※この作品はR-18です。

異世界で出会いを求めるのは間違っているだろうか   作:もっち~!

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商談 Part2

---シュウ---

 

爵位持ち故、この街の太守様へご挨拶にいかないといけないらしい。で、この街の太守、アシネン侯爵は婿養子なので、継承権を持つレーテル・アシネン侯爵夫人への挨拶をすることになった。

 

「手土産が必要ですよ」

 

っと、リーン。

 

「どんなのがいいんだ?」

 

「宝石とか貴金属で出来たアクセサリとかです」

 

う~ん…あぁ♪

 

「希少価値の物ならいいのかな?」

 

手元に鼈甲で出来た櫛と象牙出来たかんざしを転移させた。

 

「櫛と、これは何ですか?」

 

セーラが訊いて来た。

 

「これはかんざしと言って、髪飾りの一種だよ」

 

この世界にかんざしは無いのかな?なら、物珍しさはあるか。

 

「あと、これもお持ちください」

 

エリザベスが、珊瑚でできたブローチを持って来た。

 

「この3点で大丈夫かな?」

 

「えぇ、貴重な材質ですから」

 

リーンのお墨付きを貰った。次に問題になったのは服装である。普段着と戦闘用の装備しか、みんな持っていない。

 

「フィア、彼女達に合うドレスをイメージしてくれ」

 

「はい」

 

フィアのイメージした物を創造して、彼女達に『着衣』させた。

 

「私までですか?」

 

ゼナが驚いている。

 

「士爵家ですよね?」

 

照れているゼナ。かわいい…娘としてだけど。

 

「シュウ!あなたもよ!」

 

フィアに怒鳴られた。えっ!僕も?

 

「何を着ればいいんだ?」

 

「一番、良い物よ。そうねぇ~、王の間で着ているあれは?」

 

金糸と銀糸で編み込んだローブか?裏地が紅の漆黒のマントを着けて…ラスボスでは無いのか?試着をしてみんなに見せた。

 

「え?!それって金糸ですか?高そう…」

 

「漆黒のマント?一体いくらするんだ?」

 

妙に高額な出で立ちらしい。

 

「それで行ってきなさいね!」

 

これがフィアの趣味らしい。ファッションについて反論出来るほど興味が無いでの、これで出向くことにした。

 

外へ出ると、立派な馬車が待っていた。レンタルか?いや、あの馬は見覚えがある…姫とマッチーの予感…姫とはケンタウロスで、マッチーはデュラハンである。馬化することで、僕と旅する楽しみを覚えた仲間達である。

 

「団長♪」

 

僕の親衛隊の隊長であるファルコンが声を掛けてきた。

 

「やっと、来られました。遅れて申し訳ありません」

 

親衛隊のメンバー全員が、僕に跪いた。

 

「いや、来なくてもいいのに…」

 

この世界のパワーバランス的に、コイツらがいるとつまらない気がする。前衛は全員、神を一太刀で殺せる技量持ちであり、中段は魔王クラスなら殺せるし、後衛はチートと呼ばれるレベルだと思う。

 

「そうもいきません。団長への忠義、果たさせてください」

 

いや、そういうのは…馬車へ僕とリーン、セーラ、ゼナが押し込められた。リーン達は護衛では無く、爵位持ちの家出身って括りらしい。

 

冒険者の集まる街なのに、一際凶暴なオーラを纏う戦士達に囲まれて、目的地へと移動した。街行く冒険者達が震えてみている。身震いってやつだろう。人間にとって、本能的に恐怖を感じる存在が多いし。

 

-------

 

目的地、アシネン侯爵邸に着いた。馬車を降り、セーラをエスコートするように、屋敷に入っていった。リビングへ行くと、高圧的な雰囲気を纏っている女性と、マスオさんのような男性がいた。侯爵夫妻かな?

