※この作品はR-18です。

異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:もっち~!

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ムーノ男爵領 Part2

 

街に近づくにつれて、盗賊達の装備が立派になっていく。返り討ちにして、使える物、売れる物以外は、魂に宿る者たちの糧にしていく。

 

「ご主人さま、ばしゃ~」

 

タマが壊れた馬車を見つけた。盗賊にやられたのか、草むらに横倒しになったいた。馬はいないので、戦利品として持って行かれたのだろう。

 

ミトと共に、現場検証をする。死体すらない。死体は食料にされたのか?場所内の装備品も剥がされ無くなっている。座席も無い。ハイエナのような盗賊である。

 

「凶悪そうだな」

 

「あぁ…」

 

検証が終わり、馬車に戻り、先を急ぐ。早く、この領地の体制をどうにかしないと…

 

「なぁ、シュウ…人間を嫌いになるなよ」

 

って、ミト。

 

「大丈夫だ。これ以上は嫌いにならない」

 

「そうか…」

 

会話は続かない。ミトは僕の本質を知っているから。

 

そして、30名ほどの盗賊団が襲い掛かって来た。その後から、ムーノ男爵領の騎士達が4騎ほど迫ってきた。援軍か?新敵か>取り敢えず、盗賊団はフレイとエリカにより、殲滅した。

 

「そこの、商人、止まれ。我輩はムーノ男爵の正騎士エラルである」

 

盗賊団に襲われたのに、なんだ?

 

「商人では、ございません。私設の騎士団で、団長のシュウと申します」

 

馬車から降りて、名乗ってみた。どう出るのかな?

 

「貴様ら、貴族が乗るような豪華な馬車を見なかったか?もしくは白い馬に乗った美女を見なかったか?」

 

さっきの馬車かな?

 

「私はクハノウ伯爵領の方から参りましたが、そういった馬車や人は見ませんでした。ですが、馬車といえば、商人が使うような馬車なら、草叢に打ち捨てられているのを、この先で見かけました」

 

「その言葉に嘘偽りは無いな?」

 

「えぇ、私設騎士団はは信用が第一ですから」

 

剣を手にして威嚇してきた騎士。そんな威嚇、僕達には効かないのだが。

 

「よし、ベッズ卿、ドノザ卿、貴殿ら2人は念の為、その馬車とやらを確認した後、領境の警備隊に、命令を伝達して来たまえ。我らは男爵様の下へ報告に戻る」

 

情報に対する礼の一つもなく騎士達は、二手に分かれて立ち去った。その片方が盗賊団に襲われている。そうか、だから、装備が良くなっているのか…

 

まぁ、盗賊団は殲滅する。結果、助けたくもない騎士達を助けてしまったが…

 

「良くやった商人!盗賊どもめ、ムーノ男爵の正騎士エラル様の剛剣の餌食となれ!」

 

だから、商人では無いって言っただろうが…コイツの耳は日曜日か?

 

ガサゴソ…草むらから髭ダルマのオッサンが出て来た。手下の者が旅装の女性を人質にしている。女性はロープでグルグル巻きにされている。こいつら、センスが無いなぁ。もっとエロく緊縛出来ないものかな?

 

「ふん、人質か」

 

騎士エラルが人質の女性ごと後ろの男を刺そうとする。咄嗟に『強奪』で女性を手元に呼び寄せた。その結果、男だけを刺したエラル。

 

「ちぃ、人質も関係無しか、それでも騎士かよ」

 

髭ダルマのオッサンがエラルに愚痴を溢している。

 

「トルマ!」

 

人質だった女性から、刺された男性に声が飛んだ。あぁ、あれはトルマだったのか…やつれていて分からなかったよ。まぁ、いいっか。

 

トルマから引き抜いた剣で、髭ダルマのオッサンを切り裂いたエラル。それを見て、逃げ出す盗賊団。ミトが女性の拘束を解くと、トルマの元へ走り寄っていく。

 

背中を見せた盗賊達を切り裂いて行く騎士達…そんな姿を目の当たりにして、ゼナ達が固まっている。

 

「ふん、盗賊など生かしておくだけ食料の無駄だ。盗賊共の装備をくれてやるから、商いに使うのだな」

 

だから、商人では無いって…騎士達は去って行った。トルマの元へ行くと、死んでいなかった。しょうが無い、治癒術で治療をしてやる。まだ気を失っているが、呼吸は安定して来た。

 

人質だった女性、ハユナの話によれば、盗賊のアジトに彼女の赤ん坊が人質に取られているそうだ。なので、『強奪』で取り戻して、彼女へ渡した。赤ん坊を抱き締め、泣いているハユナ。感謝の言葉は無いのか?まぁ、いいか。

 

では、盗賊のアジトに、お宝探しに行くか♪僕と、フレイ、戦闘メイド6名で、乗り込んだ。ミトとエリカは馬車のガードで置いてきた。ゼナ達が心配だから。

 

