異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
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---サトゥー---
異世界に来た俺。流星雨のおかげで、お金も装備も経験値も大量に得る事が出来た。今、セーリュー市の門前宿に宿泊して、システムに慣れているところである。
仕事詰めで休みを取れていなかった事もあり、この異世界での生活は新鮮であり、休める感じがした。
馴染みになっている何でも屋を訪ねると、見たこと無い男性がいた。情報を調べるが、この男性の情報は何も表示されなかった。俺と同じ、転移者か?
口数の少ない店長が饒舌に彼と話していた。聞き耳スキルで話を盗み聞きした。
「ミーアとアーゼ様が、一緒に住みたいって言うんだよ」
「アーゼは出ちゃダメでしょ?」
「それはそうなんだが、アーゼ様のお言葉は絶対だからなぁ」
「二人か…住めるスペースはあるけど…帰りにアーゼの所へ寄ってみるよ。それより、頼んでいた物は、入ったかな?」
「あぁ」
大きな箱を渡した店長。
「いくらだ?」
「お前からは貰えない。それだけのことをしてくれたんだ。いいから、持っていけ」
「そうか、悪いなぁ。また、来るよ」
大きな箱と一緒に、男性が消えた。
「あれ、転移魔法って言う高位魔法だよ」
って、店員のナディさんが教えてくれた。
「今のは誰ですか?」
「店長の恩人だよ」
「どこに住んでいるんですか?」
「秘密だそうだよ」
「仕事は?」
「子育て…シングルファザーって言うらしいよ」
シングルマザーのもじりか。確実に転移者だな。話を直接訊きたいなぁ。どこに住んでいるのだろうか?
---シュウ---
サトゥーと接近遭遇していた。あの野郎、聞き耳スキルで盗み聞きしていたし。蔦の館に荷物を置き、アーゼの元へ転移した。
「あぁ、ダーリン♪おかえりなさい」
僕に抱きつくアーゼ。胸が気持ち良い。
「僕はダーリンじゃない」
「じゃ~、運命の人かな?」
かわいい仕草のアーゼ。嫌いでは無いが、帯同すると、厄介ではある。
「ミーアだけ、ズルいよ~!」
今回はヘマしなかったのだが、何故か懐いてしまった。どうするかな。
「ルーア、なんとかしてくれよ~」
アーゼに仕える巫女に助けを求めた。
「アーゼ様は頑固ですからねぇ~」
一緒に旅に出ることを反対しないのか?
「僕はここに住めないよ」
「了承しております。ですから、アーゼ様が必要な時に、お連れ下さい。お願いします」
うっ!今までに無いパターンだ。お願いされちゃったよ~。しょうがないので、アーゼとミーアをお持ち帰りした。
◇
「賢者様、私達を人間風に見えるようにしてくださいね」
って、アーゼ。今までに無いパターンだ。いいのか。この道を進んでも…アーゼとミーアの姿を人間風にした。耳だけ人間にした感じだけど…
「これで、一緒にデートできますね♪」
えぇ~デートか?目立つだろ?さすがに、アーゼとナナがいたら…
「じゃ~ん♪」
今日手に入れて来た、衣装に着替えたアリサが、声を出して登場した。アリサとナナはスカートにスパッツである。リザとゼナはバミューダパンツにスパッツである。お子ちゃま組は短パンにスパッツである。派手なアクションをするからパンツ丸見えな状態になり、気になっていたのだが、店長に相談するとスパッツがあると提案され、購入して貰ったのだ。
「主様、お手合わせをお願いします」
リザがヤリを手にして、僕に頭を下げてきた。中庭に出て、ヤリの鍛錬に付き合った。タマ、ポチには短剣の使い方を指導し、ルルには鉄砲の使い方を、アリサには魔法を教えていく。いつか、迷宮デビューさせたいから。
「私は?」
ゼナがぶんむくれている。
「営みか?」
「え?!」
真っ赤な顔で嬉しそうなゼナ。嬉しいならいいか。
◇
役人が住んでいるなら税金を払えと言ってきた。なので、ナナと共にギルド長へ直談判をしに行った。部屋に入るなり杖で遅い掛かってきた老婆、ゾナ。
その杖を叩き折る僕。
「何?折るだと?」
「燃やそうか?」
杖を燃やして灰にした。
「何…無詠唱だと…」
「早速本題だが、税金を払えって件だが、ならば、使用料を払え!以上だ」
「うん?何の使用料だ?」
「この街とここの迷宮の核は僕の名義である。今まで稼いだ金の10%、今後稼いだ分の5%を払え」
「何をバカ言っているんだ?ここは王都直轄地だよ」
「ならば、ここから誰も出さない。それでいいな?迷宮にいる奴らは迷宮から出さない。ナナ、防御設定を変えろ!」
「設定を完了したと報告します」
「大変です、ギルド長!街から出ることが出来ないそうです」
「なんじゃって…」
僕を睨むゾナ。
「入口にいるゴーレムを暴れさせるか?」