 

「この度、この地へまいりましたシュウ・ヨハネ・鬼門です」

 

リーンとゼナが夫人付きのメイドへ手土産を差し出した。

 

「ご趣味に合えば幸いです」

 

うん?見た目とは違う心が垣間見えた。彼女の望むこと…う~ん。

 

「レーテル様、シーナ様の元へお連れください」

 

侯爵夫人が驚いた表情で僕を見た。

 

「テニオン神殿の巫女長より、あなた様のことを聞いております。一緒に来て下さい」

 

夫人に、彼女の娘さんの部屋へ連れて行かれた。見るからに病弱である。土色の顔色…どうするかな。うん?巫女長から聞いていた?何かのネットワークがあるのか?

 

「リーン、ゼナ、この部屋に誰も入れるな!」

 

「「はい!」」

 

部屋の外で、二人に見張って貰う。

 

「どんな治療をされていますか?」

 

「この薬を服用させております」

 

う~ん、胡散臭い薬である。偽薬ではないけど…

 

「この子は治りますか?」

 

先程まで見せていた高圧的な雰囲気はもうない。子を想う母の顔になっている。

 

「これから診察して、簡単な治療を施してみます。その後、3日ほど様子を見て、方針を決めたいです。どうでしょうか?」

 

「はい、お願いします」

 

夫人が僕に跪いて祈りを捧げている。その祈りはこの世界には無いはずの祈りであった。なぜ?

 

「この世界にある、古くからの家系にだけに、伝わる教典があります。我らの名の無き主さま♪」

 

えっ!巫女長…おぃおぃ。テニオン神とは違う宗教を信じていたのか?

 

「表立っては敬えませんが…私達、ごく僅かな信者がおります。どうか娘をお願いします」

 

あぁ~…ファルコン達は過去に遡って、歴史を弄ったのかもしれない。はぁ~。

 

「わかりました」

 

「供物は…ご希望の物をご用意いたします」

 

「要りません。子を想う母の気持ちを、供物として受け入れます。治療が終わるまで部屋を出て行ってくれませんか?」

 

「わかりました」

 

夫人が部屋を出て行かれた。必要な仲間を強制転移させる。エリザベス、白音、めっちんだ。

 

「セーラは神託に耳を傾けてくれ。白音は、瘴気を浄化、気を調節して、循環器を修復してくれ。エリザベスは体力の向上、消化器官の修復だ」

 

皆頷き、指示の通りの行動を始めた。そして、めっちんと相談。

 

「ビタミン不足と繊維質不足のような気がするんだよ」

 

「好き嫌いが激しいんだろうね。貴族の子供だし。青汁で様子見で良いと思うわ」

 

リザ達と同じ対処で良いのか。

 

「問題はこの薬だけど…」

 

「蓄積した何かが毒になっている感じだわ」

 

めっちんが、魔導書を片手に持ち、呪文を唱えて、患者から毒を抜いていく。あぁ、顔色が良くなって来た。もう一人呼ぶか。チェインを強制転移させた。だけど…

 

「えっ?!仕事なんれすか…」

 

ヨッパだった…はぁ~。

 

「めっちん、悪いけど、このヨッパからアルコールを抜いて!」

 

「了解♪」

 

めっちんが魔導書を片手に呪文を唱えた。

 

「あぁ、楽しい時間がぁぁぁぁ~!」

 

素面に戻って落ち込むチェイン。

 

「仕事だ!この子の身体をスキャニングしてくれ」

 

「はい…」

 

チェインが患者の身体を何回か素通りしていく。

 

「神経に何かがいて神経信号をブロックしています」

 

「取り除いてくれるかな?」

 

「あぁ、はい…」

 

酔い醒めしたチェインのテンションは低い。

 

目の前にいるシーナ・アシネンは、寝息を立てて、静かに安眠し始めた。血色も良くなり、強張っていた筋肉も弛緩している。

 

「ゼナ、夫人を呼んでくれ」

 

