※この作品はR-18です。

異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:もっち~!

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リザとの出会い

 

「悪魔の眷属に鉄槌を!この聖石を、眷属に打ちつける事で、徳を積むのだぁああ!」

 

裏返ったようなオッサンの声、たくさんの人の罵声が聞こえて来た。ゼナと共に、声の発生源に向かうと…リザ、ポチ、タマが奴隷着を着て正座していた。そこに投石をする人々、リザの頭に当たり血が流れ出している。

 

何してやがる…ふざけるな…

 

僕は無意識のうちに、リザの元へ行き、傷を癒やしてあげていた。

 

「貴様!悪魔の眷属を助けるのか!」

 

神官らしき恰好のオッサンに言われた。

 

「はぁ?聖石ってなんだ?」

 

僕はリザに当たった石を拾い見た。単なる道ばたに落ちている石のようだ。

 

「聖なる力の宿った石だ!」

 

「どこにあった?」

 

「言える訳ないだろう!」

 

言えないよな。

 

「聖なる石なんか、存在はしない」

 

この世界にはね…

 

「何をバチ当たりのことを!」

 

「バチ当たり?それはお前らの方だろ?群衆にサクラを仕込んで、詐欺しているんじゃないぞ!」

 

ゼナが遅れて、僕の横に来た。

 

「彼は神聖魔法を使う神官です。あなたは使えるのですか?」

 

ゼナもオッサンを追い込む。

 

「そうか!お前は悪魔だな!まやかしで、このお嬢さんを騙したのだ」

 

騙している件は、否定はしないが、

 

「なら、本当の聖なる石の効果を見せてやるよ」

 

ぎょっとするオッサン。僕は手にした石に聖なるオーラを纏わせた。

 

「いいか!聖なるオーラを、この石に纏わせた。聖なる石が実在するなら、同じ感じだと思ってくれ。聖なる力は魔族を灰にする」

 

リザに石を当てるが変化は無い。

 

「次に腹黒い人間に当てると、激痛を与える」

 

オッサンに当てると、苦しみ藻掻き始めた。

 

「おぉぉぉぉぉ~!」

 

群衆の驚きの声。

 

「更に悪魔に当てると、激痛を与えるんだよ♪」

 

悪魔らしき物が憑依した人間に石を当てた。僕はオーラで種族が分かるんだよ~。

 

「貴様ぁぁぁ~!うごっ!」

 

苦しみ、藻掻き、宿主の身体を粉砕して現れた悪魔。

 

「ゼナ!彼女達を護れ!」

 

「はい♪」

 

逃げ惑う群衆。僕は悪魔に対峙した。

 

「貴様!何者だ!単なる神官では無いなぁ」

 

「聖戦士だよ♪」

 

聖なる拳を叩き込む。苦しみ藻掻く悪魔。

 

「聖戦士?」

 

「そうだよ。聖属性の戦士だよ~ん♪」

 

悪魔は僕から距離を取って、体勢を立て直そうとする。だが、瞬動術で追従し、ホーリーナックルを叩き込んだ。ナックルはインパクト時に聖なる槍を撃ち込む。

 

「何…何だ、その攻撃は…」

 

問題は、この世界の悪魔は、聖なるオーラでは屠れないことだ。そもそも神様の成り立ちが違うからだ。だかど、悪魔の身体が爆発して、更なる悪魔を産み出した。さっきのよりヤバそうだ。

 

「ワガハイ誕生!」

 

今度は徐々に大きくなっていく。本気でやらないとまずそうだ。僕は僕に掛かっているリミッターを少し緩めた。その瞬間、空気が鳴動し、建物の窓ガラスが空気振動の伝搬に耐えられなくなり、割れていく。緩め加減が難しいなぁ。

 

「貴様、何者だ?ワガハイびっくり」

 

太く大きな腕で僕を掴もうとしたので、左手で払い除けた。すると、奴の手は灰となり霧散していく。

 

「何?何をしたのだ?ワガハイ失禁」

 

片腕を無くしたことで、パニクっている悪魔。

 

「キサマ、何者ダ? ワガハイ不快」

 

毒針が飛んで来た。フルカウンター3倍返しだ♪

 

「はぁ?なんてことを…ワガハイ考え中」

 

考えた挙げ句…

 

「コノ地に我が巣穴を創ル。嬉シかロウ? ワガハイ勤労!」

 

次の瞬間、空間が揺らいだ。地面が波打つ。何をした?ゼナは無事か?リザは?タマは?ポチは?

