない。そもそも、この世界の魔法大系と呪文大系がわからない。
生け贄になった巫女達は全裸で、体中に魔法陣が描かれている。マズい状況だ。
「ここに穢れ無き乙女を対価に聖遺物の召喚を!」
「「「召喚を!」」」
馬鹿なことを言っている。乙女を対価に聖遺物を召喚だ?もう僕は召喚されているから、何も出て来ないはず。出るとすれば、それは聖なる者では無く、悪魔とか魔王だな。
聖なるナイフでは無く、単なるナイフを手にした3人の者達が、少女達の心臓へとナイフを振り下ろした。でも、ナイフを『強奪』して、彼らから奪い取った。単なるナイフじゃ、単なる殺人になると思うのだけど…この世界の儀式は大雑把なのか?
「何?ナイフが消えた。どういうことだ?」
召喚師らしい者が声を上げた。『透過』スキルで、直接心臓を鷲掴みにして潰した。その場で息絶えた召喚師。
「どうした?何者かが侵入したのか?!」
幹部だろうか?騒ぎ立てている者達がいる。迷わず、心臓を握り潰していく。
「儀式をジャマするとは、無粋な輩でオジャル」
「然り然り、下等な人族らしいナリ」
幹部達の死体となった身体を突き破り、2体の魔族が現れた。出て来て直ぐで申し訳ないけど、退場してもらう。ソイツらの身体に、僕のオーラを流し込み、灰へと償還していく。
うん?動き出したようだ。寝台で寝ていた少女の一人が起き上がり、寝台に腰掛けた。彼女の神経か脳みそを手中に収めたのだろう。彼女の腹部が蠢いている。体内で実体化をしているようだ。ならば、他の2名の少女の身体から、実体化途中の者達を『強奪』して、灰にしておく。その二人を白音の元へ強制転移させ、回復、浄化は白音に任せる。
問題はもう一人だ。身体を自由に使える、実体化しかけたヤツを『強奪』で引きはがせない。彼女の魂に手を掛けていたら、彼女を救えなくなるからだ。
目の前の空間が切り裂かれて、赤い肌の悪魔が出て来た。こいつも即退場にする。僕のオーラを真面に喰らい、灰になっていく悪魔。
次はなんだ?
「悪魔キラーがいるのか?」
ざわめく儀場。再び空間が割れて、青い肌の悪魔が顔を出した。悪いな、即退場してくれ。コイツも灰にしていく。
寝台に腰掛けていた少女が、立ち上がり、周囲を見回してから、
「我の復活の時は来た。人類よ恐怖せよ!今日この時より、世界は滅びへと歩み始めるノダ!」
と、信者達に言葉を掛けた。
「姿を見せぬ臆病者よ。姿を見せぬ理由は問わぬが、ヤマトの様に楽しませてくれるノダロウナ?我を失望させる事は許さぬノダ」
ヤマトって、あのヤマトか?アイツ、戦ったことがあるのか?それは楽しめそうだな。ヤマトと戦って生き延びているのか♪
僕の言うヤマトとは、闇属性の弟分である。少女の瞳が、不気味な感じの赤黒く光始めた。いよいよか?
「廷臣どもを生贄にしたお陰で、力は満ちたノダ」
少女がそう言うと、腹部が膨れていき、背中がぱっくり割れて、何かが出て来た。なんだ、コイツ?出て来たのは猪の頭である。体毛の無い身体。少女の命の灯火は消えた。すかさず『招魂』スキルで、彼女の魂を確保する。これで、戦える。ふふふ♪
そして、僕は本来の姿に戻り、ヤツの前に出た。最悪最低最凶の化け物として…
「何…貴様…まさか…」
僕を見て固まる猪頭。
「パンドラの箱から呼び出されたんだよ。どうしたよ、力は満ちたんだろ?」
僕を見て怯えている猪頭。
「神殺しか…」
「そうだよ。神でも殺せるんだ。お前達魔なる者なぞ、敵になると思うか?」
猪頭の頬を撫でてやる。撫でた箇所から灰化が始まった。
「なぁ、助けてくれ…」
命乞い?有り得ないなぁ。
「乙女を供物に召喚?お前、何様だ?!」
それは僕の特権である。僕以外の者が乙女を供物に?有り得ない!僕は僕に掛かっているリミッターを外した。その瞬間、魔なる者は灰に成っていき、醜く愚かな生き物達は燃えていった。さて、戻って蘇生作業するかな。生きている者がいないことを確認して、リミッターを掛けた。僕の放つ神聖なオーラは、神族すら燃えてしまうので、普段はリミッターを掛けて、オーラ漏れを防いでいた。
悪意ある者を一掃し、白音の元へと、少女の亡骸と共に転移した。
---巫女長---
白音さん達が、攫われた巫女2名を運び込んで来てくれた。
「浄化はして、治癒術も掛けています。後は薬の効果が切れれば、目覚めると思います」
巫女でも神官でも無いのに、浄化能力があるそうだ。神託によるお告げ…今回の騒動を予期された神様が、彼らをここへ送り込んでくれたのだろう。
目の前に、シュウ様が急に現れた。高位魔法の転移術か…
「白音、リヴェリア、この部屋を浄化しろ。アイズ、空気を入れ換えてくれ」
「「了解!」」
シュウ様は、部屋の四隅に、何かを書き込み始めた。見た事の無い魔法陣だ。これは一体…そういえば、セーラはどうしたのだろうか?
