異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
---シュウ---
物資の買い出しは、僕と白音、リザ、セーラで行っている。ゼナは、アイズが『ゼナたん』呼びをして懐いてしまった。親離れ…少し寂しい。ミーアとリヴェリアは種族的な問題で、神殿内にいる。この世界ではエルフ、ハイエルフは珍しいらしいので。
街のことを知り尽くしたセーラが、必要な物がある店に案内してくれた。巫女として、この街の有名人であるセーラ相手にぼったくりも起きず、フェアトレードで物資を買い込んでいった。
「ねえ、ミコのお姉ちゃん」
セーラに知らない子供達が話し掛けてきた。
「どうしたの?」
セーラが話を訊くと、
「大人の人が、マオーが復活するとか」
「セイキマツーだ。みんなシヌンダーとか言ってるの」
「みんな死んじゃうの?」
って、言い出した。
「大丈夫よ、そんな事無いわ、きっと勇者様が退治してくれますよ」
勇者ってサトゥーかな?って、アイツのことを思い出したのだが、目の前にアイツがいた。
「よぉ、ヤリ逃げ商人様♪」
サトゥーに声を掛けた。
「え?シュウ…どうして、ここに?」
驚き狼狽えているサトゥー。
「物資の補給中だよ。僕達も旅をしているんでね。また、違う女性をハントか?」
僕のストライクゾーンに入る黒髪の少女を連れていた。
「ハントじゃないよ。俺の旅の仲間だよ」
「属性が奴隷なのは、どうしてだ?」
サトゥーの耳元で小声で囁いた。狼狽えるサトゥー。
「諸事情でだよ。で、なんて、俺がヤリ逃げなんだよ!」
おぉ、否定する気か?証人を押さえているのになぁ~♪
「ゼナが怒っているけど…」
「え?ゼナさん…」
顔面から血の気が失せていくサトゥー。
「今、一緒に旅をしているんだよ。サトゥーって言うヤリ逃げ男を捜す為ににね。ははは♪」
旅の目的では無いけど、ゼナ的には捜しているのは事実である。ヤリ逃げの理由を訊きたいみたいだ。
「この街にいるのか…」
「もしかして、ゼナさんの…」
セーラが訊いて来た。
「そうだよ。ゼナと交わって、何も言わずに街を出たヘタレだよ♪」
「いや、言ったよ。旅に出るけど、一緒に連れて行けないって…」
「そういうことにしてあげる。で、口止め料は?高いよ~♪」
「あぅ~、善処する。だから、ゼナさんには…」
「わかった。じゃ、またな♪」
サトゥーと別れた。からかいがいがあるなぁ♪
「ゼナさんに、教えるのですか?」
セーラが心配そうに訊いてきた。
「言わないよ。思い出したくもないだろ?あの件で、死ぬ寸前まで行ったんだから」
「そうでしたね」
セーラにはゼナが抱えている問題を話してある。セーラも一緒に旅する仲間であるから。
神殿に戻り、巫女長と会った。
「街で子供達に言われたんだけど…魔王ってまだいるのか?」
「えぇ、まだいるみたいです。あと、最悪最低最凶なる者が降臨したようで…」
「後者は気にしないでくれ。たぶん、それって、僕のことだから」
「えっ!どういうことでしょうか?」
「まぁ、そういう存在ってことで、お願いしますよ」
巫女長には詳しくは語れない。ストライクゾーンの女性からみて、最低最悪な男だとは…性癖が破綻していて、ドエスプレイ好きとは語れない。神殿で話す話題では無いし。
「あぁ~、そういうことですか。はいはい♪訳有りなんですね。わかりました。シュウ様の仰せの通りにします」
巫女長が訳知り顔で笑顔を返してきた。まさか、白音がチクったのか…
「セーラで良ければ、シュウ様のお好きにして良いですわ♪」
あぁ~、チクったのは確定だな…
「聖職者にはちょっと…気が引けます」
「巫女籍から外します。その方が、一緒に旅をしやすいでしょ?」
それは願ったり…いやいや…ダメでしょ?
