異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
---サトゥー----
マリエンテール市に着くと、リリオ達と俺は拘束された。マリエンテール家の私財を奪った罪でだ。
「お前達の馬車や装備品、旅費など、総てマリエンテール爵の私財で、工面した金が原資である。よって、労働によって、工面した金を稼いで貰う」
とんだとばっちりである。俺は関わっていない。
「後、それに加えて、エルフのユサラトーヤ・ボルエナン氏を街から追い出した件も、お前達に問わないといけない」
それも誤解である。追い出した訳では無い。
「異議があります。お金の件は、セーリュー伯が用意させた金だと聞いております。なんでも屋の件は、転移術師に攫われたはずです」
思わず、反論した俺。
「発言権が無いのに、その上、言い訳とはな。リリオの身体に訊くか?」
取り調べ官が合図をすると、リリオだけ別室へと連れて行かれた。
「何をするんだ。止めろぉぉぉぉぉ~!」
リリオの声だけが聞こえてきた。
「何をするんだ?その薬は…あぁぁぁぁ~、止めてぇぇぇ~」
徐々にリリオがトーンダウンしていく。屈強な兵士から弱い女へなっていくようだ。
「やめてください…あぅ…」
「なぁ、このイヤらしい音がする液体は何だ?」
「わかりません…」
「おい!これは、人権侵害では無いのか!」
俺は取り調べ官に喰って掛かった。
「人権?では問おう。マリエンテール卿の人権は、どうなるんだ?太守様が彼を救助するまで、路頭を迷っていたのだよ」
太守様?マリエンテール卿が太守では無いのか?
パン、パン、パンと肉の叩き合う音がしだした。このままでは、全員回されるかもしれない。俺は拘束を解いて、剣を手にして、取り調べ官に刃先を向けた。
「おい!俺達をここから出せ!リリオを返せ!」
「ほぉ~。武力で問題を解決を?せーリュー元伯爵のような振る舞いですね。鈴木一郎君」
何?なんで、俺の本名を知っているんだ?
「じゃ、賭けは僕の勝ちだな、ミト」
「そのようだ」
厳つい男性のマスクを脱ぎ捨てた女性。どこかで見たことのある顔である。
「じゃ、判決を言い渡す。リリオ以下3名の元市兵には、迷宮の探索及び管理を命じる。イチロー兄ぃには、全財産の没収だ」
その呼び方…マジか…後輩氏か?
「隠し立てをしても無駄だからな!」
「なぁ、ヒカリなのか?」
俺は目の前の女性に訊いた。
「そんな名前はとうの昔に捨てたよ。ボクの名前はミト・ミツクニだ」
なんだ?その名前は…黄門様にでもなったつもりか?
「彼は、私の主であるヨハネ伯爵だ」
「じゃ、ミト。帰るか。ユーカム、後は頼むぞ」
「はっ!役立てるように頑張ります」
少年がヒカリの上司に跪いた。
---シュウ---
サトゥーの有り金を『強奪』した。あいつ、しこたま所持をしていた。なのに、ユーカムから総てを奪い去るとは、強欲にも程があるだろうに。
「残念だよ。兄ぃが、あんな男に成り下がっているとは」
俺の下にいるミトが呟いた。ミトを堪能している僕はスルーして、ミトの感触を愉しんでいる。さすがに元勇者である。思考と身体が分離しているようで、喘ぎ声を上げないのに、身体の中は吸い付くようなパラダイス状態であった。
「で、ゼナちゃんは置いてきたの?」
アーゼに訊かれた。
「まぁ、1ヶ月くらい、あっちに置いておく。ユーカムの手伝いと、リリオ達の教育の為にねぇ」
あの街にはゼナにとっての障害は無いはずである。
「次の一手はどうするんですか?」
セーラが楽しそうに訊いてきた。
「そろそろ迷宮でも攻めるかな。アーゼとイチからロクは留守番で、残りの者で潜るから、用意してくれ。目標は1週間後くらいだ」
「はい」
リザが言葉に出して頷いた。お子ちゃま組は、パリオンに頼んで、格闘術を教えて貰っている。それぞれが、自分の身を守る為である。
◇
翌朝、目覚めると、目の前には僕の上司が立っていた。
「おいおい、この世界の主人公を死に追いやるって、どういうことだ…」
はぁ?そんな細い神経では無いだろ?上司から僕の脳裏へ映像が届けられた。リリオと心中って…何しているんだ?
