異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか 作:もっち~!
---リムル---
アイツが万が一に備えて、あれこれと準備をしていた。俺は無力である。戦闘以外に役立てそうに無い。AIに消滅は止まったようだ。アチラ側とコチラ側との間で、交信出来ないからであろう。
「リムル君…考えたんだけど、通信ソケットモジュールの削除したってことは、システムのリセットをしているよな?」
あ!そうだね。リセットをしないとシステムエラーが出まくるはずだ。普通は…
「リセットをしていなければ、システム的にはあるはずって言う設定だよな?」
たぶん、設定ファイル上では、そのはずだ。うん?まさか…
「正解だよ。擬似的な通信ソケットを繋げれば、通信出来ると思わないか?」
「そうだけど…お前、創造能力は使えるのか?」
「そこなんだよ。使えるけど、通信ソケットモジュールを作れる確証は無い。で、もう1点気づいたんだけど、削除しても記憶領域上には残っているよな?リセットされていないんだから」
あっ!削除したファイルの復活かぁ…有りかもしれない。
「ちょっと、試してくる」
アイツが転移して消えた。
---シュウ---
竜の谷の源泉に転移した。ここにも端末があったのだ。たぶん、アコンカグラが使っていたのだろう。ソレを利用して、ファイルの復活をさせていく。ディレクトリを表示させ、バイナリエディタを起動して、削除マークを消し、正しいファイル名にする。先頭文字だけ削除マークに変化しているので、割と簡単に修復できた。デフラグをされていると、失敗に終わるけどね。
通信ソケットを復活させた途端、僕はどこかへ強制転移させられている。おい!このタイミングでか?誰だ!!
◇
意識が覚醒し始めると、あの学園都市に戻って来ていた。空気中に霧散したオーラが、僕に戻って来て、僕の身体の再構築を始めた。魂に宿る者達が、我先にと僕の魂へと帰還してきた。
反撃開始だな。念話で指示を飛ばす。
『ヤマト、サーバーのある施設を手に入ろ!』
『おかえりなさい、団長。了解です。直ぐに手に入れて来ます』
『ファントム、詳しい仲間を集めておけ』
『了解です、団長』
『ファルコン、十字教団は殲滅しろ!あと、菊岡を含む関係者は消せ!』
『了解です』
『ハニー、ホムンクルスを数体用意してくれ』
『了解です』
次々に仲間達に指示を出していく。完全に回復したら、すぐに行動できるように、下地を作り上げていく。
地上へ降りると、火織と五和が抱きついて来た。さて、どうするかな。ファントムが連れ込んだ美琴をまず救出しないと…あいつ、僕の駒の入っていない美琴を連れ込んでいたのだ。パニッていたのだろうな。気遣いが仇になっているのだった。
僕は、VR世界へと向かった。
◇
美琴が倒れていた。僕達が着くと、その美琴が霧散していき、既に仲間になっている美琴に同化吸収されていく。
「リムル君、ただいま」
「随分、掛かったなぁ」
元気がなさそうなスライム。
「時間の進み方が、この世界が早いんだよ」
家に漂う魂を総て『強奪』して、魂の保管箱へしまっておく。
「生き残っているのは、リムル君だけかな?」
「あぁ、俺みたいな転移者は大丈夫みたいだ」
そうなると、他の転移者も全滅かな?
「サーバーのある施設は、占拠したよ。今、サーバーの移設作業をしている。この世界を頂くことにした」
「そうか…」
「さぁ、リアル世界へ戻ろう。リムル君」
---リムル・テンペスト---
感慨深い…自分の墓にお参りする日が来るとは…アイツに、連れて来て貰った。俺が人間であった頃の墓に…身代わりで死ぬ原因になった、後輩夫婦が月命日の度に墓掃除をしてくれているそうだ。子連れで…
「さぉ、行くぞ」
「あぁ…」
その後、桐ヶ谷家の墓、鈴木家の墓、高杯家の墓を回り、線香を手向けてきた。
「お持ち帰りはするのか?」
「喪に服している女性は持ち帰らない」
「そうか…」
アイツの顔は悔しそうであった。俺以上に悔しかったのだろう。能力を制限されたアイツは、できる限りの事をしたと思う。だけど、それでも、許せないのだろうな。
◇
アイアンタートルというサーバー施設に戻ってきた。海の上を漂う海上基地である。この施設ごと奪うらしい。今現在、宇宙での航行が可能な宇宙ステーション化の作業をしていた。
ベッドの上に全裸の男女が並んでいる。全部、ホムンクルスだという。これに、持ち帰った魂を移し替えていくそうだ。
既に仲間になっている者達は、魂の同化吸収という行程を終え、この地で目覚めている。
「うん?ここは?」
ホムンクルス蘇生第一号はキリトのようだった。
「アイアンタートルの中だよ」
「俺は脱出できたのか?」
「桐ヶ谷和人は、荼毘にふされている」
「そうか…キリトとして、生き返ったのか…」
アイツの組織で改良したホムンクルスは、魂の記憶している姿に、ホムンクルスが変化していくそうだ。なので、アバター姿になっていくキリト。
「リムル、アスナは?」
「お前のゲーム仲間か?喪に服している。一緒には連れて行かないそうだ。天寿を全うしないと、連れ出さないそうだ」
「そうか…アスナは無事なんだな」
無事では無かった。桐ヶ谷和人死亡の報を受け、突発的な衝動で命を絶ったそうだ。自殺者は蘇生出来ないルールだと、アイツは悔しそうだったよ。
「わぁ~い。ダーリンといつまでも一緒」
って、喜んでいるヤツもいる。
「私は…」
人間だと思い込んでいたAI達が寄り添って、悩んでいる。
多種多様な反応である。
「やっと、案件が終わったようだ」
疲れ切ったアイツがいた。
「なぁ、俺は、あの世界へ戻れるのか?」
「戻りたいか?」
「まぁ…それなりに楽しかったし」
「シオンの料理か?」
なんて、恐ろしい事を言うんだ…楽しい訳ないだろう?一口喰っただけで瀕死の重体になる味なんだからな!
「二人で行くか?」
コイツと一緒か?う~ん、悩むなぁ。面倒なことは丸投げするのはありだが、女性は総取りしそうだ。
「いいじゃないか。どうせ、出来ないんだから」
そうなんだけど…
「転生したあの世界も、どこかの世界のVR世界かな?」
「可能性はあるなぁ。現実ってなんだ?現実世界とVR世界の違いは、外から見ないと区別は出来ない。生きている奴らには、判別は無理だよ」
そうなんだけど…はぁ~。コイツ、女体関連以外は現実主義者だよな。
「女体はロマンだよ。そこに夢を見ずして、どうするんだ?」
さすがエロ神だな。今後、どうするかな?