「セーラというのか、彼女は…」
彼は心が読めるようだ。
「そうです。この神殿の神託の巫女です。彼女はどうなったのですか?」
「ここにいるよ」
彼の手の平の上に、淡い光を灯す炎が見える。まさか、あれはセーラの魂なのかしら?
「これから、蘇生の儀を始める。司祭長よ、神殿にできる限り巫女を集め、祈りを捧げさせてくれ」
私を見る司祭長。私は彼に頷くと、彼は部屋から足早に出て行った。蘇生の儀…初めて見るわ。彼は神なのか…
セーラの魂を見つめて、何かの呪文を唱え始めた。床には魔法陣がいくつ発現して、光輝き始めた。彼の呪文が終わると、床で発光していた光が消えていき、そこにはセーラの身体、一糸纏わぬ姿で横たわっていた。身体創造…魂に残っている記憶から、身体を再生創造する御業だと聞いたことがある。彼は、やはり…
手の平に載せていたセーラの魂が、今創造されたばかりのセーラの身体に入魂されて行く。神々しい御業を前にして、身体の震えが止まらない。涙が目から零れていく。
彼の手の平がセーラの左胸に当てられ、彼が呪文を唱えていく。すると、セーラの胸が上下動し始めた。
「成功した。疲れたから寝るよ♪」
彼は白音さん達と、部屋を出て行かれた。
---セーラ---
悪夢を見ていた。目覚めると、巫女長様が、私の手を握り締めていた。どうしたのかしら?
「おはようございます」
「セーラ…お帰りなさい…」
涙をポロポロ流し、私に抱きついて来た巫女長様。どうして?あれって、悪夢じゃなかったの?
「奇跡だ…」
司祭長様まで、涙を流されている。あの悪夢…私は死んだ…魔王が私の身体に宿って…
「もう心配しなくても良いのですよ。あの方達が、奇跡の御業を見せてくださいました」
あの方達?どなたのことだろうか?
「セーラ…アナタに使命を与えます。あの方達に帯同して、奇跡を広めてください」
ですから、どなたのことですか?
---シュウ---
朝、目覚めると、全裸のアイズとリヴェリアが両脇にいて、間違いが起きない様に、白音が上に載って、僕のアレを体内に収めていた。僕は爆睡派で寝ると起きない方なので、夜這いされまくられているのが難だった。娘達とは交わりたくないというのが、僕の唯一の理性的行為である。白音はそれを理解してくれている。
「お兄様、おはようございます」
白音の笑顔。生きていて良かったと思える瞬間である。両脇にいる娘達を起こさないようにして、ベッドから床へ転移した。そして僕、白音、寝ている娘達も『着衣』した。
「よく寝た…」
隣の部屋に行くと、リザ達が起きていた。
「あっ!おはようございます。旦那様♪」
リザが抱きついて来た。
「マイマスター♪」
ナナがマネをして抱きついて来た。ポチ、タマ、ミーア、ゼナはまだ寝ている。
「物資を補給出来次第、旅を再開する」
「はい♪」
「了解♪」
ナナはリザを真似ることを覚えたのか?ミーアと似ている件は、ミーアをベースで作られたホムンクルスという人造人間のようだ。外見は金髪Eカップの巨乳美女であるが、実年齢は0歳という、ギャッパーである。
一見ハーレム状態であるパーティーではあるが、何故か僕のストライクゾーンはリザだけである。だけど、娘枠故手は出せないので、実質はずれパーティーである。抱ける女体が欲しい…あの助けた巫女、セーラだっけ?あの子ならストライクなんだけど…聖女系は抱いちゃダメだよな…凹む僕。