「ふぅ…今日もようやくおわりね」
六時間目終了のチャイムが鳴り響くと同時に、久は大きく伸びをする。
「さてと。和たちはもう来ているかしら…」
ほかの生徒たちが思い思いに会話に花を咲かせているのを横目に、素早く帰り支度を終わらせて部室へと向かう。
久の足取りは軽かった。
新しく入部してくれた一年生たちがいてくれたこと。
それが予想をはるかに超えて優秀だったこと。
ずっと夢見ていた全国への道ができたこと。
長い間分の悪い待ちを続けていた竹井久にとって、それが心躍らないはずがなかった。
「(ようやく見えてきた全国への道.…。まずは予選を勝ち抜くためにみんなのことをよく知らないと)」
まだ授業終わりすぐで生徒の少ない廊下を抜け、部室の扉を開ける。
すると、そこには一人で卓の準備をする綾斗がいた。
「あ、お疲れ様です部長」
「あら、綾斗ひとり?」
「はい。まだ皆来ていないみたいですね」
部室にポツンと置かれた麻雀卓を綾斗は手際よく準備していく。
「いつもいつも悪いわね…」
「え?…どうしたんですか急に。怖いんですけど…」
久から出た言葉がよほど意外だったのか、綾斗は軽くひきつった顔になる。
「失礼ね…。私だってちゃんと感謝の気持ちは持ってるし、それを伝えることだってできるのよ?」
いつもいつも、自分のやることに文句は言いつつもちゃんとついてきてくれる。
久にとって綾斗がそばで様々なことをしてくれるのはもはや当たり前のことになっていた。
けれど、それが当たり前ではないことを久は理解していた。
「まぁ、特別何があったというわけではないけれど…、たまにはね…ちゃんというべきことは言っておこうと思って」
理解しているからこそ、時折ふとした時に感謝を伝えることがどれだけ大事かもわかっていた。
「…なるほど。それじゃその言葉ありがたく受けとっておきますね」
そして、綾斗のほうも久がこういうことを大事にしていることを理解していた。
お互い素直ではなく不器用ではあるが、これはこれでうまくいっているのがこの二人の関係性だった。
「よし。卓の準備できましたよ」
「ありがとう。はい、飲む?」
卓の準備を終わらせた綾斗に、久が両手に持っていたコーヒーカップを片方手渡す。
「いただきます」
淹れたてのコーヒーの香ばしい香りが心地よい。
ひとくち口に含むと、口いっぱいにコーヒーの香りとほろ苦さが広がる。
「熱っ…」
勢いよく口に入れすぎたせいで軽く舌を火傷したように感じる。
「もう、ちゃんと気を付けて飲みなさい。ほら、みせて?」
久は綾斗に顔を近づけ口の中を見せるように言い寄る。
「いや、ちょっと、部長。なにいって…」
「いいから。口、見せなさい」
久の声には有無など言わせないという力強い意志が見える。
じりじりと壁際まで追いつめられた綾斗は、久によって壁に押し付けられる。
綾斗の口に久の指が軽く触れる。
「部長…なにを…」
「なーんかスイッチはいちゃった」
いたずらっぽくにやにやと笑みを浮かべながら、久は綾斗の唇を指先でくすぐるように弄る。
その指は徐々に艶めかしくなっていく。
中指で上唇を軽く持ち上げるようにし、あらわになった唇の内側を人差し指で撫でる。
「っ…」
もどかしくむずがゆい刺激が綾斗の体をこわばらせる。
声を出さずに久の指先に耐える綾斗の目は、次第にいつもとは違ったものになっていく。
久にはそれが、続けてもかまわないということだとわかっていた。
「ねぇ、綾斗。口開けて?」
ここぞというばかりに今までとは打って変わって優しく囁く。
綾斗はそれに応えるように、ゆっくりと久に見えるように口を開く。
それを覗き込むように久は顔を近づける。
「んー、やっぱりやけどしてるわね。ちゃんと冷やさないとね」
そういうと久は手元にあったペットボトルの水を口に含むと、綾斗の顔に手を添えて口移しで水を流し込む。
「んっ、んん…んふぅ…」
唇が重なると久は綾斗の口内のやけどした部分に舌を這わせる。
それに反応して綾斗の顔が少し痛みを感じた表情になる。
「んん…んふぅ、んっ」
お互いの口の中で水と唾液が混ざり合いぴちゃぴちゃと音が響く。