戦意の有る者だけを屠り、お宝っぽいアイテムを強奪していく。殺戮のプロ相手に、びびる盗賊達。命乞いの見返りに、貴重なアイテムを次々出してくれた。無益な殺生はしないタイプなので、貰える物を貰って、退散した。アジトの裏に、馬が3頭いたので、これも貰って行く。馬車に戻ると、リザ達が死体から装備品をはぎ取っておいてくれた。

 

ハユナ達はチート装備の無い方の馬車に収容した。ここに置き去りはダメって、ミトとゼナに言われたから。せめて、トルマだけ置き去りにしたかったのだが…

 

--------

 

部外者がいるので、チートな食事が出来ない。野営地周辺で狩りをする。久しぶりの狩りで嬉しそうな肉食系娘達。ゼナ達は薪を拾いにいってくれ、ミトが火を起こしている。

 

戦闘メイド達は、新たに手に入れた馬の乗馬術を、フレイに習っている。僕は馬具を製作中である。新しい馬の為に。

 

「本当にありがとうございます。トルマと娘を救っていただいて」

 

ハユナがようやく感謝の言葉を口にした。僕の代わりに、ミトが大人の対応をしてくれている。

 

「人の命には変えられませんから」

 

って…

 

「旅の途中のようですが、どちらに向かわれていたのですか?」

 

ミトがハユナに訊いた。

 

「はい、トルマとは駆け落ちだったのですが、ご実家から許しが出たので、公爵様の都に向かう所だったんです」

 

駆け落ち?こんな治安の悪い場所で?違和感がある。

 

「は、ハユナ!」

 

トルマが目覚めた。永眠してくれても良かったのだが…1周目でサトゥーに肩入れしていたトルマ。

 

「トルマ、目が覚めたのね。もう大丈夫よ。ほら、マユナも無事よ」

 

「よかった、よかったよ、ハユナ、マユナ。で、白い革の鞘に入った短剣なのですが……見かけなかったか?」

 

僕の方を見て訊いてきたトルマ。スルーする僕。

 

「おい!返せ!あれは私の家紋が刻んであるんだ。他人が持って良い物では無い!」

 

「助けたお礼も言わずに返せって何様?」

 

少し、キレている僕。

 

「君、私には尊敬の念を持って話しなさい。伯爵家の血筋の者だぞ!」

 

「だから?」

 

「貴様!」

 

「トルマ!止めなさい!」

 

ハユナの一喝で大人しくなったトルマ。

 

「すみません。トルマが失礼な事をいいまして…」

 

平謝りのハユナ。

 

「あなた、まず、お礼を言うべきよ。この方は、神聖魔法で、瀕死の貴方を助けてくれたの。それに私の命も救ってくれたの、騎士や盗賊の剣から守ってくれたのよ。その上、マユナまで助け出してくれたわ。さあ、感謝の言葉を言いなさい!」

 

「そうだね、ハユナ。私が間違っていた。商人殿、このトルマ、貴殿のご厚情に感謝いたします」

 

だから、商人では無いのだが…

 

「だが、この短剣だけは、どうしても返して頂きたい。もちろん、私にできる謝礼なら何でも差し上げる」

 

命でもくれるのかな?

 

「本当に、何でもいいんだな?」

 

「む、娘や妻はダメだぞ」

 

「この領地をくれ!」

 

「はい?」

 

「この治安の悪い領地をくれって言ったんだよ」

 

「どういうこと?」

 

「今の領主にまかせられない。だから、改革をしたいから、領地を寄こせって言っているんだ!」

 

「それは横暴だ!」

 

「なら、返さない。嘘はダメだよ。ハユナと娘以外は、なんでもいいって言ったよな?」

 

「常識を弁えろ!」

 

「嘘吐きに言われたく無い」

 

「なんだと!私を誰だと思っているんだ!」

 

「ここで死んでみるか?僕はどっちでもいいぞ」

 

「トルマが悪いわよ。なんでも何って言うから…」

 

ハユナがトルマを諭した。

 

「わかった…お金で解決しよう。金貨1枚でどうだ?」

 

「金貨30枚ほどの価値がありますよね?」

 

ミトもキレ始め、口を挟んできた。

 

「金だと、領民に掛けている税を廃止し、ムーノ卿の娘の輿入れ祝い税を廃止だな」

 

「無理だって…領民は税金を払う義務がある」

 

「どこの世界に、嫁に出すから祝い金を領民に払わせる領主がいるんだ?ムーノ卿は、ムノーか?!」

 

「貴様!侮辱罪に処す!」

 

「権限の無い奴に言われてもなぁ…」

 

「なんだと!このヤロー!」

 

僕に掴み掛かって来たトルマ。馬車から強制転移させた。

 

「トルマは?」

 

突然消えたトルマを心配するハユナ。

 

「で、どうなの?条件は飲んでくれるの?」

 

「金貨40枚でいかがですか?」

 

「払えないんでしょ?」

 

