主人公:オリジナル ひふみの一期後輩
数話ほど続く予定です。
NEW GAME!ー滝本ひふみ・いつもの居残り、いつもと違う居残り
「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様ですー」
就業の時刻を迎え、各々本日の仕事を終えて帰り始める。
が、優の前にはまだたくさんの資料が溢れかえっていた。
仕様変更に伴う仕様書の作成。
各部署への要請資料のまとめ。
予算確認。
スケジュール調整、etc…。
納期まではまだまだ期間はあるのだが、優はなるべく早めに多くのことを終わらせてしまいたいと考えていた。
後にどうせ、突然の仕様変更やマイナーチェンジ等が葉月さんからくることはもうすでにお約束になっていることを優はわかっていた。
それ故の、自主的な仕事の大量消費なのである。
「あ、優さん。お先に失礼しますね」
「青葉、お疲れ様―。気を付けて帰りなー」
「優さんも、ちゃんと遅くなりすぎる前に帰らないとだめですよ?」
青葉は優に声をかけると次にひふみへと声をかける。
「ひふみ先輩っ、まだ帰らないんですか?」
「う、うん、もう少しだけやることあるから…。青葉ちゃん、気を付けてかえってね」
「そうなんですか、ひふみ先輩も無理しないでくださいね。それではお二人ともお疲れ様でしたっ」
いつもとかわらない元気な姿で青菜は会社を後にする。
「ひふみさん、青菜はすごいですね…。出社した時と変わらないテンションで退社していくとか」
「そうだね…、青葉ちゃんはいつも元気だから」
「もう青葉が入社してから一年以上たちますけど、ひふみさんから見て青葉はどうですか?」
優はパソコンと向き合い仕事を処理しながらひふみへと尋ねる。
「青葉ちゃんは…いつもがんばってるよ…。新しい仕事も、覚えるの早いし…やりたがってたキャラデザも…すごく頑張ってる」
パソコンで3Dモデルと向き合いながらひふみは答える。
「そうですか…。誰から見ても青葉は頑張ってるとわかるくらいですからね。実際、青葉がきちんと仕事ができるようになってからキャラ班の仕事が前よりも楽になってますしね」
「うん…私たちもがんばらないと…」
そういうとひふみは気合を入れた様子でパソコンへと向かう。
それにならうように優も仕事を進めていく。
いつの間にかフロアは優とひふみだけになっていた。
カタカタとキーボードをたたく無機質な音と空調の雑音だけが室内に響く。
ふと優は時計を見る。
時刻は22時45分。
「(ふぅ…。やっぱり静かなほうが集中できるな)」
あれだけあった大量の書類を残り数枚まで減らした優は、大きく体をそらして伸びをする。
ちらっと横目でひふみをみるとまだパソコンの画面と向き合っていた。
帰る前にコーヒーでも一杯飲んでいこうと思い、ふたつのマグカップをもって給仕室へと向かう。
「(ひふみさんは緑茶っと…)」
いろいろなお茶や紅茶のパックが詰まっている小さなバスケットから、緑茶を選び暖かいお湯を注ぐ。
緑茶が入った二つのマグカップを持って給仕室を出てデスクへと戻る。
ひふみは依然としてパソコンとにらめっこを続けていた。
「お疲れ様です、ひふみさん」
驚かさないように細心の注意を払いながら優はひふみへと声をかけ、マグカップを差し出す。
「あ、ありがとう」
驚いた様子はなく差し出されたマグカップを受け取るひふみ。
「熱いのでお気をつけて」
「うん」
うなずくとひふみは、両手でしっかりと包み込むようにカップを握りふーふーと緑茶を冷まし、カップに口をつける。
優のほうはあまり冷まさずに熱々のままで口をつける。
疲れ切った体に暖かく優しい緑茶の香りとうま味が染み渡る。
「夜中のお茶ってなんでこんなにおいしんですかね…」
「そうだね…、特別おいしく感じる…かも」
一口飲み終えほっと一息をつくひふみの表情を見て、優はほっと一息つく。
もう何度も経験している二人での居残り作業恒例のお茶タイム。
いつしか優にとってこの時間が大きな癒しの時間になっていた。
優がお茶を持ってきたらその日の優の仕事は終了、それに伴いひふみも仕事を切り上げる、そういう暗黙の了解が二人の間にはあった。