「それよりも、最強の戦士を決める競技会が、開催しております。観戦されたらいかがですか?この世界のレベルがわかるかと思います」
この世界のレベル?チートなサトゥーだけ要注意で、あとは雑魚の予感である。
「人混みは苦手です。腹黒いオーラは屠りたくなりますから♪」
「なるほど…」
サトゥーは参戦しているのかな?情報を仕入れるかな。
って、今日が決勝戦のようである。セーラからその情報を訊いた瞬間、公都が震撼した。地震とかでは無く、空気が振動している。オーラが鳴動している。何かが降臨したようだ。
「セーラ、神殿に巫女を集めろ。街中には出すな」
「はい!」
「司祭長、祈りを捧げろ!」
「わかりました!」
「白音、リヴェリア、神殿に結界を張れ!」
「「了解です!」」
「ナナ!ゼナ!娘達の傍にいろ!神殿から出すな!」
「了解です。マイマスター」
「わかりました」
指示を出し、僕は震源地へと向かった。
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競技場の上空に魔族がいた。これ一体で、あの振動は無いはずだ。競技場には力自慢が揃っている。
魔族が召喚術を使い、魔物を多数呼び出した。その時になって、警報の鐘の音が公都に響き渡った。遅い気がするんだけど…逃げられないだろうに。
「シュウ!」
仮面を被ったサトゥーが現れた。
「仮面武道会か?」
「この姿の時は、勇者ナナシと名乗っている」
「で、アイツの能力は何だ?」
「召喚魔法、精神魔法、火炎魔法だよ」
「ふ~ん、火力は無さそうだな」
「お前がチートすぎるだけだろ?」
「ゲームプレイヤー気取りのお前には言われたくない。援護頼む」
「わかった」
競技会場には戦士タイプのスケルトン、グールが大量に呼び出されている。人間がジャマなんだけど…。『地獄の業火』で焼き払うのが楽だけど、人間も死んじゃうしなぁ。『天からの狙撃』を発動し、神聖属性の針を撃ち込んでいく。人間にも痛みは伴うが、死ぬほどでは無い。
「おい!転げ廻っているぞ。あれって、毒か?」
サトゥーに訊かれた。
「腹黒さに激痛が正比例しているだけだよ。あの女戦士は、けろっとしているだろ?」
「リーングランデ嬢だ…」
サトゥーの女のようだ。
「おい!競技場内にいる人間を退かせてくれ!殲滅魔法が撃ち込めない」
「わかった。少し時間をくれ!」
サトゥーが見えざる手で、人間を排除しだした。コイツ、魔女因子持っているのかな?
「偉大なるパリオンよ、我が魂を糧に勇者召喚を叶えよ!我は従者、勇者ハヤトの従者リーングランデ!」
女性の供物宣言が聞こえた。そんなことで、供物になるなよ。その女性の命の灯火が消える前に、彼女を『強奪』した。僕以外に女性を供物にするのは許せないから!僕の中で怒りが渦巻いている。この世界での僕の不遇さに、怒りを覚え始めた。許せない!僕には魂を供物にしておいて、魔王、勇者は女性を供物にだと!!
強奪した女性の命の灯火は、今にも消えそうだ。でも、いま対処している時間は無い。時間経過ゼロの僕専用フィールドに強制転移しておく。これで死なないはずだ。後で、対処しよう。
大元の上級魔族を灰にしようと近づくと、空間が割れて、流線型をした銀色の宇宙船のようなモノが現れた。はぁ?何?敵かな?彼女の祈りで召喚されたのかな?そうなると勇者の乗り物か?
船首には、青い鎧の男が立っていた。
『俺様、見参!』
この勇者は、何様なんだろうか?『エアスタンプ』で競技場の地面に、宇宙船ごと叩き落とした。ジャマだし♪では、瞬動術で魔族の目の前に踊りでて、タッチしまくって灰にしていく。ふと、下を見ると宇宙船から美女軍団が現れた。あの何様勇者はハーレム持ちなのか…この世界での僕の不遇さに、更に怒りを覚え始めた。許せない!魔王も勇者も、僕の敵だぁぁぁぁ~!
魔族達が灰になっていく。僕からオーラが漏れ出した。僕は僕である為に、本当の姿、鬼と天使のハーフな化け物になった。
「何…神殺し…」
黄色い魔族が呟いた。僕を知っているってことは、こいつがボスかな?