「待て!私の一存では決められない。1日待ってくれ。太守と相談する」
その場から蔦の館へ転移した僕達。
◇
翌日、街では断水した。水源と貯水池を制御して、水の供給を止めたのだ。さぁ、どうするかな?アシネン君は。
午後になり、軍を率いて太守であるアシネン侯爵がやって来た。力尽くで、どうにかするのか。アルエトン・エルタール将軍もいる。方面軍全軍か?売られたケンカは買うけど。
『エアスタンプ』で、地面に叩き付けた。装甲の弱い者達は潰れ、強い者達は、重体になっていく。
二の矢はどうするかな?水平方向からの『ダイヤモンドダスト』だな。光速で撃ち出されたダイヤの微粒子が、装甲を貫通していく。後方の兵までも貫通していく。
「魔法攻撃だ。魔法使い、前へ!魔法盾を構築しろ!」
将軍の声が聞こえた。では、愛剣二降りを腰に付け、門の前に出た。
「出て来たぞ!、弓兵、アイツを殺せ!」
魔剣と魔皇剣による飛ぶ斬撃による連打。通常の矢なんか斬撃の前では紙飛行機並の強度である。黒炉の魔剣の斬撃に触れた物は焼き尽くされていき、魔皇剣の斬撃に触れた物は分子レベルで分解されて行く。
「何…何だ、この攻撃力は…」
呆然としている太守。太守と将軍は生き残っているが、兵は僅かである。そんな彼らを後方からゴーレムが襲い掛かっていく。
太守と将軍以外を踏みつぶして、入口へと帰って行く。僕はゾナの元へ転移した。
「たいした魔法使いだね、アンタは…金の出し惜しみは止めろと、忠告をしたんだけど…」
「停戦の条件を伝える。王と宰相、それにオーユゴックを呼べ。それぞれ、供物を持って来させろ。供物次第で、交渉に応じる」
「わかった。伝えるよ。後、ギルドから、今後の使用料は出す。だから、迷宮の出入りをどうにかしてくれよ。後、水だな」
「わかった。支払は日払いで頼む。水は、貧民街とここだけだ。貴族達にはやらない」
「あぁ、それでいい」
「また、来るよ」
蔦の屋敷へ転移した僕。
---オーユゴック公爵---
由々しき事態が起きた。王都へ急ぎ参った。
「おぉ、オーユゴック卿…」
「内乱の原因は何ですかな?」
「アシネン侯爵の出し惜しみだと、リリアンが言うのだ」
「出し惜しみ?」
「あそこの都市核、迷宮核の正式の所有者がいて、その者に未納分の税金を払えと迫ったらしい」
「それで、都市核と迷宮核の使用料を払えと言われて、アシネン侯爵が方面部隊を全軍率いて、全滅させられたのですか」
それもたった一人の者にだと、目撃者のリリアンが報告したそうだ。
「停戦に応じる用意はあるが、儂とオーユゴック卿に、それなりの供物を持って来いと言っているそうだ。供物次第で、停戦条件を決めるそうだよ」
う~ん…たぶん、人質を差し出せってことだろうな。
「私と王の孫であるセーラを差し出しましょう」
「神託の巫女か…そうだな。そのクラスなら、交渉に乗ってくれるか」
「王様、出し惜しみはアシネン卿の二の舞ですぞ」
「う~む、確かになぁ」
---シュウ---
貴族達の雇ったチームを次々に潰し、装備を奪っていく。勿論、襲って来た貴族の家からは、金品を『強奪』していった。今までにし無かったこと。貴族の敵になることだ。このまま邁進して、ラスボスになればいいのか?
貧民街で炊き出しをする。たまに貴族が混ざっているが、それならを排除して、彼らの家から金品を『強奪』する。たっぷり溜め込んで炊き出しに来るってことは、金の使い道を知らないのだろう。稼いだお金で、貧困村から食材を買い、炊き出しで使っていく。こうしてお金を回した方が、みんなの為だ。財は貴族が溜め込む物では無い。
ゾナから、呼び出しがあった。言われた日時にナナを同行してゾナの部屋へ転移した。そこには王、宰相、オーユゴック卿、そして、ゾナがいた。
「供物は、我々の孫のセーラを差し出す。交渉に応じてくれるか?」
リーンと図書館女でも良かったんだけど。まぁ、対価は充分だな。
「わかった。交渉に応じよう。セーラを同席させてくれ」
「わかった」
オーユゴック卿が隣の部屋からセーラを連れ出して来た。
「停戦の条件はなんだ?」
「最初に伝えた通りだ。核を使い始めた日から、今までの分の儲けの10%、今後の分は5%だよ」
「わかった。それで合意する」
「書面での合意文章を頼む。5通同じ文面で作り、僕、王、宰相、オーユゴック卿、ゾナが1通ずつ持つこととする。全ての合意条件を満たされれば、貴族街の断水を解除する。そうそう、毎日のように貴族の雇った傭兵が、家を襲っている。損害賠償請求と平和条約の締結を求める。全てが円満に解決すれば、出る事を許す」
セーラ、ナナと共に、館に転移した。
---オーユゴック卿---
相手が若いので驚いた。それにそんなに暴利を請求していないし。どうして、出し惜しみをしたんだ?