どちらが言い出したわけでもなく二人で居残り作業をしていくうちに、自然とそうなっていた。
帰り支度をしながらひふみが優に話しかける。
「さっきのつづきだけど…、青葉ちゃんはすごく頑張ってるよ…」
少し誇らしげに見える表情でひふみは語る。
「でもね…、だから心配…かな」
少し不安げな表情になりひふみは続ける。
「心配ですか?」
「うん、頑張りすぎてないかなって、たまに思う…。無茶してる部分、きっとたくさんあるはず…。なんとなくそんな気がしちゃうなって」
確かにまわりから見ても青葉は頑張っている、それはだれが見ても間違いない。
それは優でなくともひふみでなくとも思うことだろう。
けれど、頑張りすぎている。
無茶をしている。
そのように見えるではなく、そうだろうとひふみは確信していた。
そのことの意味を、理由を優は理解していた。
かつての滝本ひふみが、誰にも言えず誰にも分ってもらえずにいたモノを。
「それはひふみさんだから気付けることでしょうね。普通の人にはなんかそうなんじゃないかなー程度にしかわからないことでも、ひふみさんなら理解できる」
優の言葉にひふみは耳を傾ける。
「あの頃のひふみさんがあったから、今こうして青葉のことにきちんと気付けるんですよ」「ひふみさんはなんとか耐えられたみたいですけど、青葉はまだそれほど強くない…。これから先のことを考えると今ちゃんとケアしてあげたほうがいいでしょうね」
「うん、だから優君が青葉ちゃんのことちゃんと守ってあげてね…」
そうやさしく微笑むひふみに対して、優はひふみと目線を合わせるようにかがむ。
「もちろん俺もやりますけど、ひふみさんも一緒に青葉を守ってあげるんですよ」
ひふみの両手を握りやさしく諭すように告げる優。
「…っ、あっ…うん…。わかった…」
優と目も合わせずにうつむき弱弱しく返事をするひふみは、心なしか耳が少し赤くなっていた。
「ありがとう、優君…。わたし頑張って青葉ちゃんの力になれるように頑張る」
「はい、少しずつ一緒に頑張っていきましょう」
……………。
「………」
「………」
暗闇のフロアがさらに沈黙に包まれる。
お互いなんかいいことを言った後なので次の言葉が出てこない。
ふたりの間になんとも言えない時間が流れる。
…………。
沈黙に耐えかねたのかひふみが重々しく口を開く。
「あ、あの…優君」
「な、なんでしょうか」
一呼吸おいて意を決したようにひふみが優に告げる。
「あ、あのね…前から、ずっと思ってて…言えなかったんだけどね、えっと…その…」
ひふみは言葉に詰まりながらもなんとか思いを口にする。
「…抱きしめて、欲しい…です」
……………………。
一瞬時が止まったように感じた。
優には今のひふみの言葉が瞬時に理解できなかった。
ひふみの言うことはたいてい理解できる優が、その言葉を理解するまでにはしばらく時間が必要だった。
「えっと…それは、その…そのままの通りで受け取っていいんですよね?」
優は自分でもわけのわからないことを口走っていた。
「うん…はずかしいから、聞き返さないでほしい…」
まったくその通りである。
ひふみからのそんなお願いや思いは聞いたことがなかった優は、ひどく動揺する。
伝えるだけ伝えたひふみは、しばらくの間お預け状態になっていた。
しばらく無言の時間が続くと、大きく深呼吸をしてひふみの目をまっすぐにみて告げる。
「ひふみさん」
「は、はい…」
ひふみの目を見て名前を口にすると、優はゆっくりとけれどもしっかりと力強く、ひふみを抱きしめる。
「〇×△□◇▽!?」
ひふみは言葉にならない音で声を漏らす。
しばらくじたばたともがいていたが、やがて静かになり優に完全に体を預ける。
かつては見ていられないほどに弱弱しかったひふみの体を、今は確かな強さと、少しばかりの勇気と、あふれるほどの幸せと一緒に、優はしっかりと抱きしめる。
暗闇のオフィスに暖かな時間が流れる…。
一瞬のようで永遠のように感じられた時間から、ふたりはようやく戻ってくる。
「優君…く、くるしい…」
「ご、ごめんなさいっ」
体を離しまっすぐにひふみに向き合う。
まだほわほわとしているひふみに優ははっきりと思いを告げる。
「ひふみさん、好きです」