「それは…」

 

ハユナにナイフを返した。

 

「じゃ、最初の条件で、契約は締結する」

 

トルマのサイン入りの契約書をこっそり作った僕。

 

「トルマは?」

 

「独居房へ入れてある。着いたら、返すよ」

 

ドラン内にある牢へ強制転移したのだ。

 

「シュウ…」

 

ミトは何かを言いたげである。

 

「わかっている。あの騎士達の狙いは、トルマだろうな」

 

「まさか…」

 

ハユナの顔から血の気が失せていく。

 

「駆け落ちを許すって言って、呼び戻して消すって感じだろう。後、探しているのはカリナだろうな」

 

「そうだと思う」

 

って、ミト。

 

「何でですか?」

 

ハユナに訊かれた。

 

「魔族サイドに属していない男爵の血縁者だからだ」

 

「魔族?」

 

「そう…姉の方は、魔族の後盾がある偽勇者との結婚が決まっている。男爵は娘を人質に取られたか、魔族に協力しているか、操られているかのどれかの可能性がある」

 

「まさか…」

 

「では、行って確かめようか」

 

---------

 

ようやくたどり着いたムーノ市だが、正門が閉ざされていて入れない。う~ん…そうだ、トルマを転移させた。

 

「貴様!私を牢へ入れるとは!」

 

ハユナがナイフを見せると、即座に取り上げて、胸元にしまっている。

 

「約束を護れよ、おっさん!」

 

「銅貨1枚だったな」

 

「トルマ!」

 

ハユナが叱ってくれた。

 

「銅貨2枚だっけ?」

 

「あなたって人は…」

 

「冗談だよ。貸し借り無しだったな」

 

契約書を見せる。

 

「なんだ、この契約書は…」

 

「約束は果たせよ、おっさん。いい加減にしないとキレるぞ!」

 

「ははは、私には脅しは効かないぞ」

 

こいつ銅貨すら払う気は無いようだ。

 

「おい、トルマ!男爵に逢わせろ!」

 

「あぁ、その位なら、かまわないぞ!」

 

「フレイ…後は頼んだぞ」

 

フレイは頷いた。同行者はミトだけで充分なはず。

 

男爵からの迎えの馬車は2台来ていた。どちらも2人乗りの箱型馬車だ。ハユナ夫妻と僕達で分かれて乗車した。

 

市内は空き地が目立つ。雑草が生い茂っている。なんだ?これは?

 

「ずいぶん空き地が多いんだね」

 

御者に訊いてみた。

 

「死霊の群れを殺す為に、王軍が民家に火を付けたのです。死霊達に殺された者よりも、軍の放火で死んだ者の方が多かったです」

 

この国の王は、なんてことをしやがるんだ…僕が怒りを纏い始めると、ミトが抱きつき、僕を怒りから解放してくれた。

 

「シュウ…暴走しないで…王祖として、罰はボクが受けるから」

 

「ミトへの罰?そんなものは無い。ミトには陵辱だけが褒美である」

 

苦笑いしているミト。まだ、エロいことを考える余裕が、僕にはありそうだ。

 

 

前の馬車が何かをはねた。だけど、馬車は止まらずに進んでいる。何をしているんだ?トルマの野郎!

 

「おい!止めろ!」

 

僕達の乗った馬車は止まった。馬車から降りて、外を見回すと、少女がはねられたようだ。彼女の胸は陥没し、腕が変な方向を向いている、まずい状態である。瞬動術で少女の元へ近寄り、修復術、治癒術、回復術を掛け、少女のダメージを減らしていく。

 

「神聖魔法…ありがたや…」

 

ヤジ馬達が僕に跪き、祈りを捧げている。僕は神官では無いのだが…

 

「お姉ちゃんは助かったの?」

 

少女の妹らしい少女に訊かれた。

 

「ああ、もう大丈夫だ。しばらく、安静にしていれば、意識は戻る」

 

「神官様、ありがとうございます。ですが、私共下級市民には対価をお支払いできません」

 

少女の知り合いの老婆が進み出て、話し掛けてきた。

 

「対価?いらないよ。救える命を救うだけだ」

 

「ありがとうございます。どちらの神官様ですか?」

 

だから、神官では無いのだが…

 

「彼は名の無き神の遣い人様ですよ」

 

って、ミト。まさか、前回の謎のネットワークはミトが作ったのか…

 

「おぉ、そうなんですか。名の無き神様へ、より一層祈りを捧げます」

 

より一層?普段から信仰しているのか?

 

「助けても、貴族様の馬車の進行を妨害した罪で、死刑確定ですよ」

 

って、僕達の馬車の御者が哀しそうに、教えてくれた。

 

「死刑だと?そんなことはさせない。彼女をどこかに匿っておいてくれ」

 

老婆にお願いをして、馬車に乗り込み、トルマ達の乗った馬車を追った。

 

 

 

 

 

 




カリナと合流するまで、エロパートが無いかもorz
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