※この作品はR-18です。

異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:もっち~!

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現実と仮想世界

---リムル---

 

調査を終えて戻って来たアイツは、難しい顔をしていた。

 

「で、どうだったんだ?」

 

「あぁ…カプリコン1だよ、リムル君…」

 

カプリコン1かぁ…VR世界確定だな。サトゥー達の産まれ育った世界は…

 

「そうなると、この世界に於ける神の正体も分かったよ。ここを作り上げたプログラマーの鈴木一郎と高杯光子だ」

 

うん?誰だ?

 

「サトゥーとミトのリアル体だよ。と、いってもこの世界の鈴木一郎と高杯光子はアバターであるが…そもそも、この二人がリアルに存在する確証も無い」

 

ミトは泣き崩れていた。パリオンは彼女に掛ける言葉が浮かばずに、オロオロしている。

 

「次に、リムル君とキリト君がどこから来たのかだが、たぶん、同じ世界だと思う」

 

同じ?それは違うだろう。俺は転生スライムだったんだから。

 

「リムル君の疑問はもっともだが、たぶん、キリト君は植物状態で、菊岡の手でソウル・トランスレーターの実験台にされたのだろう。で、リムル君は、まさかスライムに転生していると知らない、刺殺体の君をソウル・トランスレーターで第2の人生を歩ませようとしたんでは無いかと思う。その結果、転生した世界では死亡が確定し、この世界へと飛ばされてきたんだよ」

 

なるほど…過労死は方便か…過労状態での突然死ってヤツだったんだろう。

 

「で、僕は、ソウル・トランスレーターで狙撃されたんだと思う。この身体は僕の身体では無いから…能力が一部使えないし、リムル君もそうだろう?」

 

捕食者が使えない。頷く俺。

 

「この世界で再現出来ない能力は使えないんだよ。プログラマの想定外ってことだ。たぶん、それを補う為、サトゥーの能力コピースキルが、あるんだと思う」

 

なるほど…神であるプログラマは未知なる能力の仕組みを理解し、実装して行っているのか。

 

「ここから出られるのか?」

 

キリトが質問した。

 

「キリト君の場合は、桐ヶ谷和人君が目覚めればねぇ。リムル君は死んでいるから無理だけどな」

 

「お前が持ち帰れよ!」

 

「あぁ、そうするよ」

 

エロ神にお持ち帰るしてもらうことにした。

 

「問題は、君達のいた世界と僕が狙撃された世界が、違うことだ。君達のいた世界では、医療、人工知能のアップグレード化が開発の目的であるが、僕のいた世界では、手を汚さない殺戮兵器としての利用だった。この場合、1つのサーバーに2つの世界がリンクしていることになる。このサーバーは、どちらの世界にあるのか、それとも第3の世界にあるのかだ」

 

なるほど…それは大問題だ。誰が管理している世界なんだ?

 

「外部との連絡手段を手に入れないと、何にも出来ない。ここの世界の宇宙は無限に広がっていない。AIの維持管理にサーバーを大量に使っているのだろう」

 

そうなると、陸地部分も狭いかもしれないなぁ。

 

「後、ミトから聞いた話だけど、召喚者は様々な世界の日本から召喚されたと言うんだ。そこから得られる結論は、召喚者はAIだ。転生者がソウル・トランスレーターを使われた者だと言える。ミトは召喚者で、サトゥーは転生者だ。言っている意味が分かるよな?」

 

サトゥーが黒幕の可能性があるってことだな。俺とキリトが頷いた。

 

「高杯光子も、こちら側に来ていると思う。たぶん、召喚術を教えたという龍神がそうなんだろう。AI達に、他のサーバーのAIを呼び出すファンクションでも教えたのだろう。その龍神をサトゥーは試し撃ちで殺して終った。たぶん、リアル世界では混乱しているのでは無いだろうか。AIの神は死んでも生き返るが、ソウル・トランスレーターで来ている神が死ぬなんて、想定外だったろうからな」

 

アイツがニヤリと笑った。その場合、死んだらどうなるんだ?