ドアの外に待機しているゼナに声を掛けた。しばらくすると、ゼナと夫人が入室してきた。

 

「シーナ!」

 

子供に縋り付く夫人。夫人に青汁の粉末を1週間分手渡し、朝夕に飲ませて貰うように伝えた。

 

「じゃ、撤収するか。そうそう、仲間の酒好きが、この地の酒を飲みたいみたいなんだよ」

 

と最後に独り言を言って、住処へと戻った。その夜、夫人から酒樽が2つ送られてきた。チェインとめっちん、エリザベスなど、酒好きを酒で労う僕。

 

 

 

---サトゥー---

 

エルフの里に着いたのだが、アイツのことを話して貰えない。

 

「アイツはここへ何をしに来たのですか?」

 

「個人的なことだ。もう詮索をしないでくれるか?」

 

「アイツは危険人物ですよ」

 

「誰にとってだ?」

 

エルフはアイツを擁護したいようだ。何故だ?

 

「サトゥー、分からず屋なんか、力でねじ伏せてしまえよ!」

 

カリナが攻撃的になっている。手を出したら負けだ。

 

「今度は何だよ?」

 

突如、聞こえて来たアイツの声…

 

「シュウ様…すみません」

 

応対していた男のエルフが、アイツに頭を下げている。

 

「アーゼからエマージェンシーコールで、急いで来てみたのだが…あれ?ヤリ逃げイチロー先輩じゃないですか♪」

 

コイツ…言い方にトゲがあり過ぎる。

 

「貴様!」

 

カリナが襲い掛かった。

 

ズゴッ!

 

アイツの拳がカリナの鳩尾にめり込んでいる。その場に崩れていくカリナ。

 

「相変わらず、暴力的な女だな?これがお前の好みか?なるほど…ゼナには無い爆乳持ちが好みだったのか。ゼナにはそう伝えておく。で、どうしたんだ?」

 

エルフ達から事情を訊いているアイツ。

 

「はぁ?僕がこの地で何をしようと、イチロー先輩には関係無いでしょ?」

 

「お前!何を企んでいるんだ?」

 

ミトが訊いた。

 

「あぁ、後輩氏、毎晩、先輩を抱いているか♪」

 

真っ赤な顔で俯いたミト…

 

「そうだ、シュウ、取引をしたい」

 

「取引?それをする為に、ここでトラブルを起こしたのか?おいおい、呼ぶ度にトラブルを起こすなよ。僕もそんなに暇では無いんだよ」

 

「ゼナさんとアリサをトレードしたい」

 

「断る」

 

即答だ…

 

「お前はゼナの立場を知っていて、彼女を抱いた。その後、ゼナと話し合うなり、お前がベルトン子爵に説明するなりして街を出れば良かったんだ。そうだろ?予定の無い旅なんだから、急いで出発したお前の気がわからない」

 

言いたいことは分かっている。俺が悪かったんだ。あのまま、ズルズルとあの街にいそうな気がして、予定通りに旅立ってしまったのが原因だよ。だから…

 

「だから、なんだ?もう、ゼナは士爵家の家族としていられない。もう人間では無いからな。で、取引なんだが、ナナとアリサを交換でどうだ?ナナならEカップだから、お前の好みに合致するはずだ」

 

えっ!Eカップ…妄想してしまった俺…負けが決まった瞬間である。

 

「じゃあ、そういうことで」

 

アイツが転移アウトすると、僕達はオーユゴック公爵領の関所前に強制転移され、アリサのいた場所には爆乳の女性がいた。

 

 

 

---アリサ---

 

え?知らない館の中に転移した私。知らない女性達が、酒樽を囲んでパーティーをしている。

 

「アリサ♪」

 

え?ルルが抱きついて来た。見違えるように生き生きして、かわいくなっている。

 

「お前の『強制』は『無価値』にした。もう、奴隷では無い。ルルの妹として生きろ!」

 

アイツが醒めた目で私を見ながら言った。

 

「ここは?」

 

「迷宮都市にあるシュウ様のお屋敷です」

 

ルルが答えてくれた。お屋敷?コイツ、何者なんだ?