「っ……!」
突然の言葉に驚きを隠せない様子のひふみの手をしっかりと握る優。
あわあわと慌てふためくひふみをただただ待つ。
両手を通じてひふみの熱が優に伝わる。
落ち着きを取り戻したひふみは、優の手を握り返す。
「わ、わたしも…あのね…すき…だよ」
目が合う。
恥ずかしがり屋、照れ屋のひふみがきちんと目を見て言ってくれたことが、優は心から嬉しかった。
長い間そうならなかったことが不思議なほどだった二人が、ようやくお互いの気持ちを伝える。
本当は二人ともわかっていたのかもしれない。
自分がこの人のことを好きだということ。
相手がきっと自分のことを受け入れてくれること。
わかってはいたが踏み出せないでいた。
今の関係が心地よいことも、それが壊れてしまうのを恐れていることも、二人には共通していた。
「ひふみさん顔あつい」
優はひふみの顔に手を添える。
「ひふみさんが踏み出してくれたから、伝えられたんです」
今の関係が壊れてしまうことを恐れながらも、それでも一歩踏み込んでくれたひふみのおかげで優はようやく伝えることができた。
「情けないですね…、」
「ううん…そんなことないよ。わたし、先輩だから…わたしから言わなきゃなのに…」
先ほどの突然の要求はひふみなりの年上としてのリードだったのかもしれないと、優は思い返す。
「それなら素直に言ってくれたら良かったですよ?」
「むむむむりだよっ、恥ずかしいし…」
髪をいじりながらうつむき加減に顔を隠す。
優はひふみの顔をこちらへ向けさせ、ひふみの唇へ自分の唇をゆっくり重ねる。
「んっ…」
はじめは驚いたような反応を見せるひふみだったが、次第に受け入れるように優の口へと舌を入れ、優の舌を自分の口内へと誘う。
「ん、んふ…んあ」
お互いに相手を確かめるように、探るようにやさしく舌を絡ませる。
ひふみは立っていられなくなり、デスクのうえに腰を掛ける。
優は唇を重ねたままひふみへ覆いかぶさるような体勢になる。
「はぁはぁ…」
長いキスから解放され息を切らすひふみは、優の手を持ち自分の胸へと持ってくる。
「ひふみさん…?」
「優君…していいよ?」
優の中の何かが外れた音がした。
ひふみの胸に手を置くと服の上からでもその柔らかさがわかる。
「…すきなようにして、いいからね?」
「は、はい…」
服のボタンを下からひとつずつ外していく。
ボタンが一つ外れるたびにひふみの白く透き通った肌があらわになる。
「っ………」
ボタンをすべて外し服をはだけさせられたひふみは、手で顔を隠し必死に恥ずかしさに耐えている。
その様子がまた優をあおる。
かわいらしいピンクのブラジャーに包まれた豊満なふくらみに手を伸ばす。
「んんんんっ」
恥ずかしさのあまり声が漏れだすひふみ。
優はブラの上から持ち上げるようにやさしく胸を揉む。
「んっ…」
「(あ、声がなんかかわった…)」
ひふみから漏れる声色が先ほどとは違ったものになる。
ひふみの反応を確かめながら優は、左手で包むように揉み、右手は指で胸の周りを円を描くようになぞる。
時たま指が乳首の部分に触れるとびくっと体を震わせる。
「あっ、んんっ…(これ、くすぐったくて、もどかしいけど…きもちい…)」
ひふみは体をもじもじさせながら優の愛撫に身を任せる。
優は左手を胸からはずし、ひふみの耳へと指を這わせる。
「ひゃあっ!…耳は、だめ…」
ひふみの全身がこわばる。
優の指が耳の形に添って全体を撫でる。
右手ではかわらずブラの上から乳首をこすったりくりくりしたりと愛撫を続ける。
「あぅ…んっ、あっ…まって、だめっ、もう…」
ひふみが優の体に力強く抱きつくと。
「んんっ…!んあっ…」
全身をビクンっと跳ねさせてぐったりと優にもたれかかる。
「ひふみさん…大丈夫ですか?」
優は心配そうに尋ねる。
「う、うん…大丈夫だよ。ちょっとびっくりしちゃっただけだから…」
優にくっついたまま余韻にひたるひふみは、スカートの上から股のあたりを押さえている。
「もしかして…イっちゃいました?」
「っ!?…ううううううぅぅぅぅ」
涙目になりながら優をポコポコとたたくひふみは、恥ずかしさで死んでしまいそうだったが、どこか満ち足りた表情にも見えた。