 

 

 

---メタボ氏---

 

菊岡達が右往左往している。プログラマの一人である高杯光子が、トランス先で死んで閉まったのだ。リアル体の彼女の身体に、その情報はフィードバックされてしまったらしく、ショック状態が続いていた。

 

「想定外だぞ!どうして、殺したんだ?」

 

菊岡が怒鳴る。

 

「転移直後、記憶が曖昧なんだ。それは、システムの問題だぞ」

 

責任を菊岡に押し付ける。

 

「こっちだって、優秀なプログラマを失うのは痛い。助けてくれ」

 

俺にはプログラミングは無理である。企画を売り込み、プログラマと顧客の間を調整するのが仕事なんだから。

 

まさか、サトゥー君が転移直後に、アレを使うとは思わなかった。後輩氏と今後の相談をしてもらう為に、あの場に出現させたのが、裏目に出たのだった。

 

「鎮静剤で大人しくさせて、睡眠薬で眠らせたが、どうするんだ?」

 

「ソウル・トランスレーターで回復させるしか無いだろう?」

 

精神や脳のダメージを減らす、夢の装置に賭けるしか無いだろうな。

 

「龍神として転生させるのか?」

 

「他に手は無い…ミトにするって手もあるが、権限が無いからな」

 

 

 

---シュウ---

 

ミトとアーゼがやって来た。

 

「ねぇ、私達全員をお持ち帰りして欲しい」

 

全員…有りではあるが…

 

「直ぐには帰れないぞ」

 

「お願い…消えたく無い…」

 

既にミトの精神はボロボロのようで、限界が近づいている。アレコレ思い悩んだようだ。

 

「アーゼ、ミトを頼む」

 

「うん…」

 

アーゼも元気が無い。真実を知ったからだろうか。僕はリムルの元へ向かった。

 

「どうしたんだ?俺じゃ出来ないそ」

 

「シエルと話がしたい」

 

《解 どうそ》

 

「外部と連絡を取りたい。どうすればいい?」

 

《解 データラインを使うしかないでしょう》

 

データラインか…

 

「どこにある?」

 

《解 端末に接続されていると思います》

 

端末かぁ…アーゼ達じゃ無いよな…あれはモバイル端末だし、固定局のはずだ…あっ!閃きが舞い降りて来た。そういうことか…だから、1つずつあって…あぁ

 

「何か閃いたのか?」

 

リムルに訊かれた。

 

「あぁ、見落としていたよ。なるほどね。ちょっと行って来るよ」

 

端末と思しき場所に転移して、救難信号を流し込んだ。頼む…届いてくれ!

 

しばらく待つと、仲間が転移してきてくれた。

 

「団長、こんな場所にいたんですか」

 

助かったかな?電脳チームのファントムが来てくれた。

 

「ここって、どこの世界のサーバーだ?」

 

「リムルとサトゥーとキリトが産まれ育った世界ですよ」

 

やはり…

 

「リムルとサトゥーの本体は?」

 

「リムルは荼毘にふされ、サトゥーは脳溢血で、キリトは脳の酸欠状態でソウル・トランスレーターのお世話になっています。ちなみに、高杯光子は、危篤状態です」

 

そうか…プログラムのアップデートは出来ないようだ。今がチャンスか?

 

「誰が、管理しているサーバーだ?」

 

「通称メタボ氏である保田芽衣です」

 

サトゥーとミトの上司か。繋がったなぁ。

 

「菊岡は絡んでいるのか?」

 

「えぇ、VR世界の構築を保田に依頼したようです」

 

「で、学園都市のある世界との関係は?」

 

僕にとっての一番の懸案事項である。

 

「十字教がソウル・トランスレーターに、異世界追放の術式を組み込んだ為、同じ発想から作られたもう1つのソウル・トランスレーターにリンクしたようです」

 

なるほどね。

 

「で、状況は?」

 

「学園都市のある世界は、世紀末へ進んでいます。団長と一緒にいた奴らが、現世に現れて、混乱していますよ」

 

あぁ、僕の置き土産だな。僕の魂だけ飛ばされて、それ以外の者は置き去りになったようだ。

 

「ここに持ち込めるかな?」

 

「今、副団長が思案しています」

 

ヤマトなら、どうにかなるだろうな。

 

「で、戦力はファントムだけ?」

 

「僕じゃ出来ないでしょ?出来る人材を持ち込みましたよ」

 

はい?ファルコンの後から、真っ赤な顔で俯いている美琴が現れた。

 

「なんだよ~。そんな目で見るなよ~」

 

もっと、良い女体は一杯あっただろうに…なんで?

 

 

 

---リムル---

 

アイツとその仲間が戻ってきた。呼び出せたようだ。そして、アイツから、手に入った真相を俺、キリト、ミト、アーゼ、パリオンに話してくれた。

 

「菊岡さんが絡んでいたのか…」

 

驚いた表情のキリト。俺の身体は荼毘にふされたそうだ。まぁ、転生スライムとして生きる覚悟があるから、いいけど。

 

ミトはショックからか、その場で崩れるようにして倒れ、パリオンとアーゼが介抱している。

 

「ミト、アーゼ、パリオンは、消えるかもしれない。バックアップを取っておくから、心配はするな」

 