久の舌と綾斗の舌が絡み合うたびに、ふたりはお互いの体を確かめるように抱きしめる。
口の端から水が零れだすことなど気にもせず、ふたりは唇を重ねる。
「んっ、んあ…、はぁはぁ…」
息が続かなくなり口を離す。
久は口を袖で拭い息を切らしている綾斗の顔にやさしく触れる。
「これで少しは冷やせたかしら?」
「はぁはぁ、どうですかね…」
立っているのもやっとの様子で綾斗は隣のいすに腰を下ろす。
完全に力が抜けきり椅子にもたれる綾斗の前に久が見下ろす形で立つ。
「まぁ、こんな程度で冷やせてるわけないから…」
綾斗の全身を嫌な予感が包む。
「上向いて口開けなさい」
綾斗の顎を掴みやや強引に上を向かせる。
いわれるがままに綾斗が口を開く。
「そうそう。いい子いい子…。くちゅくちゅ…んあぁ」
口を開かせると久は自分の口の中に唾液を溜め、それを開かれた綾斗の口へと垂らす。
久の口から垂らされた唾液は綾斗の口の中へと流れ込む。
「ふふ、おいし?」
からかうような表情で久は座る綾斗の膝の上に乗る。
向かい合って重なって座る体勢になったことで、綾斗の膨れ上がったものが久の太ももに当たる。
「ねぇ、さっきから当たってるわよ?これ」
「ごめんなさい、部長…。」
度重なる久の戯れで綾斗のものは制服の上からでもわかるほどに膨れ上がっていた。
「もう…いいわ。まってて、すぐにらくにしてあげるから」
そういうと久は綾斗のズボンのチャックを下ろし、そのままパンツからそれを取り出す。
衣服によって押さえつけられていた綾斗のモノは久の指に触れるとビクンと跳ねる。
その反応が面白いのか久は、指先で焦らすように全体を撫で回す。
「あっ、部長…くすぐったい」
「なぁに?もうしごいてほしいの?」
「…もう、限界…お願いします…」
「はいはい、力入れないで楽にしててね」
向かい合い重なって座ったそのままの体勢で久は綾斗のモノを掌で包み込みゆっくりと上下に動かし始める。
肉棒全体をやさしく握り、綾斗の反応をうかがうようにゆっくりと動かすと、綾斗はもどかしそうに腰をもぞもぞと動かす。
だんだんと久の動かす手が早くなり、リズミカルに動かされる。
「こんなのはどうかしら…」
跨っている状態で、久はしごきながら自らのタイツにガチガチになった綾斗のをこすりつける。
すべすべしていて少しざらついているタイツの感触が、綾斗に手とは違う刺激を与える。
自分に跨ってタイツにこすりつけてしごいている久、という光景が綾斗には一番の刺激であり、どんどんと理性が奪われ、頭が久のことで埋められていく。
「部長っ…それ、やばいです…」
「綾斗は本当タイツ好きね…そんなに私のタイツにこすりつけられるのが良いのかしら」
徐々に先から出てきた液体が滑りを良くさせ、タイツと腰れるたびに先端に熱が集まる。
「そろそろかしら…。もう出そう?」
様子を窺うように綾斗の目を見つめて尋ねる久。
もうとうに限界が来ていた綾斗はただただこくんとうなずいた。
それを確認した久はさらにしごく力と速さを強くし、ラストスパートというかのように両手を使い激しく責め立てる。
先走りで全体が濡れ、にちゃにちゃと卑猥な音を立てながらしごかれる綾斗は、気が付けば声を殺しながら必死に久の体に力強く抱きつき絶えず与えられる快感に耐えていた。
久がおもむろに綾斗の耳元に口を寄せる。
「いつでもイッていいわよ…」
今までにないやさしい声色で久は綾斗にそっと囁く。
それを聞いた瞬間綾斗の抱きつく力が一瞬強くなり、次の瞬間。
ビュッ、びゅるる。
久の掌に綾斗のが吐き出された。
「あらぁ…ずいぶん出したわね…。気落ち良かった?」
「はぁはぁ…はい…」
息も絶え絶えに綾斗はなんとか答える。
「それならよかったわ。みんなが来る前にちゃんとイケてよかったわね」
綾斗には久の言葉の意味がよくわからなかった。
「イク前にみんなが来ちゃったら明日までお預けにするつもりだったのよ♪」
「ほんとにこの人は…」
そのあとの、それはそれで面白そうね…今度やってみようかしら、という久の言葉を綾斗は認めないといわんばかりに聞こえないふりをしていた。