「ふふふ♪」
僕の姿を見て、黄色い魔族が怯んだ。躊躇せず、飛ぶ斬撃で、ソイツを灰にした。
『シュウ、ムカデタイプを頼む!』
サトゥーから念話が届いた。『ファイヤーフォール』で、火の玉で狙撃して焼いていく。
『シュウ!上!空飛ぶ鯨だ!』
あぁ、いるねぇ。全長300メートルを超える巨大な魔物だ。竜田揚げにするとおいしいかな?先程の女性を強制転移させた僕専用フィールドへ、こいつも強制転移させた。後で解体しようっと♪
『お前、チート過ぎだろ?って、何?その姿は…鬼なのに天使の翼って…』
『元々、鬼と天使のハーフだから。これが本当の姿だよ♪』
『おいおい…』
『サトゥー、後、残っているのは?』
全マップ表示できるアイツの索敵能力の方が上なので、アイツを頼る。その間に、勇者達が僕を攻撃対象にしてきた。ウザいので空気と同化して身を隠した。
『おい、勇者の攻撃にさらされている。速く索敵をしてくれ!』
『大丈夫だ!撤収でいいよ』
『そうか、手柄はお前にやる♪じゃなぁ~、ヤリ逃げ君♪』
僕はその場から僕専用フィールドへ転移して、女性の延命と鯨の解体を始めた。
---リーングランデ・オーユゴック---
ここはどこだ…薄暗い場所に手首足首を拘束されていた。魔族に捕まったのか?唇に何かが重なった。口の中に何かが入って来た。舌で確認すると、誰かの舌のようである。男共に回されるのか…この上は舌を噛んで…うっ!顎が動かない。口元から唾液が流れ出している。それを啜る何者かがいる。
胸の谷間に何かが挟まれた。口元に先端が来ている。ソレを舐める。美味しい…積極的に舐める。マズい中毒になりそうだ。乳首から何かが入って来た。有り得ない。でもそんな感覚が有り、乳房の皮膚の内側で、気持ちの良くなる刺激が産まれている。体内に何かが寄生したのか…
股間には何かがいる。押し広げられる感覚。二本の腕らしき物が私の中に入ろうとしている。有り得ない刺激で、パニックを起こしながら、愉しんでいる自分がいた。
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「お姉様…」
有り得ない声…妹の声だ。神託の巫女として、テニオン神殿にいる筈だ。
「お姉様、大丈夫ですか?」
私の手を握る妹…夢ではないようだ。
「セーラ、ここは?」
「テニオン神殿ですよ。私の主様が、お姉様を供物として受け取ってきたそうです」
うん?妹の主様?私を供物に?
「お姉様も、私達と一緒に旅するのですよ♪」
妹の笑顔。意味が分からない。私はどうなったのだ?
「お前は、あのクソ勇者を召喚する為に、命を落とし掛けたんだよ。だから、僕がお前を供物にして、お前の命を助けたって感じたよ」
見知らぬ男が現れ、妹と口付けを交わしている。
「お前!巫女になんてマネをするんだ?」
「お姉様、私は巫女籍から外れて、今はセーラ・オーユゴックです♪」
はぁい?何で、巫女籍から外れたんだ?
「そう思うだろ?僕も同感だよ」
って、苦笑い気味の男性が、私に同意した。
「だって巫女だと、シュウ様と、こういう関係になれないじゃないですか」
妹の方から、男性に口づけをしている。それも嬉しそうに…えっ?!
「セーラの彼氏か?」
「まさか…私では釣り合いが取れませんよ。シュウ様は私の恩人です。ですから、お側で仕えることにしたのですよ、お姉様♪」
彼と一緒に居られることが楽しそうな妹。
「あぁ、リーンよ。お前も世間的には、死んだことになっているからな」
死んだこと?お前も?どういうことだ?妹が新聞を見せてくれた。そこには私の葬式の記事が載っていた。どういうことだ?
「そういうことだよ。リーン、頼むよ」
私を取り巻く状況を理解するのに、数日を要した。要するに、私は死んだらしい。いや、死にかかったらしい。私のした行為は自殺行為に当たり、完全に死ぬと蘇生は出来無いそうで、死ぬ寸前にシュウ様に助け出されたそうだ。ちなみにセーラは死んでから蘇生されたそうで、それは巫女長、司祭長の目の前で起きた御業だそうだ。御業ってことは…
「神様と呼べば良いですか?」
私は奇跡に立ち会っているのか…
「リーンよ。僕は僕が神であることを否定して生きている。だから、シュウでいいよ♪セーラも様付けは要らないからね」
それって、神ってことだよね?否定して生きているって…
「はい、シュウ様♪」
妹に様付けで呼ばれると、困った顔になるシュウ様。彼の妹さんによると、女性が大好きなのに、女性に惚れられることが苦手らしい。一種の愛情障害だと言う。
「白音、買い付けは終わったか?」
「えぇ、お兄様のゼロタイムの専用フィールドを倉庫代わりにしていただいたので、たぶん、この後は、補給無しで、行けるのではないかと思います」
彼の妹さんだそうだけど、種族が違う義兄妹だそうだ。
「じゃ、エルフの里を目指すか♪御者は白音、ナナ、リザ、リーンで交代で頼むよ」
「「はい!」」
妹との旅…夢のようだ。勇者の連れと神託の巫女という関係では、有り得なかった現実が、今ここにある。難点は、シュウ様のご乱行か…どうも気に入られたらしい…シュウ様曰く、『やっと、ドストライクの女性に巡り会えた』だそうな…
サトゥー視点ではないので出て来ませんが、サトゥーはアリサ、ルルと旅をしています(^^;