 

-------

 

空間の揺らぎが収まると、洞窟の中にいた。ここって、どこの洞窟?ゼナ達、アリサ、ルルを『強奪』で手元に持って来た。全員、意識が飛んでいる。服も下着も汚れている。まぁ、驚いて生理現象が起きたのだろう。彼女達の身体をきれいにして、服と下着も新しくした。全員、長袖、長ズボン、登山靴着用である。

 

ここはどこの洞窟だ?奴のオーラを探ると、上の方から感じる。奴の巣穴の最下層か?この階層には出入り口は無い。閉じ込めたってことか?次、会ったら消し去ってやる。悪魔とラスボスの違いを叩き込まないとダメだな♪

 

「ここは?」

 

ゼナが目を覚ました。

 

「洞窟だよ。悪魔に閉じ込められた」

 

「そんな…あれ?服が…」

 

「汚れていたから、取り替えたよ」

 

ゼナの顔が真っ赤になっていく。なんで?

 

「あの…着せ替えたのですか?」

 

「まぁ、そうなるよね」

 

「え…あ…色々大変なことになっていた筈ですが…」

 

「あぁ、見ていないから、知らないよ」

 

「見て居ない?」

 

「着せ替え術を持っているから…生活魔法って言うのかな?」

 

実際は違うけど…実際は、『脱衣』『浄化』『洗浄』『服創造』『着衣』と、着せ替えコンポをしたのだが…面倒なので、生活魔法ってことにした。

 

「生活魔法もお持ちなんですか?」

 

驚くゼナ。

 

「はぐれ神官だから、生活に困らないようにね」

 

って、誤魔化す。

 

「なるほど…」

 

納得したゼナ。次は、腹ごしらえか?リザ達は、ロクな物を食べていなかっただろうし。

 

『到着♪』

 

タイミング良く、仲間から連絡が来た。やっと、救援が来てくれたようだ。

 

「ゼナ、食事する?」

 

「ここって、食料あるんですか?」

 

「ここは無いよ。僕の家に、ご招待して上げる」

 

全員で、僕の家、キャッスルドランへ転移した。高度1万メートルに浮遊するお城で異世界を移動できる能力がある。僕のバックアップ部隊である。

 

「ここは?」

 

「僕の家だ。食堂はこっち」

 

ゼナを食堂へ案内した。

 

-------

 

腹を満たしたゼナに、家の中を案内する。リザ達は目を覚まし次第、食事をさせるように、仲間に頼んで来た。

 

「すごい…こんな聖堂が家の中に…」

 

我が家ご自慢の大聖堂を気に入ってくれ、良かった♪

 

「ゼナさえ良ければ、ここで式を挙げたい」

 

「それって…ぷ、ぷ、プロポーズですか…」

 

更に茹で上がっていくゼナ。死亡フラグよ、立つなよ!

 

「そう取ってくれて、かまわないよ」

 

「お、お、お受けします」

 

「じゃ、今からするか」

 

「はぁい?」

 

驚くゼナの衣装をウェディングドレスに替え、祭司にガブリエルを呼んだ。

 

式はつつがなく進行し、最後にゼナの指に指輪を…僕の駒も、こっそり入れた。

 

「あの…夢うつつなんですが…これって、夢ですか?」

 

「現実かな?さて、新婚旅行は、また今度で、あの悪魔を倒しに行くよ。ゼナの夢を叶えつつね」

 

はて?って感じの表情のゼナ。服装をコンバットスーツに替えて、ハンガーから二人で飛び降りた。固まるゼナの表情。

 

「空の上でデートがしたいんだろ?」

 

首が上下に動いている。ゼナの手を取り、見えない翼を展開して、ゆっくりと降下していく。

 

「え…ぇっ!えぇぇぇぇぇ~!」

 

空の上にいることに驚くゼナ。

 

「どう?飛行魔法は♪」

 

いや、飛行魔法なんか持っていない。翼持ちに飛行魔法は必要が無いから…

 

「スゴいです。こんな魔法も出来るなんて…」

 

上空から見る現場は、悲惨な状況だった。奴のいた場所はクレーターのように抉れていた。その中心に穴が見える。あれが、洞窟への入り口か?兵士達が、入るかどうか揉めているようだ。奴の位置を把握する。オーラの感じ方からして、上層部にいそうだ。サトゥーのようなマップ探索が欲しい。どこに行けばいいんだ?

 

ゼナに抱きつき、翼をしまい、自由落下をしていく。降下スピードが上がったことで、ゼナが僕に必死にしがみ付いて来た。ゼナの胸の感触…悪くない。地面を透過して、岩盤を透過した。そして、奴のいる階層に舞い降りた。ここって、地下2階層目か?あぁ、入り口で揉めるよな。入って、ほぼスグにいるんだから。

 

「ゼナ、雑魚は任せたぞ」

 

「はい…あなた…なんて…ふふふ♪」

 

一人で惚気ているゼナをスルーして、速効で奴を灰にした。一瞬、リミッターを解除しただけで、この階層にいた奴も雑魚も巻き添いの人間も灰になっている。ゼナだけは無事である。僕の駒の恩恵だ。

 

「ゼナ、終わったよ」

 

奴の魔核をセナに渡した。雑魚の分は僕が貰っておく。生活費にしたいから。

 

「え?もうですか…早っ!」

 

「あれ?ゼナ…デートだったんだろ?今日は…」

 

リリオがやってきた。

 