「この世界は、どう足掻いても、ダメだな。あぁ、5周目は無いよ」
ここで打ち止めか?
「5周目は、お前抜きで進行する」
パリオンとしけ込むかな…
「お前の仲間は全員、お持ち帰りだな?」
全員?アーゼはマズいだろ。
「うん?ちょっと待って…とんでも無い奴が、デスマーチで転移した来たぞ」
はぁ?とんでも無い奴?
「このまま4周目を続けてみるか?」
誰が転移してきたんだ?
---三上悟---
俺は三上悟。37歳のサラリーマンだったが、通り魔から彼女が出来た後輩を護る為に、代わりに俺が刺されて死んでしまった。だけど、スライムに転生して、世界を統べていたのに…あれは夢だったのか…これはどういうことだ?
《解 人間に転生したようです》
シエル先生がいる。って、ことは、俺はスライムだったんだよな。無敵の俺様が死ぬって、どういうことだ?
《解 仕事を背負いすぎての過労死です。お仕事は程々にしてくださいね》
って、なんだ、その死の真相は…無敵の俺様が、過労死だと…で、俺の姿は三上悟か?
《解 人化した時のシズさんの姿で、性別は女性です》
女性…シンボルを触ると…無い…アレが無い。その代わりに割れ目はあった。マジか…
《告 お望みでした異性との行為が出来ます》
男に抱かれる趣味は無い…百合に走れば良いのか?そうだ!俺の能力は残っているのか?
《解 水流刃と大賢者は保持していますが、残りは転生の際に没収されたようです》
何?神様転生で、没収が特典か?
《解 ヤレる年齢への転生が特典のようで、私はオマケ程度らしいです》
それが特典なのか?なら、男性に転生が良かった…なにげ無く、ウィンドウを開く動作をしてみると、開けた。ここはどこかのゲーム世界なのか?
俺の名前はリムル・テンペスト、種族はヒューマン、性別は女性…あぁ~終わった…
うん?保存庫って言うのがある。開いて見ると、回復薬が大量に入っていた。しかし、これしか無いようだ。まぁ、死にかかっても大丈夫かな。
マップを開くと、近くに街があるようだ。そこへ行ってみるか。マリエンテール市って言う街のようだ。マップを見ながら進むと、草むらにある大木で、首を吊ろうとした男女を発見した。水流刃で、ロープを切ってあげた。
「君は何者だ?」
俺のことを訊く男性。って、言っても俺と同じ青年くらいかな。ステイタス表示がマップに表示された。男性はサトゥー、女性はリリオとある。サトゥー?佐藤さんかな?
「日本人か?」
「君もか?」
転生して、いきなり同郷人に逢えるとは…
「なんで、死のうとしたんだ?」
サトゥーから理由を訊いた。無実の罪で、懲役を受けそうになり、逃げてきたようだ。しかし、この先の人生に悲観した彼女と共に、心中をしよとしていたようだ。
「そんなに悪い奴が、街を牛耳っているのか?」
「あぁ…」
「退治した方がいいのかな?」
「出来るのか?」
「やってみないとわからない」
《告 安請け合いは良く無いですよ》
相手が悪いのか?
《解 最凶なる者です》
まさか、アイツか…だけど、アイツは、方法は無茶だが、結果は良い方向なはずだ。これは何かあるのか?取り敢えず、サトゥーとリリオと共に、街へと向かった。アイツに出会えば、どうにかなりそうだから。
---坂本拓真---
目が醒めたら、知らない場所にいた。ここはどこだ?シェラもレムもいない…俺だけ、草原に寝ていた。はて?