「儲けの5%なら、暴利では無いです。過去の分にしても、利子を考えれば、妥当ですし」
宰相も同じ考えのようだ。
「軍部の受けた被害額の方がデカいなぁ…まいった…」
頭を抱える王様。
「あいつを味方にすることですよ、王様。貧民街で毎日炊き出しを行っているんです、アイツは。要は炊き出し資金の資金難では無いかと。そこに膨大な税金を払えって…アシネンが悪いと思います」
リリアンは、彼を買っていた。確かに、方面軍をたった一人で壊滅状況にした火力は、魅力である。が…
「彼の家はどこだ?」
「あの高台の一軒家だよ。太守が変わる度に、軍部を使い、占領戦を仕掛けて来た貴族達が悪い。どこまで金に汚い奴らなんだ?」
損害賠償請求が恐いなぁ…そうなると…
---セーラ---
知らない場所に転移した。転移魔法だ…スゴい…
「イチ、彼女のサイズを測ってくれ。衣服を買ってくる」
「はい。こちらへどうぞ!」
別室に案内され、巫女服を脱ぎ、身体のサイズを測っていく。
「ご主人様、これです」
「ちょっと待っていてもらえ、今、買って来るよ」
「はい。少し、そのままでお待ち下さい」
メイドさんがいる。何人も…でも不思議な事に、皆同じ顔である。
「新人さん?」
「新人さんなのです」
かわいい女の子達が寄って来た。彼には奥さんがいるのか。そうなると、私は愛人かな。でも、この子達は亜人のようだ。どうして?
「え?!神託の巫女のセーラさんですよね?」
私と同じ位の年齢の少女が話し掛けてきた。
「あなたは?」
「ゼナと申します。一応、貴族家の出身です」
「貴族なのに、どうしてここに?」
「誘拐してもらいました。自由に生きたくてね」
誘拐して貰った?あぁ、そう考えると、楽なのかもしれない。
「おまたせ。セーラ、これは君の分だ。3着ずつ入っている。洗濯は毎日、イチ達がしてくれるから、足り無い事は無いと思うが、足り無くなったら、誰にでもいいから、メイドに伝えてくれ」
箱を手渡された。部屋に案内され、服に着替えていく。動き易い服装だ。巫女服は動き憎かったからなぁ。
着替えて、リビングに戻ると、中庭で彼が子供達に剣術などを教えて居た。
「彼、子供が好きだからねぇ~」
え!ものスゴくかわいい人が話掛けて来た。
「新人のセーラです」
「私のことはアーゼで良いわ」
アーゼ?略だろうか?
「本名が知りたい?」
心が読めるようだ。
「彼も読めるわよ。私の本名はアイアリーゼ・ボルエナンです」
ボルエナン?まさか、エルフなのか…
「う~、それは外れよ。私は、ハイエルフ♪」
え…王様よりエライ人だ…なんで、ここに?
「彼の傍にいたいから、連れ出してもらったの。あの閉鎖した部屋から」
「あぁ、セーラ!明日から炊き出しを手伝ってくれ。治安が良く無いから、料理を作ってくれればよい。ゼナとルルとリザが手伝う」
炊き出し…しているんだ。彼は…私財で…だから、お金が必要なのかもしれない。ここの太守は出し渋りって言っていたし。
「だって、子供に罪は無いと思わないか?好きで貧民の子供に産まれた訳で無いんだから。せめて、飯だけは食わせてあげたい。贅沢な物はダメだけど、普通に喰える庶民の味程度でいいからね」
「ご主人様、魔法の授業をお願いします」
「会議で疲れたんですが…」
「私の胸枕で寝ていいわよ」
「はぁ?まだ、ツルペタだろ?背伸びすると、肋骨を痛めるぞ」
抱き上げて、部屋へ連れて行く彼。
「お子ちゃまじゃ無いの!レディーなのよ!」
「はいはい♪」
何か、この家は楽しそうである。亜人もいるが、差別は無いようだ。皆普通に生活していた。