「うん♪彼が倒したよ。これ、悪魔の魔核だって」

 

僕が手渡した悪魔の魔核を自慢げに見せるゼナ。その手には指輪が…きっと、自慢げに見せたかったのは、指輪だったんだろう。

 

「何?その指輪は…まさか…デートして、即結婚?」

 

それに気づくイオナ、リリオ…ゾクゾクとゼナの同僚達に衝撃が走る。悪魔を倒したことより、そっちの方が衝撃だったようだ。

 

「てへへへ」

 

嬉しそうなゼナが僕の腕に抱きついている。

 

「マジかよ~。で、結婚しての初めての共同作業が、悪魔退治か?」

 

嬉しそうに頷くゼナ。

 

------

 

同僚達にアレコレ訊かれているゼナを残し、みんなの元へ帰った。

 

「ねぇ、どういうこと?」

 

アリサが訊いてきた。スルーして、リザ達の元へ。

 

「今日から、お前達に名前を付ける。リザ、タマ、ポチだ。いいな?」

 

ぽっか~んとした表情で頷く3人。

 

「後、もう奴隷ではない。使用人として働いてくれ。いいな」

 

頷く3人。尻尾が嬉しそうに踊っていた。

 

さて、アリサを僕の部屋に連れ込んだ。

 

「何が訊きたい?」

 

僕の部屋を興味深そうに見渡している。部屋の三方に本棚。色々な世界で集めた魔法関連の書物が並んでいる。床には書類の山がいくつも有り、机の上も書類の山であり、書類の無いのは、トリプルサイズのベッドだけだ。

 

「ここはどこ?」

 

「セーリュー市の上空、高度1万メートルだけど」

 

「ここは何?飛行艇?」

 

「僕の城、キャッスルドランだよ」

 

「城?あんた、王様なの?」

 

「う~ん…僕は否定しているけど、みんなはそう呼んでいる場合もある」

 

「どこの王様?」

 

「言って信じて貰えない場所だよ」

 

「信じる。だから、教えて…」

 

真剣な目のアリサ。

 

「天国と地獄の2つを統べている。信じるに値しないだろ?」

 

「一概には…」

 

「それでいんだよ。王様って器では無いからね」

 

「ねぇ、異世界の私はどうなったの?」

 

「魔王化しかけた。だけど、助けたよ。君は、チート能力を無くしたが、魔王化の心配は無い」

 

「ありがとう…10年後、必ずお礼をする。だから、一緒にいさせてね」

 

「あぁ」

 

アリサとみんなの元へ戻り、地上での旅の準備をする。

 

「シュウを一人でなんか行かせないよ!」

 

副官のフィンが言う。心配しているんだな。僕がやらかすことを…

 

「誰が行けば、暴挙を止められるかな?」

 

「大丈夫だよ。ゼナがいるんだからさぁ」

 

セーリュー市から、ゼナを連れ去る予定だ。その為の結婚だし。

 

「彼女じゃ止まらないだろ?この世界だとエルフ系はダメだしなぁ」

 

エルフは神聖な者だから、普通は旅しちゃダメらしい。

 

「姫とマッチーがいるから、どうにかなるだろう」

 

姫はケンタウロスで、マッチーはデュラハンであり、馬に擬態して馬車を引いてくれる。夜の添い寝もしてくれるし♪

 

「姫は常識あるが…」

 

マッチーも常識派では有る。この二人の問題は天然系なことだな。

 

「あぁ、連絡用途でエリカを連れて行く」

 

エリカはサイボーグである。少しおバカではあるが、強い。使い処が難しいが、AIモードにすると下手な探査装置より優秀である。

 

「じゃ、取り敢えず、それで。人員の手配が出来たら、交代させますから」

 

そして、地上へ舞い降り…街の外ではあるけど。リザ達は宿に泊まれないから。この街は亜人に優しくないのだ。

 

夜になり、ゼナを迎えに行った。

 

--------

 

マリエンテール卿に挨拶をした。彼は、ゼナの弟らしい。

 

「姉と結婚したって本当ですか?」

 

頷く僕。

 

「どこに住みますか?」

 

「これから、長いハネムーン旅行だよ♪」

 

「はい?」

 

戸惑うゼナ。

 

「僕達の旅に連れて行く」

 

「姉は、領軍の兵士です」

 

「だから?寿退官だろ、普通は」

 

「それはセーリュー伯が、決めることです」

 

ゼナは政争の為の駒か?

 

「それはセーリュー伯が認め無いと言ったら、ゼナとの結婚は無かったことになるのか?」

 

「そうなります。この街はセーリュー伯が、アレコレ決めますから」

 

「人間は愚かで醜い生き物だ。まさに、その典型だな」

 

「そもそも、あなたは何者ですか?」

 

長引きそうだ。ここは引くか。ゼナを抱き、一緒に転移をした。馬車の中に転移して、

 

「出せ!」

 

御者台にいるリザに伝えると、馬車は走り出した。

 

 

 

 

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