彼女達はモバイル端末の可能性があるらしい。端末自体は、都市や迷宮を制御するコアという物だったらしい。それらの端末は地脈というデータラインで繋がっており、この世界のベース部分でデータの蓄積及び解析をして、改良の為のデータにしているらしいと言う。

 

「開発担当だった二人のプログラマを失ったんだ。この世界をメンテ出来る者は今いない」

 

「転生者はもう出ないのか?」

 

キリトが訊いた。

 

「それは菊岡次第だが、サーバーの能力を超えた場合、この世界は崩壊する。わかるよね?」

 

サーバのメンテ要員不在で、データを増やし続けると、ハングアップしやすくなる。その場合、AIがまずダウンするだろう。回避方法は色々とあるが、素人なら負荷の大きい順に停止若しくは削除するだろう。

 

「その場合の負荷の大きな存在は、勇者、魔王といった召喚者達と、ハイエルフ、神と呼ばれる特権階級の者達だよ。リムル君は問題無いよ転生者だから、負荷は掛けていないからね」

 

だから、あの3名は消える可能性があるのか…

 

「なぁ、お前の能力で、どうにかならないのか?」

 

「現状では無理だよ。僕の本当の身体では無いから…能力に制限があるしなぁ」

 

悔しそうなアイツの顔。避けられない事態のようだ。かと言って、俺も能力の制限があるし…困ったなぁ。

 

 

 

---シュウ---

 

翌日、パリオンが消えていた。そのことはがミトへ大ダメージを与えた。

 

「シュウ…消えたくないよ~」

 

弱気な表情のミト…テンちゃんが寄り添っている。アーゼはしきりに僕とのスキンシップをしてきた。次に消える予感があるようだ。

 

「ダーリン…消えたく無いよ。ねぇ、ダーリン…」

 

見ていて痛々しいアーゼ。だけど、今の僕には何もしてあげることは無い。ただ抱き合うこと以外…何も無い…くそっ!

 

アーゼの予感は的中した。翌日、僕の見ている前でアーゼは消えた。交わっているのに、消えていくアーゼ。泣いているアーゼを抱き締めても、そこには物的な感触はまるで無かった。なんてことをするんだ。人工知能だって、人格を持っているんだぞ!

 

 

 

---菊岡誠二郎---

 

サーバーにエラー表示が出ていた。どうしたんだ?原因を探ると、コントロールソケットが見付からないらしい。ダイレクトに世界を制御するにはマシンパワーが足り無いので、世界を数エリアに分割し、神とハイエルフの2種類のAIに任せていた。それらが消えていた。なんでだ?アクセスログをコンソールに出して、チェックすると、保田が削除していた。何をやっているんだ?

 

「おい!保田!何を勝手にやっているんだ?!」

 

「はぁ?過負荷状態だぞ、原因を消すのが当然だろ?」

 

コイツ、素人か?

 

「OSのモジュールを消すってどういうことだ?」

 

「はぁ?」

 

わかっていないようだ。OS自体を知らないようだ。

 

「基幹モジュールだぞ。どうするんだ。データの取得すら出来ないぞ」

 

「都市核と迷宮核で取得できるだろ?」

 

こいつ、仕様すらわかっていないのか?

 

「その取得したデータのヤリトリが、出来ないってことだ」

 

「なんで?」

 

危機感を感じない保田の表情。マズい、キリト君を救出しないと…

 

 

 

---リムル---

 

「何?」

 

アイツの表情が険しい。何かあったようだ。

 

「どうしたんだ?」

 

「システムモジュールを削除したらしい」

 

はぁ?なんで?

 

「この世界とのリンクをさせていた通信ソケットモジュールだそうだ」

 

それは…アイツとキリトの部屋に行くと、倒れているキリトを見つけた。

 

「おい!大丈夫か?」

 

大丈夫でなさそうだ。

 

「まずいなぁ。美琴、微電流を流しこんでくれ」

 

「えっ!微電流は得意じゃないよ~」

 

「殺すなよ!」

 

「何が起きているんだ?」

 

「魂と本体のリンクが切れたんだ。本体は死んだはずだ」

 

あぁ、そういうことか。

 

「魂はここにあるから、向こうでソウル・トランスしても、リムル君のようにはならない」

 

「御免なさい!」

 

美琴の悲痛な叫び…死んだらしい。咄嗟にアイツがキリトの魂を手にして、身体にしまった??

 

「僕の魂に貼り付けておく。これしか手が無い。そうなると、高杯光子と鈴木一郎もダメだな」

 

あぁ、そうなるな。って、お前は?

 

「僕か?暗殺兵器だぜ、本体と元から繋がっていないよ」

 

なるほど…

 

「医療用のソウル・トランスレーターの被験者は全滅だな」

 

そうだね…

 

 

 

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