ウィンドウを開く動作をすると、開けた。いきなりメッセージが表示されているし…
『魔族との抗争において、魔力を使い過ぎた為に、過労死しました。つきましては、デスマーチから始まる異世界へ転生いたしました』
って…俺が過労死だとぉぉぉぉぉぉ~!有り得ない。俺は異世界から出でたる魔王ディアヴロ様だぞ…そうなのか?ステイタスをチェックした。
『名前:ディアヴロ 種族:魔王もどきの人間 性格:へたれ 弱点:コミュ障…』
ステイタスに変化は無い。魔力も魔法もある。装備もチェックしたが漏れはないのだが、仲間がいない…
まぁ、コミュ障なので、問題は少ないが、シェラやレムと旅した想い出が、俺を孤独感で痛め付けていく。なんで、こんな目に…
---鈴木悟---
しがないサラリーマンだったが、ゲーム内に於いては、最強なる戦士であった。しかし、長きに渡ってプレイをしていたVRMMORPG「ユグドラシル」が今日で終了してしまうとは…ゲーム内に一人残り、最後の時を待っていた。だが、ここ数日は激務で、睡眠を削りながらゲームをしていた為か、睡魔が襲ってくる。ここで寝たら、一生の不覚である。
神様、お願いだ。最後の時を味合わせてくれ…
そんな願いを祈っていたのに、俺は迂闊にも、うたた寝をしてしまったようだ。って、ここはどこだ?ウィンドウを開いて、状況を確認すると、
『あなたの魂を供物に、願いを叶え、最期の時を与えました』
って…最期の時?俺は死んだのか?おぃおぃ…文字が間違っているぞ。
『神様転生をオマケで差し上げます。ゲームデータはコンバート済みです。デスマーチな異世界生活をお楽しみください』
って…コンバートした?ステイタスをチェックした。
『名前:モモン 種族:動く鎧(魔族) 性別:不明 称号:超越者…』
はぁ?アインズのデータでは無いのか?
『この世界にはリビングスケルトンはおりません』
おい!俺は単なる魔族なのか…システムからメッセージは途絶えた。
---シュウ---
今日は嗜好を替えて、パリオンを高校生くらいにして、愉しむ。う~ん、ミト感があって、良いなぁ。
「どうして、身体は大きくなったのに、胸がちっぱいなの?」
パリオンが細かい事を気にしている。
「ミトの子孫だからな」
って、パリオンの胸を愉しむ。
「うぅぅ~ん…気持ちがいい…」
ミトの子孫だけあって、エムかもしれない。色々な体位で愉しむかな?
---桐ヶ谷和人---
アスナを護ろうと、ラフィンの生き残りと対決して…気づくと知らない世界にいた。これは一体?俺の本体に何かが起こり、ソウル・トランスレーターに突っ込まれたのか?そうなると、脳の損傷か?植物状態の可能性があるな。魂が活発に動けば、脳の損傷が復元出来るのかもしれない。
ウィンドウを開いてみる。開けた。しかし、ログアウトは出来ないのか、そんなメニュは無かった。ステイタスはどうだ?
『名前:キリト 種族:ヒューマン 性別:男 特技:アインクラッド流剣技…』
持ち物は…剣が2本。聖剣と魔剣だけ持っている。防具は無い。これで乗り切れと?
マップ情報を見ると、自分に3名の人物が近づいて来ている。表示されている青い点からして、敵では無いようだ。
「なぁ、君も日本人か?」
少女に声を掛けられた。
「アナタもですか?」
聞き返した俺。
「そうか…これで3人目だ」
3人もこの世界へ送り込まれたのか?
「君の名前は?俺はリムルで、あっちがサトゥーだ。あの女性は現地人でリリオって言う」
「キリトです。本名は」
「あぁ、本名はここでは意味を為さない。だから、今はいいや」
今は?今後、一緒に行動をするってことかな?
「キリトは戦えるのか?」
「剣技を持っています」
「じゃ、サトゥーは後方支援だな。俺も前衛に回る」
リムルって少女がリーダーのようだ。
---シュウ---
上司から情報が届いた。この局面で、色々な時間軸の日本から、この世界に複数の者達が転移というか神様特典での転生をしてきたようだ。誰が呼びだしたんだ?
もしかして、僕の帰還条件って、その召喚者の特定か?
「もっと、色々してください。主様…」
僕の下から、高校生並の身体に変異させたリザが、涙目でお強請りをしてきた。
異世界での出会い…色々あってもいいですよね?(^^;;