 

「アリサと同室にしてもらいました♪」

 

部屋を貰っているの?どんな待遇なんだ?

 

「ナナと交換でガキか?」

 

ガキ呼ばわりされた。あの女は誰?

 

「ルルの妹だよ。姉妹は一緒が良い。それに、ナナは僕の好みでは無いし。胸がデカ過ぎるんだよな」

 

えっ?!アイツ、ペチャ好きなのか?

 

「ナナのオーナー欄を鈴木一郎にして、渡してきたよ」

 

「まぁ、お前にはアーゼ様がいるしな」

 

拗ねるように言い放った女性。

 

「リーン、嫌いじゃないよ」

 

その女性と抱き合って…濃厚な口付けをしている。なのに、回りの女性達は、何も言わずに、平然としている。なんだ?この館の女性達は?

 

「ルル、アイツに何もされていないわよね?」

 

「たまにご寵愛を頂きに、寝床に行きますけど…」

 

え?

 

「私なんかをかわいいって言ってくれるし、抱き合っているだけで良いって…とっても優しい方なんですよ」

 

なんか、しばらく会わない間に、大人になっていたルル。

 

「たぶん、アリサは娘枠だから、相手にされないと思いますよ♪」

 

自信なさげだったルルが、勝ち誇ったように私を見た。屈辱だよ。

 

「今後はどうされますか?」

 

知らない男性がアイツに声を掛けた。

 

「リザ達と潜るかな。ファルコン達は情報収集を頼む」

 

「わかりました」

 

情報収集?何のだろうか?

 

 

 

---サトゥー---

 

気持ちいい…なんだ、この感触は…大きいのに垂れずに、形が良い。顔を埋めると至福な気分に浸れる。

 

取引は成功なのだろうか?

 

「その子、ホムンクルスだよ」

 

隣に寝ているミトが指摘した。そうだね。ステイタスにそう表示している。オーナー欄には鈴木一郎とあるし。う~ん、シュウに負けたのか…

 

「まぁ、結果的にアリサは姉の元に行けたのだから、良しにするとして、その子に溺れるのはどうかと思うんだけど」

 

まぁ、そうだよな。ミトとカリナの立場が…

 

「もっと言うとパーティーバランスは最悪だよ。全員前衛だし」

 

戦士1、チーター2、ホムンクルスが2だものな。

 

「アイツのパーティーはどんな感じだろうね?」

 

パーティーを組む必要が無い気がする。それ程に、強いアイツ。単体で魔王を灰にする、あの能力はなんだ?

 

そうだ!アリサにメッセージが送れる筈だ。

 

『そっちはどうだ?』

 

メッセージを送信した。

 

『カルチャーギャップ中…ルルに負けたのがくやしいです…』

 

なんか、凹んでいるアリサ。

 

『どうしたんだ?』

 

『ルルが大人の女性になっていたの。うっ(TT)』

 

泣いているようだ。

 

『で、アイツは何者だ?』

 

『爵位持ちだって。その上、現国王の孫娘二人を愛人に置いている。よくわからんヤツだよ』

 

国王の孫娘二人を愛人に?

 

『正妻は誰だ?』

 

『ハイエルフ様らしい』

 

ハイエルフを正妻に、国王の孫達は愛人枠?なんだ、それ?

 

「ミト…アイツの正妻はハイエルフだそうだぞ」

 

ミトの顔から血の気が失せている。

 

「それって…やはり、そういうことなんだ…イチロー兄ぃ、アイツを敵にしちゃダメだよ」

 

「どういうことだ?」

 

「この世界のハイエルフは、神の結婚相手として、創造されているんだよ。で、そんな彼女が正妻ってことは…」

 

アイツは神ってことか…

 

 

 

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